ワークフローシステムは、人事部門や経理部門などで使われるシステムです。たとえば、入社申請を処理する場合、申請者がワークフローシステムで承認依頼を出し、管理者が承認・差し戻し・否認します。
全ての手続きがオンラインで完結するため、手間のかかる申請承認業務を効率化することが可能です。本記事では、ワークフローシステムの特徴や主な機能、導入するときの流れをわかりやすく解説します。
目次
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」
などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。
①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる
②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる
③稟議の紛失リスクがない
ワークフローシステムが自社の課題解決につながるかどうかを知るためには、まずワークフローシステムが何かを知っておく必要があります。ワークフローシステムにご興味のある方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
1. ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムは、社内のさまざまな申請承認業務を効率化できるツールです。申請承認業務には、たとえば以下のような業務があります。
入社申請 |
新しく入社する従業員を承認するための手続き |
異動申請 |
従業員の希望を受け、異動を承認するための手続き |
退社申請 |
退社が決まった従業員の情報を登録し、人事データベースを更新する手続き |
稟議申請 |
稟議書を回覧し、管理者などから承認を得るための手続き |
有給申請 |
有給休暇の事前申請を受け、承認するための手続き |
残業申請 |
残業を事前に申請してもらい、承認する手続き |
経費精算 |
経費申請書を確認し、従業員が立て替えた経費を払い戻す手続き |
ワークフローシステムなら、こうした申請承認業務を一つのシステムでおこなうことが可能です。たとえば、入社申請を処理する場合、以下の流れで手続きが進んでいきます。
- 申請者が入社申請を作成し、入社する社員の情報を申請フォームに登録する
- 申請ボタンをクリックし、入社申請を送信する
- 承認者が承認待ちの入社申請を確認し、申請フォームの内容を確認する
- 申請内容に問題がなければ、記入欄に承認者の情報を登録する
- 承認ボタンをクリック(差し戻し/否認も可)し、入社申請を承認する
こうした手続きを紙の申請書類でおこなう場合、入社申請を回覧したり、承認者が記名押印をしたりする手間がかかります。ワークフローシステムは、手間のかかる申請承認業務を効率化し、人事担当者や管理者の負担を軽減するためのツールです。
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1-1. ワークフローを紙の申請書で進めるデメリット
ワークフローを紙の申請書で進めようとすると、手書き記入に時間がかかるのはもちろん、電卓を使うことによる計算ミスや、手渡しや郵送、押印の手間など、さまざまなデメリットが発生してしまいます。
また、承認がどこまで進んでいるかが可視化されにくいため、確認や催促をしなければならなくなったり、決済が遅くなったりといった可能性があることも大きなデメリットです。
1-2. ワークフローシステムを自作することは可能?
ワークフローシステムは、エクセルやGoogleスプレッドシート、Googleフォームなどで自作することも可能です。
しかしながら、これらの自作ツールでは、承認依頼の通知は配信されません。そのため、別途声がけをしたり、エンジニアにスクリプトを組んでもらったりといった手間がかかってしまいます。
ツールに詳しい担当者がいない場合は、システムを導入するのがスムーズかつ効率的な方法だといえるでしょう。
2. ワークフローシステムに搭載された機能
一般的なワークフローシステムには、主に以下のような機能が搭載されています。
- 各種申請
- 公開設定
- 承認ルート設定
- アラート機能
- 申請フォームのカスタマイズ
- レポート出力
- スマホ対応
それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。
2-1. 各種申請
入社申請や有給申請、残業申請など、各種申請をおこなう機能です。ワークフローシステムによっては、始めから申請フォームの項目が用意されているものもあります。用意されていない場合は自分で申請フォームを作成する必要がありますが、項目選ぶだけで済むなど、簡単に作成できるケースが多いでしょう。
2-2. 公開設定
ワークフローシステムでは、申請フォームの公開範囲や公開期間を設定することが可能です。公開範囲を個人、役職、部署などの単位で制限することで、情報漏えいを防止できます。
また、申請フォームごとに公開範囲を設定することで、対応が必要な申請フォームのみが表示されるため、管理画面がすっきりと見やすくなります。
2-3. 承認ルート設定
申請フォームごとに承認ルートを作成することができます。承認対象者の氏名や役職を指定し、承認が必要な順番にルートを設定することが可能です。
また、「全員の承認が必要」など、承認条件を設定することもできます。一度承認ルートを作成すれば、次回以降も同じルートで申請承認業務を進められます。
2-4. アラート機能
アラート機能は、ユーザーに通知やアラートを送信する機能です。たとえば、申請漏れや承認漏れがある場合、該当者の管理画面にアラートを送ることができます。
また、承認が必要な申請の件数をリアルタイムに表示することも可能です。
2-5. 申請フォームのカスタマイズ
ワークフローシステムのなかには、申請フォームのレイアウトを自由にカスタマイズできる製品があります。
たとえば、申請フォームにカレンダーを挿入したり、ラジオボタンやチェックボックスを使って見やすいレイアウトにしたりすることが可能です。
2-6. レポート出力
承認が完了した申請書のデータは、PDFファイルやCSVファイルなどの形式で出力することができます。
また、データではなく紙の書類で保管したい場合は、申請フォームをそのまま印刷することも可能です。自社の管理ルールに合わせて、データの出力方法を選べます。
2-7. スマホ対応
ほとんどのワークフローシステムは、スマートフォンでの作業に対応しています。スマホ対応のツールなら、外出先での空き時間などを利用し、いつでもどこでも申請承認業務をおこなうことが可能です。
テレワークやリモートワークを採用している企業や、営業社員など直行直帰が多い企業は、スマートフォン対応のワークフローシステムを導入しましょう。
3. ワークフローシステム導入のメリット
前述したように、ワークフローをアナログでおこなう場合、デメリットが多くあります。そのため、ワークフローシステムの需要が増加しています。
ここでは、ワークフローシステムを導入するメリットについて詳しく紹介しますので、チェックしておきましょう。
3-1. 意思決定を迅速にできる
ワークフローシステムによって、申請者・承認者・管理者は、申請の進捗状況が簡単に把握できるようになります。また、通知を送ることで、申請書の滞留を解消することも可能です。さらに、スマートデバイスに対応しているものであれば、どこでも承認や決裁ができるため、外出時でも処理の対応が可能です。
そして、代理承認機能のあるワークフローシステムを利用すれば、急を要する申請でも、臨機応変な対応ができるようになります。したがって、これまで以上に意思決定をスピーディーにおこなうことが可能です。
3-2. コストを削減できる
申請業務を紙媒体からシステムに変えることで、印刷代にかかるコストが削減できます。もちろんシステム上で手続きを完結させることができるとはいえ、社内規定や事務手続きの観点から、書類を印刷しなければならないこともあるでしょう。
しかし、ワークフローシステムの場合、必要な書類のみ印刷すればよいため、大幅なコストダウンが期待できます。また、紙媒体の場合、書類を保管する場所が必要となりますが、ワークフローシステムでは、システム上に保存されるため、保管場所は不要です。
余分なスペースを確保する必要はないので、オフィスを有効活用することができるでしょう。よって、ワークフローシステムを導入することで、場所にかかるコストも削減できます。
3-3. 業務の見える化・内部統制の強化を実現できる
ワークフローシステムを導入する場合、承認ルートの設定など、運用に関するルールを徹底していないとうまく活用することはできません。そのため、ワークフローシステムの導入は、社内ルールを整備することにもつながります。
また、紙管理では見えにくかった業務の流れを見える化し、業務改善を図ることも可能です。業務が整理されることによって、属人化を防ぐことができ、内部統制を強化することができます。
3-4. テレワークを推進できる
ワークフローシステムを利用することで、社外でも申請・承認・決裁の処理をおこなうことができます。これまでは、書類を処理するために、オフィスに出社しなければなりませんでしたが、ワークフローシステムによって、場所を問わず手続きができるようになります。
したがって、ワークフローシステムを導入することで、テレワークの推進にもつながり、さまざまな働き方に対応が可能です。
4. ワークフローシステムのタイプ
ワークフローシステムには、会社規模や目的に応じたさまざまなタイプが存在します。導入することで何を簡略化したいか、解決したい問題は何かを検討したうえで、自社に合ったシステムを選びましょう。
4-1. 中小企業向け
承認・決済のおこなう人物が20名弱の規模の会社に向けたワークフローシステムは、シンプルな機能で手頃な価格設定が魅力です。
1アカウントにつき数百円で設定されているプランが多いため、社員数が少ない会社でも、気軽に利用を開始することができます。
4-2. 大企業向け
ワークフローを利用する社員が1,000名以上の規模の会社は、大企業ならではの複雑な承認フローに対応しているシステムを導入しましょう。
多数決承認機能はあるか、多言語対応はしているかなど、自社の特質や承認フローに合わせて機能を確認することが大切です。
4-3. エクセル対応型
エクセルで作成した申請書をアップロードして利用できるなど、エクセルとの連携に特化したワークフローシステムも存在します。
このタイプは、普段使っているエクセルをベースにしたうえで、押印や申請の手間を簡略化できるため、導入後の運用がスムーズであることが魅力です。
4-4. ツール一体型
メールやチャット、カレンダーなどのグループウェアや、バックオフィスツールと一体になっているタイプのワークフローシステムは、ツールとの連携が最大のメリットです。
普段使っているツールを通してワークフローシステムを導入できれば、社員への浸透もしやすいでしょう。複雑な機能は不要で、導入の手軽さに重きを置いている場合はおすすめできるタイプです。
5. ワークフローシステムの選び方
ワークフローシステムを選ぶにあたってチェックしておきたいポイントは、自社の申請フローや予算に合っているかどうかということです。ここでは、ワークフローシステムを選ぶときの3つのポイントを詳しく説明していきます。
5-1. 自社の申請フローに適しているか
大企業をはじめ、複雑な承認フローを運用している会社は、既存の申請フローをワークフローシステムに移行できるかどうか、必ず確認をおこないましょう。複数人の承認が必要である、多数決承認をおこなうなどの場合が、これに当てはまります。
また、普段Webをあまり触らない社員もワークフローシステムを利用する場合は、使いやすさや画面の見やすさも重要なポイントです。
可能であれば、さまざまな部署の社員でテスト利用をおこない、フィードバックをもらってから導入するのが理想的だといえるでしょう。
5-2. 他ツールとの連携は可能か
普段自社で利用しているチャットやカレンダー、メールなどのツールと連携できるかについても、確認をおこないましょう。ワークフローシステムで承認依頼をおこなうと、確認者のもとへ通知が届くのが一般的です。
その通知がメインツールで届けば、確認漏れのリスクや催促の手間が減り、業務効率化につながります。
ワークフローシステムを導入しても、別途声がけをおこなわなければならないとなると本末転倒な結果になってしまうため、チェックしておきたいところです。
5-3. 料金形態が適正か
導入後も長く使い続けるために、料金プランの確認もおこないましょう。
ワークフローシステムは、1名ごとにいくら、何名までは一律料金など、各サービスごとにさまざまなプランが用意されています。会社の成長計画を把握したうえで、今後の社員数や必要な機能を考えて導入できるのが理想です。
6. ワークフローシステムの導入方法
ワークフローシステムを導入するときの流れは、以下の通りです。
- ワークフロー化する業務を取捨選択する
- ワークフローシステムを導入する
- 申請フォームを作成する
まずは人事部門の申請承認業務を洗い出し、ワークフロー化すべきものを取捨選択しましょう。その後、ワークフローシステムを導入し、ワークフロー化したい業務の申請フォームを作成していきます。
6-1. ワークフロー化する業務を取捨選択する
人事部門の全ての業務をワークフロー化するのは現実的ではありません。まずはワークフロー化したい業務を洗い出し、業務で利用する申請書類を収集しましょう。
その後、現状の承認ルートを再検討し、ワークフローシステム上で実現可能かどうか確認します。この際に申請フォームの大まかな項目やレイアウトも決めておきます。
6-2. ワークフローシステムを導入する
ワークフロー化する業務の取捨選択をおこなったら、ワークフローシステムを選定します。入社申請、異動申請、退社申請、稟議申請など、あらかじめ申請フォームが用意されたツールを選べば、導入後すぐに運用開始できます。
申請フォームがない場合も、申請フォームの作成機能やカスタマイズ機能を利用し、申請画面を自分で作成することが可能です。
6-3. 申請フォームを作成する
ワークフローシステムを導入したら、人事担当者で分担して申請フォームを作成していきます。ワークフローシステムによっては、エクセルで作成したフォーマットをシステムに取り込み、使い慣れた申請画面をそのまま使うことも可能です。申請フォームを作成したら、承認者を指定し、承認ルートを設定します。
承認ルートの設定は手間がかかる作業です。承認ルートは追加や修正が可能なため、導入当初は役職や部署単位で承認者を指定しておき、後で細かく変更する方法もあります。
7. ワークフローシステムを導入して申請承認業務を効率化しよう
ワークフローシステムとは、入社申請や有給申請、残業申請などの申請承認業務を効率化するツールです。申請・確認・承認の全てのプロセスがシステム上で完結するため、承認までの時間を短縮できます。スマートフォン対応のワークフローシステムなら、外出先の空き時間などを利用して申請承認業務をおこなうことも可能です。
ワークフローシステムは導入したら終わりではなく、申請承認業務のワークフローを決め、申請フォームを一つずつ作成する必要があります。ワークフローシステムの主な機能を知り、自社に合ったツールを選ぶことが大切です。
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」
などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。
①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる
②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる
③稟議の紛失リスクがない
ワークフローシステムが自社の課題解決につながるかどうかを知るためには、まずワークフローシステムが何かを知っておく必要があります。ワークフローシステムにご興味のある方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。