パートタイム・有期雇用労働法における賞与規定とは?待遇差改善の方法を紹介 |HR NOTE

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パートタイム・有期雇用労働法における賞与規定とは?待遇差改善の方法を紹介

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給与明細を作成する人

パートタイム・有期雇用労働法では、雇用形態による待遇差をなくすことを定めています。賞与に関しても明確な規定があり、パートタイム・有期雇用の労働者と正社員との間の待遇差是正が求められるでしょう。

「賞与での待遇差を改善したい」「自社の賞与が違法ではないか気になっている」と感じている企業の方は、多いのではないでしょうか。トラブルを避けるためには、正しい知識をチェックすることが重要です。

本記事では、パートタイム・有期雇用労働法における賞与規定について解説します。賞与規定を知るうえでのポイントや違法となるケース、待遇差改善の方法とあわせてまとめました。

同一労働同一賃金に罰則はありませんが、放置すると損害賠償のリスクが高くなります。

同一労働同一賃金とは、「正社員と非正規社員を平等に扱う概念」のように認識されていても、具体的にどのような対策が必要かわからない方も多いのではないでしょうか?

本資料では、どのような状態が「不平等」とみなされうるのかや、企業が対応すべきことを4つの手順に分けて解説しております。

自社でどのような対応が必要か確認したい方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

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1. パートタイム・有期雇用労働法で定められた賞与規定とは

パートタイムと書かれたモチーフ

パートタイム・有期雇用労働法では、第8条で賞与に関して規定されています。

賞与における待遇格差の是正のために、以下の2点について基本的な考え方を確認しておきましょう。

  1. 同一労働同一賃金
  2. 均衡待遇規定と均等待遇規定

1-1. 同一労働同一賃金

パートタイム・有期雇用労働法においての賞与の原則は、「同一労働同一賃金」です。厚生労働省では、均等・均衡待遇の確保と同一労働同一賃金実現のために「同一労働同一賃金ガイドライン」を策定しています。

業績等への貢献に応じて支給する賞与では、「同一の貢献には同一の、違いがあるなら違いに応じた支給をする」ことが原則です。そのため職務内容や貢献度が正社員と同じであれば、パートタイム・有期雇用の労働者に同一の賞与の支給が求められます。

参照:同一労働同一賃金ガイドライン|厚生労働省

1-2. 均衡待遇規定と均等待遇規定

同一労働同一賃金では、「均衡待遇(きんおうたいぐう)」と「均等待遇(きんとうたいぐう)」が原則です。パートタイム・有期雇用の労働者と正社員に発生する賞与の待遇差を是正するためには、下記の規定を守ることが求められます。

均衡待遇規定

①職務内容※1
②職務内容・配置の変更範囲
③そのほかの事情※2

上記の3点を考慮して不合理な待遇差を禁止する

均等待遇規定

①職務内容※1
②職務内容・配置の変更範囲

上記の2点が同じであれば差別的な取扱いを禁止する

※1業務の内容+責任の程度
※2職務の成果や経験、能力、事業主と労働組合との交渉の経緯等

2. パートタイム・有期雇用労働法における賞与規定の6つのポイント

賞与を渡す上司

パートタイム・有期雇用労働法における、賞与規定のポイントは下記の通りです。

  1. 合理的な賞与の待遇差は禁止されていない
  2. 賞与の待遇差に対して説明する義務がある
  3. 行政による紛争解決援助制度が利用できる
  4. 正社員の待遇引き下げによる格差是正は望ましくない
  5. 定年後に雇用された有期雇用労働者にも適用される
  6. 貢献以外の賞与には言及されていない

賞与を決めるうえで知っておきたい6つのポイントを、チェックしておきましょう。

2-1. 合理的な賞与の待遇差は禁止されていない

パートタイム・有期雇用労働法では、合理的な賞与の待遇差であれば禁止されていません。業績等への貢献に支給するとき、貢献度に明らかな差があれば違いを反映しましょう。

例えば正社員が営業職で、パートタイム・有期雇用の労働者が定型業務に従事していれば、職務内容と責任の程度に差があります。賞与に差を設けるのは合理的といえるでしょう。

2-2. 賞与の待遇差に対して説明する義務がある

パートタイム・有期雇用の労働者から求められたとき、事業主は賞与の待遇差の理由を説明する義務があります。説明を求めた労働者への解雇・減給などの、不利益な対応は認められていません。

均等待遇規定と均衡待遇規定などの賞与規定にもとづき、明確な根拠を提示することが大事です。スムーズに説明できるように、就業規則や賃金表などの資料を準備しておきましょう。

2-3. 行政による紛争解決援助制度が利用できる

賞与などの待遇差に関する労使トラブルが発生した場合、都道府県労働局における紛争解決手続が利用できます。「紛争解決援助制度」により、公正な第三者の関与による解決を求めてください。

事業主と労働者の一方、もしくは双方の申し出により利用できます。自身や企業で対処せずに第三者に判断を委ねましょう。

2-4. 正社員の待遇引き下げによる待遇差是正は望ましくない

格差を是正するために正社員の賞与を廃止するような、待遇の引き下げによる格差是正は望ましくありません。モチベーション低下により、生産性の低下や離職率悪化につながるでしょう。

さらに事業者側の意向で一方的に待遇を引き下げることは、「労働条件の不利益変更」にあたる可能性があります。不当に賞与を労働者に不利益になる労働条件の変更をおこなう場合は、合意が必要です。

2-5. 定年後に雇用された有期雇用労働者にも適用される

定年後に継続して雇用された有期雇用労働者にも、パートタイム・有期雇用労働法は適用されます。正社員と比較して業績等への貢献度に異なる点がなければ、同一の賞与を支給することが原則です。

ただし、定年後に継続雇用された有期雇用労働者であることは、待遇差の合理性を判断する際にそのほかの事情として考慮されます。不合理であるか否か、詳細な情報をリストアップしたうえでの判断が求められるでしょう。

2-6. 貢献以外の賞与については言及されていない

同一労働同一賃金ガイドラインにおいては、貢献以外に支給される賞与については言及されていません。

例えば基本給の1.5ヵ月分や2ヵ月分など、基本給をベースにした支給であれば賞与規定の原則に該当しないと考えられます。賞与に関する基準について、自社の就業規則を確認してください。

3. パートタイム・有期雇用労働法の賞与で違法となるケースとは

給与明細と人

パートタイム・有期雇用労働法の賞与では、非合理な格差があるときに違法となり得ます。例えば職務内容や貢献度が同程度のケースで、貢献に対する賞与が正社員のみ支給された場合は、違法だと考えられるでしょう。

一方で賞与の待遇差があっても、明確な理由があれば違法にはなりません。原則として賞与を支給する義務は企業にはないため、なくても問題がないケースも少なくないでしょう。

そのほかの事情や配置変更の範囲なども考慮されるため、個別のケースごとの判断が求められます。パートタイム・有期雇用労働法による賞与規定と照らし合わせて、判断することが重要です。

違法だと考えられるケースであれば、迅速な対応をおこなってください。個人や企業での判断が難しいときは、都道府県の労働局への相談を検討しましょう。

4. パートタイム・有期雇用労働法の賞与の待遇差を改善する4つの方法

給与明細と電卓

パートタイム・有期雇用労働法の賞与の待遇格差を改善する方法を詳しくまとめました。

  1. 労働者の雇用形態をチェックする
  2. それぞれの待遇の状況を洗い出す
  3. 待遇差があれば理由を明確にする
  4. 賞与の不合理な待遇差を改善する

4つの工程で一から見直しをおこない、待遇差の確実な是正につなげましょう。

4-1. 労働者の雇用形態をチェックする

まずは自社で雇用している労働者の雇用形態を確認します。

パートタイム・有期雇用労働法の対象となる、パートタイム・有期雇用の労働者をリストアップしてください。比較対象になる正社員の雇用形態も、あわせて確認しておきましょう。

4-2. それぞれの賞与の状況を洗い出す

パートタイム・有期雇用の労働者の待遇をそれぞれ洗い出します。そのうえで賞与の詳しい内容を確認して、正社員と異なる点があるか確認しましょう。

総合職や一般職など正社員にはさまざまな雇用管理区分があります。それらすべての正社員との間に異なる点はあるか、賞与の状況を確認してください。

4-3. 待遇差があれば理由を明確にする

パートタイム・有期雇用の労働者と正社員との間に賞与の差があれば、理由を明確にすることがポイントです。同一労働同一賃金に則り、待遇差が合理的であることを示す根拠を用意します。

職務内容や責任の程度、配置の変更範囲などをしっかりと比較して、待遇差があるか判断してください。賞与の待遇差に対して、明確な理由がなければ不合理な待遇差があると考えられます。

4-4. 賞与の不合理な待遇差を改善する

賞与の不合理な待遇差があると判断されたケースでは、パートタイム・有期雇用の労働者の待遇差解消に努めます。

放置するとトラブルに発展する恐れがあるので、対応方針を明確にして迅速に取り組むことが重要です。業務の見直しや貢献に応じた賞与の支給を検討しましょう。

不合理が見つからなかったケースであっても、よりよい雇用関係の構築のために待遇や働き方の見直しをおこなうことが大切です。

同一労働同一賃金に罰則はありませんが、放置すると損害賠償のリスクが高くなります。

同一労働同一賃金とは、「正社員と非正規社員を平等に扱う概念」のように認識されていても、具体的にどのような対策が必要かわからない方も多いのではないでしょうか?

本資料では、どのような状態が「不平等」とみなされうるのかや、企業が対応すべきことを4つの手順に分けて解説しております。

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