「労務からCHROのキャリアをつくる」LABOT横井さんが挑戦する新しい労務のカタチ |HR NOTE

「労務からCHROのキャリアをつくる」LABOT横井さんが挑戦する新しい労務のカタチ |HR NOTE

「労務からCHROのキャリアをつくる」LABOT横井さんが挑戦する新しい労務のカタチ

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※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

プログラミングスクールを運営するLABOTでCHROを務める横井さん。

今回は、人事労務からCHROへ挑戦をしている、横井さんのキャリア観や、人事労務に関する考え方についてインタビュー。

横井さんは、前職メルカリでの経験を中心に労務としてのキャリアを積まれており、現在はCHROとしてより事業に寄り添った、幅広い施策を実施しています。

そんな横井さんが考える、これからの労務像やCHROとしてのキャリアとはどのようなものでしょうか。新しい労務のカタチをご紹介します。

【人物紹介】横井良典 | 株式会社LABOT CHRO

1983年生まれ。禅宗のお寺に長男として生まれ、両親ともに教師という家庭に育つ。幼い頃から父親が学級通信を作成する為に購入したパソコンでゲームやインターネットをして育つ。大学卒業後、人材ビジネス、社労士事務所、民間企業で人事労務を中心とした業務に従事。2016年より拡大期の株式会社メルカリで人事労務を担当。2020年1月より株式会社LABOTにて人事労務ならびに受講生の支援を担当。2020年1月OSHO社会保険労務士事務所を設立。特定社会保険労務士/国家資格キャリアコンサルタント

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2023年は一部企業を対象に人的資本開示が義務化されたほか、HR関連での法改正に動きが見られました。
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1. メルカリでの3年半で変わった自分のキャリア観

―まずは、横井さんの前職であるメルカリでのご経験についてお伺いさせてください。


横井さん
そもそも、私は2人目の労務担当として上場前のメルカリ社に入社し、給与勤怠や入退職の手続きといったベース作りに取り組んできました。

その後、入社してから約3年半で社員数が350人から2,000人と増え、業務内容も実務的なことから徐々に企画の方にシフトしていきましたね。

会社の変化に合わせ、障害者雇用や休職者の対応、イグジット・マネージメント、福利厚生の見直し、シックリーブ制度の導入などを手掛け、社員一人ひとりが働きやすいような環境を整えていくことが業務の中心でした。


―一気に人が増え急成長していく中で、大変だと感じたことはありますか。


横井さん
ありがたいことに、メルカリの採用力は強く、順調に人員が拡大していきました。

しかし、人数が増えていくにつれ、少数のときに比べて全員が同じ方向を向くことが難しく感じるようになりました。

そういった急成長して絶えず変化する組織に合わせて、新たな制度を急ピッチで作っていくことがとても大変でしたね。

私自身はメルカリで、組織が成長していくさまざまなフェーズに携われたことはとても大きな経験です。

一方で、会社の変化とともに私の価値観も変化していきました。

それは、「人事・労務だけでなく、もっと事業側に携わりたい」という想いが強くなっていったことです。そして、悩んだ末に約3年半勤めたメルカリを2019年9月に卒業することを決意しました。

2. 「労務も採用もスクールの運営も、とにかく何でもやる」横井さんのLABOTでの役割

―横井さんの現在の仕事内容について教えてください。


横井さん
今は、LABOTという会社で働いています。LABOTは「ISAs(※)」という新しい教育モデルを運営する会社です。

※ISAsとは
米国で生まれたスクールと学生の新しい契約モデルで、受講開始から卒業までの期間は受講費用が発生しない代わりに、一定の条件をみたした場合に卒業後の収入から一定割合をスクールに支払うという内容の所得分配契約です。

横井さんLABOTは、「これまでIT業種へのキャリアに関心を持ちながらも、金銭的なハードルや不安からプログラミングスクールに通うことができなかった方」や、「自分のキャリアを再選択したい強い意思がある方」を対象に、6ヶ月間のプログラミング学習を通じて優秀なエンジニア人材を輩出することを目指しています。

横井さん私自身は、LABOTでCHRO(最高人事責任者)として、週4ペースで事業に携わりながら、毎週水曜日は自ら設立した社労士事務所で仕事をしています。


―横井さんがLABOTに入社された決め手は何だったのですか。


横井さん
一番は、自分自身のやりたいことに合致していたからですね。教師であった両親の影響もあって、以前から教育事業に関心を持っていたんです。

また前職のメルカリでは、メンタルを患ってお休みをされる方や育児休業など、さまざまな背景を持つ休職者の方をサポートする機会が多くありました。

しかしそこで感じた課題があって、会社を長く休むことに対して、後ろめたさを感じてしまう人も少なくなかったんです。

「休むこと」で自分の人生をリセットし、「学び直すこと」でリスタートできる。そういったことがもっとポジティブに受け入れられる社会であって欲しい。

そういった想いも芽生えてきて、LABOTが学び直しを支援する事業であることが決め手となって入社を決意しました。

LABOTは、日本で初めてISAsと呼ばれる仕組みを導入し、受講開始から卒業までの期間は受講費用が発生しない代わりに、卒業後の収入から一定の割合でスクールに支払っていただくようになっています。

また、受講生は退職されてくる場合もあるので、失業保険や年金、健康保険など生活面の不安や、今後のキャリアについて相談に乗るなど、「今まで従業員向けにおこなっていたことを事業の側面で活かせそうだ」と、感じたこともジョインを決めた理由の1つですね。

―LABOTにおけるCHROの役割とは、具体的にどのようなものになるのですか。


横井さん
明確な役割はなく、会社をつくっていく、という観点で本当になんでもどんなことでもやります。

たとえば、今回の取材のようにLABOTの「スクール」を多くの方にお伝えすることもそうです。

また、受講生の卒業がゴールではなく、就職後に活躍し続けることが実現したいことなので、受講生の就職先企業や、候補先企業で働いている人事、労務の方に対しても、必要とあらばお役に立ちたいと思っています。

さらに、エンジニアの方のキャリア相談にものっているのですが、エンジニアや人事の方がオフィスに気軽に訪れるきっかけを作っていきたいと考えています。

そうすることで、受講生にとってもリアルにエンジニアの働き方や会社の状況を伝えることができ、受講生たちの転職後のミスマッチを防ぐだけでなく、リファラルの採用の可能性も増えるかもしれません。

ですので、エンジニアや人事の方にどんどんオフィスへ遊びに来て欲しいと思っています。そういった環境を作ることがCHROとしての私の役割のひとつだと思います。

3. 「労務担当からCHROへのキャリアはつくれる」横井さんが実現したい労務の可能性

―横井さんは労務という立場からCHROという役割にチャレンジされていますが、そういったケースはあまり見ないように思います。


横井さん
たしかに、一般的に採用・組織制度設計を経験されてきた方が、CHROや人事部長になるケースが多いように感じています。

しかし、労務出身でも独自の視点で、組織全体に影響を与え、CHROや人事部長になれると考えています。

最高財務責任者CFOが「カネ」に関することで経営に携わる存在だとすれば、CHROは「ヒト」という観点で事業を進めていく存在だと思います。

人事業務は決して採用だけではありません。入社したあとのオンボーディングから退職するときまでを含め、「どんな風に人と関わっていくか」がとても重要になります。

人と関わり、人の価値を最大限に発揮させ、独自の企業文化を形成していく。

そういったことを成し遂げるためには、勤怠データやストレスチェックの結果、給与データ、評価データといった労務に関わる情報が役に立つはずです。

実は、労務はさまざまな人事データが集まるポジションなのです。そのデータを活かして経営者に対してアプローチをしていくことも、労務担当者ならではの仕事なのではないでしょうか。

―それは労務ならではの強みになりますね。


横井さん
そうですね。私は、労務がCHROになれる可能性を伝えることで、労務に携わる人たちに元気を与えたいと考えています。

労務に携わっている人たちが、個人や組織に対して横断的にアプローチできる可能性はまだまだいっぱいあると思います。

だからこそ、労務はデータに強くなければならない。そのためにいろいろなツールを使って業務を効率化したり、プログラミングを勉強して自分でコードを書いてみたり、そういったことができる労務の担当者が出てきても面白いかもしれませんね。

今後はどの会社においても、年功序列や終身雇用がなくなり、「ヒトの活用」が大きなテーマとしてのしかかってくるように感じています。

人手不足が叫ばれる一方で、すでに大企業では45歳で早期退職や再就職支援をしている会社さんも少なくありません。

景気の状況にもよると思いますが、今後イグジット・マネジメントが課題になる会社さんも増えてくるのではないでしょうか。

変化が激しい時代にこそ、労務が求められていると思います。

4. 「この先もずっと、勉強し続ける」横井さんが挑戦する労務の新しいあり方

―横井さんが目指すCHROの理想像はありますか。


横井さん
人の可能性を信じ続けられるような存在でありたいと思っています。

それは、人に興味があるとか、人が好きというだけではなく、人はいくつになっても変わることができる、チャレンジできる、そういった”人の可能性”に対し、レッテルを貼らずに見られる存在であり続けたいと思いますね。

先ほど45歳で早期退職する人や、再就職をする人の話をしましたが、いくつになっても可能性があって、チャレンジできる人はいっぱいいると思うんです。

そういう人とお会いしたいですし、応援していきたいと思いますね。


―今後の労務のキャリアでお考えの部分があれば教えてください。


横井さん
私自身も就職活動の際にも検討しましたが、労務のキャリアの方向性としては、ベンチャーキャピタル(VC)で経営者の方や投資家の支援に携わることも選択肢としてあるのではないかと思います。

IPO(上場)をするときに、労務周りのリスクで大きく評価されることが多くなっています。ですので、早い段階から労務周りの業務をサポートしたり、伴走できたりする人がVCにいてもいいと思うんです。

実際に、労務のサポート部門を強化しているVCも増えています。そういったところに「労務の専門家」として介入するのも、選択肢の1つとして面白いキャリアだと思いますね。

また、カウンセリングやコーチングなど、もっと幅広い知識や経験を身に付けて、経営者の相談相手になったり、アドバイスができる立場になっていけたら、労務のキャリアや可能性は広がっていくと思います。

―そのような「攻めの労務」のお考えを持っている方は、横井さんくらいで他にはなかなかいらっしゃらないと思います。


横井さん
私は、労務担当者から徐々に労務の人ではなくなってきた珍しいケースだと思います。今は久しぶりに給与計算もおこなっていますし、いろいろなことを試行錯誤しながらやっています。


―労務の新しい形を自ら実践してつくりあげているのですね。


横井さん
そうですね。自分の働き方を通して皆さんに元気を与えたいです。

いろいろな選択肢があってもいいと思いますし、他の職種から興味を持ってもらい、「労務をやりたい」と言ってくれる人が出てきたらうれしいですね。

たとえばカスタマーサポートの仕事をされていた方が、「お客様に対してではなく、従業員をサポートするために労務の仕事をしたい」と、労務に興味を持ってくださる方がいてもいいと思うんです。

また労務の仕事からカスタマーサポートにキャリアチェンジをしたり、HR Techサービスの領域にチャレンジしたりしても面白いかもしれません。


―ありがとうございます。最後に、人事労務に携わる方に向けてメッセージをお願いします。


横井さん
これから70歳ぐらいまで働かざるを得ない社会がやってきます。そうなったときに、何回かの大きなキャリアチェンジは必要になると思うんです。

そのためにも、常に勉強し続けることが大切なのではないでしょうか。

エンジニア業界では、言語の変化は激しく、「ずっと勉強し続けないといけない」「仕事=勉強だ」とみなさんおっしゃるんです。

「確かにそうだな」と私も思っています。

変化が激しい社会の中では、勉強し続けて、常にアップデートしていける人だけが残っていける…その流れは労務の人だけでなく、すべての職種に言えるのではないでしょうか。

私は今までも、そしてこれからも色々な人のチャレンジを応援し、また私自身もチャレンジをしていきたいと思います。

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