退職者の給与支払報告書の対応方法とは?提出基準・書き方も解説! |HR NOTE

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退職者の給与支払報告書の対応方法とは?提出基準・書き方も解説!

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退職者の給与支払報告書を確認している

年末業務の中で給与支払報告書の作成は重要な業務の一つです。給与支払報告書は住民税の決定に必要なデータなので期日までに正しい内容の報告書を提出しなくてはなりません。

退職者がいる場合は通常とはやや対応が異なります。退職者の給与支払報告書の作成に備え、提出の基準や期限、記載方法や注意点などを事前に確認しておき、スムーズな業務につなげましょう。

関連記事:給与支払報告書とは?書き方や提出方法をわかりやすく紹介

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1. 退職者の給与支払報告書の提出について

退職者が給与支払報告書を見ている

ここでは、退職者がいた場合の給与支払報告書の取り扱いについて紹介します。

支払額が30万円以下の提出義務や、提出場所・提出方法、個人別明細と総括表の書き方について順に解説していきます。

1-1. 退職者でも支払額が30万円以下の場合は提出しなくていい?

以下の2つの基準を満たしている場合は、退職者であっても給与支払報告書の提出が必要です。

  • その年の1月1日時点で給与などの支払を受けていること
  • 支払った給与の総額が30万円を超えていること

その年に一度でも給与の支払いを受けていれば給与支払報告書の提出対象となり得ます。もう一つの条件となるのが、支払った給与の総額が30万円を超えているかどうかです。30万円以下であれば提出する必要はありません。

ただし、これは提出不要とするものではなく、あくまでも提出を省略できるというニュアンスのものです。そのため、多くの市区町村では30万円以下であっても給与支払報告書を提出するように求めています。中には支払い金額に関係なく提出を求める地域もあるので、すべての退職者の給与支払報告書を提出するつもりで準備を進めましょう。

2. 退職者の給与支払報告書の書き方は?

退職者の給与支払報告書を作成している

給与支払報告書は「個人別明細」と「総括表」の2つで構成されます。

関連記事:給与支払報告書の書き方や訂正方法をわかりやすく解説

2-1. 個人別明細の書き方

個人別明細の作成で特に注意が必要な項目をまとめました。

項目

概要

住所欄

退職した年の1月1日時点での住所

支払金額

前年1月1日から12月31日までに支払が確定した給与の総額

給与所得控除後の金額

  • 「給与所得控除後の給与等の金額」を算出
  • 算出方法は「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」と支払った金額を照らし合わせ、該当する給与所得控除後の金額を探す
  • 年末調整をしない場合は空欄のままにしておく

所得控除額の合計額

  • 年末調整を行った際の控除合計額を記載

(社会保険料控除をはじめ、配偶者控除や扶養控除、基礎控除などを正しく算出して記載する)

  • 年末調整をしない場合は空欄のままにしておく

源泉徴収税額

  • 源泉徴収票をもとに、源泉所得税及び復興特別所得税の合計額を記載
  • 年末調整をしない場合は、その年中の給与・賞与の確定額から天引きした所得税などの合計金額を記載

その他控除額

会社と従業員との間で結ばれた労使協定に基づいて控除する項目について記載

(寮や社宅費、組合費など)

中途就職・退職者欄

退職した従業員の場合、この欄に退職年月日を記載

(在籍している従業員の場合には記載不要)

適用欄

控除扶養親族又は16歳未満の扶養親族が5人以上いる場合、扶養親族の氏名を記載

(氏名の前に、1から始まる連番をカッコ書きで記載)

2-2. 総括表の書き方

給与支払報告書の表紙として添えるのが総括表で、各従業員の個人別明細書を取りまとめたものです。総括表は在籍する従業員と退職する従業員の情報を分けて記載する必要はありません。

総括表に記載する際に特に注意が必要な項目をまとめました。

項目

記載内容・注意点

給与の支払期間

報告人員に対して給与を支払った期間を記載

受給者総人員

支払期間内に給与を受給したすべての人数

報告人員

市区町村へ報告する人数

  • 特別徴収対象者:一般従業員の人数
  • 普通徴収対象者(退職者):退職した従業員の人数

提出区分

いずれかの区分に丸印をつける

  • 「年間分:1月1日現在の在職者と前年の退職者について提出する場合
  • 退職分:前年の退職者のみ提出する場合

3. 退職者の給与支払報告書に関する注意点

眼鏡をもち注意深く確認している

ここからは退職者の給与支払報告書に関する注意点を紹介します。

手続きをおこなう前にあらかじめ以下のポイントをおさえて、手続きミスや漏れ防止にお役立てください。

3-1. 期限までに対象者全員分を提出する

給与支払報告書の提出は任意ではなく義務です。このことは地方税法第317条の第6項の「給与支払報告書等の提出義務」によって定められており、退職者であっても条件を満たす場合は提出しなくてはなりません。

参考:地方税法|e-Gov法令検索

万が一この義務を怠ると会社として責任を問われます。最悪の場合1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられ、社会的な信頼も失いかねません。

給与支払報告書の作成・提出は従業員数が多ければ多いほど煩雑な業務となります。しかし、給与支払報告書は住民税額の決定に必要な書類なので提出しないというのは問題外です。また、提出しても漏れやミスがあれば正しい税額を算出することはできません。

給与支払報告書を作成する前に、もう一度給与支払報告書の目的を確認し、責任持って対応するよう心がけましょう。

3-2. 提出方法を事前に確認しておく

給与支払報告書は期日までに市区町村に提出してはじめて完結します。作成したのに提出し忘れるケアレスミスも発生するので、社内で声を掛け合って確実に対処しましょう。

給与支払報告書の提出方法は複数あります。

  • 書面での提出を希望の場合:窓口に持参、郵送も可能
  • システムの利用を希望する場合:eLTAXによる送付

電子システムを利用して提出をしたい方は、以下の公式サイトにて使用方法をご確認いただけます。

参考:給与支払報告書等の提出に係る特設ページ|eLTAX

給与支払報告書の提出をはじめとする年末調整業務は、ミスができない上に煩雑であるため、社内にシステム導入をすることで効率化を図ることも手段の一つです。

しかし、年末調整の電子化をおこなうことでどれほど業務が楽になるのか想像がつかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方に向けて、「複雑な年末調整のシステムでできること」や「電子化によって起きる変化」について解説した資料を無料でお配りしています。年末調整の負担を少しでも楽にしたい方は、こちらからダウンロードしてご活用ください。

4. 退職者の給与支払報告書に関してよくある質問について

はてなマークが浮かんでいる

ここからは、退職者の給与支払報告書に関してよくある質問について紹介します。

退職者の住所が不明・引っ越してしまった場合や、連絡が取れない場合の対応方法について解説します。

4-1. 退職後の住所が不明・引っ越した場合はどう対応すべき?

退職者が退職後に引っ越しをしているケースも考えられます。ただし、給与支払報告書の提出先は、従業員が退職する前の1月1日に居住していた市区町村となります。

そのため、把握している退職時にいた市区町村の自治体に提出するようにしましょう。

4-2. 退職者と連絡が取れない場合の対応フローは?

退職にトラブルはつきものです。すべての人が円満に退職できるとは限らず、突然会社に来なくなり、そのまま音信不通になってしまうケースも珍しくありません。

退職者に非があって退職する場合でも会社は給与を支払わなければならず、当然給与支払報告書の提出も必要です。

退職者と連絡が取れずに実務に支障をきたす場合は、従業員が居住していた市区町村の相談窓口に問い合わせ、適切に対応しましょう。退職者だからといって放置するような無責任な対応をとらないようにくれぐれも注意しましょう。

5. 給与支払報告書は専用システムで効率よく作成するのがおすすめ

退職者の給与支払報告書をシステムで作成している

給与支払報告書は「個人別明細」と「総括表」で構成され、それぞれ作成方法が異なります。退職者がいる場合でも、ポイントを押さえれば作成そのものはそれほど難しいことではありません。

しかし、給与支払報告書は住民税額に影響する大事なデータなので未提出や記載漏れは許されません。このような事態になれば社会的なペナルティを受けることもあるため、十分注意しましょう。

また、給与支払報告書の作成は毎年必須の業務で、従業員の数が多ければその分手間もかかります。年末は他にも重要な業務が重なるため、社員にとっても大きな負担となっているに違いありません。

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