給与計算によって決まる住民税について算出の仕方や気をつけたいポイントを解説 |HR NOTE

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給与計算によって決まる住民税について算出の仕方や気をつけたいポイントを解説

住民税の計算をしている給与計算において毎月の給与から控除すべき税金に住民税があります。住民税は個人の所得に対してかかる税金です。企業は従業員本人に代わって住民税を納付する役割を担います。

なお、所得にかかる税金としては住民税のほかに所得税がありますが、両者は全く異なる税制度です。算出方法にも違いがありますので、混同しないように注意しましょう。

本記事では経理担当者が押さえておきたい住民税の基礎知識や、給与計算における住民税の算出方法について分かりやすく解説します。

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1. 給与計算における住民税の基礎知識

住民税に関する基礎知識企業は給与計算において給与から住民税を控除し、従業員本人に代わって税金を納めなければなりません。ここでは給与計算に不可欠な住民税の基礎知識を解説します。

1-1. 住民税は個人の所得にかかる地方税

住民税は個人の所得に対してかかる税金です。正確には都道府県に納める「都道府県民税」と市区町村に納める「市区町村民税」があり、両者をまとめて住民税と呼びます。住民税の納付先は納税者がその年の1月1日時点で住民票を置く自治体です。

住民税として徴収された資金は、主に各自治体が提供するサービスや社会福祉、地域内の土木管理事業などに使用されます。地域住民が収める住民税によって、その地域の行政活動が維持されているのです。

なお、所得にかかる税金には住民税のほかに所得税があります。住民税は地方自治体に納める地方税であるのに対し、所得税は国に治める国税です。また、住民税が所得の大きさに関わらず一定の税率であるのに対し、所得税は所得の大きさに応じて税率が変わる累進課税であるという違いもあります。

1-2. 住民税の徴収には「普通徴収」と「特別徴収」がある

住民税には以下2つの徴収方法があります。

  • 普通徴収
  • 特別徴収

普通徴収は、納税者宛てに送付される納税通知書を用いて納税者本人が納税手続きを取る徴収方法です。主に個人事業主やフリーランスなど、特定の事業所に努めずに収入を得ている住民が該当します。

一方、特別徴収は、従業員を抱える企業が毎月の給与から税金に相当する金額を控除し、納税者本人に代わって一括で納付する徴収方法です。特定の事業所と雇用関係があり給与所得を得ている人(給与所得者)が該当します。

1-3. 住民税は6月から分割納付する

住民税は、前年の年間所得(1月から12月までの合計)に対してかかる税金です。納税額の算出は自治体が行い、毎年5月ごろにその年の納税額を示した「納税通知書」が送付されます。納税通知書の送付先は普通徴収であれば納税者の住居、特別徴収であれば納税者が勤務する事業所です。

普通徴収の場合、住民税は毎年6月以降に全4回に渡って分納します。4回それぞれに納税期日が定められますが、初回の期日までに一括で納めても問題ありません。

特別徴収の場合はその年の住民税を12分割し、6月から翌年5月までの給与から毎月1か月分の住民税を徴収していきます。

2. 住民税を特別徴収するときの手続き方法

税金徴収をおこなう際の手続き企業が住民税の特別徴収を行うための大まかな流れは以下の通りです。

  1. 事業者が毎年1月31日までに従業員の住民票がある市区町村へ「給与支払報告書」を提出する。
  2. 市区町村が従業員の住民税を算出する。
  3. 市区町村は5月31日までに納税通知書(住民税課税決定通知書・特別徴収税額決定通知書)を事業者に送付し、事業者は納税通知書を従業員へ配布する。
  4. 6月より1年間、従業員の毎月の給与から1か月分の住民税額を控除し、税金を徴収する。
  5. 事業者は給与支払日の翌月10日(10日が休日の場合は翌営業日)までに、徴収した住民税を対象の市区町村へ納付する。

上記は住民税の特別徴収の一般的な流れであり、市区町村によっては運用ルールが異なる場合もあります。必ず市区町村ごとのルールを確認したうえで特別徴収を実施しましょう。

3. 給与計算で住民税を算出する方法

住民税を計算する方法給与計算によって住民税を適切に控除するため、住民税の構成や控除額の算出方法を把握しておきましょう。

3-1. 住民税の「所得割」と「均等割」

住民税の金額は「所得割」で算出した金額に「均等割」として一定額が上乗せされています。

所得割とは、納税者の所得に対して算出される税金です。住民税では課税対象となる所得(課税所得)に自治体が定める一定の税率を掛けて算出します。

一方の均等割りは、所得の大きさに関わらずその地域に住む住民が等しく一定額を負担する税金です。仮に前年の所得がない場合でも、均等割りに相当する金額は納税義務が生じます。

3-2. 住民税の算出方法

住民税には「標準税率」が定められており、多くの自治体では標準税率に基づいて所得割の税率と均等割の金額が決定されています。

所得割の標準税率は都道府県税が4%、市区町村民税が6%で合計10%です(政令指定都市は都道府県民税2%、市区町村民税8%)。また、均等割の標準税率は都道府県税が1,500円、市区町村民税が3,500円の合計5,000円に定められます。

これらを踏まえると住民税の計算式は以下のようになります。

  • 都道府県民税=所得割(課税所得×税率4%)+均等割(定額1,500円)
  • 市区町村民税=所得割(課税所得×税率6%)+均等割(定額3,500円)
  • 住民税=都道府県民税+市区町村民税

なお、毎月の給与から控除する住民税額は、上記の計算式で算出した住民税を12等分したものです。

3-3. 所得割の基準となる課税所得の求め方

課税所得とは、従業員の年間収入のうち課税対象となる部分を指します。住民税の所得割を計算する際は、合わせて課税所得も算出しなければなりません。

課税所得は以下の2段階で算出します。

  • 給与所得=総支給額-非課税手当-給与所得控除額
  • 課税所得=給与所得-所得控除額

給与所得とは、従業員の給与のうち基本給や残業代、賞与などに該当する金額です。企業が支給する給与の総額から、通勤手当などの非課税手当と、給与所得者の経費に代わる給与所得控除の額を差し引いて算出します。

給与所得から所得控除額を差し引いた金額が課税所得です。所得控除とは一定の要件を満たす従業員に適用される控除であり、社会保険料控除や生命保険控除、配偶者控除、扶養控除などがあります。

所得税はこのように控除の項目が複数あり計算が複雑です。各従業員がどの控除項目に該当するのかを把握するのは手間がかかります。当サイトがお配りする「所得・住民税 給与計算マニュアル|税金計算の基礎をおさらいして、効率的な給与計算を実現!」では、各種項目を効率的に把握する方法や、計算の際の注意点を解説しています。

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4. 住民税の算出で気を付けるポイント

住民税を計算する際のポイント住民税の計算で注意すべきポイントを解説します。給与計算を適切に実施し、過不足がないように納税を済ませましょう。

4-1. 住民税は自治体によって税率が高い場合がある

住民税には全国共通の標準税率が定められていますが、自治体によっては独自の税率を上乗せしている場合があります。住民税を計算する際は必ず対象自治体の税率を確認しましょう。

例として、住民税が高い自治体として有名な横浜市の住民税率を紹介します。

 

県民税

市民税

合計

所得割

2.025%

8%

10.025%

均等割

1,800円

4,400円

6,200円

横浜市は政令指定都市であるため、本来の標準税率は「県民税2%、市民税8%」です。実しかし、際には県民税の税率が2.025%に指定されており、合計の税率も標準税率より0.025%高くなっています。

これは神奈川県が水源環境の保全・再生を目的として個人住民税に「水源環境保全税」を適用しているためです。これに伴い均等割りも300円上乗せされています。また、横浜市では市内の緑化計画の資源として「横浜みどり税」を導入しており、これにより市民税の均等割りにも900円が上乗せされているのです。

このように、住民税は県や市の政策により独自の税金が適用されている場合があります。標準税率は全ての自治体に当てはまらないことを覚えておきましょう。

4-2. 令和5年度までは均等割の上乗せがある

東日本大震災復興基本法により、平成26年度から令和5年度までの10年間は住民税均等割の上乗せが発生しています。これは東日本大震災の発生を受け、全国的に防災のための施策の財源が不足したためです。

令和4年現在、住民税均等割には都道府県民税・市区町村民税どちらも500円ずつ上乗せされていることを覚えておきましょう。

5. 給与計算では住民税を正しく控除しよう

住民税を正しく控除しよう住民税は従業員の住まいがある自治体に納める地方税です。企業には特別徴収の制度により従業員に代わって住民税を納める義務があります。毎月の給与計算を適切に行い、住民税の未納等が発生しないようにしましょう。

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