雇用保険被保険者資格取得届とは?記入例や提出先を詳しく紹介 |HR NOTE

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雇用保険被保険者資格取得届とは?記入例や提出先を詳しく紹介

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雇用保険被保険者資格取得届には、会社や従業員の情報に加えて、賃金についても記載が必要です。記載する賃金は雇用保険料に影響するため、間違いがあってはいけません。

本記事では、わかりにくい雇用保険被保険者資格取得届の概要や記入例、賃金欄の計算例を紹介します。

日給制や時給制で働く場合の計算方法や注意点もあります。ぜひ参考にしてください。

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1. 雇用保険被保険者資格取得届とは?

雇用保険被保険者資格取得届とは、一定の要件を満たす従業員を雇用保険に加入させた場合に提出すべき書類です。提出を忘れると、従業員が失業給付や育児休業給付などを受けられなくなる可能性もあるため、注意しなければなりません。

また、雇用保険法に基づき、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるケースもあるため、忘れずに提出しましょう。

1-1. 雇用保険被保険者資格取得届の提出が必要なケース

雇用保険被保険者資格取得届は、以下の条件に該当する従業員を雇う際に提出しなければなりません。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 31日以上、継続して雇用する見込みがある

上記2つの条件を満たす場合は、従業員を雇用保険に加入させ、雇用保険被保険者資格取得届を提出する必要があります。正社員はもちろん、パートやアルバイトなども対象となるため注意しましょう。

1-2. 雇用保険被保険者資格取得届の提出先・提出方法

雇用保険被保険者資格取得届は、所轄のハローワークへ提出する必要があります。窓口で提出できるほか、郵送や電子申請も可能です。

対象となる従業員を雇用した翌月の10日までに提出しなければならないため、遅れないように準備を進めましょう。

2. 雇用保険被保険者資格取得届の書き方を記入例付きで紹介

ここでは、雇用保険被保険者資格取得届の書き方を項目ごとに見ていきましょう。

2-1. 個人番号

従業員の個人番号(マイナンバー)を記入します。必ず本人確認をおこない、間違いのないように記入しましょう。

2-2. 被保険者番号

従業員の被保険者番号を記入します。前の職場で雇用保険に加入していた場合は、同じ番号を記入しましょう。新入社員や被保険者証の紛失などにより番号がわからない場合は、空欄のまま提出します。

2-3. 取得区分

過去に雇用保険に加入したことがない従業員や、被保険者でなくなった日から7年以上経過している従業員の場合は、「1」を記入します。

前の職場で雇用保険に加入していた従業員の場合は「2」を記入しましょう。

2-4. 被保険者氏名

被保険者証の通り、従業員の氏名を記入しましょう。姓名の間は1マス空けておきます。被保険者氏名が変わっている場合は、「変更後の氏名」の欄に新しい氏名を記入する必要があります。

2-5. 性別・生年月日

性別の欄には、男性は「1」、女性は「2」と記入します。生年月日の欄には、元号と年月日を記入する必要があります。

たとえば、誕生日が平成3年9月11日の場合は、「4-030911」と記入しましょう。

2-6. 事業所番号

事業所ごとに付与されている番号を記入します。10桁または11桁の番号を正しく記入しましょう。

2-7. 被保険者となったことの原因

以下のなかから該当するものを選んで記入します。

  • 新規雇用(新規学卒)
  • 新規雇用(その他)
  • 日雇からの切替
  • その他
  • 出向元への復帰等(65歳以上)

転職の場合は「新規雇用(その他)」を選択しましょう。

2-8. 賃金

賃金欄には、支払の態様と賃金月額(単位千円)を記入します。それぞれの項目について順番に確認していきましょう。

支払の態様

支払の態様は、該当する給与支払方法の番号を記載します。記入欄の右側にある「月給・週給・日給・時間給・その他」のなかから、該当するものを選びましょう。

月給制の場合は「1」、週給制の場合は「2」、日給制の場合は「3」、時間給制の場合は「4」、1~4のいずれにも該当しない場合は「5」を記入します。

番号を記入する場所は、ハイフン(–)の左側です。

賃金月額

賃金月額は、週給制・日給制・時給制の場合でも月額の賃金を計算して記入します。

ここに記入する賃金には、通勤手当や住宅手当など、毎月一定の金額で支払われる手当を含めて計算します。月によって変動する残業や休日の割増賃金などは含まれません。計算方法は次項で詳しく解説しています。

金額は記入欄下の単位に合わせて千円単位で記入します。

月額賃金が25万円の場合は、百万の欄は「0」、十万の欄は「2」、万の欄は「5」、千の欄は「0」と記入しましょう。

2-9. 資格取得年月日

基本的には、雇い入れた日を記入します。試用期間などがある場合でも被保険者となるため注意しましょう。

2-10. 雇用形態

日雇労働者や派遣労働者など、該当する雇用形態の番号を記入します。正社員の場合は「その他」を選択しましょう。

2-11. 職種

職種の欄には、以下のなかから該当する番号を記入します。

  1. 管理的職業
  2. 専門的・技術的職業
  3. 事務的職業
  4. 販売の職業
  5. サービスの職業
  6. 保安の職業
  7. 農林漁業の職業
  8. 生産工程の職業
  9. 輸送・機械運転の職業
  10. 建設・採掘の職業
  11. 運搬・清掃・包装等の職業

2-12. 就職経路

就職経路の欄には、以下のなかから該当する番号を記入してください。

  1. 安定所紹介
  2. 自己就職
  3. 民間紹介
  4. 把握していない

2-13. 1週間の所定労働時間

雇用契約に基づく1週間の所定労働時間を記入します。たとえば「1日7時間・週5日勤務」の場合は「35時間00分」と記入しましょう。

2-14. 契約期間の定め

契約期間の定めがあるなら「1」、定めがないなら「2」を記入しましょう。契約期間の定めがある場合は、契約期間についても記載する必要があります。

2-15. 被保険者が外国人の場合

被保険者が外国人の場合は、在留カード番号や在留期間などを記入しましょう。

3. 雇用保険被保険者資格取得届の賃金欄の計算例

雇用保険被保険者資格取得届の賃金欄は、週給制・日給制・時給制などであっても、月額に換算して記入しなくてはいけません。
計算例を使って詳しく解説します。

3-1. 月給制の場合

月給制の場合は、基本的に給与内容をそのまま記入すれば問題ありません。ただし、通勤手当をまとめて支給している場合は、月額に換算する必要があります。

以下の条件を仮定して、計算してみましょう。

基本給:25万円
通勤手当:6カ月定期券で3万円
住宅手当:1万8,000円

【計算式】
基本給250,000円 + 通勤手当5,000円(30,000円÷6カ月) + 住宅手当18,000円=273,000円

【賃金欄の記入例】
1ー273

通勤手当や住宅手当のほかにも、支給している手当があれば追加します。

月給制の場合は計算がシンプルですが、まとめて支給している手当がある場合は、忘れずに1カ月分を算出したうえで加算しましょう。

3-2. 日給制の場合

日給制の場合は、1日の賃金と所定労働日数を用いて計算します。まとめて支給している手当がある場合は、月給制と同様に1カ月分に換算して加算します。

以下の条件を仮定して、計算してみましょう。

1カ月の所定労働日数:20日
日給:1万2,000円
通勤手当:6カ月定期券で3万円
住宅手当:1万8,000円

【計算式】
日給12,000円 × 所定労働日数20日 + 通勤手当5,000円(30,000円÷6カ月) + 住宅手当18,000円=263,000円

【賃金欄の記入例】
3ー263

日給と所定労働日数から、月額の賃金を求める必要があります。

休日出勤が想定される場合でも、必ず所定労働日数を基準に月額換算しましょう。

3-3. 時間給制の場合

時給制の月額賃金を求めたい場合は、1カ月の所定労働日数を用いて労働時間数を求めたうえで計算します。
以下の条件を仮定して、計算してみましょう。

1カ月の所定労働日数:20日
1日の労働時間:6時間
時給:1,400円
通勤手当:6カ月定期券で3万円
住宅手当:なし

【計算式】
所定労働日数20日 × 1日の労働時間6時間 = 120時間(1カ月の労働時間数)

時給1,400円 × 1カ月の労働時間数120時間 + 通勤手当5,000円(30,000円÷6カ月)=173,000円

【賃金欄の記入例】
4ー173

残業やシフト変更が想定される場合でも、基準となるのは1カ月の所定労働日数です。

4. 雇用保険被保険者資格取得届に記入するときの注意点

雇用保険被保険者資格取得届を作成する際は、以下の点に十分に注意しましょう。

4-1. 月額賃金に含まれる手当と含まれない手当がある

雇用保険被保険者資格取得届の賃金欄に記入する金額は、基本給に各種手当を加算した金額です。

しかし、すべての手当を含むわけではありません。

賃金欄に含む手当は、毎月支払われるもので金額が固定されている手当のみです。通勤手当、住宅手当、役職手当などが該当します。

月によって変動する残業手当や休日出勤手当などは含みません。
また、賞与も変動する手当として扱う必要があるため、ある程度賞与の金額が決まっている場合でも除外しましょう。

4-2. すべての手当は月額に換算する

通勤手当は数カ月分の定期券代を計算して支給することが一般的です。その場合は、必ず月数で割って月額換算したうえで計算しましょう。

通勤手当以外のものでも、数カ月分をまとめて支給する場合はすべて同様に月額換算してください。

4-3. ボールペンで記入する

雇用保険被保険者資格取得届は、数字を記入する欄が多く、書き間違いや書き損じをしやすいです。

そのため、修正しやすい鉛筆や消せるボールペンなどで書く人がいます。

下書きなら問題ありませんが、提出する際は必ず消えないインクのボールペンで清書しましょう。

なお、誤って記入した場合は訂正の手続きが必要です。二重線や訂正印を使って修正すると、機械で読み取れずに手続きが遅れてしまうため、不安な場合は下書きをしてからボールペンを使いましょう。

4-4. 提出期限を守る

雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は、雇用した翌月の10日です。

たとえば、4月25日に雇用した従業員の雇用保険被保険者資格取得届は、5月10日までに提出しなくてはいけません。

入社が月末だった場合は、提出期限まであまり日数がありません。雇用保険被保険者資格取得届には、従業員の個人番号や生年月日などの情報も必要なため、用意が遅れると間に合わない恐れがあります。

入社時に必要な届出は雇用保険以外にもあるため、できるだけ早めに情報を集め、提出期限に間に合うようスケジュールを組む必要があります。

適切なスケジュールを組むには、入社時に必要な社会保険の手続きとその内容を把握しておくことが必要となるため、不安な方は当サイトで無料配布している「社会保険手続きの教科書」もご覧ください。資料では入退社時に必要な届出を網羅的に解説しているほか、社会保険の適用拡大についても解説しているため、もれなく手続きに対応したい方はこちらのフォームから資料をダウンロードしてご覧ください。

4-5. 電子申請には事前準備が必要

雇用保険被保険者資格取得届は、e-Gov(イーガヴ)というシステムを使って電子申請できます。

電子申請を利用する場合は、24時間任意のタイミングで申請ができます。ハローワークに出向いたり、郵送したりする手間がありません。

電子申請を利用すれば、提出期日の前日でも手続きが間に合います。しかし、初めて電子申請をする場合は、アプリケーションのインストールやアカウントの取得など、準備が必要です。

準備は時間がかかるものではありませんが、初めて電子申請をする場合は少し余裕をもっておいたほうが安心です。

5. 雇用保険被保険者資格取得届の書き方を知って正しく作成しよう!

雇用保険被保険者資格取得届の賃金欄は、慣れていないと書き方に迷うポイントです。支払の態様は番号どおりに記入すれば問題ありません。

月額の賃金は月給制ならシンプルですが、日給や時給制だと計算する必要があります。本記事の計算例を参考に算出してみましょう。

また、賃金に含まれる手当と含まれない手当の違いにも注意してください。

わからない場合はハローワークに問い合わせ、正しく申請しましょう。

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