勤怠管理の方法とは?効率化の意義や注意点についても解説| HR NOTE

勤怠管理の方法とは?効率化の意義や注意点についても解説| HR NOTE

勤怠管理の方法とは?効率化の意義や注意点についても解説

勤怠管理は業界・業種問わず、必ず行うべき業務の一つです。
2019年の法改正で残業時間の上限が設定され、勤怠管理の重要性は高まっています。また、効率的な勤怠管理で企業の生産性向上に努めることは大切です。
今回は、管理効率化の意義や勤怠管理の方法について解説します。

自社の勤怠管理は法改正に対応できているか不安な方へ

働き方改革が始まり、法改正によって労働時間の客観的な管理や年次有給休暇の管理など、勤怠管理により正確さが求められることとなりました。

しかし、働き方改革とひとことで言っても「何から進めていけばいいのかわからない…」「そもそも、法改正にきちんと対応できているか心配…」とお悩みの人事担当者様も多いのではないでしょうか。

そのような方に向け、働き方改革の内容とその対応方法をまとめた資料を無料で配布しておりますので、法律にあった勤怠管理ができているか確認したい方は、以下のボタンから「中小企業必見!働き方改革に対応した勤怠管理対策」のダウンロードページをご覧ください。

1. 勤怠管理とは

勤怠管理をする人事部の社員企業が従業員の出勤や退勤などの就業状況を管理することを勤怠管理と言います。従業員数が多い企業においては、一人ひとりの就業状況をエクセルや手作業で管理することは困難です。そのため、ICカードやタイムカードなどの機能が搭載された勤怠管理システムを利用して管理する企業が増えてきています。

1-1. 勤怠管理の目的とは?

勤怠管理によって労働時間を把握することで、正確な給与計算が可能となります。実労働時間は何時間で、時間外労働は何時間だったかなど、従業員の労働時間を把握しなければ正確な給与計算はできないため、正しく管理する必要があります。
加えて、法律で作成が義務付けられている賃金台帳には時間外労働や休日労働、深夜労働などの項目ごとに賃金を記載しなくてはならないため、そのためにも勤怠管理は必要になります。

また、残業時間の上限規制や有給休暇の取得義務化など各種法律に対応するためにも勤怠管理は重要です。もし勤怠管理を怠ってしまうと、労働基準法違反となります。その結果、企業は罰則が与えられ、企業イメージの低下に繋がってしまいます。
厚生労働省が定める労働基準法では労働時間・休日についての制度として「使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。」と定めています。[注1]

また、使用者は労働時間が6時間を超える際には45分以上、8時間を超える際には1時間以上の休憩を与える必要があります。加えて、少なくとも毎週1日の休日か4週間を通じて4日以上の休日を与えることも求められます。過重労働を早期で防ぎ、従業員の健康を守ることにも勤怠管理は重要な役割を果たしています。
[注1] 労働基準 労働時間・休日|厚生労働省

1-2. 勤怠管理の対象となる事業所と従業員

勤怠管理の対象となる事業所は、労働基準法の労働時間の規定が適用される事業所であるとされています。また、労働時間の規定が適用されない職種もあります。それは、天候や自然に仕事が左右される水産業や農業などです。一部例外はありますが、基本的に従業員を雇う際には事業所で勤怠管理は必要です。

また、2019年の法改正に伴い勤怠管理の対象者に、通常の従業員に加えて管理監督者も加わりました。管理監督者とは企業内で重要な職務内容を有しており、業績や業務を進める際の監督を行う人のことです。

従来は、管理監督者の労働時間の把握はおこなうことが望ましいとされ、把握することが必須ではありませんでした。しかし、改正労働安全衛生法の第66条の8では一定の労働時間を超えた従業員に対して医師による面接指導をすることを定めており、これには管理監督者も含まれます。この対象者を把握するため、現在では管理監督者の勤怠管理が義務化されています。

1-3.勤怠管理で記録しなければならない内容

使用者は各労働日に始業時刻と終業時刻を適切に管理することが重要です。記録することで有給休暇の取得や時間外労働の有無などの状況を正しく把握できます。

労働基準法の改正に伴って、勤怠管理担当者様は管理簿作成や有給休暇取得日数の把握が一層煩雑になったのではないでしょうか?当サイトでは、勤怠管理担当者様が知っておくべき基礎知識や、働き方改革に対応した勤怠管理方法をまとめた資料を配布しています。こちらからダウンロードして、自社の勤怠管理に抜け漏れがないかを確認することができます。

2. 勤怠管理をしないことで起こりうるトラブルとは

勤怠打刻をする社員勤怠管理を正確におこなわなければ、様々な問題が発生する可能性があります。

2-1. 労働基準法に抵触する

2019年に働き方改革関連法が施行されました。結果、年5日以上の有給休暇の取得義務化など、勤怠管理を基準とした企業の義務が増加しています。また、法改正以前にも企業は労働基準法に則って対応しなくてはならない項目が数多くあります。

例えば、労働基準法には「使用者は、その雇入れの日から起算して6カ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」と記載があります。これに違反した際には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるため、違反しないことが大切です。[注3]

このように、労働基準法には対応を怠った場合に罰則が課せられる項目もあるため、勤怠管理を適切に行い、確実に法対応をしていく必要があります。
[注3] 労働基準法|e-Gov法令

2-2. 時間外労働への法令違反

時間外労働時間の上限規制として原則「月45時間、年360時間」となっています。

また、特別条項付きの労使協定を結んだ場合、原則の上限を超えられる回数が年6回に制限されるのに加えて月100時間未満、年720時間以内を上限とします。上限時間を超過した際の罰則として「半年以内の懲役もしくは30万円以下の罰則」が課せられます。[注2]

また罰則だけではなく、社会からブラック企業として見られたり、過剰労働による従業員の生産性低下に繋がってしまったりします。そのため、時間外労働に対して企業全体で環境を整えていく必要があります。
[注2] 時間外労働の上限規制|厚生労働省

2-3.従業員への安全配慮義務の欠如

企業にとって従業員の心身の健康を管理することも勤怠管理の役割の一つです。従業員の時間外労働や休日出勤の状況を把握していなければ心身の疲労度に気づけません。最悪の場合には、うつ病の前兆を発見できず過労死などの労災を誘発する恐れがあります。

また、企業が労災認定を受けた場合、高額な損害賠償義務を負います。メディアに取り上げられれば、企業イメージがダウンしたり、業績悪化の拍車がかかったりする可能性があります。そして、法令違反で罰則を受けることもあります。

3. 勤怠管理の方法

勤怠をチェックして管理する社員勤怠管理の方法は様々な形態があります。ここでは、大きく3つの勤怠管理方法について解説します。

3-1. エクセル・出勤簿による勤怠管理方法

エクセルや出勤簿での勤怠管理をおこなう場合、基本的に自己申告となります。
誰でも出勤時に記載や入力ができるため、本人が入力したかの確認が困難です。

また、実際に仕事を始めた時間・終えた時間である記載タイミングが記載してある時刻とは異なる可能性もあります。
加えて、自己申告の場合では、申告のあった時間と実際に働いた時間に乖離がないか、必要に応じて従業員への実態調査を実施する必要があります。

3-2. 指紋認証・ICカードによる勤怠管理方法

打刻された時刻が正確かつ、本人確認のセキュリティレベルが高いのが特徴です。ただし、設置場所が定まっていることが大半なので、直行直帰をおこなった従業員は、後から勤怠管理を修正する必要があるので、注意が必要です。

3-3. 勤怠管理システムによる勤怠管理方法

PCやスマートフォンを利用した打刻や既存のICカードによる認証にも対応できます。社内外問わず打刻することが可能なので、直行直帰が多い従業員でも利用しやすいメリットがあります。また、GPS打刻などの最新機能が搭載されている場合があります。
そのため、エクセルや出勤簿での勤怠管理と比較して不正防止などに効果的と言えるでしょう。

4. 勤怠情報の保管期間について

勤怠管理システムでデータを管理している勤怠管理をしてとった記録は、法律で定められた期間、保管しておかなくてはなりません。
具体的に、出勤簿は「賃金その他労働関係に関する重要な書類」に該当します。[注4]
[注4] 労働基準法第109条|e-Gov法令

出勤簿の保管期間は2019年の法改正によって3年から5年に延長されました。[注5]
以前までは紛争解決や監督上の必要から、その証拠を保存するため3年間の保存義務が設けられていましたが、民法改正にあわせて出勤簿の記録の保存期間も延長することになったため、注意しましょう。

[注5] 改正労働基準法等に関するQ&A|厚生労働省

5.自社に最適な勤怠管理の方法を

勤怠管理システムで社員の打刻状況がデータベース化されている勤怠管理は、法改正や働き方改革に伴い重要な役割を果たしています。
また、適切な労働時間の管理をすることで、正確な給与計算や従業員の生産性向上に繋がるでしょう。

時間外労働の法令違反や労働基準に抵触しないように、自社の従業員数や働き方に適した最適な勤怠管理の方法を選択してください。

自社の勤怠管理は法改正に対応できているか不安な方へ

働き方改革が始まり、法改正によって労働時間の客観的な管理や年次有給休暇の管理など、勤怠管理により正確さが求められることとなりました。

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