月額変更届の記入例やダウンロード方法は?提出先やいつ出すか、注意点も解説 |HR NOTE

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月額変更届の記入例やダウンロード方法は?提出先やいつ出すか、注意点も解説

  • 労務
  • 給与計算

会社でミーティングをしている

会社は従業員に給与を支給する際、社会保険料をあらかじめ天引きし、保険者(協会けんぽなど)に支払う義務があります。

社会保険料を計算する際のベースとなるのが標準報酬月額ですが、この標準報酬月額は被保険者の資格を取得後、毎年1回おこなわれる定時決定によって決まる仕組みです。

しかし、年の途中で標準報酬月額が著しく変化した場合は、定時決定を待たずに月額変更届を提出し、改定をおこわなくてはなりません。

今回は、月額変更届の基礎知識と基本的な書き方、提出方法、電子申請のやり方などについて解説します。

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年度更新定時決定随時改定と、労務担当者は給与の改定と並行して、年間業務として保険料の更新に関わる業務を行う必要があります

一方でこのような手続きは、実際に従業員の給与から控除する社会保険料の金額にダイレクトに紐づくため、書類の記入内容や提出はミスなく確実に処理しなければなりません。しかし、書類の記入欄は項目が多く複雑で、さらに申請書や届出にはそれぞれ期限があり、提出が遅れた場合にはペナルティが課せられるケースもあります。

当サイトでは社会保険の手続きをミスなく確実に完了させたい方に向け、「各種保険料の更新・改定業務のマニュアル」を無料配布しております。

ガイドブックでは、年度更新の申請書から定時決定における算定基礎届随時改定時の月額変更届、さらには賞与を支給した場合の支払報告書書き方から、記入例、提出方法までまでを網羅的にわかりやすくまとめているため、「社会保険の更新・改定業務のマニュアルがほしい」という方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

1. 月額変更届とは?

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まずは、月額変更届とはどのようなものなのか解説します。

1-1. 月額変更届は標準報酬月額の変更に必要な書類

月額変更届とは、標準報酬月額を改定する際に必要となる届出のことです。標準報酬月額は、厚生年金保険料や健康保険料を決めるベースとなるもので、「標準報酬」を年金なら1等級から32等級に、健康保険なら1等級から50等級(健康保険)に分けた際に該当する金額を意味します。

引用元:全国健康保険協会「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

1-2. 月額変更届と算定基礎届との違いは?

算定基礎届とは、定時決定(毎年決まった時期に、従業員の社会保険料を出すためのもとになる標準報酬月額を決めること)の時に会社が提出する書類のことです。
標準報酬月額は毎年4~6月の3ヵ月間に支払われる給与の平均をもとに決められます。
会社は社員に支払った4~6月分の賃金を記載した算定基礎届を、管轄の年金事務所宛に7月10日までに提出する必要があります。

 

一方の月額変更届は、随時改定(標準報酬月額に変更が生じた場合に社会保険料の変更をすること)をする場合に提出する書類です。
昇給や降給によって大幅に固定的賃金が変わった、日給制から月給制に変更になったなど、標準報酬月額が変動するような出来事があった場合に届け出る必要があります。

 

月額変更届は改定を行う必要が生じた場合に、年金事務所まで速やかに提出します。

算定基礎届は毎年必ず提出するものですが、月額変更届は標準報酬月額に変更が生じた場合のみ提出する書類となります。

1-3. 標準報酬月額の決定

標準報酬月額を決定する方法でよく出てくるのが「定時決定」と「随時改定」の2つです。

先述の通り、標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した年以後、毎年4月、5月、6月の3ヵ月間の報酬の平均額を算出し、それをもとにした「定時決定」によって決まる仕組みになっています。

ただ、定時決定は年に1回しかおこなわれないため、途中で標準報酬月額のベースとなる報酬に変化があった場合、実際に支給されている額と標準報酬月額との間に大きな差が生じる可能性があります。このような場合においては、「随時改定」によって標準報酬月額を変更しなくてはなりません。

1-4. 月額変更届の提出が必要となる3つの要件

以下の3つすべての要件を満たす場合は、定時決定を待たず、速やかに随時改定をおこなう決まりになっています。

  • 固定的賃金に変動があったとき
  • 従前の標準報酬月額と、改定後の標準報酬月額に2等級以上の差が生じるとき
  • 固定的賃金が変動した日以後、連続した3ヵ月における報酬の支払われたすべての月の支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上であること

以上の条件を満たす場合は、月額変更届を保険者に提出することで、変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4ヵ月目の標準報酬月額から改定が反映されます。

参考:健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届 厚生年金保険 70 歳以上被用者月額変更届|日本年金機構

1-5. 月額変更届の提出が不要なケース

以下の要件に当てはまる場合は、随時改定の要件に該当しないため、月額変更届の提出は不要となります。

  • 固定的賃金は上がった一方、変動後の連続した3ヵ月分の報酬の平均額による標準報酬月額が従前より下がり、2等級以上の差が生じた場合
  • 固定的賃金は下がった一方、変動後の連続した3ヵ月分の報酬の平均額による標準報酬月額が従前より上がり、2等級以上の差が生じた場合

月額変更届を提出するほかにも、人事労務担当の方が対応すべき社会保険料の手続きや計算業務は多岐にわたります。

とはいえ、社会保険料におけるすべての計算方法や、想定する年間スケジュールが明確でなく、不安を感じている人事労務担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向けて、本サイトでは社会保険料の概要・計算方法や、社会保険料の計算について把握しておくべき年間スケジュールについて解説した資料を無料で配布しています。

社会保険料において、ミスなく業務を遂行したい人事労務担当の方は、こちらからダウンロードしてご活用ください。

2. 月額変更届の書き方と記入例

ポイントを示している

随時改定に該当する従業員がいる場合、事業主は速やかに月額変更届に必要事項を記入し、提出する必要があります。

月額変更届では、これから紹介する18の事項についての記載が必要です。

2-1. 健康保険事業所記号

健康保険事業所ごとに割り振られた数字を記入します。

2-2. 事業所の名称・所在地・電話番号、事業主氏名

事業所の名称、所在地、電話番号とともに、事業主の氏名を記入します。

2-3. 被保険者証の番号

資格取得時に交付された被保険者証の番号を記入します。

2-4. 被保険者氏名

随時改定の対象となる被保険者の氏名を記入します。

2-5. 生年月日

随時改定の対象となる被保険者の生年月日を記入します。

2-6. 改定年月

随時改定がおこなわれる年月を記入します。

具体的には、後述する給与支給月で記入した3ヵ月目の翌月となります。

2-7. 従前の標準報酬月額

変更前の標準報酬月額を千円単位で記入します。

2-8. 従前改定月

変更前の標準報酬月額が適用された年月を記入します。

2-9. 昇(降)給

随時改定の原因となった昇給・降給があった月の支払月を記入します。

昇給・降給は該当する項目に◯をつけます。

2-10. 遡及支払額

遡及分の支払があった月と、支払われた遡及差額分を記入します。

遡及分は、計算ミスや額の決定が遅れるなどして支給が遅延した場合や、後から遡及することが決まった場合などに発生します。

2-11. 給与支払月

固定的賃金の変動が反映された月から3ヵ月分の月を記入します。

2-12. 給与計算の基礎日数

正社員や契約社員など月給・週給者の場合は暦日数を、パートやアルバイトなど日給・時給者は出勤日数等報酬支払の基礎になった日数をそれぞれ記入します。

月給・週給者のうち、欠勤日数分の給与を差し引く場合は、就業規則などで定められた日数から欠勤日数を除いて記入します。

2-13. 通貨によるもの

労働の対償として得た金銭(通過)の合計金額を記入します。

名称は問わず、支給された給料や手当等のすべてが含まれます。

2-14. 現物によるもの

報酬のうち、金銭ではなく現物で支給されたものを記入します。

たとえば、食事や住宅、被覆、定期券などが該当します。

2-15. 総計

3ヵ月分の通過によるものと現物によるものの総計を記入します。

2-16. 平均額

総計を3(ヵ月)で割った数値を記入します。1円未満は切り捨て処理します。

2-17. 修正平均額

昇給が遡ったために対象月中に差額分が含まれている場合は、差額分を除いた平均額を記入します。

2-18. 備考

当該従業員について、当てはまる項目があれば◯を付けます。

備考欄には以下のような項目があります。

  • 二以上勤務
  • 短時間労働者(特定適用事業所等)
  • 昇給・降給の理由
  • 昇(降)給差の月額
  • その他

2-19. 月額変更届のダウンロードはどこでできる?

月額変更届のダウンロードは、日本年金機構の公式サイトにておこなうことが可能です。随時改定に該当する際には、以下よりエクセル版の変更届を求められます。

参考:健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届(エクセル)|日本年金機構

2-20. 月額変更届の記入例は?

月額変更届の記入時には、記入例を参照のもと、記載するとスムーズに作成できるでしょう。倉庫業健康保険組合では、以下の記入例を公開していたため、必要に応じて参照するとよいでしょう。被保険者報酬月額変更届

引用:被保険者報酬月額変更届|協会けんぽ

また70歳以上の被用者の月額変更届の記入例を確認したい方は、日本年金機構が公開している以下の記入例が参考になるでしょう。

参考:健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届(記入例)|日本年金機構

3. 月額変更届はいつ出す?提出までの流れを確認

ここからは、月額変更届の提出期限や流れを解説します。

3-1. 月額変更届はいつまでに出す?

月額変更届の提出期限については、明確に期日が決められていません。ただし要件を満たす従業員がいることが判明した場合は、日にちを空けずに変更届を提出することが求められます。

3-2. 月額変更届を提出する流れ

基本給や通勤手当などの固定的賃金に変動があった場合は、随時改定が必要となります。対象となる従業員がいる場合は、以下の流れで随時改定が必要かどうか判断して手続きをおこないます。

流れ 概要

随時改定の対象者かどうか判断する

  • 固定的賃金が変動した従業員がいる場合、随時改定の対象となるかどうかの判定する
  • 固定的賃金の変動から3か月後に、賃金が上がった後の報酬平均額と現在の報酬平均額を比較して、2等級以上の違いがあるかをチェックする
  • 固定的賃金の変動があった時点で3か月後のスケジュールに入れておくと確認忘れが起こりにくくなる
月額変更届を作成する
  • 随時改定が必要な従業員がいる場合は、月額変更届を作成してい提出する
  • 新しい保険料は給与が変更してから4か月目の給与から、社会保険料の支払いは、当月分翌月払いから適用となる
  • 手続きの状況にかかわらず、給与の天引きは上記のタイミングに合わせておこなう
  • 手続きが遅れると、給与天引きと社会保険料の支払額に不整合が生じるため、できるだけ早く手続きをおこなう必要がある
標準報酬月額の変更を給与に反映する
  • 固定的賃金の変動から4か月後の給与から、標準報酬月額の変更を反映させる
  • ただし、社会保険料の支払い月と給与天引きの月を合わせている場合は、5か月目の給与からの改定となる(社会保険料の支払いは当月分を翌月払いとするため)

4. 月額変更届の提出方法と添付書類

月額変更届を提出している

ここから、月額変更届の提出方法や添付書類について解説します。

4-1. 月額変更届の提出先

月額変更届の提出先は、日本年金機構の各都道府県にある事務センター、あるいは事業所のある地域を管轄する年金事務所です。スムーズな手続きのためにも、あらかじめ提出先を確認しておきましょう。

4-2. 月額変更届の提出方法

月額変更届の提出方法は、窓口持参・郵送・電子申請の3パターンあります。窓口持参の場合、事務所の所在地を管轄する年金事務所に、月額変更届を持参します。

月額変更届の提出は、電子申請が義務化されている一部の企業以外はいずれの方法でも構いませんが、最近は電子申請による提出が増えているようです。

このあと、電子申請の具体的な方法や手順を紹介するので、参考にしてみてください。

4-3. 月額変更届の添付書類

月額変更届の添付書類は原則不要ですが、以下に該当する場合には別途書類の添付が必要になります。

  • 従業員の標準報酬月額が5等級以上下がる場合
  • 届出の提出が、標準報酬月額の改定月の初日から60日以上遅れた場合

上記に該当する場合には、賃金台帳や出勤簿の写し等が求められるため把握しておきましょう。

なお、改定後の標準報酬月額が改定前と比較して等級が下がる場合、以下の添付書類が必要になります。

  • 昇降級のあった支払月の前月以降4ヵ月分の賃金台帳の写し
  • 昇降級のあった支払月以降の3ヵ月分の出勤簿の写し
  • 取締役会の議事録等の写し(被保険者が役員の場合)

また、年間報酬の平均で算定することを申し立てる場合は、以下の添付書類が必要になります。

  • (様式1)年間報酬の平均で算定することの申立書(随時改定用)
  • (様式2)健康保険 厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届・保険者算定申立に係る例年の状況、標準報酬月額の比較及び被保険者の同意等(随時改定用)

郵送の場合も、上記の書類を管轄の年金事務所宛に送付すれば問題ありません。

5. 電子申請によって月額変更届を提出する方法

電子申請をしている

月額変更届は、電子申請を利用して提出することも可能です。

電子申請の利用方法には複数のパターンがありますが、ここでは最もスタンダードなやり方を紹介します。

5-1. 電子申請の義務化されている法人か確認する

月額変更届の手続きは行政が行います。しかし、その作業コストが多いことが問題とされていました。それを減らすために一部の法人について、月額変更届の電子申請を義務付けたのです。

一部の法人とは以下の条件に該当する法人となります。

  • 資本金、出資金又は銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
  • 相互会社
  • 投資法人
  • 特定目的会社

これらの条件を満たしている法人は電子申請で月額変更届を提出しなくてはいけません。月額変更届の他にも被保険者資格取得届や被保険者転勤届など一部の手続きを電子申請で行う必要があります。自社がこの条件に該当するかどうかは、月額変更届以外の手続きにも影響するので確認をしておくようにしてください。

5-2. GビズIDのアカウントを取得する

GビズIDとは、一つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスすることができる認証システムです。

GビズIDのホームページから、法人代表者用のgBizIDプライムの申請書を作成し、必要項目を入力してから印刷します。

手書きで作成日を記入し、押印したら、申請書と印鑑証明書を同封し、GビスID運用センター宛に郵送します。

書類に不備がなければ原則2週間以内にメールが届き、記載された手順に沿って手続きすれば、アカウントを取得できます。

 

なお、現在はマイナンバーがあれば郵送や印鑑証明は不要です。Webで完結できます。

5-3. 届書作成プログラムを利用して届書を作成する

届書作成プログラムとは、届書のデータを簡単に作成・申請できるプログラムのことです。

日本年金機構のホームページからダウンロードすることが可能です。

パソコンへのインストールが終わったら、各種初期設定をおこなった後、被保険者情報を登録します。

なお、管轄の年金事務所に問い合わせれば、被保険者のデータが収録されたターンアラウンドCDが送付されるため、CDのデータを読み込めば被保険者のデータを簡単にインプットできます。

登録が完了したら、プログラムを起動し、「届書一覧入力」から月額変更届を選択します。

画面に表示された項目に必要事項を記入したら、届書データを保存し、電子申請用ボタンを押下した電子申請用ファイル、CSV形式届書総括票を作成します。

5-4. 申請をおこなう

プログラムにある「届書の申請・申請状況の照会」から、作成した電子申請用ファイルを送信します。

初回はGビズIDアカウントの登録が必要です。

あとは作成した届書データを選択し、申請情報を入力して「申請」ボタンを押下すれば、電子申請は完了です。

6. 月額変更届に関してよくある質問

ハテナマークが浮かんでいる

ここからは、月額変更届についてよく生じる疑問について紹介します。

月額変更届の記入例、月額変更届を出さなかった場合どうなるか、提出し忘れた場合の対処方法、算定基礎届と同時に提出すべきか、などの質問にお答えしていきます。

6-1. 月額変更届を出さない場合の罰則は?

月額変更届の提出が遅くなると、役所から計算された保険料額にズレが生じてしまいます。

年金事務所に月額変更届を出せなかった・もしくは虚偽の提出をおこなった場合には、厚生年金保険法によって罰則が科される可能性があります。

具体的な内容については、厚生年金保険法102条1項1号にて、故意があった場合などに6月以下の懲役または50万円以下の罰金が該当するため、注意しましょう。

6-2. 月額変更届を出し忘れた場合の対処方法は?

月額変更届を出し忘れてしまった場合には、管轄の年金事務所にその旨を連絡したうえで、すみやかに提出手続きを進めましょう。また保険料額にズレが生じてしまった場合には、差額分を会社側と従業員側でそれぞれ対応が必要です。

 

変更前と比較して等級が上がった場合には保険料が上がるため、会社側は追加で納付の必要があります。従業員側については、会社が従業員に事情を説明し「毎月分割で徴収する」「現金で徴収する」など従業員に負担がかかりにくい方法を、ともに模索することが重要です。

 

反対に等級が下がった場合は、会社側は、原則翌月以降に年金事務所に納める保険料へ充当します。ただし、6ヶ月経過後も超過がある場合は還付となります。また従業員側には、事情を説明し、翌月以降の給与から控除する社会保険料を減額したり、現金で還付しするといった対応が必要です。

6-3. 月額変更届はいつから反映される?

月額変更届の内容が反映されるタイミングは、固定的賃金や給与体系が変更した月から4ヵ月目となります。

6-4. 算定基礎届と月額変更届は同時に提出できる?

4月の昇給で、標準報酬月額が2等級以上上がる場合には、定時決定を待たずに7月から標準報酬月額の変更をおこないます。このケースでは、その従業員に対する定時決定はしません。また7月から9月のいずれかの月から随時改定が行われる場合、その従業員のその年の定時決定は必要はないです。

6-5. 月額変更届の遡及支払額とは?

月額変更届の遡及支払額とは、本来の支給日に支給できず、あとから遡って支給された支払額のことです。
多くの会社では新年度の開始に合わせて4月に昇給をおこないますが、人事評価に時間がかかった場合、4月の支給に間に合わないことがあります。

その後、6月に昇給が決まり、4月・5月分の昇給差額を6月分と合算して支給したとします。

この場合、昇給したのは4月ですが、実際に差額支給がおこわれたのは6月なので、標準報酬月額を算定する基準となるのは6・7・8月の3ヵ月間の平均賃金となります。

そのため、8月分の報酬を支払った後、会社は9月の上旬までに月額変更届を提出することになります。

7. 標準報酬月額に変更がある場合は、月額変更届を忘れずに提出しよう

案内をしている

昇給・降給などで標準報酬月額に著しい変更があった場合は、年の途中でも月額変更届を提出する必要があります。

電子申請が義務化されていない会社の場合、月額変更届は窓口に持参するか、郵送で送付することも可能ですが、電子申請を利用すれば24時間いつでも会社などから申請できます。

初回はアカウントの取得などで手間はかかりますが、一度登録すれば次回以降の手続きはぐっと楽になりますので、積極的に利用することをおすすめします。

また、月額変更届の提出を判断するのは企業の担当者です。固定的賃金に変更のあった従業員は、3か月後の状況次第で月額変更届の提出が必要となるので、忘れずに対応しましょう。

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