経費精算では基本的に領収書やレシートの貼付が必要です。理由として、領収書の貼付を不要とすれば、経費の不正利用につながる恐れがあるためです。また、税法上も領収書の7年間の保管を義務付けています。
領収書を失くしたときは、店舗に再発行を依頼する、レシートで代用するなどが方法です。
本記事では、経費精算に領収書が必要な理由と、紛失したとき・領収書が発行されないときの対処法を解説します。
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」
などなど日々の経理業務に関して不安になることがございませんでしょうか。
特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
そこで今回は、仕訳や勘定科目などの基礎知識から、経理担当者なら知っておきたい法律知識などを網羅的にまとめた資料をご用意しました。
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1. 経費精算における領収書の必要性
経費精算時に領収書が必要な理由は2つあり、ひとつは従業員の経費の無駄遣いや不正利用を防止するためです。もうひとつは、税法上、領収書の保管が義務付けられているためです。
1-1. 経費の無駄遣いや不正利用を防ぐため
領収書は従業員が商品やサービスを受け取り、所定の金額を支払ったことを証明する書類です。もし、経費精算時に領収書の添付を不要とすれば、経費の無駄遣いや不正請求などコンプライアンス上の問題が発生する可能性もあります。
また、領収書を受け取らなければ、取り引きを客観的に証明する方法がありません。場合によっては取引先から二重請求を受ける可能性もあり、過払いなどの防止のためにも領収書は必要です。
1-2. 法律上7年間の保管義務があるため
法人税法や消費税法では、領収書の7年間の保管を義務付けています。これは、経費の適切な使用や処理の証拠となるためです。
もし、税務調査のとき領収書なし、証拠書類なしの経費精算書が見つかれば、経費(費用)として認められない恐れもあります。
なお、会社が納める税金は収益から損金(税法上の費用)を引いて得られた所得額により変動します。そのため、経費が認められないと、所得額が変わり、必要な納税額も変わってしまうかもしれません。
会社の正しい利益を計算したり、納税額を確定したりするためにも、経費精算時の領収書は必要です。
2. 経費精算の領収書に必要な項目
適正な経費精算につなげるための領収書の確認項目を解説します。なお、領収書は自分で加筆修正できないため、発行者側に必要事項を書いてもらわなければいけません。
2-1. 取引年月日
商品やサービスに対し、代金を支払った日付が記載されているか確認します。記載は和暦でも西暦でも問題ありません。しかし、「2020年」を「20年」と書くなど、省略は認められないため注意しましょう。
2-2. 宛名
消費税法上では基本的に、宛名には領収書の交付を受ける事業者の名称の記載が必要です。会社名は(株)のように省略せず、正式名称でなければいけません。
なお、小売店や飲食店の発行する領収書は、例外的に宛名がなかったり、「上様」などと書かれていたりしても税法上は問題ありません。
しかし、経費精算の領収書で宛名なしを認めてしまうと、本当に会社用のものを購入したか判断できません。そのため、一律して宛名を必要とすることが多いでしょう。
2-3. 金額
金額は総額を税込金額で記載します。先頭には「¥」や「金」、末尾には「-」や「也」「※」など、金額改ざんを防ぐマークが入っているか確認しましょう。さらに、数字は三桁ごとに,(カンマ)が必要です。
2-4. 但し書き
但し書きには、どのような目的で購入したかわかるように記載してもらいます。たとえば「文房具代(ペン、ノート、他3点)として」となります。
「お品代」などでは、仕事のための購入品か判断できません。また、接待時の領収書の但し書きでは先方の会社名まで記載してもらうほうが安全です。
2-5. 発行者の住所と氏名
領収書を発行した会社や店舗の名称・住所・電話番号などが記載されているか確認しましょう。領収書自体にハンコが押されていたりします。
2-6. 収入印紙
5万円以上の取り引きでは、所定額の収入印紙の貼付と消印が必要です。クレジットカード払いであれば収入印紙は不用です。
なお、収入印紙の貼付は発行者側の義務であり、万が一貼り忘れた領収書を受けとっても税法上の問題はなく、経費精算も可能です。自社で貼付する必要もありません。
3. 領収書を紛失したときの経費精算方法
領収書を紛失したときの経費精算では、再発行を依頼する、レシートで代用する、出金伝票を作成するなどの方法が考えられます。
3-1. 再発行を依頼する
領収書紛失の際は、発行先の企業や店舗に領収書の再発行ができるか確認し、可能であれば発行してもらいましょう。
とはいえ、不正防止のため再発行をしない会社も多いため、その場合は別の方法を検討します。
3-2. レシートを使う
経費精算は領収書原本だけでなく、レシートでも代用できます。その場合、日付、金額、商品の明細、発行者が書かれているか確認しましょう。
レシートのほか、会社のルールによってはクレジットカードの利用履歴などで代用できることもあります。
3-3. 出金伝票を作成する
出金伝票とは、代金を支払った側が自己申告のために作成する書類です。一般的には、支払日、支払先の会社名、但し書き、支払い金額を記入し作成します。とはいえ、出金伝票で経費精算を可能とするかどうかは、会社のルールにより異なります。
また、消費税の仕入税額控除に適用したい場合、出金伝票だけでは不十分です。その場合、取り引きの詳細を記載した仕入明細書を作成し、先方の確認を受ける必要があるため注意しましょう。
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4. 領収書が発行されないときの経費精算方法
領収書が発行されない取引では、基本的には先述の出金伝票を作成し経費精算を行います。
なお、交通費の経費精算では領収書不要の会社も多くあります。とはいえ、適正な経費の使用のためにも、以下の内容を経費精算書で申告させるケースが多いでしょう。合わせて、交通系ICカードの使用履歴を提出させることもあります。
- 申請年月日
- 申請者氏名
- 訪問年月日
- 訪問先
- 利用交通機関
- 利用区間
- 出発地・到着地
- 片道または往復
- 金額
4-1. 経費精算で領収書がないときは関係書類と合わせて保管する
領収書やレシートがなくても経費精算自体できるものの、税務調査が入れば追求される可能性が高くなります。
税務調査では領収書の有無だけでなく、会社の金銭の動きなど、総合的に判断して経費に該当するか否か判断します。そのため、領収書がなければ、直ちに経費として認められない訳ではありません。
出金伝票を使って経費精算をするときは、追求されても説明できるよう関係書類と合わせて提出・保管しましょう。
たとえば、香典であれば、新聞のお悔み欄、葬儀の案内状、会葬礼状、香典袋のコピーなどがよいでしょう。
これらの関係書類・出金伝票・経費精算書を合わせて保管します。
4-2. 経費精算の領収書原本はどう保管する?
先述のとおり、領収書の原本は税法上7年間の保管が必要です。企業によって念のため、10年間保管することもあります。領収書は原本を保管すれば、コピーなどをとる必要はありません。
なお、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たして領収書を保管する場合、スキャン後の領収書原本は速やかに破棄して問題ありません。
また、電子データで受け取った領収書は、電子データのまま保存しなければいけない点にも注意しましょう。
5. 経費精算では基本的に領収書が必要!
会社によりルールは異なるものの、基本的に経費精算では領収書やレシートの貼付が必要です。また、領収書紛失した際は、再交付を依頼する、レシートで代用するなどの方法があります。
経費精算を紙で行い、領収書の原本提出を義務付けていれば保管のコストもかかってしまいます。煩雑な経費精算業務はシステムを導入して電子化すれば、業務効率化や管理コストの削減に役立ちます。
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特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
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