【インドネシア採用】求人票の書き方とトラブルを回避するポイント|HR NOTE

【インドネシア採用】求人票の書き方とトラブルを回避するポイント|HR NOTE

【インドネシア採用】求人票の書き方とトラブルを回避するポイント

  • 編集部より

前回は、応募の集まる魅力的な求人票の作成方法をお伝えしました。今回は、その中でも特に、入社後にトラブルが起こりやすい“業務内容の書き方”にフォーカスしてお伝えします。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

業務内容の記載が不十分のために起こりうるトラブル

トラブル1:業務経験・スキルが足りない人の応募が集まりやすい

この点に関しては、皆さんも想像がつくかと思いますが、業務内容に関する記載が少ないと求職者側は、業務に関して正しい理解ができないため、会社側が希望しているような人材からの応募が集まりにくくなってしまいます。そして、インドネシアには、条件にやや当てはまれば、求人サイトから手当たり次第に応募をするという方も多くいらっしゃいます。そのため、そういった求職者に制限をかけるためにも、細かく業務内容を記載するようにしておくとよいでしょう。また、稀にあるケースですが、現場と人事とで業務内容を含めた求人の理解にずれがある場合にも、業務経験・スキルが足りない人の応募が集まりやすくなるため、注意が必要です。

解決策
現場と人事間とで、求人内容を壁打ちしながら求人票の作成を進めましょう。その際、業務内容に関しては、現場で実際にその業務に携わっている人、もしくは後に上司となる人に確認してもらいながら作るといいかもしれません。

トラブル2:早期退職につながりやすい。

過去、実際に起きたケースですが、求職者が日本語通訳として入社したものの、入社後徐々に日本語ではなく、中国語の通訳としての業務が増え、当初決まっていた勤務地と別の拠点での就労が増えたため、入社1年以内で退職せざるを得ない状況になってしまったそうです。このような場合、求職者としても、「聞いていた話しと違う」という状況になり、また企業としても、採用した人材がすぐの退職となってしまうため、再度別の人材を探し、業務の引継ぎをするための手間とコスト、そして時間がかかってしまいます。

解決策
事前に、”業務内容に日本語だけでなく中国語の通訳も含まれること”、また”業務の状況により勤務地にも変更あり”、という記載があれば、その条件に納得している求職者の採用ができたはずです。そのため、求職者にとって、不利な条件であってもごまかさず、しっかりと条件を記載することを推奨します。

トラブル3:採用後の解雇が難しくなる

稀に、従業員から「この業務は、雇用契約書(もしくは内定書)に記載がなかったから仕事をしない」と言われてしまうケースもあるようです。しかし、契約書内に業務内容を記載できていないと、会社側は無理強いすることができなくなってしまいます。そして、「やらない・できないが続くなら解雇にしたい」と思っても、インドネシアで正社員の解雇を行うことは難しく、また契約社員に関しては違約金が発生してしまうため、契約期間が満了するまで我慢をしなくてはならない状況となってしまいます。

解決策
業務内容を作成される際、「To handle related other job」(関連ある業務も担当する)という一言を入れることをおすすめします。仮に「そんな業務は聞いていない」と反論された場合でも、この一文があれば求職者側に説明することができ、また解雇をする際にも警告書が出しやすくなるのではないでしょうか。

ポジションごとの業務内容の記載方法(良い例・悪い例)

具体的に、どのように仕事内容を記載するとわかりやすいのか、悪い例と良い例と比較し確認してみましょう。

営業スタッフの場合

悪い例 良い例

・新規顧客開拓

・自社製品の販売

・お客さんとのコミュニケーション

・チームとの連携

・営業活動(日系企業への新規アプローチが7割・既存日系顧客のフォローが3割)

・自社製品の販売(日系企業向けの販売)

・お客さんとのコミュニケーション(週に3日ほど工業地帯への訪問等あり)

・チームとの連携(通常3~5名体制)

営業職といえば、お客さんに”製品”もしくは”サービス”を提供することをイメージされる方が多いかと思います。しかし、業務内容確認後、「誰に、なにを、どうやって提供するのか」がわからない場合、ミスマッチが起きてしまうのではないでしょうか。実際、仮に悪い例だけを見た場合、もしかしたら「新規顧客開拓が100%で、自社製品を顧客に直接する(BtoC)営業」とイメージしてしまう人もいるかと思います。

日本での営業活動と違い、インドネシアは営業活動に電車や交通機関の利用があまり使われていません。そのため、営業時には従業員の車やバイク、または社用車の利用をしている企業が大半です。そのため、営業活動をする際の「手段」についての記載も加えると更にイメージがつきやすいのではないでしょうか。

人事スタッフの場合

悪い例 良い例

・自社の採用活動のサポート

・社員の出欠の確認

・新入社員のトレーニングサポート

・給与計算サポート

・自社の採用活動のサポート(求人票の作成・エージェントとのコミュニケーション・面接調整・内定書等の必要書類の作成)

・社員の出欠データを確認し、システムを更新する。(システム名:□◎△○)

・新入社員が入社後のサポート(当日の案内・社内ルールの説明、また実際の業務が始まった後のメンタルサポート等)

・エージェントの給与計算を依頼するためのデータの用意

実際に、インドネシアの求人サイトに掲載されている求人の業務内容を確認すると、悪い例のようにざっくりとした業務内容が記載されていることがほとんどではないでしょうか。しかし、上記のような悪い例のみでは、業務内容の具体的なイメージまで持つことができないかと思います。そして、インドネシアでの求人は、英語やインドネシア語での表記のため、更にざっくりとした印象を受けてしまうかもしれません。

そのため、良い例のように大枠の業務を噛み砕いて、細かい業務まで記載するようにするとよいでしょう。また、スタッフとしての業務だけでなく、年間何名規模の採用を行っているのか、また入社後のトレーニングはどのようなアジェンダがあるのか、というような部署としてのターゲットについても、詳細な記載があると更に業務への理解が深まるかもしれません。

業務内容を記載するときに気をつけたい点2つ

①「誰に」・「何を」・「行なう仕事」なのかを端的に書きましょう。

これは、「社内のレポート」というようなさりげない業務に関しても含みます。というのも、レポート先が社長なのか、日本人なのか、ローカルのマネジャーなのか、「誰に」という部分が違うだけで、そこからイメージできる業務には差があることかと思います。そのため、上記にあった営業ポジションでの説明のように、大きい枠にある業務を、「誰に」、「なにを」、「どのように行う仕事」なのか、細かく噛み砕いて書くようにしましょう。

②”仕事している”自分を想像できるくらいに詳しく書く

求職者にとって、転職活動をする上で大切なのは、入社前の段階で、”入社後の業務内容、そして業務をしながら生活していること”のイメージができることではないでしょうか。事前に、こういったイメージを持つことができると、入社後に発生しかねないギャップを抑えることが出来るかと思います。特にインドネシア人は、日本人と比べると、”家庭”や”プライベートの時間”を重視するため、入社前と後のギャップを減らすことは非常に重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。このように、業務内容の書き方を少し工夫するだけで、応募喚起に繋がるばかりか、書類選考・面接でのミスマッチが減るため、採用活動を効率的に進める事も出来るようになるのではないでしょうか。そのため、求人表を作成する際は、社内で実務を行っている社員に話を聞き、日々どのように仕事をしているか書き出してみると良いでしょう。そして「自分が求職者だったら、どのような情報が欲しいだろう?」という観点をもち、内容を書くようにすると、更に魅力的な求人票を作成することができるかと思います。

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