「できる責任者は武勇伝を語らない」人事部の生産性をあげる【3日×3ステップ】 |HR NOTE

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「できる責任者は武勇伝を語らない」人事部の生産性をあげる【3日×3ステップ】

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※本記事は、ヒト×テクノロジー研究所 所長の村山雄二さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

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こんにちは。ヒトテク研究所 所長の村山です。

新卒採用の解禁が6月1日に迫る中、世の中の人事の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今回は、HRTechなどのテクノロジーを語る前に、人事部門として取り組むべきことの洗い出しをおこなってみたいと思います。

人事の仕事は「過去の遺物でいっぱい」で特殊なものである

筆者もHRTechプロダクトであるジンジャーの基本設計に参加しました。その際に強く感じたことは、人事の個別企業における特殊性の高さでした。

しかも、その特殊性の高さは往々にして過去の遺物によって形成されていて、決して未来志向ではないということに気づかされました。人事という仕事は経営者の要望や組織の課題を中心に、過去の歴史の積み上げの産物であり、未来にこうあるべきという視点では運営されづらい業務だということです。

ここに、HRTechという未来志向のプロダクトと、普段の人事業務との明確な意識ギャップが顕在化します。安易に新しいプロジェクトに手を出すと既存業務との板ばさみで身動きが取れなくなった経験は多くの人事経験者がお持ちかと思います。

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我々ヒト×テクノロジー研究所のスタンスとしては、過去の遺物から人事の方々を開放し、未来志向でのプロジェクトの多く参加いただきたく、まずはその処方箋を「3日×3ステップ」で提示したいと思います。

人事の責任者が3日間でやるべき3ステップ

STEP 1|現場の業務を体験し、想像と実際のギャップを感じる

長年、人事の責任者や経営者をやっていると、ふと現場のメンバーの日常がわからなくなります。みんなが一生懸命に仕事をしていると、それで十分な気すらしてきます。しかし、それは同時にマネジメントを放棄していることに他なりません。

NHK BSプレミアム「覆面リサーチ ボス潜入」という番組をみてみましょう。大企業の幹部が末端社員の振りをして現場業務を経験するものです。以前、ヒトテク研究所で特集を組ませていただいた日本交通の川鍋会長も出演されていた番組です。

ここで重要なのは、どんな大企業の経営者も、実際に現場業務に投入されると悪戦苦闘しながら自社の業務を体感していくということです。そして、現場の業務を想像以上に理解していない、自分が思い描くサービスの提供がされていないことに気づいていきます。名だたる経営者がその状態で、「自分は現場の仕事を理解している」と言い切れる人事責任者はどれほどいるでしょうか。

もちろん、自分の部下の仕事に覆面リサーチをすることは難しいので、実際は部下の仕事を丸々と引き受けてみることが現実的な対応となります。 3ここで大事なことは、部下がやっている仕事を丸ごとおこなうことです。一部ではなくすべてを最低2日間実行します。そこで気づく事実は以下の3つです。

  • 自分が部下の仕事を全く理解していなかったという現実
  • ここ5年間で増えている業務の複雑性
  • 従業員の資質と業務内容のミスマッチ

これが分かってくると、自分が期待してきたことと、結果が何故ズレているのかを察知できるようになります。

STEP 2|複雑化した業務と、従業員能力の伸び率の比較

前述の事実が明確化したあとは分析を実行します。

6ここ5年でどれだけ業務は複雑化したでしょうか。ここでは掛けている時間ではなく、業務の項目だけに注目します。

 

  • リファラル採用
  • 求人広報
  • マイナンバー対応
  • 海外新規事業対応
  • 拠点展開数
  • 子会社管理

 

これらの対応が経年でどれだけ増えてきたのかを見てみましょう。その増加率とメンバーの処理能力の向上を比較します。このグラフの比較だけでも多くの示唆を受けることができます。

ここまでくると、イメージで認識ができるので、資質と業務内容のギャップ引き起こしているムダやムリを解決したくなってきます。このムダやムリは大概の場合、末端のメンバーかその外側(通常の社員や採用活動であれば応募者)にいる人たちが迷惑を被っていることになります。ここを解決してあげるのが人事責任者の重要な役目となるわけです。

STEP 3|課題解決のために、ギャップを埋める2つの選択肢

役目に気づいた人事責任者の仕事は明確です。

このギャップを埋めるための選択肢は2つで、1つはメンバーの能力を高めること。もう1つは、業務の複雑性を解消することにあります。 4

メンバーの能力を高めるには、さらに人を入れ替えるか、訓練して対応力をあげるか、もしくはその両方を実行します。ただし、いずれも時間は掛かります。むしろ、この2つの対応でギャップが埋めることができるのであれば、課題はだいぶ低いと言えます。

現実的には人は急に変わらないので、業務の複雑さの解消をおこなうことに重点を置くことになります。ここで大事なことは、毎年増やしてきた新しい業務の数に対して、減らしてきた業務はいくつあったのかということです。

ファーストステップの時に気がついているはずですが、なぜやっているのか分からない業務が存在しているはずです。以前筆者がコンサルティングをおこなった企業では、人事部門の実に20%程度は成果に関係しない過去の慣習が残っていました。この業務を減らす、もしくは単純化するだけで新しい業務に取り組むリソースを確保することができるようになります。

“武勇伝”化する過去の業務

特に急成長を遂げた企業ほど、過去の業務が武勇伝化されて無意味に踏襲されているケースが多くあります。

当事者が気づかない場合も多いので、きっちりと上記の3ステップを踏み、余裕があれば外部のコンサルタントや他の経営幹部も巻き込んで業務のスリム化を進めると高い効果を見込むことができます。

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