【行政もWeb会議を導入】兵庫県養父市の「新たな生活様式」への挑戦 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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【行政もWeb会議を導入】兵庫県養父市の「新たな生活様式」への挑戦

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※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

ウィズ・コロナといった新たな生活様式・働き方に対応すべく、企業だけではなく行政においてもWeb会議システムの導入が増えています。

これまで、奈良県三宅町宮崎県延岡市での取り組み事例を取り上げましたが、今回は兵庫県養父市のWeb会議システムの活用事例をご紹介します。

養父市では、市役所内でのMTGや事業者とのMTGといった、Web会議システムのメインな利用用途だけでなく、行政ならではの活用方法を生み出されています。

 

本記事では、

  • なぜWeb会議システムを導入しようと考えたのか
  • 実際にどのようにWeb会議システムを活用しているのか
  • 養父市ならではのWeb会議システムの活用方法や取り組み
  • 今後のWeb会議システムを活用した取り組み予定

など、「行政(養父市)×Web会議システム」の活用事例についてご紹介します。

1、兵庫県養父市とは、どのようなまちなのか?

1-1、まちの特徴

養父市は、兵庫県北部の但馬地域の中央に位置する、平成16年に兵庫県養父郡の4つの町が合併し成立した市です。人口は、23,000人弱となっています。(2020年7月1日時点)

市の東部を一級河川円山川が流れ、西部には県下最高峰の氷ノ山があり、雄大で美しい自然に囲まれてます。

ハチ高原をはじめとする数多くの高原リゾートがあり、登山、ハイキング、パラグライダー。冬はスキー、スノーボードなど、1年を通じてさまざまなスポーツが楽しめます。

特産品としては、神戸牛・松坂牛など多くの高級牛肉のルーツとなっている但馬牛や江戸幕府に献上されたとされる香り高い朝倉山椒、ミネラル分を多く含む蛇紋岩が堆積してできた土壌でとれるお米などがあります。

1-2、養父市の特徴的な取り組み

高齢化、人口減少が著しく進み、農業の担い手が不足しているなか、多様な農業の担い手を獲得するために、平成26年に国家戦略特区の指定を受けています。規制緩和によって、多くの企業が養父市に農業参入し、耕作放棄地の解消や地域雇用の創出、農機具の自動化によるスマート農業の推進に取り組んでいます。

※国家戦略特区とは・・・
“世界で一番ビジネスをしやすい環境”を作ることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇をおこなう規制改革制度。(首相官邸ホームページ参照

養父市役所は、職員数は300人弱の市役所です。国家戦略特区を中心に、地方創生に向けて、日々さまざまな取り組みをおこなっております。

2、Web会議システムを行政で導入した背景

※本インタビューは、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮してオンラインにて実施しました。

岡山 慎 様 | 養父市 国家戦略特区・地方創生課 職員

2013年養父市役所へ入庁。上下水道課、兵庫県立大学大学院に出向したのち、2018年より現職。
現在は、養父市創生総合戦略の進捗管理や企画立案に関する業務をおこなう。

東 宏樹 様 | 養父市 国家戦略特区・地方創生課 職員

2014年養父市役所へ入庁。農林振興課で農業補助金を担当、2018年より現職。
現在は、国家戦略特区の推進、スマート農業に関する業務をおこなう。

松田 奈緒 様 | 養父市 やぶぐらし課 職員

2020年養父市役所へ入庁。婚活応援事業、移住定住に係る住宅支援を担当。
SNSでの情報発信やオンラインでの移住相談などの業務をおこなう。

―本日はよろしくお願いします。はじめに、養父市役所でWeb会議システムを導入しようと考えた背景について教えてください。

東様コロナ禍がきっかけですね。当市の中でも私ども、国家戦略特区・地方創生課はその任務の特性から東京をはじめ遠方の官公庁・大学機関・企業様等とコミュニケーションを取る機会が多く、従前より出張も多かったのですが、緊急事態宣言発出後は移動が制限されました。

また、兵庫県北部は元々感染症に対応した医療施設数に限りがあることもあり、養父市は独自で非常事態宣言を発出し、市内外の移動にはとりわけ警戒感を高めておりました。

一方、そのような状況下で、世の中では新型コロナウイルス感染拡大抑止の一環として急速にあらゆるオンライン対応が進み、市外の関係先とのやり取りには否応なくWeb会議システムを使用されるケースが急増しました。

そのため、先方のご指定やご要望に応じてSkype、Zoom、Webex、TeamsなどさまざまなWeb会議システムを何気なく利用していました。

 

―さまざまなWeb会議システムに触れていらっしゃったんですね。その中でCallingの導入に至った背景をお聞かせください。

東様既にCallingのユーザーであった企業様とのテレビ電話会議でCallingを使用する機会があり、スムーズに活用でき、好感触を持ったことがきっかけです。

同時にCallingの開発ベンダー様が自治体との連携に興味をお持ちだったこともあり、市と協議の結果、「実証事業」の形で連携することになりました。

実証にあたっては、

  • 保守の迅速な対応
  • 庁内で利用するweb会議システムとして、セキュリティ面・安全性の高さ
  • その他さまざまな機能が利用できることに加え、近日中にスタートすることが決まっていた音声テキスト自動化サービス

などを期待しています。

 

3、Web会議システムの養父市での活用方法

―現在、どのようにCallingを活用されていますか?

岡山様養父市役所での運用について、現在1ルームでの運用をおこなっていますので、Callingを活用してweb会議を実施するときは、普段会議室を予約するのと同じ要領で、庁内グループウェアで「テレビ会議室」を予約し、ルームの取り合いにならないよう工夫しています。

普段使いとしては、遠隔で打ち合わせをする際の活用がメインですが、各種委員会なども遠隔に切り替えることによってこれまでとは違った開催方法での会議の実施を試みています。

この各種委員会の第一弾として「農業委員会」の総会をオンラインで開催しました。こちらは複数の会場をつなぎ、少しでも密を避けるよう、配席にも工夫し、それぞれの端末で会議に参加する形でおこないました。

▼実際に、オンラインでおこなった農業委員会の様子:動画はこちら

 

岡山様また、先日実施した「やぶ医者大賞審査会」では、例年では全国各方面にいる先生方に参加いただくのですが、この会議もオンラインで実施しました。オンラインに切り替えることで移動負担の軽減にもつながりましたね。

4、今後の新たな活用方法

―今後、何か新たな活用方法は考えていらっしゃいますか?

岡山様市内小中学校でのオンライン教育の活用や、災害時に避難所と市役所の対策本部をつなぐなどさまざまな活用の可能性があると考えています。直近では、やぶぐらし課が積極的に活用しようと動いています。

松田様そうですね、現在やぶぐらし課では移住相談をオンラインで実施しようとしています。

現在、新しい生活様式の選択肢として移住が考えられていることから移住相談のお問い合わせが増えてきています。しかし、現在の状況下では対面ではなく、お電話にてお話しすることが多いので、どうしても実際の住居のイメージが伝わりづらいといった課題があります。

そこで、Web会議システムを活用して、画面共有や資料共有の機能で、物件の資料や写真を一緒に見ながら説明していければと考えています。

 

実は、5月に養父市主催で「オンライン婚活」というものを実施しました。

現在のコロナ禍の状況では、対面での新しい出会いの場が減ってしまっているので、その状況でも出会いのきっかけになる場所を作れないかと考え、オンライン婚活の開催にいたりました。

これまで実施してきた対面での婚活とは違い、参加した方から「オンラインの方が話しやすい」といった声もいただき、対面のみならず、オンラインも婚活の場として必要だと感じました。オンライン婚活を普及させるには、簡単な接続操作、安定した通信環境とセキュリティが求められることからCallingは魅力的ですね。

今後は対面とオンラインでの婚活の場を並行で作っていければと思っています。

 

東様:現在、実証事業の開始より約1ヶ月が経過し、これまでの利用の中で感じた「気づき」「感想」などをいくつかフィードバックさせていただき、さっそく建設的な意見交換の機会を持たせていただいています。

今後も市の業務のみならず地域でオンラインコミュニケーションの経験を積み上げ、リモートを上手く取り入れた「新しい生活様式」を体現してまいりたいと思います。

−本日はありがとうございました。

5、まとめ

養父市では、市役所内や事業者とのMTGといった、Web会議システムのメインな利用用途だけでなく、「移住相談」や「婚活」のオンライン化など行政ならではの活用方法を生み出し、実施を予定されています。

今後の行政における、ウィズ・コロナ時代の「新たな生活様式」の取り組みに要注目です。

 

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