【行政もWeb会議を導入】宮崎県延岡市市長に聞く、ニューノーマル時代ならではの行政の取り組み

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、Web会議、Web面接など、オンラインコミュニケーションツールを導入している企業が増加しています。

そのような流れの中、行政においてもWeb会議システムを導入している市区町村が少しずつ増えてきています。

前回は奈良県三宅町での取り組み事例を取り上げましたが、今回は宮崎県延岡市のWeb会議システムの活用についてご紹介します。

延岡市では、市役所内でのMTGや事業者とのMTGといった、Web会議システムのメインな利用用途だけでなく、行政ならではの活用方法を生み出されています。

本記事では、

  • なぜWeb会議システムを導入しようと考えたのか
  • 実際にどのようにWeb会議システムを活用しているのか
  • 延岡市ならではのWeb会議システムの活用方法や取り組み
  • 活用してどのような効果を実感されたのか

など、「行政(延岡市)×Web会議システム」の活用事例についてご紹介します。

1、宮崎県延岡市とは、どのような町なのか?

延岡市は、宮崎県の北部に位置する市で、県内有数の工業都市です。人口は、118,478人(52,277世帯)となっています。(2020年6月1日時点)

 

世界一、日本一のものが多いのが延岡市の特徴です。

例えば、スマートフォンに内蔵されているGPSを動かすための電子コンパスを延岡市で製造しており、世界のスマートフォンの約70%に、延岡市で製造された電子コンパスが内蔵されているようです。

他にも、薬品や人工腎臓など世界のトップシェアを誇る製品をいくつも製造しています。

また、延岡市を流れる五ヶ瀬川は、7年連続で水質日本一を獲得しており、その下流に位置する日向灘は日本有数の漁場です。

延岡市は全国7位の漁獲高を誇るなど、製造業だけでなく、水産業も活発です。

これらに留まらず、オリンピック開催の度に、オリンピック出場選手を輩出し、メダルを獲得するなど、スポーツの盛んな市でもあります。

2、Web会議システムを行政で導入した背景

【人物紹介】読谷山 洋司 氏 | 宮崎県延岡市 市長

 昭和39年に宮崎県延岡市に生まれる。昭和61年に東京大学経済学部卒業後、自治省(現在の総務省)入省。その後、内閣府及び内閣官房内閣参事官や岡山市副市長を務める。これらを退職した後に、株式会社アレーテライフイノベーションの社長・会長、長崎県立大学経済学部教授を経て、平成30年に第27代延岡市長に就任し、現在に至る。

※本インタビューは、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮してオンラインにて実施しました。

 

―本日はよろしくお願いします。はじめに、延岡市役所でWeb会議システムを導入しようと考えた背景について教えてください。

読谷山市長:やはり新型コロナウイルス感染症の影響ですね。

その中で出てきた、「リモート会議を取り入れたい」「県外と行き来が難しい状況でも会議をしたい」といったニーズに対応するため、Web会議システムの導入を検討しはじめました。

実際に、いくつかのWeb会議システムを比較検討していったのですが、
・複数の会議を同時に実施できる点
・セキュリティがしっかりしている点
・国産の製品でサポート体制が整っている点
これら3つの点とコスト面を鑑みて、総合的に判断し、最終的に「Calling」の導入を決めました。

特に、我々は行政ということもあり、セキュリティがしっかりしているかどうかはシステムを選定する上で重要視していたポイントです。

また、オリンピックの開催は延期になってしまったのですが、延岡市はドイツとミャンマーのホストタウンになっているので、これらの国の選手が合宿で来る予定になっていたんです。

そのため、コロナ禍でも打ち合わせを遠隔で実施する必要があったため、Web会議システムの導入を急いだという背景もあります。

3、Web会議システムの延岡市での活用方法

▼市役所内でMTGを実施している様子

 

―延岡市ではWeb会議システムを実際にどのように活用されているのですか?

読谷山市長:現状では、市役所の職員間でのMTGや業者との打ち合わせに活用しています。

また、新たなサービス導入や連携する企業の選定は、プロポーザル方式(※)で実施しており、現在は各企業のプレゼンにWeb会議システムを活用し、実施しています。

※プロポーザル方式
・・・主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の社に目的物に対する企画を提案してもらい、技術提案書(プロポーザル)の提出を求め、技術的に最適な社
を特定する手続であり、これを公募によりおこなうものを公募型プロポーザル方式という。

直接対面にて顔を合わせずにプレゼンを実施できるため、コロナ禍においても事業者選定ができるので、非常に便利に感じています。

また、先ほどお伝えしたドイツとのMTGもWeb会議で実施したりしています。

▼市役所内でMTGを実施している様子②

 

―実際に、Callingを活用してみていかがでしたか?

読谷山市長:まずは、私自身が頻繁にWeb会議システムを利用しています。コロナ禍においてなかなか県外・国外の方に会えない状況ではありますが、Web上でMTGを実施できるのは非常にありがたいですね。

また、市民の皆様とも感染を気にせずに意見交換ができる点もよいなと思っています。

 

―職員様からはどのような声があがっていますか?

読谷山市長:Callingのサポート担当の方の丁寧な対応に感謝していると聞いています。また、出張しなくても仕事がスムーズに進むので、効率的に業務を回せるようになったとも言っており、職員の中でもCallingの浸透が進んでいます。

4、今後の新たな活用方法

読谷山市長:延岡市では、地域の住民と交換をおこなう「出前市長室(※)」といった取り組みを実施しています。

※出前市長室とは
・・・読谷山市長が、市民のリクエストに応じ、市内各地に出向いて、市政の進捗状況や今後推進しようとする各種施策などについて、市民の皆さまに直接ご説明するとともに、市民の皆さまと直接意見交換をおこなう場。

この出前市長室を、Web会議システムを活用して、実施しようとしています。

最近は、新型コロナウイルスの影響で開催できておらず、市民の皆様ともなかなか意見交換ができていない状況なので、できるだけ早く実施できるよう、準備を進めている状況です。

▼通常の対面での「出前市長室」の様子(過去開催)

 

読谷山市長:また、今注力して進めているのは、延岡市役所の職員採用のオンライン対応です。

新型コロナウイルスの影響を受けて、これまで対面のみで実施していた職員採用においても、Web会議システムを活用して、面接を実施しようと考えています。

県外の行き来を減らし、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ狙いが大きいですが、Web面接を可能にすることで、遠方にいる学生さんたちの交通費や移動時間を削減できればと思っています。

今回、新型コロナウイルス感染症対策として、オンライン採用を開始することを決めたのですが、数年後新型コロナウイルスが収束しても、今後もこのオンライン採用の取り組みを引き続き実施し、遠方にいる学生さんたちとも接点を持てればと考えています。

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5、まとめ

行政でのWeb会議システムの活用は、なかなかイメージが湧きにくい部分も多いでしょう。

しかし延岡市では、市役所内でのMTGや事業者とのMTGといった、Web会議システムのメインな利用用途だけでなく、「出前市長室」のオンライン化など行政ならではの活用方法を生み出し、実施を予定されています。

今後、行政においてもWeb会議の活用が広まり、様々な活用事例が生まれてくることでしょう。ニューノーマル時代における行政の取り組みに要注目です。

 

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