人事テーマに沿って、各社の悩みや取り組みについて語り合う少人数制の人事勉強会『HR-Study』。
3回目となる今回は「コロナ時代の新卒採用事情」をテーマに勉強会を実施。
コロナ禍で、母集団形成からオンライン選考での内定出し、内定承諾までのフローをどのように実施していくのかサマーインターンシップはオンライン対応をするのか?それともサマーインターンシップそのものを中止するのか…。
各社の採用担当者のリアルな状況をぶっちゃけとトークしていただきました。コロナ禍でも足を止めず、新卒採用を続けていくためのtipsをお届けします!(※本勉強会は5月26日にオンラインで開催したものです)
【今回参加いただいた方】
- メルカリ 田口 葵 さん
- ソフトバンク 柳原 杏さん
- サイバーエージェント 松村 留里子さん
- 採用コンサルタント 谷出 正直さん
【モデレーター】
- 株式会社HARES 西村 創一朗さん
【グラフィックレコーダー】
- 上園 海さん
[勉強会の内容をまとめたスケッチノート|拡大する]
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
コロナ禍で各社が気になる新卒採用事情
みなさん、今日はよろしくお願いします。モデレーターの西村です。
今回は、少人数制のディスカッション型勉強会ということで、各企業での採用課題の共有と、ざっくばらんにお互いの学びにつながる会にしていければと思います。
今回のテーマは、大きく2つです。
- コロナ時代の新卒母集団形成~内定出しまで
- 今年のサマーインターンシップはどうする?
まずは自己紹介と、他の採用人事の皆さんに聞いてみたいことがあれば教えていただけますか?
はじめまして。メルカリの新卒採用チームの田口と申します。
メルカリには2018年10月入社し、中途採用を少し担当したあとに新卒採用に携わっています。
今日は、各企業での母集団形成がコロナでどう変化したのか?また、この状況下でどのように学生と接点を持っているのかお伺いしたいです。
サイバーエージェントの松村です。2017年新卒で入社し、今年で4年目になります。
現在は22卒の採用責任者と、採用チームのマネージャーをしています。今日は特に夏のインターンについて、皆さんの対応方法を伺えたら嬉しいです。
本日は、インターンに限らずオンライン交流会が増える中で運用をスムーズにするコツ、コロナ影響下に実施していた施策で、今後も残していくものがあるか、この2点をお伺いしたいです。
よろしくお願いします。
谷出と申します。
私は皆さんのように1社の人事担当ではなく、企業や学生、大学といった新卒採用や就職活動に関わる様々な方とつながりを持ちながら、コンサルやセミナー、研修などを通じて課題を解決しています。
本日は、よろしくお願いいたします。
コロナの影響で新卒採用の母集団形成はどうなった?
まずは、コロナ禍での新卒採用・母集団形成の状況についてお伺いしたいのですが、みなさんいかがですか?
母集団形成に関してはそこまで変わっていなくて、すべての対応をオンライン化しただけですね。もちろんベンダーさんとの連携もすべてオンラインになりました。
コロナの前後で何か変わったことはありますか?
採用計画はさほど変わっていないんです。
特に選考も止めず、順調に進んでいます。どちらかと言えば、次の22卒のインターンで母集団形成がしっかりできるかを気にしています。
1回も対面で会わずにスムーズに内定までいっているのですか?
はい。今のところ順調です。ただ、慎重に進めていますね。
すごいですね。コロナでも大きく採用計画変更をしないということは、採用フレームがすでにできあがっていたのですね。
コロナ以前も、最終面接までは地方学生に対してはオンライン面接も選択肢として案内をしていて、最終面接だけは対面でした。
もともとコロナ対策としてオンライン化したわけではなかったので、特に大きな変更はありませんでした。
ちなみに、採用担当者の方は自宅から面接対応をされていたのですか?
そうですね。緊急事態宣言のあとは原則、面接官も在宅で対応をしていました。
サイバーエージェントの松村さんは、この辺の状況どうですか?
弊社も同じですね。緊急事態宣言が発令される前はオフラインとオンラインを組み合わせた選考をしていましたが、今はすべてオンラインで対応をしています。全体の採用計画もあまり変わっていません。
各社、最終面接までオンラインで進めているのですね。
ということは、内定者にはこれから初めて会うということですね。
そうなんです!ちょっと緊張しますよね。
オンライン面接では分からなかったけど、直接会ったら「意外と身長大きかったんだなぁ(笑)」とかギャップはありますよね。
続けて皆さんにお伺いしたいのですが、対面で会うことが難しい中で、新たに始めた施策はありますか?
新卒採用の大型イベント(100人規模)を初めてオンラインで実施しました。
もともと、そこまで大型イベントの運用経験がなかったのですが、オンラインであれば300人、500人と上限がなくなるのでポジティブにとらえています。
学生はオンライン慣れしてる人が多い印象で、「ネット世代だな~」と感じましたね。オンライン上でのコメントスピードが早くてびっくりしました(笑)。
リアルイベントよりも、オンラインイベントの方がコメントを返しやすいので、学生と私たちで一緒にイベントをつくっている感覚があります。
今は、「SHIBUYA NEXT」というオンラインイベントを開催して、現場社員と様々な切り口でパネルディスカッションを実施しています。
そこからエントリーの案内をするのですか?
はい。この母集団形成イベントからエントリーにもつなげます。
あとは「CAMON!~CyberAgent Meetup Online~」OB/OG訪問もオンラインで実施しています。
会ったこともない企業にエントリーするのはハードルが高いと言われているので、企業理解を深めてもらうための仕組みとしてつくりました。
サイバーエージェントさんはインスタもやってますよね?
そうなんです!インスタライブの機能も活用しています。意外と視聴数が伸びて、毎回100名ほど見てもらってます。
インスタライブは2人で共同配信できるので、内定者にも参加してもらって楽しんでいます。
インスタライブはどんなことを話してるんですか?
サイバーエージェントらしさを出したテーマではなく、面接や自己分析のポイントなど、どの就活生にも当てはまるテーマを話すようにしています。
母集団形成について、メルカリの田口さんはいかがですか?
はい。私たちは母集団形成で逆求人など就職媒体が主催する学生イベントに参加することが多かったのですが、これらのイベントが全部オンラインになったのは大きな変化でしたね。
その辺は、なにか別の対応をとられたんですか?
他社様と共同でオンラインイベントを開催して学生の集客を実施するようになりました。
イベントを組む相手はどういった企業なんですか?
求める人材像が近そうな企業ですね。
たとえば前回は、Webアプリケーションを開発されていて、規模感などの開発環境が近い、LINEさんやクックパッドさんと共同開催をしました。
採用競合になるけど、母集団形成は一緒にやるのですね。
はい。「母集団形成は協力をして、そのあとはガチンコでやりましょう!」と話しています(笑)。
これからはもっとリファラルを強化して、マッチしそうな学生をオンライン上でいかに紹介でつなげていくか、工夫していきたいと考えています。
谷出さんにもご意見いただきたいのですが、各社の母集団形成の方法で変化はありましたか?
もともとオンライン対応がまったくできてなかったところから、「4社共同でYouTubeのライブ配信やりましょう!」「同業、もしくは本社所在地が近い企業で集まってイベントをやってみよう」と、取り組んでいたことが印象的でしたね。
一方で、「競合とは一緒に組めない」と言っていた企業もあり、変化に対応できるスピード感が重要だったと感じています。
また、「新人の研修はどうするのか」「社員を出社させるのか在宅にするのか」など、この状況下で、いち早く舵を切れるのか。その都度、役員の決裁待ちで対応が進まない企業も多くいました。
学生たちは、企業のそういった対応力の部分も見ながら、会社選びに活かしていたと思います。
また、全体の動きを見ていると、21卒の採用においては、私がやりとりしている企業様の中でも、採用ストップをかけたのは1社程度でした。
つまり、21卒よりも22卒採用に大きく影響が出るのではないか、と危惧しています。
なるほど。ちなみに22卒採用に対して、スタートダッシュを切れている企業はありますか?
正直、スタートダッシュを切れているのかどうか分かりません。今年は、GW明けの合同説明会が中止となり、学生に認知してもらう場がなくなっていますからね。
また、インターンに関しては大学の受講スケジュールが変化する可能性もあり、注意が必要だと感じています。
4月の授業がGW明けにずれこみ、授業が後ろ倒しになることで「学生の夏休みがなくなるのでは?」とも言われています。
そうなってくると、夏のインターンに参加できない方も多いかもしれません。
たしかに夏休みがなくなる、ずれこむ可能性はありますね。
オンライン選考での見極め・アトラクトはどうしている?
オンライン選考の見極めに関して何か課題感はありますか?「最終面接は直接会わないと見極められない」など、感じていることを教えてください。
ビジネス採用ではグループディスカッションを取り入れているのですが、30分間まったく話が出来ず、実力を出し切れなかった学生の方もいると思うので、オンラインでの選考・見極め方法を検討しています。
ソフトバンクは今年の1月にグループディスカッションを廃止して、動画提出型に変えました。
一人ひとりと向き合うことができるので、より応募者にとっても面接官にとってもメリットのある動画提出に変更しました。
ソフトバンクさんは、面接動画をAIでチェックするというプレスリリースも出していましたよね。
そうなんです。採用担当者による評価などを動画解析モデルに学習させて、新たに提出された動画の評価を自動で算出する予定です。
ちなみに、AIが不合格とした動画は人間の目で再度確認し、合否を確定することで精度の正確性を担保しています。
メルカリのエンジニアの採用では、技術課題を出して選考をしています。ですので、今はグループディスカッションは設けていません。
エンジニアの技術課題は、どのようなものですか?
「HackerRank」という、プログラミングの問題を解くことのできるサイトを利用しています。
実際に、動画面接っていかがですか?
これまでのグループディスカッションを代替するという意味では、学生は会場にくる時間も費用もかからないですし、面接官は学生1人ひとりと向き合うこともできて、両者にメリットがありましたね。
ちなみに全職種に動画面接を取り入れているのですか?
全職種ではありません。エンジニアコースはエントリーシートの提出か筆記試験を選択できます。
他コースはエントリーシートと動画面接を受けていただいたのちに対面面接に進みます。
オンライン選考になってから、候補者の見極めやアトラクトに関して、工夫されたことはありますか?
オフライン、オンラインでの見極め方に違いはありません。
アトラクトに関しては、もともと学生の志向やキャリアプランにあわせて、先輩社員とフラットに話す機会を設けており、このやり方自体は変えていません。
ソフトバンクも、そこまで大きな変化はありません。
ただ一方で、面接官からは「オンラインでも思っていたよりスムーズに面接ができている」とポジティブな感想を聞くこともあります。
アトラクトに関しては、まだ違いを感じていませんが、これから始まる内定者フォローに対して策を練っていく必要があると考えています。
21卒内定者フォローをどうするのか?
今までは内定者に対して、「ちょっとご飯行こうよ」など気軽にコミュニケーションを取ることが出来ていたのですが、みなさんの会社では内定者と継続接点を持つために何か取り組みをしていますか?
内定者向けのSNS運用は、今回はコロナの影響もあり試しています。
内定者懇親会があるのですが、そこに向けて少しでも内定者同士でつながりを持ってもらおうと思い、運用を始めました。まずは内定者用の掲示板に、それぞれ自己紹介を載せてもらう感じですね。
サイバーエージェントでもSNSで内定者グループを作り、顔写真と自己紹介を載せてもらっています。
それとは別に内定者だけが参加するグループもあり、内定者同士で盛り上がっているようです。
メルカリは内定者のSlackでグループをつくってやりとりをしています。みなさんは、内定者向けの情報はどのようなものを発信していますか?
事業部が主催している内定者向け勉強会や、社内の新規事業コンテストの案内などを発信しています。
また、サイバーエージェントでは内定者が自主的に企画をしてくれるのが面白いですね。
私たちは「コロナだからこそ皆でできることを自分たちで考えて行動しよう」と伝えているのですが、例えば内定者による社員へのインタビュー企画など内定者発のコンテンツが発信されることもあります。
ソフトバンクでは、先輩との交流会、人事社員との飲み会の案内が多いです。オンライン実施なので参加率は高いですね。
オンライン交流会のとき、ツールは何を使ってますか?
ZoomやGoogle Meetを活用しています。
オンラインイベントでの運営のコツがあれば教えていただけますか?
オンラインイベントのときは
- 参加者の名前を積極的に呼ぶ
- チャットを使って議題をアップする
- リアクションをいつもより大きくする
などがあげられます。
「Slido」で質問を募集するのもいいですよね。
私は参加者を巻き込むことを意識しています。
たとえば、司会を参加者に任せてコンテンツを競わせるなど、参加者が楽しめるように工夫しています。
谷出さんは、オンライン面接・セミナーで意識されていることはありますか?
あえて最初の5分くらいは全然違う話をするようにしています。
画面がつながった瞬間にいきなり始めると、学生の緊張がとけていないと思いますし、終わった後も余韻が無いと学生も心配しますよね。
オフラインの面接だったら「今日どうやってきたの?」とか、エレベーターまで見送って雑談するところまでが選考です。
オンラインで、この選考の余白をなくさないために、気を付けています。オンラインセミナー後もあえて雑談できるように、しばらく画面を切らずに運営しています。
ちなみに、オンライン採用になってから内定承諾率に変化はありましたか?
他の会社の選考が止まっているので、「内定承諾を待ってもらえますか?」と言われることがあります。今後の動向が気になりますね。
今までは内定者懇親会などので話している姿や表情をリアルに見ることで内定者の心情を察することができていたのですが、オンラインでの内定者フォローはそういったところが難しいなと感じています。
今年のサマーインターンシップ、企画・運営をどうする?
ちなみに、みなさんに伺いたいのですが、このタイミングでの22卒学生からの応募数は例年より増えていますか?
コロナで不景気になるため学生が不安がり、22卒が早めに就活を始めているとメディアが報じていたのですが…。
メルカリでは応募数に大きな変更はありません。ただそのような中でも、「どうにかしてサマーインターンを探さないと!」と焦っている22卒の学生の方もいらっしゃいます。
これらの状況を鑑みて、「オンラインでも就業型インターンを取り入れるのはどうか」と議論しています。
毎年夏にインターンを募集していますが、22卒に関しては、エントリー数は多くなっています。
また、海外から日本に帰国した就活生のエントリーは増えてますね。
たしかに、留学に行っていた学生が一気に帰ってきていますよね。
ちなみにインターンの話を補足すると、例年4~5月に実施される大学内のインターンシップガイダンスがなくなったため、「インターンシップの情報が学生に行きわたっていない」という懸念があります。
学生たちは、景気が悪くなると聞いて不安になっているが、大学からアナウンスも少ないのでどうしたらいいかわからない状況です。
学校に行って先輩にも聞けないので、なんとかオンラインイベントに出たり、オンラインで先輩にアポを取っているようです。
みなさん、就業型のインターンは受け入れしていますか?
内定者限定の就業型アルバイトの受け入れは開始しましたが、採用目的での就業型インターンシップはまだおこなっていません。
お互いに理解が深まっているので、内定者へのオンラインインターンシップは良いですね。
ちなみに、メルカリは完全オンラインでエンジニアのみのサマーインターンを予定しています。
3月に一度オフラインのインターンを実施しました。学生に来社してもらったものの、密を避けるために会議室一部屋あたり5名を上限として、各部屋をZoomでつないで実施しました。
同じ部屋にいた5名のチームメンバーとは仲良くなれたけど、他の部屋の学生とのコミュニケーションはなかなか難しかった印象ですね。
ソフトバンクはオフラインでの就労型のジョブマッチインターンの準備を進めていますが、同時にもオンラインでの受入などの話を進めています。
ただ、毎年開催している地方創生のインターンに関しては、オフラインでないと難しいですね。
例年は7~8月に実施していたのを後ろ倒しして8~9月を想定していますが、夏休みがずれたら困りますね。
オンラインのインターンだからこそ、意識しているポイントはありますか?
チームビルディングの部分ですね。オンラインだとチームビルディングが難しいので、そこに関するワーク時間を長く設定するように検討を進めています。
そうですよね。サイバーエージェントでは、参加者同士の1on1も設定してみようと話しています。
インターン参加者同士で交流を深めてもらえば、インターンが始まるときに「久しぶり!」と盛り上がるかなと。ただスケジュール調整が大変ですね。
その他には、事前勉強会(プチワーク)をして、先にインターンのお題も発表しつつ進める形にしようと思っています。
メルカリは、開発に関する書籍を提示して事前準備をしてもらっています。その上で、講師からのインプットをする機会は設けようと企画中です。
オンラインだと、社員とのコミュニケーションが取りづらく、社員の人となりが分からないことが懸念ですよね。
なるべく1on1の実施やSlackでのコミュニケーションがとれるよう工夫して、可能な限り参加ハードルを下げたいなと考えています。
インターンをするとき、学生の拘束時間が長くなるのも懸念ですよね。
たしかに、1日8時間は長いと思います。オフラインのときよりも拘束時間は短めの設定にして、質疑応答はチャットを利用して効率化したいです。
オンラインでも、「いつでも話を聞きに来て良いよ!」という部屋をつくっておこうかなと考えていました。でも運用が大変なので、田口さんのおっしゃるように質疑応答はなるべくチャット対応にしてみます。
ちなみにみなさん、オンラインで自社の社風をうまく伝える取り組みってされていますか?
そこは悩んでいますね。オンラインで懇親会を実施してはいますが…。
部活や、エンジニアの勉強会、全社の定例MTGなど、既存の社内イベントにも参加してもらおうか、ちょうど検討をしているところです。
演出面は何かされていますか?たとえば、サイバーエージェントだと、ちょっと豪華なお弁当を、同じ時間に在宅のメンバーへ届けるとか(笑)。
少しでも場の雰囲気を盛り上げるものを入れた方がいいのかなと思っていまして。あと、Zoomの背景をプレゼントして全員同じ背景で統一感を出すとか、あえて直筆の手紙を届けるとか…。
いろいろ試してみるものの「この手間暇をかけることは本当に意味があるのか?」と、模索しています。
素敵な取り組みですね。でもおっしゃるように工数を鑑みると、なるべく普段会社でおこなっていることを無理なく実施する方がいいですよね。
直筆の手紙を書くことは大変素敵な取り組みですが、「内定者が入社したあとも続けられるのか?」という視点は必要かもしれません。
「入社前は優しかったのに、入社後急に冷たくなった!」とネガティブなギャップが発生すると困りますしね。
たとえば、本来は社員しか入れない経営会議に参加してもらって、あえてピリッとした空気を味わってもらうとか、そういう企画もおもしろそうですね。
また、普段から社員同士でよく飲みに行くのであれば問題ないですが、内定者のために無理して飲み会ばかり開催するのも負担になってしまいますよね。
そうですよね。もう少し考えてみないといけませんね。
あとインターンをオンラインで実施する際に気になるのは「パケ死」という通信の問題ですよね。
スマホしか持っていない学生がどうやってオンラインインターンに参加するのか、取り残されている学生がいないか、ここを考えることも必要ですね。
たしかに…スマホしか持っていない学生もまだまだいますよね。
サイバーエージェントでは、一部の学生向けですがパソコンの貸し出しを実施しています。また、通信速度を測り、一定の数値以下の方にはWi-Fi貸し出しも始めています。
そこはぜひ、ソフトバンクのWi-Fiを利用して欲しいですね!(笑)
Wi-Fi環境の点では、今ホテル業やカラオケボックスが部屋を解放しています。
ジャストアイデアですが、これらの企業と提携して、学生向けの無料スペースを提供していくのも良さそうですね。
アフターコロナで残すもの、元に戻すもの
コロナが落ち着いたあと、あえて残しておきたいオンライン採用の施策はありますか?
オンラインでの講義式大型イベントは残したいと思っています。
研修もオンラインの方が、意外と当事者意識を持って取り組んでくれた印象があるので、オンラインで継続していく方向性です。
また、内定者との面談もケースバイケースでオンラインを取り入れていこうと思います。
人数も多いですし「今回は15分くらいで十分だな」という場合もありますので、わざわざ時間かけてオフィスにきてもらうのではなく、効率良く取り組んでいきたいですね。
逆に、選考まわりはオフラインの割合を徐々に増やして、戻していきたいと思っています。
メルカリも大規模の講義式のイベントはオンラインで実施していきたいですね。また、地方の学生がオンラインで参加できるような仕組みをつくっていきたいと思っています。
大規模のイベントはオフラインだと会場費がかからないですし、いいですよね。
会場費もバカにならないですからね。
録画できることもいいですよね。別のケースで使うことができたり、社員に見せることもできるので、便利ですよね。
アフターコロナで完全に元に戻すのではなく、良かった施策を残しつつ、今までのやり方から大きくシフトさせていく流れがきていますよね。
これからの就職活動の在り方も大きく変わってきそうですね。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。