HR REVEAL2026 データが拓くひとの未来|オープニングセッション イベントレポート前編 |HR NOTE

HR REVEAL2026 データが拓くひとの未来|オープニングセッション イベントレポート前編 |HR NOTE

HR REVEAL2026 データが拓くひとの未来|オープニングセッション イベントレポート前編

  • 編集部より

統合型人事システム「ジンジャー」は、人事労務、勤怠管理、給与計算、人事評価、サーベイ、データ分析など、幅広い人事業務を1つの人事データベースで管理できるクラウドサービスです。
サービス提供開始から10周年を迎えたジンジャーは、データを活用して「ひと」の可能性を引き出し、これからの人事のあり方を考える場としてカンファレンスを開催しました。

本記事では、jinjer株式会社 代表取締役社長 CEO 冨永健氏によるオープニングセッションの内容と、CPO 松山雄一郎氏が語った「これまでのジンジャー、これからのジンジャー」の内容をレポートします。
ジンジャーが10年間でどのように進化してきたのか、今後どのようなプロダクト開発を進めていくのか。ジンジャーの最新サービスも併せてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

【イベント概要】

イベント名:HR REVEAL2026 データが拓くひとの未来
開催日時:2026.5.20 WED 13:30 – 18:30
開催場所:虎ノ門ヒルズフォーラム(受付開始13:00)
イベントページ:※このイベントは終了しました。
https://hcm-jinjer.com/hr-reveal-2026/

「HR REVEAL 2026 データが拓くひとの未来」とは

「HR REVEAL 2026 データが拓くひとの未来」は、統合型人事システム「ジンジャー」のサービス提供開始10周年を記念して開催されたカンファレンスです。

人的資本経営の重要性が高まるなか、人事部門には、労務管理や制度運用にとどまらず、企業価値の向上に貢献する役割が求められています。一方で、多くの企業では人事データが複数のシステムに分散し、データの整備や運用に多くの時間を費やしているのが現状です。その結果、本来注力すべき組織開発や人材活用に十分な時間を割けていないという課題もあります。

本カンファレンスでは、人事データの整備・活用によって人事や組織のあり方がどのように変わるのか、またAIの進化によって「ひと」の可能性をどのように引き出していけるのかについて、さまざまな視点から議論が行われました。

カンファレンスの基調講演・セッション概要

当日は、jinjer株式会社 代表取締役社長 CEOの冨永健によるオープニングセッション「ジンジャーの次なる10年とプロダクトビジョン」から始まり、経済産業省、大学、企業経営、人事領域の有識者を迎えた基調講演「『産学官』で描く人的資本経営の現在地と未来~経営戦略としての人事データ活用とPDPの必然性~」がおこなわれました。

そのほか、タレントマネジメント、人事データベースの統合、データドリブンな人事戦略、人事データの設計・構築力をテーマにした各セッションも実施され、人事業務の効率化にとどまらない、人事データ活用の可能性が共有されました。

本記事では、まずオープニングで語られたジンジャーの10年の歩みと今後のプロダクトビジョンを紹介します。
※経済産業省や有識者らを交えた基調講演「『産学官』で描く人的資本経営の現在地と未来」の模様は、後編にて詳しくお届けします 。 

オープニングセッション(代表取締役社長 CEO 冨永健)

jinjer株式会社 代表取締役社長 CEO 冨永健

冨永氏:
jinjerが今回のように対面形式で、かつ大規模なカンファレンスを開催するのは初めてです。ジンジャーは今年、サービス開始から10年を迎えます。10周年という節目にあたり、本イベントを企画しました。今回の開催をきっかけに、来年以降も継続的に開催していきたいと考えています。

ジンジャーは、まだ世の中に「HR SaaS」という言葉が広く浸透していなかった時代にスタートし、HR SaaSの歴史とともに歩んできました。もともとは勤怠打刻のサービスから始まり、その後、人事労務、給与、ワークフローなどのモジュールを追加。今年4月には、ATS「Talentio」も統合されました。

現在は、入社前の採用管理から、入社手続き、オンボーディング、在籍中の人事労務管理、退社手続きまでを一気通貫で支援できるサービスになっています。「ジンジャー」ひとつで、人事に関わる幅広い業務プロセスを提供できる会社へと進化してきました。

冨永氏:
すべてのモジュールを1社で提供することに、どのような意味があるのか。本日はその点をお伝えしたいと考えています。

多くの企業では、給与システム、人事労務システム、タレントマネジメントシステムなどを、目的ごとに個別に導入しているケースが少なくありません。これらのモジュールを、いわゆるプラットフォーム型として1社で提供することに、どのような価値があるのでしょうか。

システムが分かれていると、それぞれのデータベースも分かれてしまいます。そのため、氏名変更があった場合には、各システムで情報を更新しなければなりません。仮に、更新頻度が年に1回だったとしても、複数のシステムで何度も情報を更新しなければならず、更新漏れや入力ミスが発生するおそれがあります。

ジンジャーは、ATSのTalentioを統合したことで、入社前の候補者データも扱うことができるようになりました。候補者の氏名、電話番号、住所、性別などを登録すれば、そのデータを入社後にも引き継ぎ、必要な情報を追加登録しながら活用できます。

採用活動のフェーズから退職まで、ひとつのプラットフォームでデータを蓄積できることが、ジンジャーが提供する価値です。

AI×人事データが描く未来

冨永氏:
昨今、「SaaS is dead」という言葉に注目が集まりました。SaaSを取り巻く環境も大きく変わり、今まさに「AIの時代」に突入しています。では、「AI」と「人事プラットフォームのデータ」が掛け合わさると、どのような意味を持つのでしょうか。本日の議題は、まさにこの点にあります。

皆様も、日常的にAIを使っていると思いますが、非常に便利な一方で、AIが嘘をついたり、間違ったりした経験はありませんか。AIの回答は、参照するデータの内容に大きく左右されます。つまり、古いデータや誤ったデータが混ざっていれば、回答の精度も下がってしまいます。

企業でAIを活用する場合も同じです。AIが企業のデータベースを参照して回答する以上、そのデータベースの内容が古かったり、間違っていたりすれば、求めている答えは出てきません。

人事領域で考えると、給与システム、人事労務システム、タレントマネジメントシステムなどにデータが分散している状態では、AIが参照する情報にもばらつきが生まれやすくなります。システムごとに情報の更新状況が異なれば、AIの回答にも影響が出る可能性があります。

だからこそ、人事データをひとつのプラットフォーム上に蓄積し、正しい状態で管理していくことが欠かせません。人事システムをジンジャーにまとめていただくことで、AIを活用する際にも扱いやすいデータ基盤をつくることができます。

冨永氏:
AIの時代が進むと、オートメーション、つまり自動化の領域はさらに広がっていきます。人間だけでは気付けなかった変化や兆しを、AIが見つけられるようになる可能性もあります。

例えば、離職の予兆検知を考えてみましょう。AIが大量のデータを多角的に分析し、日々の打刻、評価、パルスサーベイ、ストレスチェック、1on1のやりとりなどをもとに、「そろそろ声をかけたほうがいいのではないか」と提案してくれる。そうした世界が、すぐそこまで来ています。

ただし、その前提となるのは、やはり“きれいなデータ”が整っていることです。さらに、そのデータを安全に管理し、適切にコントロールできる状態をつくることも欠かせません。

冨永氏:
ここで少し話が変わります。ジンジャーは昨年、新たなビジョンを策定しました。私たちが目指す未来、実現したい世界として掲げたのが、『「ひと」の可能性のすべてが見える世界へ』です。

このビジョンは、約500人の社員が10チームほどに分かれ、アイデアを出し合いながら作成しました。当初は、5年後くらいに実現できたらいいのではないかと話していました。しかし、AI技術の進歩の速さを目の前にしていると、5年後ではなく、来年、もしかしたら今年の後半には実現できるのではないかと感じています。

人事が行っているプロセスを自動化できたら。あるいは、皆様が気付けなかった従業員の変化にAIが気付いてくれたら。人事は、より戦略的な議論に時間を費やせるようになるはずです。

ぜひジンジャーを活用いただき、『「ひと」の可能性のすべてが見える世界へ』を、ともにつくってまいりましょう。

冨永氏:
また、ビジョンを実現するために、ミッションも変えました。ミッション、すなわち私たちの使命・存在意義として掲げたのは、『人事の「これからの当たり前」をつくり、お客様とともに進化する』です。

これまでの人事の当たり前は、従業員からの問い合わせに答え、定型業務に対応することが中心でした。そうした業務を自動化しながら、人事の「これからの当たり前」をお客様と一緒につくっていきたい。これが、ジンジャーの新たなミッションに込めた思いです。

最後に、本日のイベントはスポンサーの皆様のご協賛のもとで成り立っています。この場を借りて、御礼を申し上げます。

この後は、プロダクト責任者より、新サービスについて詳しく紹介します。

オープニングセッション(CPO 松山雄一郎)

松山氏:
私からは、サービス責任者として「これまでのジンジャー」と「これからのジンジャー」について、プロダクトのビジョンをお話しします。

まずは、「これまでのジンジャー」についてです。これまでのジンジャーは、人事労務システムのオペレーションコストを削減し、人事データを正しく管理することを目指してきました。しかし、昨今の技術変化を受け、私たちはプロダクトのビジョンを再定義しました。

こちらのグラフは、人事データの整備状況について、アンケートを実施した結果です。上にいくほど、人事データが非常に整備されている状態を示しています。この結果を見ると、人事担当者と経営者のあいだに、認識のギャップがあることがわかります。

人事に限らず、どのような仕事でも、データをもとに意思決定をしようとする流れがあります。とくに人事の領域では、客観的な判断にもとづく人事戦略を十分にとれていないと感じていますが、それはなぜでしょうか。

我々の調査によると、人事部門が管理しているシステムやツールは、平均で5つあるといわれています。5つ以上のシステムを活用しながら、Excelやスプレッドシートも併用しているケースが多い状況です。

システムやツールの数が多いことだけが課題ではありません。複数のシステムでデータを管理していると、半角・全角の違い、空欄、表記ゆれなどが発生しやすくなります。同じ従業員の情報であっても、システムごとに入力内容や更新状況が異なれば、データの整合性を保つことは難しくなります。

その状態では、必要な情報を集めるだけでも時間がかかり、集計や分析に使うデータの正確性にも不安が残ります。これが、客観的な判断にもとづく人事戦略を難しくしている要因のひとつだと考えています。

統合型人事データの必要性

松山氏:
この課題を防ぐには、人にまつわるデータをひとつに集められる「統合型データベース」が必要です。一度情報を変更したら、関連するすべてのデータに反映される。これが、本来あるべき状態だと考えています。

我々が提供しているジンジャーは、創業当初から統合型にしようと決めていました。統合型人事データベースを保有していれば、日々の業務をおこなうたびに、給与、勤怠、異動履歴などのデータが自然と蓄積されていきます。さらにタレントマネジメントの領域が加わると、評価やスキル、キャリアに関するデータも能動的に蓄積することが可能です。

これからの人事には、採用から退職までを扱う「データの幅」と、一人ひとりの情報を深く管理できる「データの深さ」の両方が必要になります。業務のなかで発生するデータと、人材活用のために集めるデータを、むらなく正しく蓄積していくことが重要です。

正しい人事データと「これからの人事」のあり方とは?

松山氏:
先ほどから「正しい人事データ」と申し上げていますが、これは業務で使いやすいデータと言い換えることもできます。正しい人事データを活用できるようになると、AIによるシフトが起きたときに何が変わるのでしょうか。

まず、AIによって反復作業が減り、人事は人との対話や戦略の実行により多くの時間を使えるようになります。そして、客観的なデータにもとづいた人材戦略や人員配置をおこなうことで、経営に寄与しやすくなるでしょう。

つまり、これからの人事は、人件費をコストではなく投資として捉え、必要な人材投資を通して人材の力をより高めていくことが求められます。

これまでジンジャーでは、採用領域をカバーできていませんでした。しかし、今年4月から採用管理システムの「Talentio」がジョインしたことで、採用から退職までの人材ライフサイクルをカバーできるようになりました。

採用時に見えていた候補者のパフォーマンスが、入社後に本当に生かされているのか。こうした視点でも、採用時のデータと入社後のデータを連動させて分析できるようになります。
その土台となるのが、ジンジャーが10年前からこだわってきたシングルデータベースです。人事マスタを単一にすることで、採用から退職までの情報をひとつにつなげ、常に最新で正確な状態を維持できます。
どこかで情報を更新すれば、関連するサービスにも反映される状態をつくることで、AIが参照するデータの精度を保ち、業務で使いやすい人事データとして活用できるようになります。

AI Friendlyの考え方

松山氏:
最後に、「AI Friendly」という考え方についてお話しします。AIのハルシネーションを防ぐためには、人事データがひとつにまとまり、リアルタイムに更新されている状態が必要です。さらに、ひとつのデータベースのなかで、権限管理まで含めて整備されていること。それが、AIにとって扱いやすい、AI Friendlyな状態だと考えています。

今後、人事業務ではAI活用がさらに加速していきます。高度な分析やAI エージェントによる支援が進むなかで、データをどう制御するのか、誰がどのデータにアクセスできるのかといった権限管理も必要になります。

AI設計のポイント

松山氏:

これまでジンジャーは、オペレーションコストをいかに下げるかという観点でプロダクトをつくってきました。これからは、AIを掛け合わせることで、「ひとの可能性を最大開放」するプロダクトをつくっていきます。
しかし、人事領域は間違いがあってはならない領域です。そこで本日は、ジンジャーが掲げているAI設計のポイントを2点ご紹介します。

ひとつ目は、AIには確定の判断をさせないことです。いわゆるヒューマン・イン・ザ・ループ(人間がAIのワークフローに関与し、正確性、安全性、説明責任、倫理的な意思決定を確保すること)の考え方です。セキュリティの観点からも、AIは示唆を出す役割にとどまり、最終判断は人間がおこないます。

もうひとつは、AIのホワイトボックス化です。なぜAIがその結果を出したのかを明確にすることにこだわっています。AIの結果を妄信的に信じることで、従業員に不利益が生じることは避けなければなりません。

これらの設計ポイントを意識しながら、現場で安心して活用いただけるプロダクトを開発してまいります。

ジンジャーの新サービス

松山氏:
最後に、2026年にリリースする4つの新サービスについてご紹介します。

1つ目は、「HR Signals」です。本日、第一弾として「退職アラート」を発表しました。人事データをもとに離職の予兆を検知し、スコアリングやアドバイスの提案をおこなうサービスです。組織や従業員のなかにある隠れたシグナルを可視化し、人事が早い段階で必要な対応を検討できるようにしていきます。

関連記事:
jinjer、「人事データ×AI」で組織と従業員の 隠れたシグナルを可視化する機能シリーズ「HR Signals」を 2026年6月以降に提供開始。第一弾は、人事データから離職予兆を検知する「退職アラート機能」を実装

2つ目は、今後リリース予定の「AI Assistant」です。人事業務では、複数のシステムを行き来しながら業務を進めたり、煩雑で膨大なデータを処理したりする場面が多くあります。AI Assistantは、そうした業務を支援する、いわばAI秘書のようなサービスです。今年の夏から、主に従業員と管理職向けに提供を開始する予定です。

 

関連記事:

jinjer、人事関連全般のタスクをワンタッチで完結させる「AI Assistant(AIアシスタント)」機能を一部ユーザーから段階的に提供開始

3つ目は、「AI エージェント」です。入社手続きや勤怠締めなど、人事業務にはさまざまなデータを確認しながら進める作業があります。AI エージェントは、そうした一連の作業を自動化するサービスです。利用者には、AIが処理した結果を確認していただく形を想定しています。

4つ目は、「Manager Assist」です。まずは人事評価の領域から始めたいと考えています。マネージャーの皆様が評価業務を効率化できるよう、評価記入の支援や面談記録の自動生成などの機能を開発する予定です。

評価業務そのものを効率化するだけでなく、評価データの品質を底上げし、メンバーと向き合う時間を増やしていただきたいと考えています。これらのサービスを通して、ジンジャーは『「ひと」の可能性のすべてが見える世界へ』をつくっていきます。

松山氏:
HR SaaSの領域では、AIは嘘をつくのではないか、不確かな回答をするのではないかという不安も語られてきました。一方で、AIの技術は大きく進化しています。我々も、人事の「これからの当たり前」をつくり、お客様と一緒に進化していきたいと考えています。

これまではプロダクトを中心に提供してきましたが、今後、ジンジャーはオンラインコミュニティも立ち上げます。オンラインで情報交換ができる場をつくり、ナレッジをシェアしながら、よりよくジンジャーを使っていただけるようにしていきます。ご興味のある方は、ぜひお申し込みください。

まとめ

オープニングセッションでは、ジンジャーがサービス開始から10年でどのように進化してきたのか、そしてAI時代に向けてどのようなプロダクトビジョンを描いているのかが語られました。

人事労務、勤怠、給与、評価、サーベイ、採用管理などのデータをひとつの人事データベースに集約することで、業務効率化だけでなく、AIを活用した離職予兆の検知や人材配置、経営判断への活用にもつなげていく。「統合型人事データベース」の価値が、ジンジャーの次なる10年の方向性として示されました。

また、HR Signals、AI Assistant、AI エージェント、Manager Assistといった新サービスからは、人事業務を自動化しながら、人事担当者がより戦略的な業務や従業員との対話に時間を使える未来が見えてきます。

後編では、基調講演『「産学官」で描く人的資本経営の現在地と未来~経営戦略としての人事データ活用とPDPの必然性~』の内容をレポートします。

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