インドネシアの効果的な求人票の作成方法|応募が集まるポイントとは|HR NOTE

インドネシアの効果的な求人票の作成方法|応募が集まるポイントとは|HR NOTE

インドネシアの効果的な求人票の作成方法|応募が集まるポイントとは

  • 編集部より

採用活動をはじめる際、自社のホームページや求人広告などに載せる求人票の作成ですが、選考プロセスの中でもとても大事な役割を担っています。また、募集要項の書き方には、さまざまなルールがあり、募集が集まる求人票には共通点があります。

ここでは、必要な人材からの応募が集まる求人票の特徴、作成方法、そしてNG表現や作り方のコツなどをご紹介します。

応募数を増やすため、”求人票作成”は必要不可欠

求人票は、企業と求職者をつなぐ「スタート地点」となる重要な役割を担っています。求人票の記載内容に不十分な点があると、求職者が不安や疑問を持ち応募につながらない可能性があります。

実際、中身が薄い求人にはあまり応募が集まらず、また本当に必要な人材とかけはなれた人からの応募しか集まりません。逆に、分かりやすく正確な求人票を作成することができると、応募数の増加や採用ターゲット通りの人材の獲得にもつながるでしょう。

しかし、応募が集まっても、必要としている人材からの応募がこなければ、スクリーニング等で時間がかかりスムーズな採用活動からは離れてしまいます。そのため、「魅力的な求人票」を作成することこそが、採用成功への第1歩なのです。

インドネシア人の方が求人票で重視する3つのポイントとは

まず魅力的な求人票とは、求職者に「応募したい」「働いてみたい」「自分にもできるかも」と思ってもらえることができ、求人票を見ただけで「会社情報」や「求人内容」について、誰もが理解ができるようなものだと思います。今回は、特にインドネシア人が求人票を確認する際に、重視する3つのポイントをご紹介します。

1.一般的な会社情報と“+α“の記載がある。

求人票とは別に応募前にHPにて会社情報を確認する方が大半ではありますが、求人票にも“いつ、どこで、どのようなビジネスをしている”などの一般的な企業情報の記載があると、会社の信頼へと繋がるケースもあるようです。

特にマネージャークラスの求職者の転職の際は、そういった基本情報を入念に調べる方もいらっしゃいます。また、一般的な企業情報だけではなく、「社内の写真」や「社内の雰囲気」など、HPに載っていないような情報があると、会社への興味が沸く人が多いようです。社内の雰囲気がわかるような写真等があるとさらによいかもしれません。

2.給料・福利厚生に関しての詳細が記載されている。

面接後に、人間性・実力を鑑みて判断したい、という企業側の意向ももちろんあるとは思いますが、探しているポジションに対しての想定給与と社内で定められている最低限の福利厚生については、しっかりと記載をしましょう。

というのも福利厚生の条件にあわせて希望給与を定めている方、BPJS以外での健康保険がある会社での転職が絶対条件という方、交通補助があるところでないと生活ができないというような方も少なくはありません。

そういった方とのミスマッチを防ぐためにあらかじめ記載しておくほうがよいでしょう。また、経験・実力にあわせ給与の交渉が可能な場合は、その旨も記載しておくと、挑戦したい、自信がある、というような方からの応募にも繋がると思います。

3.求人の情報から自分が働くイメージを持つことができる。

求人票を作成する上で、一番大事なことは、正確な情報を具体的に記載することです。特に仕事内容を詳しく記載することで、やるべき業務がイメージしやすく、求職者の応募の意欲にもつながります。

もしも曖昧な表現の記載のみとなっている場合、採用後、求人票の仕事内容と大幅に違いトラブルに繋がってしまう場合もあります。

そのため、求人票に記載された仕事内容とのミスマッチが起きないよう、実際に採用する部署の社員の人などに記載漏れや不備はないか、確認してもらうと良いでしょう。

求人票に記載が必要な項目

求人票に記載が必要な項目は、一般的に下記の12個の項目です。

1.会社名

求職者が自ら会社情報を探しやすいよう、会社名は、契約書の締結等で利用する正式名称を記載するのが望ましいです。

2.会社住所

自宅からの距離や、会社周辺の交通機関(電車の駅・バス停等)を調べることができるよう、本社住所はもちろんですが、拠点に関しても同様、インドネシア国内のすべての拠点の住所も記載することをおすすめします。

インドネシアは、道が一方通行の距離が長い場所があったり、渋滞する場所があったり、地図からだけではわからないこともたくさんあります。

そのため、オフィスの場所が複雑な場合は、近くの駅からや目印となる建物からの進み方等もまとめてあるとよいかと思います。

3.会社情報

設立年、業界、従業員数、製品について等、詳しい情報が記載されていればされているほどよいでしょう。

たとえば、創立年数に関していうと、年数だけで、企業の良し悪しを測れるわけではありませんが、「設立年数が長い会社の方が業績も安定している傾向がある」「設立年数が浅い会社は変化も多いが将来性もある」といったように、それぞれに特徴があります。そのため、そういった情報から求職者自身が会社の雰囲気を想像することができるようになります。

4.Web site等のURL

ホームページだけでなく、会社紹介ビデオ、また社員総会の際のビデオ等、会社理解・アピールに繋がるようなものがあれば、URLを添えておくと、さらに具体的なイメージへと繋がります。

5.写真

オフィスの写真や、製品の写真、また会社のロゴを利用されている会社が一般的ではありますが、社内の雰囲気がわかるような勤務中の社員の写真や社内イベントの際の写真を利用するのも、会社理解へと繋がるため効果的かと思います。

6.ポジション名

内定通知書や雇用契約書で利用されるポジション名を記載しましょう。その際、ポジション名から業務内容のイメージがつくような、わかりやすいタイトルで記載するようにしましょう。

7.労働契約期間、試用期間

正社員もしくは契約社員での採用なのか、また契約社員であれば期間はどれくらいなのか、また契約終了後に、正社員雇用の可能性があるのか、まで記載があると良いでしょう。

また、インドネシアでは、正社員雇用の場合は、3ヶ月の試用期間の設定が可能ですが、契約社員の場合は、試用期間の設定ができません。契約期間内での会社都合での退職となった場合は、違約金が発生します。社内の状況・バランスをみて、雇用形態を設定するようにしましょう。

8.労働者が従事する業務内容

業務内容がはっきりしている部分に関しては、できるだけ詳しく記載があるほうが好ましいです。というのも、求人票や内定書の中に、十分な記載がない場合、稀ではありますが、入社後に「このような業務は聞いていない」というようなトラブルが発生することもあるようです。

しかし、実際に従事する業務をすべて記載するということは難しいと思いますので、最後に「To handle other related job」という記載を入れることをお勧めします。

9.就業場所

上記でも説明を記載しましたが、オフィスの場所と勤務地が異なる場合はさらに注意が必要です。勤務地がわかりづらい場合は、地図や道案内用のファイルなどを別途添付するのもよいでしょう。

10.始業及び終業の時刻、時間外労働の有無、休憩時間及び休日

インドネシアは、地域によって就業時間が大きく異なります。工場地帯では、朝6時が始業のところもあれば、ジャカルタでは、多くの企業が9時始業というように差があります。そのため、求職者は、自身の居住地からオフィスまでの交通手段等を検討する必要がありますので、あらかじめ求人票に記載するようにしましょう。

また、時間外労働に関しても、ある場合は、残業代の有無についても記載をするようにしてください。というのも。インドネシアには宗教上、時間外労働や土日の就労ができない方もいらっしゃいます。選考時に発覚、なんてことが起きないようあらかじめ記載をしておくほうがよいでしょう。

11.給料・福利厚生、待遇

インドネシアの法律で定められているTHR (宗教手当て)やTax(所得税)、BPJSについてだけでなく、会社側で用意している従業員のための福利厚を用意している場合は、すべて記載するようにしましょう。

また、記載されていたとしても、下記のように、人によっては単語から想定される手当てが違う場合もありますので、わかりやすく詳細を記載するようにしましょう。

手当て 単語から想定される手当て
Transportation Allowance
  • 会社で用意している乗り合いバスがある。
  • 毎月定額での支給がある。
  • レインバースで毎月申請すると全額返ってくる。
Meal Allowance
  • 毎月定額での現金支給がある。
  • 毎日お弁当(現物)が支給される。
  • 会社内に食堂があり、食堂の利用が可能になる。

 

12.希望条件

会社が必要としている具体的な“人物像“を下記の項目にわけ、詳細に記載しておきましょう。一般的には、下記のような項目を記載している企業が多いです。年齢や性別、宗教等は、日本同様求人票への記載はNGとされていますので、公開前に必ず確認するようにしましょう。

求人票への記載が好ましい項目

学歴:最終学歴や専攻科目での指定はあるかどうか。

必要言語:英語、日本語、もしくはその他言語は、どのくらいのレベルで必要なのか。

必要な経験:同業界で、どのくらいの年数の経験が必要なのか。もしくは未経験でも応募可能かどうか。

必要スキル:資格や特定の経験(例:労働組合との調整・M&A業務・従業員の解雇)

その他必要項目(免許の有無や、勤務開始時期の希望等)

掲載前にかならず確認するべき項目

日本同様、求人票に記載ができない項目があります。

1.性別についての制限

「看護婦さん」「保母さん」など、女性を特定する呼称は「看護士」「保育士」などと中立表現にしましょう。また、「男性歓迎」や「女性向きの仕事」などの表現も、男女いずれかを誘引するため避けるようにし、企業や現場の現状を表す事実を言葉にするようにしましょう。

例)「ガードマン急募」→「警備員」

「セールスマン募集」→「営業社員」「営業職」「営業スタッフ」

「女性歓迎」→「女性活躍中」※採用にかかわる意思ではなく、企業や現場の現状を表す事実なのでOK

2.宗教についての制限

中には「土日の業務が必須となるため、キリスト教の方の採用はできない」というような場合もあるかと思いますが、求人票に「キリスト教NG」と書くのではなく、「土日の就労が可能な方」というように、宗教が特定されないような表記にしましょう。

また、中には、ポジションによっては、「ムスリム教の中でも、Hijabを付けている方の採用は避けたい」ということもあるかもしれません。しかし求人票には「Hijabの方NG」と記載するのではなく、応募の中から自身でスクリーニングをするようにしましょう。

3.年齢についての制限

労働者の募集や採用の際に、年齢を制限する表現は禁止されています。具体的な数字をいれた「30歳までの方募集中」という表記ではなく、「社会人経験2~5年の方」というように経験値での制限をかけるようにしましょう。

まとめ

求人票の作成は、会社と求職者をつなぐ「スタート地点」です。そのため、求人票の情報量が少ないと、会社・求人に対し理解・興味が薄い状態の求職者からの応募しか集まらないことがあります。しかし、せっかく採用活動をするのであれば、会社や事業、また仕事内容に興味を持っている、やる気にあふれた求職者を採用したいですよね。まずは、求人票の中身・記載方法を振り返り、希望に近い人材の採用ができるよう工夫してみるのはいかがでしょうか。

また、人材紹介会社は、上記のような求人作成業務も代行しており、求人票作成後はそのままいくつかの求人媒体に掲載しているため、すぐの応募へと繋がります。「採用活動にかかる手間や時間を減らしたい」という担当者様はぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

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