こんにちは!HR NOTE編集部 根本です。
Googleが公開しているサイト「re:Work」では、経営者や研究者による仕事を改善する方法について新しいアイデアが掲載された記事や研究結果が定期的に共有されています。
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そして今回は、そんなre:Workのブログ記事より、Ben Waber氏の職場の生産性に関する内容の記事を紹介します。
意外な事実
ランチテーブルと生産性というあまり関係がなさそうな観点からでも、データを用いて分析することで相関性が見えるという記事で、意外な事実に興味を持ちました。
■Ben Waber
MITメディアラボで博士号を取得後、ハーバードビジネススクールにて上級研究員を務める。2014年には「人の行動」の分析に関して著した『職場の人間科学』を執筆。
直近では、2016年5月に約4.5億円の資金調達を実現。
従業員にタグを付けて解析する「人間のアナリティクス」Humanyzeが約4.5億円調達
ランチテーブルの大きさが仕事の生産性に影響を及ぼすのか?
Ben Waber氏の研究の一つに、センサーがたくさんついた着用可のバッジを使い、従業員同士の相互作用のパターンと空間の利用がどのようにパフォーマンスと仕事の満足感に関係しているのか調査するものがあります。
バッジは、従業員が誰とどれくらい交流するのかを計測し、職場での従業員同士の関係性のマッピングに使うことができます。
この研究により多くのことが明らかになりましたが、特に顕著な例としてオンラインの旅行会社の事例が挙げられています。
オンライン旅行会社の事例
とあるオンラインの旅行会社では、食堂のランチテーブルを大きくすることにより、同僚による評価で仕事のパフォーマンスが10%以上著しく改善したことがわかりました。
まず、最も生産性の高いプログラマーはかなり大きなグループで昼食をとっていることを発見しました。
このグループのメンバーは日によって変わりましたが、グループの大きさは同じで、ほぼ12人でした。
逆に、最も生産性の低いプログラマーは4人位の小さなグループで食事をとっていました。こちらも、グループのメンバーは日によって変化しましたが、グループの大きさは同じままでした。
何が起こっていたのでしょうか?食堂の座席の配置が、片側のドア近くのテーブルには4席、その反対側のドア近くのテーブルは12席となっていたため、そのような人数構成になっていたのです。
人口統計学上の要因や、その他の可能性のある交絡要因を管理している時でさえ、テーブルの大きさの影響は残りました。ランチテーブルを大きくして、グループで食事をとることにより、生産性の高いプログラマーたちは組織内でより大きなネットワークを作ることができ、組織内の結束力はパフォーマンスに大きな影響を与えるという研究結果がでました。
また、ランチ中にメンバーが会話に費やした時間を基に研究をした結果、結束力が強いグループの方が、他のグループよりもストレスを感じておらず、会社に対して不満もありませんでした。
その結果として「ランチテーブルをすべて大きくする」といった簡単な決断により、パフォーマンスが10%以上改善されました。
また、データはこの効果を立証しただけでなく、今後の展望を示しました。ランチテーブル以外にも同様の解析を席順やオフィスの配置、その他のことに応用できる可能性が大いにあります。
Ben Waber氏は記事で以下のように述べています。
職場の設計は一般的に上級管理者によってさっさと片づけられてしまいますが、ピープル アナリティクスを用いることによって職場の設計を最優先事項として重要なものとして考えることができます。
生産性をあげるために、経費削減のみに注目しないで、スタッフがどう協働するのかを変えることにより価値を創造する方法を職場はみつけるべきなのです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
多くの人と昼食時に交流を図ることで社内ネットワークが広がり、また強くなり、仕事に活かすことができます。さらに昼食以外の場面でも当然応用できるもので、すぐに実践できるのではないでしょうか。
個人的には、一人でお弁当を食べることが多かったのですが、これを機に定期的に誰か誘ってお昼をとろうと思いました。
ピープル アナリティクスは、最新のテクノロジーを活用し、社員の行動データを収集・解析することで、職場の生産性を高めたり、従業員が満足して働ける職場作りを導く技術のことです。
今後ピープル アナリティクスの手法によってさまざまな分析結果が出てくるかと思われますが、その度に皆さまにも面白い情報をお届けできればと思います。
【参考記事】
https://rework.withgoogle.com/blog/data-from-the-lunchroom-could-inform-the-boardroom/