アルムナイとは?アルムナイ制度の詳細や実際の活用事例をご紹介 | HR NOTE

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アルムナイとは?アルムナイ制度の詳細や実際の活用事例をご紹介

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「アルムナイ」というキーワードを最近になってよく耳にするようになった人事担当者の方は多いのではないでしょうか?外資系の企業や海外の大学に在籍していた方にとっては聞いたことがある英単語のようですが、日本ではこれまでほとんど聞くことがなかった言葉です。

しかし、この「アルムナイ」というキーワードは今後の人事領域において非常な大事な考え方になると言われており、人事担当者であれば知っておいて損はないと思います。

そこで今回は「アルムナイ」というキーワードがそもそもどのような意味を持っているのか、またなぜ重要とされているのか、その実際の事例、自社で始める際に意識すべきことなどをまとめてご紹介します。

そもそもアルムナイとは何か?

アルムナイ」とは、そもそもどのような意味なのでしょうか?

「アルムナイ」は英語で「alumni」と表記し、本来は「卒業生」「同窓生」「校友」という意味で使われています。ここから転職が一般化していく中で、「企業の離職者やOB・OG」という意味でも使用されるようになりました。

また、「アルムナイ」と呼ばれる元社員と企業が継続的に接点を持ち、元社員を再雇用する動きを「アルムナイ制度」と一般的に呼んでいます。もともとは外資系企業で盛んな動きであり、それが遅れて日本でも浸透し始めてきたことで近年の人事領域の一つの潮流となっています。

外資系コンサルティング企業では一般的な「アルムナイ制度」

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日本においても外資系コンサルティング会社は積極的に「アルムナイ制度」を取り入れています。インターネットで「アルムナイ」と検索すれば、多くの外資系企業のアルムナイ制度を見つけることが出来ます。その中でも有名なのがアクセンチュアのアルムナイ制度です。

具体的には「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」というサイトを公開しており、サイト上にはアルムナイの方々が活用出来るさまざまなコンテンツが掲載されています。中には、アルムナイが経営する企業の宣伝などをおこなえるコンテンツが存在しています。

実際に「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」には世界中の約15万人もの卒業生が登録されており、アルムナイのためのイベントも年間で150回以上おこなうことでアルムナイとの接点を確保しています。

そして、「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」ではアクセンチュアへの再就職に関するサポート情報が掲載されており、アルムナイがいつでもアクセンチュアに戻って来れる体制が整備されてます。

[アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク]

アクセンチュアアルムナイ

なぜアルムナイ制度が注目されているのか?

それでは、なぜ「アルムナイ制度」が今注目されているのでしょうか?その答えは「優秀な人材リソース確保の困難化」にあります。

現在の日本は転職が一般化し、さまざまな転職支援サービスが存在しています。また「正社員」ではなく、「フリーランス」として働く方々の人口が増えてきています。そのため、どの企業でも「優秀な人材を正社員として雇い続けること」の難易度が上がっています。

このような背景を踏まえて、日系企業でも「アルムナイ」が注目を集め始めています。実際に、自社のアルムナイと積極的にコミュニケーションをおこなっている企業も多くなってきています。

「自社の文化」を知っていることのメリットは「成果の再現性の担保」にある

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先ほど、「優秀な人材リソース確保の困難化」という人材市場のトレンドをお伝えしましたが、ここで重要なのが「優秀な人材」というキーワードです。

実際の採用の現場においては「全く応募が来ない」というのではなく、「応募自体はそれなりにあるけど、今採用したい人材ニーズに合わない・・・」と感じている採用担当者の方が多いのではないでしょうか?

私自身も、自社の採用において「何となく自社の組織や文化に合わなそうだな」と採用を見送ることが度々ありますので、そのように感じている方は少なからずいらっしゃると思います。

ここで注目した「優秀な人材」というキーワードですが、実際の採用で考える場合には以下の2つの要素が満たされることが暗に求められていることがほとんどです。

  • 自社の組織や文化の中で活躍出来る適応力を持っている
  • 求めているスキルや経験を持っている

優秀な人材と言われるとスキルや経験をイメージする方が大半だと思いますが、実際に採用して活躍出来るかは「組織・文化への適応力」の方がより大きな影響を与えます。そして、この適応力は基本的には実際に働いてみなければ分からないことがほとんどです。

この点を踏まえると、アルムナイは自社の組織についてある理解しているので、「組織・文化への適応力」が見込めるというアドバンテージがあります。そのため、「成果の再現性」が高く、実際に活躍してくれる可能性が高いと考えられるアルムナイ人材が採用において重宝されています。

組織に適応可能で、「他社のノウハウ」を得たアルムナイ人材こそ、自社に必要な人材では?

またアルムナイは「自社組織や文化への適応力」を持ち合わせているだけでなく、「他社のノウハウも保有している」という更なるメリットがあります。既存のメンバーだけでは持ち得なかったスキルや経験を持ち込んでくれることは、企業にとって大きなインパクトを与えます。

そのため、「積極的に転職を薦めて、外でノウハウを学んだタイミングで再雇用を狙う」という戦略を早くも取り始めている企業も出てきています。

これまでの企業と人材の関係性は一過性の“点”のイメージでしたが、今後は継続的に接点を持つ“線”のイメージで人材活用を検討することが求められてきています。

実際のアルムナイ活用事例

ここでは、実際にどのように「アルムナイ」との接点を持てば良いのか。そのヒントになる事例をいくつかご紹介してきます。

事例1|株式会社ベーシック「退職者を招いたLTイベント(社内向け)」

ベーシック

株式会社ベーシックでは、エンジニアのアルムナイ3名を招いた「LTイベント」を開催されていました。

自社にいると中々気づきにくい視点の考えを聞けることで、社内のエンジニアへの能力向上を促すことにつなげています。

事例2|サイボウズ株式会社「Cybozu 辞めたエンジニア Meetup(社外向け)」

サイボウズ

サイボウズ株式会社では、毎月エンジニアと交流できるイベント「Cybozu Meetup」をおこなっていらっしゃいます。その中でも、「退職したエンジニア」の方々を集めたイベントを企画されています。

「実際に働いたことがある、また外での経験も持っている」方からの貴重な意見を発信していくことで、自社の採用に繋げていこうとしている先進的な取り組みとなっています。

【私見】「アルムナイ」にリソースを割いてもらえるほどの関係性を築けているか?

「アルムナイを活用したい!けど、いきなり採用は難しい、、、」と考える方は多いと思います。お考えの通りで「アルムナイを再雇用」することは、どうしてもハードルが高いです。

ですが、例えば「業務委託で仕事を依頼すること」や、もっとハードルを下げると「wantedlyの募集の応援ボタンを押してもらうように依頼すること」はそこまで難しくないのではないでしょうか?

100%のリソースを期待するのではなく、1%のリソースでも良いから活用させてもらうという意識でアルムナイの活用を進めていくのが取り組みやすいです。

しかしながら、「wantedlyの応援」でさえ依頼しにくいと感じてしまう方もいらっしゃると思います。その場合には、アルムナイとの関係の築き方に問題があるのではないでしょうか?

そもそもアルムナイが退職時に自社に対して良い印象を持っていなければ、貴重なリソースを割いてくれることは限りなく可能性が低いでしょうし、活用したくても何となく気まずくてコミュニケーションが取りづらいと企業側も敬遠してしまいます。

それではどうするか?まずは現在の自社のメンバーとの関係の構築の仕方を見直してください。残念ながらすでに会社を離れてしまっている方との関係性を今すぐ再構築するのは難しいのが現実です。しかし、未来のアルムナイ候補となる現在のメンバーとの関係構築は改善出来ます。

改めて、人と企業の関係性を“点”ではなく“線”で考える制度設計が経営には求められているのかもしれません。

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