こんにちは!HR NOTE編集部です。
“企業は人なり”とよく言われますが、2016年度の採用の見通しにおいて、「正社員の採用を前年度より増やす」と考えている採用意欲の高い企業が増加傾向にあります。
どの企業も採用に関して専門部署を設け、多くの人材紹介会社の活用、求人広告への掲載など、人的にも予算的にもリソースを割いて以前よりも熱心に採用活動に取り組んでいる模様です。
ただし、一歩誤ると多くの費用や労力をかけたものの、良い人材が集まらなかったということをよく耳にします。
今回は「採用」について失敗しないために、採用に関する書籍のうち、オススメの5冊をご紹介したいと思います。
目次
採用を変える、組織が変わる
著者:高岡 幸生 出版社:エイチエス
入社から定着、そして定年などでの退職までを、ロングスパンで客観的に俯瞰し、そこから落とし込んで、すべての入り口である「採用」を考えていこうと提唱しています。
例えば、20代で正社員で採用した従業員が定年まで勤めると、期間として40年以上に及び、トータルの賃金は億単位になります。
そうした長期的な視点で考えると、従業員一人当たりの採用は数億円の購入と同等かそれ以上の価値があるのではないでしょうか。(もちろん定年まで勤めてもらえることが前提ですが。)
採用は経営計画の中でも大きなポジションを担うことになり、採用に力を入れることで自社に合った優秀な人材が採用でき、タイトルのように採用を変えると組織が変わり、企業成長につながります。
どちらかというと採用計画や面接においてのノウハウやテクニックというよりは、採用のとらえ方、向き合い方、考え方について書かれています。
社内の採用計画を落とし込む担当者だけでなく、経営者の方にもオススメできる一冊です。
欲しい社員を無駄なコストゼロで採る方法
著者:大友 常世 出版社:ダイヤモンド社
タイトルの通り、一連の採用活動の中で、採用コストについて重きをおいて書かれています。
一人当たりの採用コストを気にする担当者の方は多いのではないでしょうか。
その中で、本書は採用コストの観点から採用計画を見つめなおそうと述べており、特に大企業に比べて採用コストがかけられない中小企業に向けて、自社ホームページをしっかりと作りこむことを勧めています。
有料の求人広告への掲載は、採用における一つの有効な手法ですが、掲載費用が高額なほどユーザーの目に触れやすくなっております。
掲載費にそこまで費用を割けることができない企業は、ほとんど目に触れぬまま掲載期間が過ぎてってしまう恐れがあり、場合によっては出稿をしないほうが良いかもしれません。
また、中小企業に関しては、求人広告上で魅力的な原稿を作成しても、大企業に比べ知名度が低いため、求職者は求人広告以外にホームページを訪れ、情報収集をするでしょう。
自社のホームページはユーザーが必ず訪れる重要なブランディングの場で、会社の資産にもなります。
今一度、自社のホームページが応募者にどう見られているのか、魅力的なものになっているか、見直す良い機会を作ってくれる本です。
「使える人材」を見抜く 採用面接
著者:細井 智彦 出版社:高橋書店
面接に焦点を当てている本です。
面接の実例を交えながら面接回数、面接フロー、時間配分や組み立て方、質問一例集など、実際の面接担当者の視点でポイントがちりばめられています。
面接の全体像を把握し、各企業の中での面接の目的を可視化し体系化できる要素も含まれています。
面接の担当は、採用担当者だけでなく、部署のマネージャー、現場の従業員など、採用したいポジションに関わる方が実施します。当然そのような方々は、面接以外にも多くの業務を抱えています。
限られた時間の中で、効率的効果的な面接を行いたいという願望は、おそらくどの担当者も持っているはずです。
その手掛かりの一つとして、本書は面接担当者が自己の面接を見つめ直す良いモデルとなってくれるでしょう。
小さくても「人」が集まる会社―有益人材集団をつくる「採用マネジメント力」
著者:西川 幸孝 出版社:日本経済新聞出版社
中小企業にスポットを当てた書籍で、大企業に比べ知名度が高くなくてもどのような採用を行えばいいのか、採用手法を入り口として経営の観点に発展し、採用の改革を試みる内容となっています。
自社サービスのどの部分に顧客が価値を感じているのかを明確にし、そこからどのような人材を採用すれば顧客に与える価値を最大化できるのかといった、企業経営全体から採用をとらえます。
また、若年層の価値観や考え方、行動パターンから採用計画を考え、成長企業や採用成功企業のケースをモデルに、中小企業に落とし込んでいます。
大企業にはない中小企業ならではの独特な採用ができる第一歩に役立てます。
知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48
著者:井上 和幸、曽和 利光 出版社:東洋経済新報社
こちらも④の書籍と同様に、知名度がそこまで高くない企業がどう採用戦略を構築するかという観点で書かれていますが、こちらはより、新卒採用向けの本となっております。
受け身の戦略ではなく、攻めの戦略をいかに構築するか、そのために中小企業の経営者が、採用においてどのポジションを担っていくべきか、留学生や地方学生をどのように確保していくかが書かれています。
また新卒採用となると、育成方法や教育のプログラムの立案も重要な課題となり、それらも含めて採用計画を考える必要があります。
本書は、育成、教育に関しても網羅されており、中小企業が一丸となって採用を行っていくには良い指針となる一冊でしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
上記5冊を読んでいるとまだまだ採用については、手段や方法について新たな可能性がたくさん秘められているとあらためて考えさせられます。
どの本でも触れているのは、採用計画は経営戦略の一翼を担っていくことに必ずなるということです。
採用責任者や面接担当者の責務も大きくなっていきますが、その分、人事職というのは今後も市場価値の高い職種の一つになるでしょう。