「大事な場面で毎回緊張して実力を発揮できない」
「失敗をいつまでも引きずってしまう」
「ちょっとしたことで落ち込んでしまう」
そのような悩みを抱えていませんか?
スポーツのような一流のプロが激しい競争を繰り広げる世界に限らず、普段の仕事においても「最後は気持ちで決まる」とよく言われるほど、精神力の強さは大切です。メンタルを強くすることができるのであれば、誰だってそうしたいはず。
そこで今回は『永遠の0』や『海賊とよばれた男』で知られる百田尚樹氏の心の鍛え方について、著書『鋼のメンタル』より読み解いていきたいと思います。
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
基本原則:メンタル(打たれ強さ)は鍛えられる
「私は生まれつきメンタルが弱くて~~~」
と言う人がよくいます。これは大きな勘違いです。メンタルというのは実は鍛えられるものなのです。
(『鋼のメンタル』まえがき より)
まず基本的な考え方として、筋力トレーニングなどと同様にメンタルも鍛えることができると述べています。「自分はメンタルが弱いからもうどうしようもない」と思っている方がいたとしても、今からでも鋼のメンタルを手に入れることは不可能ではないということです。
この考え方は何も珍しいものではありません。ちょうど約1年前、ラグビーW杯での日本代表の活躍が大きな話題となりましたが、同チームには荒木香織氏がメンタルコーチとして選手のメンタル面をサポートしていました。
その中でも、五郎丸選手がキックをする際のルーティン『五郎丸ポーズ』は特に注目を集めました。五郎丸選手はこのルーティンにより、どんな時でも落ち着いてキックをすることができるようになったとのことです。「荒木さんがいなければ、僕のルーティンは完成しなかった」と、五郎丸選手は述べています。
荒木氏は「メンタルは鍛えることができ、その意味ではスキルである」といった趣旨の発言をされています。
参考にしたい!メンタルを鍛えるための5つのメソッド
1.怒られる経験、失敗体験など場数をこなして慣れる
前述した通り、メンタルはトレーニングを積むことで鍛えられるというのが百田氏の考え方です。例えば子供の頃やんちゃをして親に叱られたという場合、叱られる回数が増えることや叱り方が厳しくなることに比例して耐久力もアップします。同氏も幼少期から母親に叱れることで精神力が鍛えられていったといいます。繰り返し負荷をかけること、負荷の比重を増やすことで鍛えられるというのは、まさしく筋力トレーニングという感じですね。
大事な場面で緊張してしまう、ちょっとしたことで落ち込んでしまうという方は、自身に大きな欠陥があるわけではなくただ単に場数がたりないだけなのかもしれません。メンタルに自信がないという方こそ、他の人よりもたくさん場数をこなしてみてはいかがでしょうか。
経験をするのは少しでも早いに越したことはありません。勇気をだして積極的にチャレンジをしましょう。
2. メンタルを免震構造に! へこむ時はしっかりへこむ
私は周囲の人から「図太い」とか「メンタルが強い」とよく言われます。
でも正直に言えば、自分は精神的に強いとは思っていません。失敗するとすぐにくよくよするし、嫌なことがあると何もやる気がなくなります。
(『鋼のメンタル』p.50 より)
「何か辛いできごとがあった際にへこんでしまい、その自分に嫌気がさして余計にストレスが貯まってしまった」という経験はありませんか?メンタルが強い=落ち込まない というイメージがあるかもしれませんが、それはむしろ逆。辛いことを一度受け入れて、へこむことが大切だといいます。そうすることで、不思議なことにちゃんと元気になれるとのことです。
本の中では「メンタルを免震構造にする」という非常にユニークな表現がされていました。免震構造とは、頑丈な素材を使って地震の揺れに立ち向える建物を作る耐震構造とは違い、装置を介入することで地震の衝撃自体を軽減する構造のことです。
ショックなことがあれば、がんと跳ね返すよりも、一旦それを受けてへこみましょう。
(『鋼のメンタル』p.54 より)
常に辛いできごとに立ち向かおうと無理をし続けるのではなく、いっそ受け入れてへこんでみましょう。
3. 反省はするべし。ただし後悔をしてはいけない。
ショックな時はへこむことが重要だと紹介しましたが、その際に1つ注意点があります。それは「反省はしても後悔はしないこと」です。
- 後悔 :「あんなことをしなければよかった」のように過去の行為を全否定する
- 反省 :「どこが悪かったのか」「どうすれば回避できたか」のように、過去の行為を肯定したうえで、次回に生かす
(『鋼のメンタル』p.61 参照)
ただ過去の行為を否定するだけの時間は全くの無駄。過ぎてしまった時間をもう一度やりなおすことはできませんが、その経験を次に生かすことはできますし、別の形で取り返すことも可能です。過去の行為を肯定した上で、それ以降の人生に生かしてください。
4.いい格好をするのをやめてみる
あがるのは「人に良く思われたい」「称賛を浴びたい」「上手にこなしたい」という思いがあるからです。身も蓋もない言い方をすれば、「ええかっこしい」なのです。要するに「人にどう思われるか」という自意識が強すぎるのです。
(『鋼のメンタル』p.170 より)
耳の痛い言葉ですが、身に覚えがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに上手くやろうとする時ほど、緊張してしまったりささいなミスで動揺してしまったりするもの。結果的に上手くいかないというジレンマに陥ってしまいます。
まずは自分の実力を受け入れた上で、自分なりのベストを目指すのが大切。周りの人も最高レベルのパフォーマンスを常に期待しているわけでもありません。まずは、「いい格好」をやめて挑んでみましょう。それだけでも過度にあがることを防げるはずです。
5.失敗することで失う被害を考えてみる
バッシングを恐れず自分の意見を言い続ける百田氏。バッシングを受けることで想定される被害状況を具体的に洗い出してみたそうです。
①私の精神的苦痛
②家族の精神的苦痛
③(悪評による)本の売り上げ減
④講演依頼の減少
⑤テレビ出演の減少
⑥周囲の人が離れていったこと
(『鋼のメンタル』p.27 より)
具体的に整理してみたところ、我慢できるものやあまり影響がないものばかりのため、これからもどんどん好きなことを発言していこうという結論になったそうです。やる前から必要以上に失敗したときのリスクを考えてしまって挑戦できていないという方は、ぜひ一度「失敗したら具体的に何が起きるのか」を考えてみましょう。
今チャレンジができていないのは「メンタルが弱い」からではなく、実は「リスクを正確に測れていない」ことが原因かもしれません。整理してみると、意外と失敗しても失うものはほとんどなかったということもよくありますよね。
すぐに鍛えられるものではない。だからこそ今日から始めてみませんか?
メンタルもトレーニングをすることで鍛えられると紹介してきました。しかし、当然1日意識を変えてみるだけで劇的に何かが変わるわけではありません。筋力と同様にトレーニングを継続していくことが不可欠です。
まずは、今日からできることを始めてみてはいかがでしょうか。ちょっとしたことでも構いません。心の持ちよう、目の前のできごとの捉え方を少し変えるだけでも、それを繰り返すことで今よりも強靭なメンタルを手に入れる一歩になるはずです。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。