※海外のビジネス関連のコンテンツを提供しているBizzmarkblogのビジネスコンサルタントであり、編集長でもある、Nate Vickery氏による記事をご紹介します。 |
こんにちは。HR NOTE編集長の根本です。
グローバルに展開する企業は各国に拠点を持っていますが、事業を拡大するに当たって国ごとの法令や文化に対応しながら進めていくことが求められます。
もちろん、そこで働く従業員も多種多様で、どのように企業への帰属意識を持たせ、同じ方向を向いてもらいまとめていくのか、人事管理への対応も複雑なものになってくるものと思われます。
そこで今回は、グローバル企業の人事管理の取り組みについて海外の事例を取り上げてみました。
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グローバル企業が直面する人事管理の課題とは
![woman-1594711_640](https://hrnote.jp/wp/wp-content/uploads/2016/08/woman-1594711_640.jpg)
Nate Vickery氏の記事によると、「グローバル企業は、拠点ごとに異なった人事管理施策を行っているか」という調査の結果、傾向として、ヨーロッパとアメリカのグローバル企業の多くはそのような対応をしていますが、日本のグローバル企業は自国で実施している人事管理に固執している部分があるとのことでした。
そして、グローバル企業における人事管理は独特のアプローチを必要とし、外国の子会社や他国の従業員に関する企業方針は、国内の人事管理施策のみでは対応できないと述べています。
グローバル企業が人事管理面で直面するであろう問題点には以下が含まれています。
- 拠点ごとの待遇、人事施策のすれ違い グローバル企業は支店のすべてと世界中の事業体において採用、雇用内容、福利厚生、給与に対し同じ方針と方策を実施する必要がありますが、足並みを揃えるには多大な労力がかかります。
- 文化による分裂 グローバル企業における人事管理の主な目標は、企業独自の文化や価値観を、グローバルで多様な従業員たちに対し浸透させ、一体感のあるコミュニティを創りあげることです。 ただ、多様な言語や文化、習慣は拠点ごとに大きく異なり、人事方針の調整を非常に難しくしています。
- 法令遵守 すべての国は自国の労働法、及び各外国子会社の人事部があり、それぞれ異なる最適な管理方法が求められています。
フランスのグローバル企業である、Orange S.A.の事例を紹介
![continents-975936_1920](https://hrnote.jp/wp/wp-content/uploads/2016/08/continents-975936_1920.jpg)
Nate Vickery氏は、グローバル企業の取り組みのひとつとして、Orange社の事例を紹介しています。
Orange S.A.は新たな戦略的プロジェクトとして、「Essentiels2020」というものを導入しました。
その一部は、会社と従業員の間で、いかに信頼関係を構築させるか、という内容も含まれています。 目標は、10人中9人の従業員が2020年までにOrangeという会社を友人や同僚、知り合いに薦めたくなるような、新しい職場環境を創ることとなっています。
Orange S.A.では、以下のような、従業員の将来性を創るための3つの基本策を実施していく予定とのことです。
- 必要なスキルを確保する 通信市場かなり早いペースで変化していきているため、Orangeは従業員に広範囲なトレーニングと開発プログラムを提供しています。 ただ、トレーニングを行うだけではなく、異なる国から従業員を同じトレーニングコースに参加させ、コミュニケーションをとりながら相互理解を行い、帰属意識を高め、独特の企業文化を築いています。
- グローバルに対応できる人事管理ツールを用いて生産性の向上を図る Orange S.A.外国子会社の全体的な生産性の改善に努めることも目標のひとつです。 労働生活の質を高め、子会社間の協力を強化するためにOrange S.A.従業員全員に高度な同じツールを与えます。 グローバルに対応できる人事管理ツールを用いることで、人事のすれ違いの問題もターゲットにいれ、1つ屋根の下、会社の従業員全員を統合します。
- 従業員の才能を引き出し、組織を活性化していく Orange S.A.は世界中の人々に雇用の機会を提供しています。 その中から、最高の才能を引き出し、活躍している従業員には、さらに上の管理職を与えようとしています。 このプロセスの中で多くのエキスパートが、多国籍チームや外国子会社の事務所に配属されるようになっています。
まとめ
Orange S.A.は数十万人の従業員を抱える巨大企業ですが、人事管理における自社独自のアプローチを実行してきています。
他のグローバル企業も、人事管理に関して同じ問題に直面し、独自に開発した解決策を導入してきています。
海外展開を検討している企業が増えてきていますが、同時にグローバル企業の人事管理モデルを勉強するべきだとNate Vickery氏は述べています。
また、グローバルに対応できる人事管理システムサービスが数多くの企業で導入・検討されています。
人事も財務も分析もすべての機能をひとつのプラットフォームで行うことができる「Workday ヒューマン キャピタル マネジメント(HCM)」、35以上の言語、多通貨に対応し、各国のコンプライアンス要件にも対応している「Oracle HCM Cloud」、グローバル規模でのリーダー選抜/育成のためのアセスメントを提供できる「Kenexa」、グローバル&グループでの戦略的人財マネジメントを支援する「POSITIVE」などがあります。
是非、これらのシステムの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
[参考記事]https://blog.hrn.io/managing-hr-in-multinational-corporations-orange-example/
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