ポジティブ・ネガティブフィードバックの違いとは?効果的な方法を例文付きで解説 |HR NOTE

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ポジティブ・ネガティブフィードバックの違いとは?効果的な方法を例文付きで解説

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  • 人材育成・研修

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こんにちは、HR NOTE編集長の根本です。
 
私は、いつも後輩のYを褒めるときに無意識に「天才!」「すごいね」「さすが!」を連発していたみたいです。
そしたらある日、こんなことを言われました。
 
 
『先輩、もうちょっと褒め言葉のレパートリーを増やしてください!とりあえず言ってますよね。ダメです!僕は褒められて伸びるタイプなのでもっと響くやつをください
 
「え、わ、わかった・・・。(こいつは何を言っているんだ)」
 
 
なんてことを言うやつだと思いましたが、逆の立場になって考えたときに、確かに適当な対応だったなあと、そのときは反省しました。
 
後輩や部下が仕事で成果を出した際や失敗した場合などに役立つのがポジティブフィードバックです。
そこで今回は、部下の育成に役立つ、ポジティブフィードバックについて紹介します。 

1. ポジティブフィードバックとは

まずは、ポジティブフィードバックがどのようなものか理解しておきましょう。

1-1. ビジネスにおけるポジティブフィードバックとは

ポジティブフィードバックという言葉は看護や医学などさまざまな業界で使われている言葉です。

ビジネスにおいては、相手の良い点を評価し、ポジティブな言葉でフィードバックすることで成長を促す目的があります。特に、1on1ミーティングやフィードバック面談など、上司が部下を評価する際の重要な手法です。

ポジティブフィードバックを身につければ、たとえ悪い評価や改善を求める内容であっても、部下のモチベーションを下げることなく改善を図ることができます。しかし、誤ったフィードバックをすれば、従業員が不満を感じて業務に取り組む姿勢に影響が出るかもしれません。

部下を持つ立場の人にとって、ポジティブフィードバックは必ず身につけておきたいスキルと言っても過言ではないでしょう。

1-2. 【例文付き】ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの違い

フィードバックの方法にはネガティブフィードバックもあります。その言葉通り、相手の言動に対して改善点を指摘する方法で、ポジティブフィードバックと同様に相手の成長を促すことが目的です。

ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの大きな違いは、肯定的な言葉で伝えるか、否定的な言葉で伝えるかということです。

同じシーンにおいて、それぞれのフィードバックの違いを比較してみましょう。

【シーン:資料の提出に遅れがあったものの、完成度の高い資料であったことをフィードバックする】

<ポジティブフィードバックの場合>

「資料の内容は網羅性が高くエビデンスもあり、とても完成度が高いものでした。今後は、このクオリティを維持しつつ、提出期限を意識して取り組んでいきましょう。」

<ネガティブフィードバックの場合>

「資料の精度が高くても、提出期限に間に合わないのは問題です。今後は、内容の質よりも期限を守ることを優先してください。」

上記のように、たとえ同じ内容をフィードバックしていても受け止め方には大きな差が出てしまうと考えられます。

どちらも「相手の成長を促す」のが目的ですが、それぞれ目的・効果・注意点が異なります。状況や伝える相手によって正しく使い分けることが大切です。

2. ポジティブフィードバックのメリット

ポジティブフィードバックのメリットは4つあります。

2-1. モチベーションアップにつながる

ポジティブフィードバックは肯定的な言葉で評価するため、ネガティブな印象を受けにくく「もっと会社に貢献したい」という意欲が生まれやすくなります。

また、常に自分を見てくれている人がいるという安心感があり、フィードバックの内容に関わらず自然と前向きな気持ちになることができます。「自分は期待されている」「上司から高い評価を受けている」ことが伝われば、より成果を上げたいと思うのは自然なことです。

2-2. 良好な人間関係構築が期待できる

ポジティブフィードバックは人間関係の構築にも役立ちます。フィードバック面談をおこなうことで部下との会話が増え、安心感や信頼感につながります。

2-3. 部下の成長を促進できる

モチベーション向上の話とも関連しますが、意欲的な部下は自ら成長してくれます。部下の強み・得意なことを褒めればその分野でもっと大きな成長が期待できます。また、弱み・苦手なこともポジティブにフィードバックすることで改善・成長につながり、多彩な能力・スキルを持つ人材へと成長してくれるでしょう。

2-4. 業務や目標の進捗状況が確認しやすい

ポジティブフィードバックをおこなうためには、相手の良いところを見つける必要があります。部下のことをもっとよく知ろうとするため、業務や目標の進捗状況が見えやすくなるでしょう。

ただ相手を褒めるだけでなく、もっと効率的・効果的に仕事をするためにはどうすればよいかなど、今まで見えなかった業務の進め方などを考えるきっかけになります。これにより、新たな目標や身につけるべきスキルがわかり、より高みを目指す人材になることが期待できるでしょう。

3. ポジティブフィードバックで活用すべきフレームワーク

いきなりポジティブフィードバックを実践しようと思っても難しいかもしれません。そのような場合は、これから紹介するフレームワークを参考にしてみてください。

フレームワークの種類 概要やポイント、注意点など
SBI型
  • 状況を説明した上で具体的な行動について褒める手法
  • 状況・要因・結果を順序立ててフィードバックするので、相手の理解がスムーズ
サンドイッチ型
  • ネガティブなフィードバックをポジティブなフィードバックで挟んで伝える手法
  • 始まりと終わりがポジティブな内容になるので、モチベーションの低下が起こりにくい

4. 【例文付き】ポジティブフィードバックの進め方・コツ

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ここからは、ポジティブフィードバックの進め方です。気をつけたいポイントや例文も紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。

4-1. 個々に合う目標を設定する

まずは目標を設定します。目標は部下個人で決めるのではなく、上司との面談を設けることが大切です。

現状の課題や心情を考慮し、個々に合ったリアリティのある目標を設定しましょう。

4-2. 何が良かったか具体的に褒める

フィードバックを伝える際は、どのような行動が結果に結びついたのか、自分はそれについてどう思ったのかなど、具体性をもって伝えることで良かった点が明確になります。これにより再現性が高まり、部下のやる気もUPします。
 例えば、「ここの判断が良かった」「この部分は自分も気がつかなかった」「このやり方は私も参考になった」と、上手くいった部分や感心した部分を具体的に述べられると相手も素直に受け入れられます。
逆に、具体性がないと「薄っぺらい褒め言葉」になってしまい、とりあえず感がでてしまいます。
褒めたいときは、一度立ち止まって、「具体的に何がいいから褒めるんだろう・・・」と考えてみましょう。

4-3. 行動によって得られた成果を伝える 

フィードバックの際は、プロセスだけでなく成果を伝えることも重要です。自分の行動がどのような成果に結び付いたかを知ることで行動と結果の関係性が見え、良かった行動を繰り返すようになります。
例えば「プレゼンの資料は先方も満足していて、他社に差をつけられたようだ」「このプレゼンの資料はクオリティが高いので、他の社員にも共有させてもらおう」など、自分の行動が成果につながっていることを伝えるようにします。
部下の成功体験を言語化することで達成感が得られれば、より意欲的に業務に励んでくれるでしょう。

ただし、一点注意すべき点があります。それは、成果を出した時に能力を褒めないようにすることです。成果を出した際、「君は能力が高いね」と褒めると、もし仮にその人が失敗をしたときに、「能力が足りなかった」という結論に陥りやすくなってしまうためです。
「プロセスや努力に対して褒められると脳は喜ぶが、能力を褒められても脳は喜ばない」という研究データもあります。 

また、あまり不必要に褒めすぎてもいけません。本来褒められるであろうシーンで褒められなかった時に、やる気を失うこともあるとのことで、調度良いバランスが必要です。 
褒めるときはできるだけ、計画性の部分や仕事への取り組み方む姿勢、考え方・アイデア、周囲との関係性、努力を怠らないで粘り強くやり続けた、など結果に至るまでのプロセスの部分に注目して褒めるようにしましょう。

4-4. 「どうなってもらいたいか」今後の期待値を伝える

ポジティブフィードバックは褒めて終わりではありません。部下に対して「何を求めているのか」「今後どうなってもらいたいか」をしっかりと伝えていきましょう。 
期待されると「よし、がんばろう!」と仕事に対する意欲がさらに増すことはあるかと思います。
そこに「将来的にリーダーになってもらいたいから○○の部分を意識して頑張ってもらいたい」「売上拡大に向けて▲▲という大きなミッションを任せられる人材になって欲しい」など、具体的ななってもらいたい将来像を話すことで、その目標に向かってさらに精進してくれることでしょう。

5. より効果的なポジティブフィードバックをおこなうためのポイント

より効果的なポジティブフィードバックを実施するためには、以下のポイントにも注意しましょう。

  • 組織の一員として部下を育てるため、目標や改善点はチーム・社内で共有する
  • 目標は高すぎず・低すぎないように設定する
  • 評価対象の行動直後にフィードバックをおこない、成長の機会を損なわないようにする
  • フィードバックは人前ではなく、1対1でおこなう
  • 評価に私情を含めない

繰り返しになりますが、ポジティブフィードバックは具体的に、適切におこなうことが大切です。抽象的であったり褒めすぎたりすると相手に伝わらないので、フィードバックをする立場の方は十分なスキルを身につけましょう。

6. ポジティブフィードバックで部下のモチベーションアップを図ろう!

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いかがでしたでしょうか。 
ぎこちない褒め方や内容がない適当な褒め方では、部下は「気を使ってくれてるのかな?」「とりあえず言っているのでは」と思ってしまい適切なフィードバックとは言えません。

フィードバックの意味や目的、効果的なやり方を身に付け、相手のやる気を引き出せるよう意図を持って褒めることが重要です。
 

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