労災の適用はどこまで?昼休みに自宅に戻り事故にあった場合 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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労災の適用はどこまで?昼休みに自宅に戻り事故にあった場合

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※本記事は、社会保険労務士たかつじ事務所 特定社会保険労務士の高辻さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

こんにちは!社会保険労務士たかつじ事務所、特定社会保険労務士の高辻です。

労働者災害補償保険における『通勤災害』とは、労働者が通勤により被った負傷、疾病、障害又は死亡をいいます。

この場合の「通勤」とは、就業に関し、

  • 住居と就業の場所との間の往復
  • 就業の場所から他の就業の場所への移動
  • 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動

において、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとされています。

ただし、移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合には、逸脱又は中断の間及びその後の移動は「通勤」とはなりません。

しかし、逸脱又は中断が日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、逸脱又は中断の間を除き「通勤」となります。

このように、通勤災害とされるためには、その前提として、労働者の就業に関する移動が労災保険法における通勤の要件を満たしている必要があります。

今回の事例のポイントは、『昼休み中』に行われた『住居と就業の場所との間の往復』という行為が『就業に関する』ものとして認められるかどうかになります。

この点、通勤は、一日について一回しか認められないという定義は特にありませんし、昼休みなど就業時間と就業時間の間に一定以上の時間があって、その間にいったん帰宅することを妨げるものも特にありません。

このため、これらの行為は『午前中の業務を終了したため自宅へ帰った』という行為と、『午後の業務のために再び自宅から就業の場へ向かった』という行為と考えることができるため、就業に関するものと認められ『通勤』とみなすことができます。

ついては今回の事例は通勤災害と認められ、労災保険が適用されることとなります。

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