こんにちは、HR NOTE編集部の島田です。
今回の『働き方改革レポート』では、先日おこなわれたUSEN-NEXT HOLDINGSの新本社プレスプレビューの様子をご紹介。
7月9日に、港区から品川区へ本社を移したUSEN-NEXT HOLDINGS。オフィスの移設に伴って、働き方改革としてさまざまな環境づくりに取り組んでいます。
今回は、そんなUSEN-NEXTの新しいオフィスから『働き方改革レポート』をお届けします。
これから働き方改革をお考えの方、どんな仕組みがあるのか知りたい方、ぜひ御覧ください!
目次
USEN-NEXTの目指すVISION
はじめにUSEN-NEXTの代表取締役社長CEOである宇野社長に今回の移設の経緯とこれからのVISIONについてお話をいただきました。
宇野康秀| 株式会社 USEN-NEXT HOLDINGS 代表取締役社長CEO
USEN-NEXTのこれまで
宇野社長:
1961年に創業した株式会社 大阪有線放送社。それまで、各店舗でレコードをかけていた手間を有線放送社が有線をつなぎ一括で引き受けることで、音楽のアウトソーシングを実現しました。当初から変わらず、「お店に役立つサービスを提供する」という理念をもって取り組んでいます。
2001年には、光ファイバー・ブロードバンドサービスを東京都の一部地位域で開始しています。大容量のインターネットを使って、音楽の他チャンネル、映像の配信、高速インターネットを用いた配信をおこなうようになることで、今ではメジャーとなった光回線が広まるようになりました。
2010年に、株式会社 U-NEXTが株式会社 USENから分離独立し、それぞれにサービスを展開していき、2017年に再統合することとなりました。
再統合するに至った背景として、一番はクロスセルをおこなうことです。これまでグループ各社で構築してきた幅広いお客様情報を活かすことで、よりお客様に寄り添ったサービス提供ができるようになります。これが最大の強みです。
第4次産業により、事業のテクノロジーの融合は必須です。技術発展に伴い、世の中の町並みを変えていくことをテーマとしており、U-NEXTで得たマーケティング手法をクロスセルに展開することで、さまざまなノウハウやナレッジを共有し、次に向かうことができると考えています。
~必要とされる次へ~
宇野社長:
統合にあたって、新たなスローガンを「必要とされる次へ。」としました。何が必要とされるだろうかと考え、この5つのテーマで取り組んでいくことが決まりました。
動画配信市場
U-NEXTは開業当初から町を彩る店舗の発展とともに成長してきた企業です。ホームエンターテイメントが主流となっている動画配信市場ではありますが、ホームエンターテイメントにとどまらないサービス展開をしようと考えています。
例えば、カラオケボックスと提携して、ライブ動画配信をおこなうといったことがあげられます。
ICT/IoT
サービス業にとって、アルバイトの雇用がなかなかできないということが最大の課題であると思います。
テーブルトップオーダーやレジスター、タブレットのデバイス改良、顔認証の技術などを発展させ、それらをネットワークでつなげることで、人員が少ない中でも店舗の業務効率化になります。
ネットワークを充実化させることで、こうした採用におけるさまざまな問題も解決することができると思います。
fintech/スマートPay・スマート決済
世界的に見て、日本はキャッシュレス対応が遅れていると言われていますが、それでもキャッシュレス人口は増加してきました。キャッシュレスになることで、企業側は大幅な業務軽減が期待できます。
お会計時のお釣り合わせや金銭トラブル、そもそものお会計にかける人員の工数も削減できるかもしれません。
このような工数が削減されることで、本来従事すべき業務に集中できるようになったりもします。
インバウンド
2020年に向けて、外国人への対応はどこも課題にすることであると思います。
いかに外国人を教育するか、その教育にかかる工数をいかに自動化するか、これらの課題が解決されれば大きな成果を残すことができるはずです。
エネルギー
東京電力と提携しているのですが、それによりお客様に対し、エネルギーを安く提供することが可能になります。エネルギーを安く提供する事でそこに投資されていた費用を新しい設備投資にあてることができます。
以上の5つのテーマをもって統合されたUSEN-NEXTはさらなる価値を提供すべく成長していきたいと思います。
働き方改革「かっこよく、働こう。」とは・・・
2017年12月にグループ統合し発足したUSEN-NEXT HOLDINGSは、6月1日から働き方改革の一環としてスローガン『かっこよく、働こう。』のもと、新人事プロジェクト『Work Style Innovation(WSI)』を始動し、さまざまな施策を展開しているそうです。
『かっこよく、働こう。Be innovative for results!』です。ただ、働き方を変えるのではなく、成果を出すために、イノベーションを起こすという考えが根底にあることがわかりますね。
ここでは、USEN-NEXT HOLDINGSがおこなっている成果を出すための働き方改革についてご紹介します。
働き方改革:Work Style Innovationとは
6月より、USEN-NEXT HOLDINGSでは働き方改革プロジェクト「Work Style Innovation」をおこなっています。「かっこよく、働こう。」というスローガンのもとおこなわれていますが、今回の働き方改革導入の目的は以下になっています。
◎新制度導入の目的
- 既成概念にとらわれず、結果を出すための最適な方法を追求するため
- 時間・場所の概念を捨て、効率と結果を追求するため
- イキイキとエネルギッシュに働けるコミュニティをつくるため
社員がこの目的を理解し、働き方改革に取り組むことで、より組織がまとまり、会社の成長につながるのではないでしょうか。
スーパーフレックスタイム制度
宇野社長:
「生産性を追求した時間に縛られない働き方の実現」を目指す制度です。
通常の固定時間を基本として、始業・就業時刻を社員自らが決めることができるそうです。コアタイムもなく、週休3日にすることも可能です。
コアタイムやフレキシブルタイムを設けないスーパーフレックスタイム制度とすることで、社員が柔軟に、メリハリを持って仕事に向き合うことができ、生産性を高め働くことを目的としています。
ただ会社に来て、椅子に座っているだけでは何も生み出しません。単に自由な社風にしたのではなく、社員が本当に生産性を生み出すためにはどうすべきかを考えて、行動することを見据えて制度をつくりました。
テレワーク勤務制度
スマートで効率的な仕事を実現するために、IT技術を駆使し社内と同じ環境で業務ができる環境を社員に提供しています。
社内で働くだけが仕事ではなく、「オフィス」という制約を受けずに柔軟に働くことを可能にするテレワーク勤務制度を6月から導入しています。この制度を導入することで、通勤時間・移動時間の短縮や、育児介護との両立、業務に寄って働く場所を選ぶ事ができるようになりました。
生産性をいかに高めるかを考え、「自分の生産性を自分で考える」という自律した働き方を推し進めています。
Office de Birthday
毎月、誕生日を迎える社員に対し、オフィスでバースデーパーティーを開催しています。毎月テーマが変わり、部署を超えてどの社員もお祝いをすることで、会社への愛着、帰属意識にもつながることが見込めます。
Cool & Smart BIZ !
社員が「自分らしく」「イキイキと」、ワーク・ライフを楽しめるように活用されたクールビス。
「相手にとって気持ちの良い服装、心地よい服装を意識」する考えのもと、服装の自由化が実施されています。
また、社員の外面と内面の充実や”かっこよさ”を最大化するためにファッションスタイリストによる講座の解説やファッションショーなどのイベントも開催することが検討されています。
Innovationコンテスト
社員が業務の課題に対して、改善策のアイディアを出し合い、改善したい・新たに作りたい制度などを募集するコンテスト。
社員が自ら目標に向かい、より効率的に生産性高く働くためにはどうするべきかを考え発信することができます。
新しくなったオフィスを見てきました!
USEN-NEXTの働き方改革には、ただ環境を整備するだけなく、生産性を上げるための徹底した当事者意識、自立性が求められていることがわかりました。
ここからは、いよいよ新しくなったオフィスをご紹介していきます!
開放感のあるオフィススペース
はじめに、案内していただいたのが、社員の方々が働くオフィススペース。働き方改革でもっとも大切といわれる「働く環境」づくりに念を入れていました。
閉鎖的なオフィスではなく、開放的なつくりにすることで、思考を柔軟に働かせることにつながるのではないでしょうか。
完全フリーアドレス
オフィススペース全体が白と緑を基調としていて、大きな窓から差し込む光と、緑豊かな植栽により心地よい空間となっています。
自分のスタイルに合わせて時間や場所を選択できる働き方ABW(Activity Based Working)を実現する機能を備えたオフィスになっているそうで、自分のデスクはなく、仕事内容に適したスペースが設備されています。
社員は自身の仕事内容に応じて、場所を選んで仕事をすることができます。
ミーティングをする必要があるときは、開放的なミーティングスペースを使うのもよし、ひとりで黙々と仕事をしたいときは、窓際の個別スペースを使ってもよし、というように非常に自由な環境で働くことができます。
オフィスBGM
放送会社ならではの取り組みですね。
専有部はもちろんのこと、共有部となるエレベーターホール・リラクゼーションルームにもUSEN放送をBGMとして使用しています。消音効果として、トイレにも設置しているというのは驚きでした!
来客をもてなし社員にくつろぎを
ショーケースラウンジ Next Avenue
こちらは、店舗やホテル、クリニックなどで新たなテクノロジーを活用したサービスを体験することができるようです。さまざまな業態の店舗運営に関わるレジ、ネットワークなどのICTソリューションやIoT設備などのさまざまな新サービスを展開していました。
クリニック
ホテル
ビューティーサロン
他にも、ネイルやメイク、パーソナルカラー診断、靴磨き等が体験できるショーケースがありました。これらは「Cool&Smart BIZ!」という福利厚生により社員は無料で活用できるそうです。仕事以外で、このような充実したサービスが受けられるなんて、社員にはとても魅力的です!
キャッシュレスなフードサービスを提供
高層ビルならではの問題の一つとして、エレベーターが激混みでお昼などで外に買いに行く際、非常に時間がかかってしまうということがあります。
そこで、手軽に食事を済ませることができるサービスの充実は嬉しいですね!
カフェ(Neiro)
店内で焼き立てのパンを提供しています。キャッシュレス仕様のカフェで、パンの他にもさまざまなたべものや乗り物を提供しています。
また、ノー残業デーでもある毎週水曜日には、AM8:00~AM9:00で無料で社員に朝食を提供するという福利厚生も充実しています。
Uマート
キャッシュレスで買い物ができる無人のオフィスコンビニ。小腹がすいたとき、ちょっと喉がかわいたときにもってこいですね!
社長に聞いてみました「働き方改革を進めるうえでポイントは?」
オフィス見学終わりに、ありがたいことに社長から直接お話を聞くことができたので、働き方改革を進めるうえでのポイントを伺いました!
宇野社長:
働き方改革で大切なことは、やってみること。やってみないと何も分かりません。まずやってみて、修正をしていけばいいんです。もちろん、やってみてうまくいかないこともありますが、常に新しく進化させていくという気持ちが大切です。
「より優秀な人材を採用したい」「今会社の中にいる有能な社員が外に流出するのを防ぎたい」といったことはどの企業も考えることだと思います。
今の社会人は「自由に働きたいから非正規を希望する」という人が多いのですが、自由に働きたいから非正規雇用っていうのは人材の活用術としてもったいないです。
社員でいたいけど、自由に働きたい人に対して、働き方改革をおこなうことによって、有能な人も取りやすくなり、有能な社員の流出も防ぎやすくなるのではないでしょうか。
そして、この働き方改革を進めることで今働いている人の生産性以外の効果も狙うことができるのではないかと考えています。
働き方改革は「成果を出すこと」「自ら考えること」が大切!
いかがでしたでしょうか。
オフィス見学に行ったのは初めてでしたが、働き方改革を全面に推し進め、「社員の働きやすさ」を追求し、さまざまな工夫が施されたオフィスを見学しながら、取材していることを忘れて魅了されてしまうほどでした。
「働き方改革」を進めることによって生産性が上がり、会社の業績向上につながりますが、働き方改革を進めることは生産性向上以外にも効果を期待することができそうです。
また、今回の働き方改革では「いかに成果を出すために改革をおこなうか」「自律性を高め、自ら生産性を高めるためにどのような判断をするか」が大切にされていると感じました。
「かっこよく、」とは、ただおしゃれな環境で働くのではなく、みんなで工夫をして、実績を出すためにはどのような働き方が最も適しているかを追求しているということです。そのような働き方はまさに「かっこいい」働き方ですね!
働き方改革をおこなうことに不安を感じる経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、宇野社長がおっしゃっていたように、ぜひ「やってみること」から始めてみてください。
やってみたところから、会社の発展への新しい糸口が見つかるかもしれません。
ぜひ、今回の「働き方改革レポート」を参考にしていただき、貴社の成長に紐づけていただければ幸いです!