2018年11月8日、ウォンテッドリーが開催する『WANTEDLY VISIT AWARDS 2018』が開催され、その様子をイベントレポートとしてまとめました。
ウォンテッドリー代表の仲氏が、今後の採用は「ブランディング」と「マーケティング」が重要と話していました。具体的には、企業や事業の意義を伝えたり、一人ひとりに合ったコミュニケーションを取ったり、求職者と継続的な関係性を築いたりすることです。
本記事では、『WANTEDLY VISIT AWARDS 2018』でレポートしてきたプロダクト戦略、基調講演、WANTEDLY AWARDSをご紹介します。
1. Wantedly Visit プロダクト戦略
ウォンテッドリーは、「シゴトでココロオドル人をふやす」というミッションのもと、30,000社を超える企業が利用するビジネスSNSへと成長しています。また、2年前にリリースされたWantedly Peopleは、現在300万人の利用者を越えています。
採用手法が多様化している近年、その最先端を走っているウォンテッドリーの代表仲氏の「今後採用がどのように変化していくのか」という話をまとめました。
仲 暁子 | ウォンテッドリー株式会社 代表取締役
1984年千葉県生まれ。京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。退社後にFacebook Japanに初期メンバーとして参画したのち、2010年、現ウォンテッドリー株式会社を設立。「はたらく」を面白くする、シゴト充実化プラットフォームのWantedly(ウォンテッドリー)を開発し、2012年に公式リリースを果たす。人と人とがつながることにより、個人の可能性を最大限に広げるサービス作りに取り組んでいる。
採用には「ブランディング」と「マーケティング」が必要になる
新機能「ミートアップ」リリース|会社訪問をもっと気軽に、もっとカジュアルに
「ミートアップ」機能は、企業が勉強会や交流会、オフィスツアーなど、さまざまなミートアップをWantedly上で募集をおこなえる機能です。企業は、ミートアップを開催することによって、より求職者と接点をもつことができます。
【ミートアップの特徴】
- 仕事探し以上にその会社に会いに行く理由がある
- 転職意欲にまったく関係なく気軽に応募できる
2. 基調講演|NEW ELITEの新しい生き方・働き方
仲氏のプロダクト戦略の次は、ピョートル氏の基調講演でした。時代が変わることで、エリートの定義も変わっていきます。今回の基調講演では、「ニューエリートの特徴」「ニューエリートが集まる組織とは」についてのお話でした。
ピョートル・フェリークス・グジバチ| プロノイアグループ株式会社 代表取締役・モティファイ株式会社 取締役
ピョートル氏は2000年に来日。ベルリッツ・モルガンスタンレーを経て、2011年グーグルに入社。アジアパシフィックにおけるピープルディベロップメント、2014年からグローバルでのラーニングストラテジーに携わり、人材の分野で幅広く活躍。現在は独立し、人材育成・組織開発・リーダーシップ開発の専門家として多くの企業様をコンサルティングを担当している。
ニューエリートについて
世界は日々変化しています。その中で、エリートの定義も変化しています。今の時代に通用するニューエリートは、これから「社会を変える」「自分を変える」ような、イノベーティブな人たちのことです。
イノベーションを起こすためには、今までにない知識や価値を追い求め、「学習し続ける人」「継続的に成長し続ける人」でなくてはいけません。
これまで優秀な成果を残してきたエリートは、いわゆるT型人材と言われ、1つの深い専門的な知識とその他の浅く広い知識を持っている人たちが多く該当していました。
しかしテクノロジーがもたらす可能性が著しい現代、「金融×テクノロジー=フィンテック」のように、新たなイノベーションを起こしていくためには、異なる複数の専門的な知識をもち、それらを掛けあわせていくことが求められるのです。
また、知識だけではなく、他にも異なるジャンルのコミュニティの橋渡しをして、新しい価値を生み出していく人材も注目されています。
ニューエリートな企業の共通点
ここでは、ニューエリートが集まる会社の共通点をご紹介します。
2016年、ある業界随一の規模を誇る老舗企業が、2008年に創立された新興ベンチャー企業に時価総額で大きく差をつけられた事象があります。2018年現在、その差は3倍にも広がりました。
様々な雇用形態を含めても、わずか3,000人の企業が約100,000人の従業員規模の会社を上回る結果になっています。
こうした事象のように、時価総額10億ドルにまでたどりついた未上場のスタートアップをユニコーン企業といいます。この世界に260社あるユニコーン企業には、ニューエリートが集まっていることが多く、ある共通点があります。
ニューエリートが集まる企業の共通点
- 一見愚かなアイディアでも、挑戦している
- 人々の新しい行動パターンを創り出している
- 短期的なマネタイズに執着せず、長期的な視点を持っている
- 競争が厳しい飽和マーケットにも参加している
- 経験にとらわれない考え方ができる創立者
こうした特徴がある企業には、社会に新しいイノベーションを起こすべくして、ニューエリートが集まると考えられます。
働き手一人ひとりがイノベーティブな仕事を通してニューエリートへと進化をしていくためにも、企業側は常に新しい価値を生み出すために挑戦し、そうした環境を創り出すことが求められていくでしょう。
3. WANTEDLY AWARDS 2018
今回は、4種類の部門賞、2種類の総合賞の表彰がありました。その内容をご紹介します。
総合賞
- GOLD賞
募集やスカウトを活用した採用力、ブログやフィードを使い自社をPRする広報力などWantedlyを活用した採用活動を総合的に判断し、2018年最も上手く活用された企業に贈る賞
- SILVER賞
採用力、広報力、スカウト力などを総合的に判断し、SILVERに相応しい輝かしい実績を残した企業に贈る賞
部門賞
- STAR賞
Wantedlyを本格活用して1年未満で、輝くような優れた実績を残した企業に贈る賞 - SCOUT賞
スカウトメッセージの返信率が高く、候補者との接点を多く持たれた企業に贈る賞 - FEED賞
フィードを積極的に活用し、自社の採用広報に成功している企業に贈る賞 - ENTRY賞
募集に対してユーザーエントリー数が多く、募集で高い人気を集めた企業に贈る賞
総合賞
GOLD賞|チームラボ株式会社
運用上で意識した点・苦労した点
業務効率を上げていく上で、効率化できるところは徹底的に効率化しますが、人間的な部分は失くさないようにしています。
たとえば、残念ながらご縁をもたせていただけなかった候補者への連絡も、テンプレートのメッセージをそのまま送ることはしません。非効率かもしれませんが、一人ひとりの候補者を大事にすることで、もしかしたら友人にチームラボを紹介してくれたり、転職を考えたときに、チームラボが候補に上がってきたりするかもしれません。
チームラボが感じたWantedlyの魅力
一番は、Wantedlyだからこそ出会えた候補者がいることです。いきなり選考スタートではなく、その前の企業認知や興味段階でも候補者の方は気軽に求人に応募できるの、他社媒体より母集団の形成がしやすいです。
また、企業側も候補者へダイレクトにアピールできる方法がたくさんあるので、能動的なアクションが起こしやすいです。
SILVER賞①|株式会社Loco Partners
運用上で意識した点・苦労した点
会社・候補者の双方にとって、Happyであることです。「これまで力を注いできたことは何なのか」「これからどこを目指していきたいのか」「それはなぜか」という対話を大事にしています。
また、長くお互いの成長を高め合うためには、スキル面も重要なので、現場メンバーにも採用業務に関わってもらっています。
Loco Partnersが感じたWantedlyの魅力
発信の場が多いため、ミッションやビジョンなど、思いの部分から共感してもらいやすいところです。結果として、入社後のエンゲージメントにも好影響が出ていると感じています。
SILVER賞②|株式会社freee
運用上で意識した点・苦労した点
候補者と向き合うことや、候補者の立場に立った採用を意識しています。候補者にとって、納得がいく決断をしていただくことが第一優先です。そのため、freeeは決断へのサポート、また時に一緒に悩みそういう寄り添った採用を心がけています。
freeeが感じたWantedlyの魅力
Wantedlyは、転職層だけにリーチするサービスではないからこそ、さまざまな方と会うことができました。また、Wantedlyを利用している方は、「会社を知りたい」「自分が成長できる環境を求めている」といった、前向きな方と接点が持てるのはとてもよかったです。
部門賞
STAR賞|株式会社スクウェア・エニックス
- スクウェア・エニックスが感じたWantedlyの魅力
希少な職種やハイスペック人材の採用に苦戦していましたが、WantedlyにはSNSからの流入者など、転職潜在層も多く、まだ当社を知らない、興味がない方々にもお声がけし、動機付けしたことで、非常に有能な人材を複数名採用することができました。
ほかの採用媒体では出会えない人にも、アプローチできるところが魅力だと感じています。
SCOUT賞|株式会社グッドパッチ
- グッドパッチが感じたWantedlyの魅力
グッドパッチは「まずは会う」ことを重要視しています。
カルチャーフィットなど、スキル以外の部分を重要視しているからです。
Wantedlyも基本は「まずは会う」ことを推奨していることもあり、グッドパッチとの相性がとてもよく、多くの方に入社をして頂きました。
「まずは会う」という姿勢の企業であれば、高い効果が見込めるかもしれません。
FEED賞|株式会社空
- 空が感じたWantedlyの魅力
FEED機能があるので、ある程度お互いの価値観を理解した上で接触することができます。
そのため、会ったときにお互いギャップが非常に少ないです。
また、候補者側としても気軽に話を聞きに行くことができるので、スタートアップ企業にも接触の機会があります。
企業の魅力で勝負できる点はおもしろいですし、やりがいがあります。
ENTRY賞|株式会社TABI LABO
- TABI LABOが感じたWantedlyの魅力
直近での転職をしない層がいるので、未来の候補者にも会えます。
通常の媒体や紹介は、すぐに転職したい人がほとんどです。
今後は、転職したいと思ったときに、第一想起してもらえるかが大事になってくるので、出会いの起点としてはものすごい価値だと思いました。
4. 最後に
WANTEDLY AWARDS 2018レポートは、いかがでしたでしょうか。
テクノロジーが発達する以前は、求職者は限られたチャネルでしか就職活動ができなかったので、企業は求人媒体に出すだけで採用することができました。しかし、テクノロジーが発達し、求職者は好きなタイミングで、好きなチャネルで就職活動ができるようになりました。
この就職活動の変化に対応するためには、「ブランディング」と「マーケティング」が重要となってきます。Wantedlyは、この2つを重視したサービスです。企業の魅力を転職希望者だけではなく、転職潜在層にも届けることができます。今回、WANTEDLY AWARDS 2018を受賞した企業は、日々、Wantedlyを使い、企業の魅力を伝え続けた企業です。
今回のレポートが、少しでもお読みいただいているみなさまの自社採用・組織活性化のお力となれば幸いです。