「1日完結採用」「ユニーク採用」を仕掛けるユナイテッド人事に聞く|学生から選ばれる採用のつくり方 |HR NOTE

「1日完結採用」「ユニーク採用」を仕掛けるユナイテッド人事に聞く|学生から選ばれる採用のつくり方 |HR NOTE

「1日完結採用」「ユニーク採用」を仕掛けるユナイテッド人事に聞く|学生から選ばれる採用のつくり方

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

今年の3月1日より、2019年度の新卒採用がついに本格開始。

説明会や面接に追われている人事の方も多いかと思いますが、すでに2020年度の採用に向けて、インターン受け入れの準備をおこなっている企業も増加しており、採用ニーズは高まる一方です。

そうした売り手市場の中で、口をあけて待っているだけの受身の採用では、学生から選ばれることはますます難しくなっています。では、どのような採用スタンスが求められるのでしょうか。

今回は、「ひとりひとりユニークに、ユナイテッド。」という採用テーマのもと、ユニークな自社「らしさ」溢れる独自の採用活動を展開しているユナイテッド株式会社の採用育成部 部長、井上怜さんにお話を伺いました。

【人物紹介】井上怜 | ユナイテッド株式会社 採用育成部 部長

2007年、ユナイテッドの前身となる会社に新卒で入社。広告営業のマネージャー、サービス責任者を経験した後、広告サービスのセールス部門を管掌。2015年にコーポレートカルチャー本部を新設するタイミングで採用育成に携わるようになり、副本部長を務める。同部署では優秀人材の採用と育成だけでなく企業文化の醸成もミッションとなっており、広報・総務・労務部署も管掌。

就職サイトは利用せず、約40名を採用

現在、連結で従業員数約400名のユナイテッド。いわゆる「通常」の説明会と面接による選考以外にも、学生の興味を引くようなユニークな採用を実施されています。

その採用実績は、2017年の4月入社で28名、今年の2018年の4月入社で40名弱が入社予定であり、約7割は「通常」の選考以外からの採用だそうです。

では、それらはどのような採用方法なのか、その内容と意図をご紹介します。

1日完結採用

1日完結採用」は、会社説明会から最終面接までを1日で実施するというものです。

北海道から九州まで全国複数の都市で1日完結採用を展開していますが、学生が就活においてネックとなるのが、移動や宿泊などにかかる時間と費用です。

1日完結採用は、そんな学生の負担を軽減することを考えた選考となっています。

ユニーク採用(一部をご紹介)

「これなら負けない!」「これこそワタシ!」「俺のための選考じゃん!」などなど、学生が「コレだ!」と感じるコースを選んで、自分の強みや長所を思いっきりアピールできる選考方法が「ユニーク採用」になります。

2019年度の新卒採用では、12種類のコースが用意されています。

体育会スカウト採用

「体育会スカウト採用」は、ユナイテッドの選考官が実際の試合や練習に赴き選考をするとのこと。学生のプレー中の姿勢やチームメンバーとのコミュニケーションなどを見ています。

チームビルディング合宿

一泊二日でサバイバルな環境の中での合宿を実施。チームで複数のミッションをクリアする課題解決型の採用となっています。

熱中力採用

四六時中インターネットサービスに夢中な学生が、どれだけそのサービスを“ガチ”で好きなのかをプレゼンする採用です。インターネットサービスであれば、SNSやソーシャルゲームでも良いそうです。

 

その他にも、さまざまなユニーク採用を実施されています。

新卒ユニーク採用の詳細はこちらhttp://united.jp/recruit/information/fresher/unique/

きっかけは単純に「双方にとって良い形を探したこと」

-御社の「1日完結採用」は、どういった経緯でスタートされたのでしょうか?


井上氏
:私が所属するコーポレートカルチャー本部は2015年9月に創設したのですが、そのタイミングでスタートしています。

ちょうどその年は就職活動の時期が大幅にずれた年で、学生の就職活動が長期化していました。また、その影響で多くの企業で内定辞退が相次ぎました。

弊社も例外ではなく、想定以上に内定辞退があり、追加で採用を行わなければなりませんでしたが、問題は期間でした。10月には内定式を控えていたため、1ヶ月しか無かったのです。

「さあどうするか」と考えた中で、「学生も他社の選考がある中で何度も面接に足を運んでもらうのは非効率ではないか?」ということになり、「説明会から最終面接まで1日で完結する採用」を実施してみようということになりました。

午前10時から説明会と筆記試験、午後からは時間をずらしながら一次、二次、最終面接までを立て続けに行い、その日のうちに内定を出す学生を決めました。


-結果はいかがでしたか?


井上氏
:当初は「誰もこなかったらどうしよう」と考えていたのですが、蓋を開けたら100名以上の学生が参加してくださり、そこから6名の入社者を出すことができました。

1日で終わるなら受けてみようかな」と学生に思ってもらえたのが良かったようです。

現在は、1日完結採用は主に地方の方に向けて実施しています。

採用サイトには実際に1日完結採用で入社した社員の声も掲載

どうすればより良い採用ができるか?常に自社にマッチする「らしさ」を考える

-2019年度のユニーク採用は12種類と多数ありますが、どのように企画しているのでしょうか?


井上氏
:我々は社員1人1人がユナイテッドで働く上で必要な人材要件を定めているのですが、その人材要件を軸にしつつ、要素を噛み砕きながら、互いに価値観を共有できて高いレベルで切磋琢磨できる学生に興味を持ってもらえるようなコンテンツを考えています。

人材要件は3つありまして、1つ目が「自責自走」、2つ目が「ベンチャースピリット」、3つ目が「No.1志向」です。

たとえば、1つ目の人材要件にあたる、「自責自走」精神のある学生は、自分で考えて行動することが得意だったり好きだったりするので、自然の中でサバイバルな経験をする「チームビルディング合宿」のようなコンテンツに興味を持ってくれるのではないか、と考えていきます。

2つ目の「ベンチャースピリット」のある学生は、3日間かけてゼロから事業案を考え、ブラッシュアップし当社執行役員に向けてプレゼンをするという「スタートアップキャンプ」や、先が見えないことに果敢にチャレンジした経験をアピールする「チャレンジ経験採用」などに、ユナイテッドのことは知らなくても興味を持つ可能性が生まれます。

ポイントは「それが選考であり、かつ学生に興味を持ってもらえるプログラム」にすることです。

我々としても、通常の面接ではなくユニークな採用を行うことで、学生の素を見ることができ、本当にユナイテッドにマッチした学生を採用することができていると感じています。

「選考」だけが重視され、求める人物像などの企業側の要望しか伝えていない企業は意外と多いように思います。ですが、欲しいと思う人材に「ユナイテッドに入りたいな」と最初に思ってもらうためにはどうしたらいいのか。自社が学生に選ばれるにはどうすれば良いか考えることが重要です。


-すべて自社のオリジナルで企画しているのですか?


井上氏
:はい。「他社がやっていて面白そうだから」といって同じことをやっても成功しないですし、逆に「自社で去年実施してうまくいったから今年もそのままやろう」というとそこも違うと思っています。

常に「今のユナイテッドの実態に合っているのか?」「ユナイテッドらしさはそこにあるのか?」など、もっと良くなるためにはどうしたらいいのかを考えて自問自答しながらやっています。

「それは違うよね」「それはすごく良いね」ということを積み重ねて、社内でその「らしさ」を1つ1つ明確にしていくことが重要だと考えています。

活躍させるところまでできて初めて企業にとって意味がある


-とはいえ、なかなか思い切った採用活動ができる企業は多くないですよね。
なぜこのようなユニークな採用をスピード感を持って実現できるのでしょうか?


井上氏
:コーポレートカルチャー本部は今でも会長の早川が、会長とコーポレートカルチャー本部の本部長を兼務しています。また、会社説明会では毎回社長の金子が登壇しています。会社のトップが責任をもって新卒採用に携わっていることが大きいと思います。

また、会社として新卒採用に力を入れていくということを社内で明確にしているため、現場のメンバーからの協力を得ながら全員協力して一体となってやっていけているということも大きいです。


-採用育成部として、今後の課題はありますか。


井上氏
:今後力を入れていきたいのは、社員一人一人が活躍できる環境やキャリアアップを考えた仕組みづくりを強化することですね。

優秀で文化的にマッチした学生を採用することができても、活躍できないと意味がない。逆に言うと、活躍して初めて採用して良かったという話になると思います。

仕事に慣れ過ぎると飽きてしまって、次のステージを考えて転職してしまったり、成長が鈍化してしまったりします。

「あ、慣れてきたな」と思ったタイミングで新しいミッションを任せたり、役割を広げたり。それをリアルタイムに把握して手を打っていけるような制度・仕組みづくりをより強化していきたいと考えています。

 

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