今回は「新卒採用における一律初任給の廃止」をテーマに、実際にその取り組みを実施している、サイバーエージェント、LINE、scoutyの3社の対談内容をご紹介します。
なぜ、新卒採用の一律初任給をやめたのか。どのように個人の給与を決定していくのか。運用で意識したことは何か。実施してどのような変化あったのかなど、各社の新卒採用ノウハウとともに、具体的に記事にまとめています。
是非、ご覧ください!
小澤 政生 | 株式会社サイバーエージェント 新卒採用本部 新卒採用責任者
薮田 孝仁 | LINE株式会社 人材支援室 人材開発チーム マネージャー
千田 和央 | 株式会社scouty HRビジネスパートナー
「一律でエンジニアの評価をすべきではない」一律初任給をやめた背景
-まずはみなさんが、新卒の一律初任給をやめた背景をお伺いしてもよろしいでしょうか?
採用市場を鑑みたときに、今は特にエンジニア採用の難易度があがっていて、採り合いになっていますよね。
同時に学生の技術力もどんどん上がっています。学生と社会人の境界がエンジニア業界ではもはやなくなりつつあります。
そういった背景があって、「新卒のエンジニア採用において、学生を一律で評価すべきではない」と、一律初任給をやめるかどうかの議論があったんです。
そこから、「新卒エンジニア採用においては、既存社員と同じ査定基準できちんと評価をしよう」となりました。
-職種はエンジニアのみなのですか?
今のところはエンジニアを中心とした技術職を対象にしています。
2019年度の新卒採用から取り組みはじめてまだ半年しか経過しておりませんが、きちんと運用もできているため、今後は総合職も含めて検討をしていきたいですね。
学生の反応はどのような感じですか?
学生の反応も良かったですね。「自分の経験やスキルが明確に認めてもらえる」という部分では、特にエンジニアの学生はそのあたりは会社を選ぶ指標の1つとしても重視するので、満足度は高いと思います。
LINEでは、2013年度から新卒採用を開始しており、職種は営業・企画・エンジニア・デザイナーと4つに分かれています。
サイバーエージェントさんと同様に、エンジニア採用のみ一律初任給ではありません。これは、新卒採用をはじめた当時から実施しています。
なぜかというと、過去ずっと中途採用をメインでおこなっていたので、「一律の初任給」という考えが、もともとそんなにないんです。
将来的にはすべての職種で実施できることが1番良いのですが、やはりエンジニア職以外だと、評価が難しい部分があって、こちらは我々も検討中ですね。
エンジニア職であれば、小学校からプログラミングをやっている方と、大学からやっている方とではまったく違いますし、学業以外でどんな技術的活動をしているかなど、学生の中でも経験やスキルに差が出てきています。
ですので、学生の技術力はしっかりと評価していく必要があると思います。
scoutyでは2018年の5月から「ミスマッチ解消採用」というものを実施しています。サイバーエージェントさん、LINEさんの取り組みとは少し毛色が異なり「4月に新卒入社したけど、今の会社にミスマッチを感じている」という人を対象にしたものです。
機械学習エンジニア/機械学習リサーチャーの採用に関しては、「年収648万円〜(月給54万円)+ストックオプション」という待遇にしているんです。
これを打ち出した経緯としては、みなさんがおっしゃっている通り、「中途も新卒も問わず、その人の能力に応じた適切な報酬を支払おう」というところが基本的な考え方としてあります。
基本は超絶個別対応!どのように初任給を決めていくのか?
-給与を決定する際の評価方法など、実際にどのように運用をしているのかお聞かせください。
評価の判断としては、以下になります。
- 「インターンなどの就業経験でどれだけ業績に貢献してくれたか」という実務ベースでの評価
- 「技術的スキルや実績、AI等の要素技術研究成果、執筆した論文など学生時代の頑張ったこと」など、努力ベースの成果
基本的には働いてみてどうだったか、学生時代に何をやっていたか、この大きく2つの基軸の中で個別に判断をしていきます。ただ、具体的には超絶個別対応です(笑)
その中で順位をつけていくというよりは、「この学生はサイバーエージェントのグレードでいうとS3くらいだね」といった形で、自社の評価制度の中に個別にあてはめて対応していく感じです。
さらに、オファーを出すタイミングも個人によってさまざまです。すでにインターンをしている学生であれば、スキルなどもある程度わかっているため、内定時にオファーを出します。
一方でインターンを経験していない学生に関しては、直前まで見極めるため、入社直前や場合によっては入社後にオファーを出すパターンもあります。やみくもにオファーを出すのではなく、学生一人ひとりの状況にあったオファーを心がけています。
-運用するうえで意識したことはありますか?
19卒から適応しているのですが、「すでに入社している1年目、2年目の社員がシラケてしまうのではないか」という、ハレーションの部分は考えました。
ここに関しては、サイバーエージェントでは「シラケのイメトレ」と言っているのですが、徹底的にイメトレをおこないました。「どういう層が、どんなことを言いそうか」と、シラケをなくすために徹底的にエンジニアと議論をし、アドバイスをもらいました。
また、既存の社員に関しても新卒一律初任給をやめるのと同時に、給与査定の最適化を実施しました。
ただ、全員の給与を上げたわけではありません。あくまで個別対応です。成果が出ている社員にはそれに見合った対価を、成果が出ていない社員には厳しく対応していく、メリハリをつけた運用をしています。
LINEも同じく、基本的に個別対応です。
給与の最低基準(¥5,016,000~)を決めておいて、それ以上は段階を設けて、「これぐらいのスキルなら、このくらいの査定だよね」と照らし合わせていきます。
また、選考方法においては、最初にWebテストを受験してもらいます。以降はいろんなエンジニアが面接をしていきますが、基本的に最終面接だけはすべて同じサービス開発担当の役員がおこないます。
理由としては、最終ジャッジをひとりの役員の意見に集約をするようにしていて、そこである程度の評価基準を担保するようにしています。
ある程度最終面接を終えたタイミングで、役員と他の面接官、人事で目線合わせをすることもあります。二次選考通過率、最終選考通過率などをみて、ジャッジの精度なんかも見ています。
最近ひとつ悩みがあり、条件提示のタイミングが難しいと感じています。学生の方って伸びしろがすごくあるんですよ。内定から入社までの期間、技術活動や研究などで一気に成長するケースもあります。
特にLINEで内定者アルバイトしている学生を見ていると、入社する頃には能力が上がっていて「新卒なの?」と驚かれるくらい成長しているケースもあるようで、「内定時に初任給を決めてしまうことは、もしかしたら間違いじゃないか」という疑問が最近あって、そこは変えはじめています。
今後は内定時から入社までの伸びしろで初任給が上がる人も出てくるでしょう。
scoutyでは「年齢・役職など関係なく能力や価値観があった人を採用する」というスタンスを掲げているので、新卒・中途問わず同じ選考フローでやっています。
具体的には、「スキル」と「カルチャーマッチ」で選考しています。
スキルチェックに関しては、求人ポジションに求められるスキルを明確化して、チェックができる具体的な項目を作成し、各項目に点数をつけてスコア化して判断していきます。
初任給648万円はあくまでも下限で、新卒であってもスキルに応じた適切な金額を提示しています。
カルチャーマッチでは「食事をしながら役員陣と飾ることなく本音を率直に語り合う」ことと、「全従業員とお弁当を食べながら歓談」をしてもらっています。
「この人と一緒に働きたいと思うか」を全員で判断して、誰かひとりでも「この人と働きたくない」となれば、採用していません。たとえ、それが日本屈指のスキルを持っていたとしてもです。
スキルの部分では妥当な判断ができていると思っていますし、カルチャーマッチは本当にこだわっているので、社内の納得感も高いと思います。
新卒初任給を648万円にしたのは、どのような根拠からなのですか?
私たちが採用したい人材を想定すると、最低でもこの金額を出さなければ採用できないと思いますし、「いい採用をしているな」と感じている企業の新卒初任給を超えるぐらいの金額というところで設定しました。
スタートアップ企業といえど、市場の中で適正な金額を提示しないと優秀なエンジニアは採用できないからです。
一律初任給をやめた際、学生からはポジティブな反応が多かった
-実際に「ミスマッチ解消採用」をつくって何か変化はありましたか?
Twitter上で少し賑わったような感覚はあります。
機械学習系のエンジニアの方々ってTwitterで結構つながってたりするので、「こんなのあるよ」みたいな感じで共有されていました。
-狙った層の学生からの応募はきていますか?
そうですね。すごく優秀だなと感じる方からの応募はありますね。今いるメンバーと比べて遜色がないくらいのスキルを持っています。
我々は、「給料を上げる」ではなく「一律初任給をやめます」という打ち出し方をしたのですが、ありがたいことにTwitterなどのSNSから「よくぞ言ってくれた」みたいな、ポジティブな声が割と多かった印象があります。
社内ですごく議論したのですが、「給料を吊り上げました」という感じに勘違いされないように、打ち出し方には気をつけました。
一方ですごく新しい発見があったのですが、一律初任給をやめても学生のエントリー自体はそこまで変わってはいないんです。
世の中的には、入社の決め手として「お金です」という学生は増えている気がしています。最終的にどこに入社したほうがいいのかもう決めきれないので、「オファー金額=自分がどれだけ求められているか」と捉えている学生さんも結構いらっしゃいます。
LINEはもともとエンジニア採用においては一律初任給ではなかったので、大きな変化はそこまで感じていません。
小澤さんがおっしゃるように、学生は「自分が認められているか」という部分が大事なので、いかにして我々が正当に評価できるかが重要ですね。
ですので、最大限のパフォーマンスを発揮できる場を用意してあげて、そこでちゃんと評価することが我々の採用、選考の軸ですね。
たまに、「◯◯社はいくらでした。サイバーエージェントさんはどれぐらい給与出してくれるんですか?」みたいに言ってくる方もいて、そんな学生が最近増えたなーという印象もあります(笑)
ただ、そういう人を採用するかというと少し違います。うちは「能力の高い人ではなく、一緒に働きたい人を採用しよう」と、明言しています。
なので、そこに原点回帰をして、能力がいくら高くても一緒に働きたいか、サイバーエージェントのカルチャーにマッチするかどうかを重視しています。
3社が新卒採用でおこなっている特別な施策について聞いてみた
-一律初任給の廃止以外で、新卒採用における何か特別な施策はやっているのですか?
いくつかあるのですが、まずは「リチャレンジ制度」があります。
これは「何回でも選考を受けられる」という制度です。学生は伸びしろがあるので、本当に何回か受験して選考基準に達する方もいます。
このリチャレンジ制度があると、学生にとって「選考を受けるハードル」が下がるので、いろんな方がエントリーしてくれるんですよ。「まずは腕試しだ」みたいな感覚で応募してくれることが増えました。
あと、Developer Relationsチームという、さまざまなAPIの普及活動やエンジニアブランディングなどをおこなっているチームがあるのですが、その活動が採用にも活かされています。
「LINEのAPIをもとにbotをつくりました」など、LINEのAPIをもとに開発している学生が徐々に増えていて、LINEで開発をするイメージをつけてもらいやすくなっているように感じています。
また最近では、京都にLINEの開発拠点を置くようになりました。京都にはコンピューターサイエンスを学んでいる学生がたくさんいるのですが、インターネット企業の多い東京とは異なり「アルバイト・インターン先がない」という声があり、LINE KYOTOを立上げました。
それ以外にも、今年からエンジニア向けのスクールも開始しています。インターンシップだと、受入れ人数にも限界がありますし、「プログラミングはできるが開発未経験」という学生は落ちてしまいます。LINEの開発スクールを通じて開発経験がある学生を増やしていきたいと考えています。
個人的には、結果的にLINEを就職先に選ばなくても、インターネット業界で働き活躍してくれる方が増えれば良いなと思っています。
スクール京都だけではなくて東京、福岡も合わせて3拠点でスクール形式のインターンをやりはじめています。
サイバーエージェントでは、エンジニアに限ったことではないのですが、基本の考え方として「採用から才能開花までは一気通貫でやる」ということを決めています。
採用するだけではなくしっかりと活躍させるところまでをつなげてやってくために、手法のひとつとしてやっているのが、「YJC」というプロジェクトです。「良い人を自分たちでちゃんと採る」でYJCです(笑)。
いくつかのチームに分かれていて、「総監督」と言われる役割にトップエンジニアが就き、「キャプテン」に若手のエンジニアがいて、彼らが陣頭指揮を取り、現場の社員でメンバーが構成されています。
今までは、採用人事が全て設計をして現場に依頼をしていたのですが、今は現場のチームに、「各チーム何人採用してください。予算はいくらです」といった感じで、採用権限を与えているんです。
実施して良かったことがあって、採用担当が到底思いつかないような、現場の社員ならではの超コアなインターンができるようになりました。
たとえば、「筑波大あるある」など、各大学に特化した“あるある”ってあるじゃないですか。出身大学ごとに新しくユニットを組んで、企画を考えてもらっています。結果的に、自分の出身大学の学生たちが入社するってすごく嬉しいことじゃないですか。
-それ、ものすごく共感呼びそうですね。
普段の仕事の中では絡まない社員同士でも、「うちだとこういう採用をしたいんだよね」「うちもそういう人が欲しいんだよね」など、採用を共通のテーマにして関係性構築が広がってきています。
採用に興味を持ってくれる社員が増え、それが物理的な報酬ではなくて、感情的な報酬でやってくれていることも大きいですね。
もう1点が、「声を拾って分けて聞く」ということ。以前、私と人事統括の曽山とで、150人ぐらいの社内のエンジニアとご飯を食べに行きまくったんです。「今、何か困っていることはありますか?」と、彼らが不満に感じていることを徹底的に聞いていきました。
「部屋が暑い」「自販機に柿ピー入れて欲しい」「リモートワーク、実はこういうときに本当はやりたいんですよね」など、採用以外でもリアルな声を拾ってラベリングして、それらの声を制度化していきました。
「各々の事業が何をしているか知る場がない」という声があったときは、「社員向けのエンジニアのカンファレンスをやろう」と、CA BASE CAMPという1,000人のエンジニアの技術交流を開催しました。パネルディスカッションやライトニングトークをやったり、超巨大スクリーンでスプラトゥーン大会をやったりしました。
このように、インプット以外にも交流の場として社内の関係性を上手くつくることは意識しています。
また、「BattleConferenceU30」という、社外も巻きこんだ20代のエンジニアのための技術交流も年1回開催しています。
結果的にそれらがTwitterなどで話題になり「サイバーエージェントを何で知りましたか?」というと、「カンファレンスで知りました」とか「○○さんのSlideShare見て知りました」という声があったりします。
社内外でさまざま企画し、それが結果としてブランディングにつながり、社内に還元できるような仕組みづくりをしています。
エンジニアの方は、外部にアウトプットできる環境があるとかなり喜ばれますよね。そういった機会を大事にするのは鉄則だと思います
うちも今、社内の勉強会が定期的にあったり、LINE DEVELOPER DAYという大きな技術カンファレンスを開催しています。
scoutyが優秀な新卒を採用するためにやっていることは「全力が発揮できる環境づくり」ですね。スタートアップを考慮に入れるような優秀な人材ほど、そこにすごくこだわると思っています。
優秀な経営者がいて、社員が全力を発揮できる環境があることで、社会に大きなインパクトが与えられると考えています。
優秀な人材は、しがらみや余計なルールを気にしないで全力を出せる環境を求めていると考えているので、それを「scoutyはちゃんと用意していますよ」ということを意識的にメッセージとして出しています。
提示年収などの待遇はもちろんなのですが、環境が整っていればパフォーマンスだけでなく仕事への満足に繋がりますし、逆に整っていなければ少しずつひずみが生まれ、会社にとってもマイナスになると考えています。
-全力を発揮できる環境とは、どのようなものですか?
開発環境を整えることはもちろん必要ですが、能力のある人には「信頼して任せる」ことですね。
例えば、scoutyは「ホラクラシー 」という形態で組織運営をおこなっています。担当する役割においては「この部分はあなたを信頼して管理しません。自分が正しいと思うことを、責任を持ってやってください」と権限を明文化して任せています。
また、任せるだけでなく、「何か困ったときには全員が全力でサポートする」関係を非常に大事にしています。全員が採用に関わっているのも「信用して任せられる人・困っている時に助けたいと思える人」を採用しようという意図が含まれています。
あとは、年齢・役職に関係なくデータに基づいて「正しいことをやっている人が正しい」と認める環境をつくっています。そのようなことがうちの会社では重要だと思っています。
また、みなさんおっしゃっていますが、人事だけで採用活動をおこなう時代は終わったと思っています。社内では「scoutyは新しい仲間をみんなで採用する」という認識が浸透しています。エンジニアへのスカウトメールは採用担当者だけでなく、全社員で書いていますし、リファラル採用もかなりの割合を占めている状況です。
それ以外では、入社後に活躍させることも会社の責任であるということも意識しています。新しい社員が入社したタイミングでのミッションのすり合わせや、1on1をはじめとした細かいフィードバックを短いスパンでやったりしています。採用だけでなく「その人が早く立ち上がれるような仕組みも会社として用意する」ことも大事ですよね。
今後の展望|変わりつつある新卒採用にどう立ち向かっていくのか?
-今後の採用について、各社の展望をお聞かせください。
サイバーエージェントは、インターネットビジネスの総合企業として、「21世紀を代表する会社を創る」と掲げています。その分、求める人材も本当に多様化すると思っています。
その中で、新卒採用というワードでいくと、新卒採用の概念が変わるのではないかと考えています。
私個人としては「タレントプールが勝負」と思っています。「採用したいときに採用したい人材が好きなだけ採用できる状態にどれだけ早く持っていけるか」が大事だと思います。
先日もTwitterで15歳の方とたまたま会って面談したのですが、スキルも知識もあってめちゃくちゃ優秀なんですよ。「AIとPython(パイソン)を駆使して、サッカー業界を変革したい」という野望を持っていました。
あくまでも一例ですが、そういう方たちと早期から接触してつながりを持つようにしていきたいですね。まだ道半ばですが、そういう仕組みをもっとつくっていく必要があると感じています。
LINEでは、2019年卒、2020年卒と、新卒採用をかなり強化していく方針で動いています。
その中で、やはり学生から「選んでもらえるような会社」にしていかないといけないと思っています。LINEは見方によっては、大企業にも見えるし、メガベンチャー企業にも見えれば、ベンチャー企業にも見えてたりします。そして、実際はどの側面も持っている企業なんです。
LINEという巨大なプラットフォームを持っている企業である一方で、最近ではLINEマンガを分社化するなど、ひとつのベンチャー企業としてベンチャーマインドを持ってもらい、立ち上げに携わってもらうこともあります。
このように、あらゆる観点で会社に魅力を感じてもらえる見せ方にしていきたいと思います。
また、今後は「エンジニア以外の職種をどうしていくか」を考えていく必要があります。
どちらかというと初任給うんぬんというよりは、「どのように正しく評価していけるか」と配属マッチングの部分ですね。一回一緒に働いてみないとわからないといわれることも多く、評価も組織マッチングも難しい部分ですが、個人個人をしっかり評価し、そこを重要視していきたいですね。
先ほどの15歳の方の事例のように、今後は年齢に関係なく、その人の持ってる能力やスキルに応じた適切な評価が得られる世界観が広がって行くと思います。
私たちが提供しているscoutyというサービスは、その人のSNS上のアウトプットやGitHubなどを分析して、「この人はこのくらいのスキルがあります」ということをAIで判定してマッチングをしていきますが、そこには年齢は関係ありません。
scoutyを大きくしていきそのような事例をどんどんつくっていって、年齢などにとらわれずにいろんな人たちが活躍できる環境にしたいですね。
scoutyの社内でも実際に若いけれどもすごいパフォーマンスを出してくれる社員もたくさんいます。そのような採用をもっと増やしていければいいなと思っています。