6月から本格的に選考解禁となります。とはいえ、選考が終わっても実はそこからが本番かもしれません。選考が終わると内定者フォローに注力する必要があります。
その内定者フォローの一つとして、懇親会がよくおこなわれています。しかし懇親会の参加率が低いことに悩んでいる担当者の方は実は多いのではないでしょうか。
今回は内定フォローについてと内定者が懇親会に参加しない理由、そして改善策をご紹介します。
目次
1. 内定者フォローについて
内定辞退は多くの企業の課題の一つです。いろいろな内定者フォローとそれについての実際の内定者の声も含めながらみていきましょう。
1-1. 実際に企業がおこなっている内定辞退率を下げるための施策
実際に企業がおこなっている内定者フォローにはどのようなものがあるでしょうか。株式会社ディスコの調査によると、内定者が実際に受けたフォローは以下の内容でした。
懇親会:60.3%
人事からの定期的な連絡:46.8%
内定式や懇親会のような行事と、定期的なコミュニケーションを実施している企業が多いことがわかります。ではそれぞれの施策を受けた内定者の声をみていきましょう。
内定式
【良かった声】
LIPPS内定式🎉🎉㊗️
最高な同期🅿︎
早く働きたくてしかたない🔥🔥
ここに内定できてほんとによかった😜#LIPPS #lipps #内定式 #最高 #同期 #表参道 #原宿… Jingu)https://t.co/KOzUEWMxFl— 古谷 亮太 (@ryota_furuchan) 2017年10月8日
このように同期と内定式で初めて会って意気投合し、それが内定辞退防止につながる場合もあります。内定式は、内定者同士がポジティブなコミュニケーションを取り合い、入社意欲を高める絶好のチャンスとも考えられますね。コミュニケーションを活性化させるようなコンテンツを用意すると効果が高まります。
【悪かった声】
弊社も内定式やった口だけど、薄々必要あるんやろかと思っている。できるならやめたい。 https://t.co/9FQ6qy01UE
— AKANE Daigo (赤根 大吾) (@dgakane) 2017年10月3日
中には、内定式の必要性を感じることができず、マイナス評価につながってしまう場合もあるようです。内定式のコンテンツ内容はしっかりと段取りを組み、計画的に実効する必要がありそうです。
懇親会
【良かった声】
内定者懇親会楽しかった!!✨
女子少ないけどみんないい人そうでよかったー😌😌— はる (@star_planet12) 2016年8月5日
内定式でもありましたが、同期の存在は大きいようです。内定式は1回しかありませんが、懇親会は複数回開催できるので、より多くの同期と関われる良い機会になります。
【悪かった声】
内定者懇親会まじで滾らねえ🤔
出世競争だるい🤔秒速退職届け🤔— ひろみ先生 (@hiromikkun) 2016年9月20日
悪かった声で先ほどと同じように、開催の目的を感じてもらえないと、マイナス評価になってしまうようです。ただ時間を消費しているだけ、なんとなく楽しかったけど何も残らなかったと感じてしまわないよう懇親会のコンテンツも目的を持って企画することが大切です。
人事からの定期的な連絡
【良かった声】
人事の担当者さんが優しすぎて電話中泣くかと思った
しんどい— 笛吹 緑 (@palegreen_mtr) 2018年5月9日
悩んでいるときに人事の方が相談に乗ってくれて、それが心に響くこともあるようです。日頃からの何気ないコミュニケーションでも、内定者にとっては刺激的な経験になったり、心に残る経験になります。まずはこのように日頃からなにかあったときに頼れる場所として感じてもらえるよう、内定者との関係性を構築することが大切です。
【悪かった声】
みなさん唱和は完璧ですか?唱和は完璧に覚えてきてくださいね!って定期的に送りつけてくる人事にそろそろ嫌気がさしてきて、
うざい
って送りそうになる親指をグッッと堪えて
承知しました。当日はよろしくお願い致します。
と打つ親指!!えらいわぁ〜〜親指えらい👎👍— ユーリ(んちー) (@yuyurinchi) 2018年3月28日
同じ内容で何度も連絡してしまった場合は、内定者に嫌がられているかもしれません。コミュニケーションの頻度は少なくもなく多くもなく、バランスが必要です。
事例別に見てみると、その共通点としては、内定者の入社モチベーションが上がる要因として同期同士のコミュニケーション・関係性の構築は重要なポイントといえそうです。逆にマイナス評価になってしまう要因は、企画に対して開催されている目的がわからない場合や、内容の薄い過度なコミュニケーションかもしれません。
1-2. 入社意欲が高まった内定者フォロー
次は内定者側からみて、入社意欲が高まった内定者フォローをみていきましょう。
内定式:58.5%
見学会:53.5%
懇親会
懇親会も二次会もとっても楽しかった 早く入社したい…
— カワゾエ (@916dqq) 2017年10月3日
懇親会で実際に同期と触れ合ったり、社内の雰囲気を感じたりして、入社意欲が高まっている例です。
内定式
内定式&懇親会終了〜!!!
12時から19時とかなかなかの長さやったけどめちゃくちゃ楽しかった(*^◯^*)
早く入社したいな〜働きたい!— りこぴん (@rckn1507) 2015年11月25日
内定式が長くてつらいものだったとしても、入社意欲が高まっています。達成感の感じられるコンテンツや内定者同士のコミュニケーションの機会提供など、工夫を凝らすことで、入社意欲を高めることもできます。
見学会
見学会終わった!
すげー充実してたー(笑)
絶対入社したい!
そしてりさこと暮らす!— キング (@tomoking0711) 2013年8月23日
見学会で実際に先輩たちが働いている姿をみて、実際に自分が働くイメージが湧き、入社意欲が高まった例ですね。
懇親会より内定式を開催している企業が多いのに対して、実は懇親会のほうが入社意欲を高めている結果になりました。つまり、懇親会は企画する内容によっては、内定辞退率を低減する効果が高いといえるかもしれません。
2. 内定者懇親会不参加の6つの理由
内定者懇親会に参加してもらえたら、内定辞退率低下につながるかもしれないということがわかりました。ですが、実際は不参加の内定者が多いのも事実です。では不参加の理由にはどのようなものがあるでしょうか。
2-1. 面倒だから
長い就職活動がようやく終わり、残りの学生生活は自由に過ごすぞ!と思った矢先に懇親会があり、面倒くさく感じてしまう学生が多いことも事実です。
改善策としては、まず強要しないことです。面倒くさがっている学生に懇親会の参加を強要すると、逆に内定辞退が起きてしまうかもしれません。「いつでも待っているよ」という姿勢で、少人数でも何回か開催できるとベストです。
2-2. 予定があるから
就職活動が終わり、夏休みや卒業旅行に向けてお金を貯めようとアルバイトの予定を入れる学生も多いです。懇親会の日と重なってしまい、調整ができない可能性があるかもしれません。
改善策としては、開催日の1ヶ月以上前から告知をしておくことです。そうすると学生もアルバイトのシフト提出の際に、懇親会の日に予定がかぶらないように調整することができます。
2-3. つまらなそうだから
学生時代と違って、自分と気が合う友達とだけ関わればいいわけではありません。わかってはいながらも、気が合わない人と一緒に時間を過ごすことをつまらないと感じる学生もいるでしょう。さらに懇親会でコンテンツを用意している企業も多いですが、そのコンテンツがつまらないと感じる学生もいるかもしれません。
改善策としては、新入社員などの内定者と年齢の近い社員を懇親会にアテンドすることです。また、コンテンツの内容も新入社員に事前に確認し、その感想を確認してブラッシュアップすることも効果的です。
参加する内定者も緊張してなかなか盛り上がらない場合もありますので、それを防ぐこともできます。つまらないと感じてしまわないよう、コンテンツ内容などは詳細まで記載し、事前に告知しておくことも大切です。
2-4. 必要性を感じないから
なぜ懇親会に参加しないといけないのかという疑問を持っている学生もいるかもしれません。開催する側は目的の認識がしっかりしていたとしても、それが学生側に伝わっていない場合もあります。
改善策としては、懇親会の告知をする際にしっかり開催の目的を伝え、あなたに来てほしいということを伝えることです。内定者の数が少ないのであれば、メールで一斉送信するのではなく、一人ひとり電話したり、個別にメールをしたりすることで参加率が高まるかもしれません。
2-5. まだ就活を続けているから
中にはまだ就職活動をしている学生もいるかもしれません。人事の方からすると「だからこそ懇親会を用意しているんだ!」と思うかもしれませんが、もしかしたら懇親会に参加するほど入社意欲がまだなく、参加をためらっている可能性もあります。そのような学生にとっては、懇親会はあまり魅力に感じないのかもしれません。
改善策としては、まだ就活を続けている可能性がある学生には電話やLINEなどで個別に連絡を取るのがいいでしょう。少し手間がかかるかもしれませんが、こうした個別対応が内定者に安心感や特別感を感じさせ、その関係性構築そのものが入社意欲に還元される可能性があります。
3. 内定者懇親会の取り組み
では、実際に内定者フォローを実施するならどのような施策を実施していけばいいのか考えてみましょう。
3-1. 懇親会のペース
内定者にとって懇親会の開催のペースはどれぐらいがいいのでしょうか。
実際に開催されている懇親会のペースは
1ヶ月に一回が40.5%
2ヶ月に一回が25.8%
学生の希望開催ペースは
2ヶ月に一回が31.4%
これらのデータからみると、内定者の希望と大きく乖離はしていませんが、2ヶ月に一回を希望している学生が多いことがわかります。
3-2. 社員の人の姿勢
初めて内定先の懇親会にいくときは緊張する学生も多いようです。そのような学生はなかなか自分から積極的な参加姿勢になりにくいかもしれません。そんなときに場を盛り上げたり、話しやすい雰囲気をつくるのが社員の方の役割でもあります。話しかけやすい社員がいれば、自然と緊張がなくなり、懇親会を楽しめるようになるでしょう。
他社と迷っている学生が参加してくれた場合は、ここでの社員の方の接し方が入社の有無に大きく影響します。なぜその企業に入社したのか。今どんな想いで仕事をしているのかを内定者に率直に、かつポジティブに伝えることで、内定辞退率を下げることにつながります。
3-3. 質問のしやすい雰囲気づくり
学生は内定が決まってからも、不安なものです。その不安を払拭するためにも社員の方の本音を聞きたいこともあるでしょう。このときに社員の方に質問し、疑問を解消することができれば内定辞退率の低下につながるかもしれません。
コンテンツで「ぶっちゃけトーク」のような時間を設けるのもいいかもしれません。そういう時間があれば、学生も質問しやすいでしょう。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
内定辞退率を低下させるために内定式や懇親会を開催することは、内定者の生の声からみても効果がありそうです。こうした企画はただ開催するのではなく、開催日を早く内定者に告知する気遣いや、話しかけやすい社員を参加させるなどの工夫も必要ですね。事前準備を着実におこない、内定者と年の近い社員に感想を聞きながら、内定者の参加率を上げて、内定辞退を減らしていきましょう。