2019年6月1日、2021年卒向けのインターンシップサイトがオープンしました。
この数年は、インターンシップを通した企業と学生のファーストコンタクトが多くなり、開催されるインターンシップコースも増え続けています。
今年も採用コンサルタント/アナリストの谷出 正直さんに、インターンシップサイトのオープン状況とインターンシップに対する今後の見解をお伺いさせていただき、記事にまとめました。
6月1日オープン時点でのインターンシップサイト速報値をご紹介します。
谷出 正直(たにで まさなお)|採用コンサルタント/アナリスト
2021年度インターンシップ実施動向からみるトレンド
『21インターンシップ』について、主要インターンシップサイトから見るトレンドを考察していきます。
全体的な企業動向を見ると「インターンシップ」の動きがさらに早まり、 「新卒採用活動」そのものになると考えられます。 各社の「採用課題」ごとに、インターンシップの 実施目的が変化していくでしょう。
調査対象(主要インターンシップサイト) ※2019年6月1日時点
- リクナビ
- マイナビ
- キャリタス
【1】インターンシップサイト 掲載社数
8年連続、インターンシップ実施企業が増加。6月1日時点でのべ1万7000社(前年比1.1倍)を超える結果になりました。
ただ、全体の掲載企業数の伸びは鈍化しています。鈍化している要因としては、下記の4点が考えられるでしょう。
- 企業と学生が出会う手法の多様化
- 20年卒の採用活動が継続中で各社にとっての優先順位が高い
- 20年卒から中小企業が新卒採用から中途採用へのシフト
- 過去のインターンシップの成果への疑問
【2】各社のインターンシップ実施月
実施月は、前半戦(6月~9月)の実施企業数が増加しています。また、サイトに占める割合もさらに増加傾向であり、夏期に注目が集まっています。
後半戦(10月〜2月)は減少傾向ですが、昨年同様に前半戦の学生の動きや集客状況によって判断し、インターンシップの実施数を増やしていく企業も多いでしょう。
【3】各社のインターンシップ実施日数
全体の約8割の企業が1dayインターンシップを実施予定です。 年々、2~3日のインターンップを実施する企業が増える傾向にあります。 2週間以上のインターンシップの実施企業数は、この数年、 大きな変化は見られません。
企業が考えるインターンシップの目的は、企業認知や母集団形成から採用へと変わってきています。そのため、インターンシップ参加者に対し、自社をしっかりと理解させたい考えが強く、 日数および内容を増強する傾向があるようです。
各社サイトの特徴
◆リクナビ
- インターンシップ掲載社数:9,070社(2020:10,180社)
- インターンシップ掲載コース数:表記なし(2020:表記なし)
- インターンシップイベント:40拠点65開催(6月~8月開催分が公開中)(2020:26拠点28開催(6月〜7月分公開))
※2019年6月1日現在
昨年に引き続き応募可能企業数No.1。昨年は1万社を超えていましたが、今年は1,110社ほど少ない掲載となっています。
特筆すべきはイベントの開催数の増加です。昨年は6月〜7月の開催分が公開されていましたが、今年は一部8月分も公開されています。7月までの開催数で比べても、今年は40拠点61開催と、イベントに注力している傾向があります。
◆マイナビ
※お問い合わせはこちらから
- インターンシップ掲載社数:5,628社(2020:4,289社)
- インターンシップ掲載コース数:8,518コース(2020:6,430コース)
- インターンシップイベント:52拠点78開催(6月~8月開催分が公開中)(2020:36拠点53開催(6月〜8月分公開))
※2019年6月1日現在
昨年同様に、3つの主要サイトで前年と比較し、一番掲載企業数が増加したサイトです。
イベント開催は、開催拠点も回数もダントツ、今年は掲載コース数も約2,000増加しています。
◆キャリタス
※お問い合わせはこちらから
- インターンシップ掲載社数:表記なし(2020:表記なし)
- インターンシップ掲載コース数:4,007コース(2020:2,763コース)
- インターンシップイベント:18拠点30開催(6月~9月開催分が公開中)(2020:14拠点28開催(6月~翌2月分公開))
※仕事研究イベントは除く
※2018年6月1日現在
昨年同様、インターンシップ・インターンバイト・1Day仕事研究と3種類の定義を分けて検索ができるようになっています。今年は掲載コース数が大きく伸び、6月1日の段階で4,000を超えるコース数が掲載されています。
まとめ|インターンシップ実施企業の取るべき次の一手は?
21インターンシップがスタートし、各主要サイトを見ていくと、掲載社数は増加傾向にあります。
数年前と異なり、インターンシップ期間での学生との出会いも、もはやレッドオーシャンです。
こうした傾向を見てみても、冒頭でも述べたとおり、「インターンシップ」の動きがさらに早まり、 「新卒採用活動」そのものになっていくでしょう。各社の「採用課題」ごとに、インターンシップの実施目的も変化していきます。
このインターンシップ市場において、より多くの学生と出会うために、この先、企業が取るべき施策としてはどんな施策が考えられるでしょうか。
1|インターンの実施目的、参加対象学生を明確にする
採用ターゲットとなる学生像を明確に描き、その学生層に向けたコンテンツ、プロモーションを考える
2|参加学生の参加満足度、理解度を徹底的に高める取り組みをする
インターンシップそのものは、参加した学生が気づきや学び、成長実感を得ることができるコンテンツを目指す。
結果としてインターンシップそのもののファン化、口コミの源泉を創り出す。
3|正直に伝える
事実と解釈を分けて伝える。会社の実態や事実について、その解釈の仕方、考え方を合わせて伝える。
4|学生が内定承諾する理由をサポートする
インターン後の取り組みやインターン以外の取り組みを考える。 選抜制の中長期インターンや、別ミッションへのアサイン、リクルーター・OB訪問の実施、会社の行事に招待するなど。
インターンシップの当日だけで終わらせず、その先の導線・ストーリーを考える。
このように、インターンシップの取り組みそのものへのファン化につなげ、本選考までの緻密なスケジューリングが鍵を握る展開となりそうです。
すでにインターンシップを予定している企業も、これから仕掛ける企業も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
「採用・広報担当に伝えたい」調査結果から見る、一緒に採用に取り組むことの重要性
https://hrnote.jp/contents/b-contents-saiyo-dentsuprtanide-190117/
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