新卒採用も即戦力を狙う時代。優秀就活生トレンドをつかんだ逆求人イベントが再燃中! | | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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新卒採用も即戦力を狙う時代。優秀就活生トレンドをつかんだ逆求人イベントが再燃中!

  • 採用
  • 新卒採用手法

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

2020年新卒採用に向けて、本格的に動き出している企業様も多いのではないでしょうか。

年々企業と学生の出会いの時期は多様化し、また早期化しています。その狙いは、新卒採用であっても、より即戦力に近い優秀な学生との接点を増やしたいという企業の採用戦略から来るものです。

また、「自分らしい働き方」を追求したい若手の仕事選択軸の変化もあり、企業・学生の双方の要望を高いレベルでマッチングすることも、これからの新卒採用戦略において重要なポイントとなっています。

こうした背景から、数年前より注目されているのが「逆求人イベント」です。

今回は、早稲田大学の学生団体(広告研究会)とタイアップし、新しい「逆求人イベント」を作り上げたUnistyleの代表にお話を伺いました。

中村 陽太郎 氏 | Unistyle株式会社 代表取締役

2012年株式会社ネオキャリアに入社し、新卒採用のコンサルティング事業部にて従事。約4年間で延べ200社以上の企業に対して、採用戦略・採用手法の提案や導入をおこなう。2017年、グループ会社であるUnistyle株式会社の代表取締役に就任。これまでの企業への新卒採用コンサルティングの経験を活かし、学生に向けた就活支援をおこなうべく多様なコンテンツ・イベントを企画・運営。

「ICHIGEI」は、学生が渾身の”一芸”で企業にアピールする新感覚就活イベントだった!

−−「ICHIGEI」とはどんなイベントなのですか?
中村氏:大学入試には”一芸入試”というものがありますよね。

これは「学力とは関係なしに、受験者が申告する特技や入学への熱意を査定し入学者を選抜する方法」を指し、今や一般的な受験方法です。

unistyleでは、企業の「より多くの優秀な人と出会いたい」という採用活動要望と、学生の「自分の強みを活かせる職場に出会いたい」という就職活動軸の両方を捉え、「新卒採用にも、”一芸採用”があってもいいのではないか」という考えから、「ICHIGEI」というイベントを企画しました。

新卒社員として入社する学生であっても、それまでの学生生活の中で一人ひとりが様々な経験をしています。

その経験の中で学んだこと・見つけた強みを、就職活動の中で企業へアピールする場が「ICHIGEI」です。

通常の就活イベントといえば、企業側がブースを構え学生に向けてプレゼンをする形が一般的ですが、「ICHIGEI」は、学生がブースにて自分自身を企業にプレゼンするスタイル。

unistyleは、自分らしい”一芸”を持つ学生が、その特徴的な”一芸”によって企業にアピールできる場を提供したいと考えています。

−−ユニークなイベントですね。なぜこのような取り組みをするに至ったのですか?

中村氏:就職活動で、志望動機同様に学生が用意するものといえば、自己PRがあります。

この自己PRの実態は、企業が打ち出す「求める人物像」にできるだけ合わせる事で高い評価を得ようとするゲームのようなものになってしまっていて、それが当たり前になりつつあると感じています。

企業側は、ある意味選考を通過するための作り込まれた自己PRを聞いて、「自社で活躍できるか」「イキイキと働いてもらえるか」をジャッジしなければなりません。

ここ数年、働き方は多様化し、働き手が職場を選びやすい風土になりつつありますが、一方の新卒採用市場では「ミスマッチ」による離職の増加など、様々な課題が叫ばれています。

純粋に学生自身が強みと思えることを本音ベースでアピールしてもらった方が、企業にとっても、学生にとってもお互いに納得感を持ち、ミスマッチの少ない採用活動・就職活動になるのではないか。そう思ったことが、このイベントを企画した背景です。

現在社会での働き方を見てみると、多彩な働き方を通して個々人が生産性を高め、「自分らしく働く」ことが注視されています。自らの経験・スキルを活かして「働く」を考えるといった点において、学生にとっても大切な意識転換になるのではないかと思っています。

学生は「自分が通用するか試したい」企業は「イノベーティブな学生と出会いたい」双方のニーズが交差するイベント当日

−−実際に「ICHIGEI」は第1回が開催されているんですよね。当日の様子はいかがでしたか?

中村氏:「ICHIGEI」の第1回開催は、11月13日に東京都内で開かれ、2020年卒の早稲田生30人と、新卒採用を実施する企業10社が参加してくれています。

学生は「一芸」でのアピールになるので、当日の服装も様々。

浅草で人力車を引く学生はねじり鉢巻きの車夫姿で現れ、「野宿旅行」で全国を回った学生はバックパックを背負ってくるなど、「本当に就活イベントなのか?」と、従来であれば疑ってしまうような異様なスタートでした。

イベントは学生側の1分間の自己PRからスタートするのですが、学生側から飛び出す渾身の「一芸」披露に、思わず笑いが起きたり、簡単な企業アピールタイムでは、学生に負けじと自己PRを作りこんできてくれる採用担当の方もいて、活気のあるイベント会場だったと思います。

−−企業や学生の反応はいかがでしたか?

中村氏:今回は、初回ということもあり、現役大学生による団体「早稲田大学広告研究会」との共同開催で実施しました。学生側の参加理由としては、「自分自身が通用するのか試したい」「自分らしさが評価される会社と出会いたい」と考える学生が多かったように思います。

通常の企業主体のイベントでは、自分自身がどこまで通用するものなのかチャレンジする機会は少ないかもしれません。

入社を志望する企業先に合わせて自分自身の自己PRをつくるのではなく、これまでにはない新しい企業へのアプローチができたと語ってくれる学生さんも多くいたのが嬉しかったですね。

従業員の個性や能力を見つけて伸ばし、アルバイトという雇用形態でも関係なく、店全体の組織づくりのために努力した経験をアピールできた。

企業に質問されて答えるような、通常の面接とは違う。話を聞いてくれる企業の採用担当の方との会話の中で、自分なりの言葉で一芸(強み)をアピールするのが難しかった。

学生にとっては、まずは自分の強みを精一杯考えることから始まり、どう魅力的に伝えるのかを考え、実行するという機会を提供できたのではないかと思います。

 

また、この第1回開催では、トヨタ自動車や三井住友カード、パーソルキャリアなど、通常の新卒採用活動でも多くの学生が応募するような有名企業も多く参加してくださいました。

こうした企業側側の参加理由としては、「従来の採用活動では出会えなかった学生と出会いたいと思った」など、採用活動における新たな取り組みのひとつとして捉えられているような印象を持っています。

イベントの奇抜性に引かれて参加した。採用ターゲットである発想力や特色のある学生、イノベーションを起こしてくれる学生と出会いたかった。

これだけ早い段階から学生と接触できる機会に魅力を感じた。

逆求人型」といえば、就職活動サイトを介してスカウトメッセージを送るなどの、ダイレクトリクルーティングを想像される採用担当の方も多いのではないでしょうか。

実際に、スカウティングシステムを活用する企業でも、メールで気になる学生に連絡するのは、少しドライな印象もある。直接会い、互いに思いを伝え合った方が良い」と、対面型の逆求人イベントにメリットを感じてくれていて、学生・企業の双方がよりフラットに会話をする機会を提供できたのではないかと思っています

就活生が考える「安定就職」は、「大企業への就職」ではない。

−−「ICHIGEI」に参加するような、主体的でビジネスマインドの高い学生は就活をどう捉えているのでしょうか?また、どんなマインド変化がありそうですか?

中村氏:全体的な就活傾向かもしれませんが、早期からインターンシップや業界研究イベントなどに参加している学生を見ていても、どこか「就職活動は、正直つまらなくて面倒くさいものだ」と思ってしまっているように感じるんです。

「就活はある種の攻略ゲームだ」と考える学生もいます。「いかに自己を”有能”に魅せられるか」「うまくやりきれるか」が、現行における就活強者と考えられているんです。

そんな中でも、働き方改革が声高く叫ばれ「自分らしく働きたい」「働くのであれば、等身大の自分で全力で頑張れる環境を探したい」と、働くことを真っ直ぐに考える学生も多いんですよ。

しかしながら、売り手市場とはいえ「企業>学生」という構造は変わりません。「本当の等身大の自分をアピールしたい」と思っても、自分らしさを演出できる場は、就職活動においてはあまり存在しないのもまた現実です。

就活の延長ではなく、社会で「働く」ことを真っ直ぐに捉え、自分のこれまでの経験をしっかり整理し、強みを見つけられる学生であればあるほど、”自分らしさ”を思いっきりアウトプットし、それを真っ正面から評価してくれるような企業や就活スタイルを求める傾向があると思っています。

−−そんな学生にとって、どんな企業が、自分のファーストキャリアとして魅力的に映るのでしょうか。

中村氏:メガバンクの採用縮小などのニュースもあり、「大手であれば良い就職」という考えは、学生の中でも形骸化しつつあると思います。

第4次産業革命を背景に、インターネットを介したサービスなどがどんどん発展していることを、学生自身も身近に感じていて、日々発展し続けるビジネス市場において、企業も、もちろん自分自身も変化し続ける必要性を感じているんです。

その点からも、多様性に富み、多角化を良しとして事業運営をしていく企業に就職することが、結果的に自分の将来につながる経験値を得ることができ、本当の意味で「安定」を勝ち取れる就職だと考える学生も多いのではないでしょうか。「将来の安定」の意味合いも変化してきているんですね。

だからこそ、自分らしさを評価してもらえる会社には「変化を受け入れ、発展していく伸びしろがあるのではないか」という期待を持ち、ファーストキャリアとして魅力を感じる傾向があるのではないかと思います。

2020年の新卒採用も本格始動…企業の採用担当に求められることとは?

−−2020年の新卒採用活動として、インターンシップに取り組まれる企業も多いようですが、本格始動にあたり、注力しておきたいポイントはどんなところでしょうか。

中村氏:採用手法は星の数ほどありますが、採用チームのマンパワーは有限だと思います。

出会いたいターゲットに合わせて、その手法も取捨選択することも大事な戦略なのではないかと思います。

採用人数が多ければ多いほど、当然ではありますが「量」を集める活動になりがち。一方で、採用担当として「多様な人材を採用する」という使命もあるかもしれません。

「どれだけ多くの学生と出会えるか」という、接触量を追いかけることは戦略として間違いではないですが、一人ひとりの学生との接触密度を高めることが採用効率をあげる結果になることもあります。

ICHIGEI」はまさに「接触の質」と「多様性」にフォーカスしたイベント。ぜひ一度ご覧いただければ嬉しいですね。

[イベント出展を希望される方は、こちらよりお問い合わせができます]

編集部より

いかがでしたでしょうか。

新卒採用においても、即戦力となるような「イノベーティブな人材」を求める企業の声をよく聞きます。

HR NOTEでインタビューにお伺いする企業でも、様々な手法を取り入れ、これまでに出会えていない学生に積極的に会いにいくことに注力している採用チームが多い印象です。

「採用を効率化させ、成功させたい」という目的だけではなく、学生と企業の「採用のその先」を見据え、一人ひとりの学生との出会いを縁として紡いでいくことも、ポイントかもしれませんね。

 

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