今回は、テクノロジー人材育成スクール『TECH::CAMP(テックキャンプ)』などを運営している、株式会社divの執行役員である張ヶ谷さんに「ITエンジニア採用のために、知っておきたい採用手順」について、寄稿いただきました。
年々難易度があがっているITエンジニアの採用。採用成功に向けてあらためて意識しておきたいノウハウが満載です。
是非、ご参考となれば幸いです。
目次
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ITエンジニア採用とは
ITエンジニア採用とはなにか
エンジニアという職種は広い範囲でいうと、IT・建築・化学・素材などにもエンジニアという仕事があります。
またITエンジニアの中でもハードウェア、ソフトウェア、インフラ、組み込み、通信、基礎設計、テスト、品質管理など様々な職種が存在します。
ITエンジニアに求める業務としてはサービスの設計、開発、テスト、改善などがあります。
しかしITエンジニアの方は、すべてができるわけではなく、営業やマーケティングの仕事でもあるように、得意な部分や不得意な部分が存在します。
非常に優秀なITエンジニアを採用することで、サービスの開発や10人でおこなっていた業務を効率化させることも可能です。
これまでのITエンジニア採用の問題点
引く手あまたで優秀なITエンジニアを採用するには様々な課題を乗り越えていかなければいけません。その課題の中でも特に大きな3つの課題をご紹介します。
1、ペルソナ作成
1つ目はペルソナ作成です。
ITエンジニア経験がない人事の方がペルソナを作成する場合、明確なペルソナ作成をすることは難しいです。
言語やツールなど多岐にわたる中、採用したいITエンジニア像を描くことができないため採用戦略がうまく立案できません。
2、母集団形成
2つ目は母集団形成です。
採用をするにしてもそもそも面接が組めなくて苦戦をしてしまいます。スカウト、求人媒体への掲載、リファラルなど実施をしても、引く手あまたなITエンジニアを面接に呼ぶのことは難しいです。
3、内定辞退防止
最後に、内定辞退を防ぐことになります。
貴社が採用をしたいITエンジニアはどの会社も採用したい人材です。そのため内定を複数獲得する前提で話をする必要があります。
それでは、上記の課題を意識して、ITエンジニア採用を成功に導く採用手順を見ていきたいと思います。
ITエンジニア採用を成功に導く6つの採用手順
1、ペルソナを作成する
まずはペルソナづくりです。採用したいエンジニアのスキル・経験・人物像・組織での役割などを明確にして採用ターゲットが決めましょう。
現在どの会社に在籍していて、どんな職位で、どんな仕事をしているのかをイメージするとよいでしょう。
ペルソナを明確にすることで、アプローチの方法・母集団形成・面接でのトーク内容・アサインする面接官の選定など採用決定までのプロセスを戦略立ててつくることができます。
2、求人雛形を作成する
求人の雛形を作成することで、どのようなポジションを現在採用しているのかを随時確認、修正できます。
また求人雛形の項目を求人媒体の記載する項目に合わせておくと転載することができますし、求人内容をエージェントに共有する際も活用できるので便利です。
最近では採用管理システム(ATS)で管理する会社も多いですが、ベンチャー企業であればスプレッドシートを活用してもよいと思います。
3、開発環境を書き出す
求人票を作成する際に必要なのが開発環境です。
ITエンジニア出身の人事の方であれば、書き出す項目を想起しやすいのですが、非ITエンジニアの方がどんな項目を記載していいかを考えるのは難しいと思うので、必要な項目をリストアップしてみました。
開発環境を書くことで、ITエンジニア入社後の「即活躍できるイメージ」をつけることができます。
4、ITエンジニアの採用単価を決める
ITエンジニア採用は他の職種に比べて採用単価が上がっています。
ITエンジニアの有効求人倍率は5倍を超えており、希少であるため採用単価が上がっています。求人媒体への掲載、エージェント、リファラル採用など、さまざまな手法を駆使して採用をする中で採用費用がかかることを念頭においておく必要があります。
緊急性
事業拡大をするために、ITエンジニア採用をいつまでに完了しないといけないのかで採用単価は変わってきます。
3ヶ月後以内であれば求人媒体、エージェントなど採用コストが100万円以上かかる採用手法の活用を検討しないといけません。
希少性
開発をするだけのITエンジニアなのか、マネジメント経験のあるITエンジニアなのか、CTO経験者なのかで採用対象の希少性が変わってきます。
より希少な採用対象ほどリーチする難易度が高くなるため、様々な採用手法を駆使する必要があります。
主な採用手法のご紹介
母集団形成には求人媒体、エージェント、リファラル、ダイレクトリクルーティング、ハローワークなどの手法が用いられます。
それぞれ掲載課金、成果報酬、ランチ代、スカウト数課金など採用コストのかかり方は異なります。ITエンジニア採用単価を検討する際は、「緊急性×希少性」をもとにベストな採用手法を選択しましょう。
5、面接・面談を実施する
面接では「人物面のマッチ度合い」「スキル面のチェック」、面談では「カジュアル面談」「クロージング面談」「条件提示」をおこないます。
ITエンジニア採用においてはまず自社に興味を持ってもらうための「意向上げ」の面談から入ることが必要になっていきます。
それぞれ誰が担当するかを決め、面接の状況によって使い分けていきましょう。
面接
- 人物面のマッチ度合い 一緒に働いているイメージはあるか、これまでの経験や以前おこなっていた仕事ではどのような考え方で働いていたか、事業・理念への共感はしているかなどを確認します。
- スキル面のチェック コードテストや事例問題など実際にコードをホワイトベード、PC、紙などに書いてテストをする場合もあります。またGithubやポートフォリオなどを見ることでスキル面のチェックをすることも可能です。
面談
- カジュアル面談 まず自社のことについて理解をしてもらうためにランチやお茶などをしながら説明する機会をつくりましょう。まず知ってもらうことが採用の第1歩です。
- 条件提示 面接が最終段階になってきた際に、具体的な年収、勤務形態、勤務時間などを伝える面談です。
- クロージング面談 ITエンジニアは多数内定をもらっていることもよくあります。どんなところで迷っているのか決め切らない理由はどこにあるのかを確認する面談が必要です。オフィスでの面談や場合によっては会食しながら本音を聞き出すことも有効な打ち手です。
スキルチェック
スキルを把握する際に用いられるコードテストや事例問題には会社さまざまな手法を駆使しています。
- webテスト 面接前に事前に自宅で受講してもらうテストです。最低限のスキルレベルをチェックする際に用いられます。すでにオンライン上で公開されているテストなどを用いる場会もあります。
- ホワイトボードを使ったコードテスト 基礎力、考え方、プログラミング知識などを確認する際に用いられます。「fizzbuzz」「素数判定」などが有名ですが、各社それぞれ工夫して作成しています。
- ワークサンプル 「こういう場合、どういうシステム設計にするか」などの課題を用意します。課題に対してITエンジニアにプレゼンしてもらい、ディスカッションを重ねることでITエンジニアのスキル・経験レベルを確認することができます。
6、内定辞退されないために
おめでとうございます。素晴らしいITエンジニアと出会い、内定を出すことができました。
しかし入社をするまで安心はできません。ITエンジニアの方々は複数内定を持っている可能性があります。そこで内定辞退を防ぐためのアクションが必要になってきます。
下記のグラフはTECH::EXPERTにておこなったITエンジニアの方の面接後のアンケートです。質問項目は「面接後、ここが不安と感じたポイントはどこですか?」という内容です。
こちらを参考にアクションをしていきましょう。
活躍できるのか不安
これまでペルソナ作成、求人票作成などで見えてきた「採用したいITエンジニアに求めること」を明確に伝えることが重要です。
「入社して何をすればいいのか?」「何を期待されているのか?」を明確にすることで、相手の漠然とした不安を払拭するきっかけになります。
1日インターンをしてもらうのも内定辞退を防ぐ(入社後のミスマッチも防げる)効果的なアクションです。
社内の雰囲気が合わないかもしれない
社員、開発メンバーとのカジュアルランチ、お茶、会食などを設定しどんな人がいて、どんな理由で入社をしたのか共有する機会をつくりましょう。
入社前の同じ不安を持っていた社員と出会えるかもしれません。採用したいITエンジニアに推測で判断される前に、実際に対面で会ってもらってから決めてもらう必要があります。
年収や条件面が合わない
どこに課題を感じているのかをまずはヒアリングをおこないましょう。また他社からの内定後の年収提示額などもヒアリングする必要があります。
年収が他社提示があまりに高い場合は無理をして合わせる必要はないですが、努力できるところはどこか、できないところはどこかを明確にしてお互いが納得のいく年収・条件を確認していきましょう。
リモート勤務などを希望される場合は社内のルール見直しの機会として検討してみましょう。
「なんとなく採用」から、計画的な採用を!
以上になります。
ここまでで、ITエンジニア採用のための6つのステップを解説してきました。
はじめての方はもちろん、これまでなんとなく採用をおこなっていた方も、ぜひ6つのステップに沿って採用活用してみてはいかがでしょうか?
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