「就活カフェ」を活用した新卒採用とは?その実態と方法を解説 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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「就活カフェ」を活用した新卒採用とは?その実態と方法を解説

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就職活動をする学生にとって、とても利便性の高い「就活カフェ」。ここ数年でその数が急速に拡大しています。

そして、そんな就活カフェの中でも、各種採用イベントやインターンシップなどを開催することができ、企業の採用活動に活かせるものもあります。

今回は、採用活動として就活カフェを利用する方法や、就活カフェを学生がどれくらい利用しているのか、についてまとめていきたいと思います。

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1.時代の波に乗る就活カフェ

1-1.そもそも就活カフェとは?

就活カフェとは、

  • 就活相談や資料コーナー、コピー機など就活生向けのサービスがある。
  • 学生(就活生)の利用料金が安い。なかには無料のものもある。
  • Wi-Fiや電源を無料で利用できる。

などの機能を有したカフェのことです。さまざまなサービスを安価で利用できるとあって、就職活動をする学生にとってとても利便性の高いスペースです。

就活カフェのビジネスモデル
就活カフェは、企業から運営資金としてスポンサー料を協賛する形で運営されています。企業にとってのメリットは、学生の集まる就活カフェを採用活動の場として利用することによる「認知度の向上」や「学生とのマッチング」が主にあげられると思います。

1-2.就活カフェが増加している背景

学生のほとんどはそこまで金銭的余裕があるわけではありませんが、就職活動では交通費など多くの費用がかかるものです。株式会社サポーターズの調査によると、就活生が就活で使用するお金は平均約16万円だそうです。

そのような中で、就活生は面接と面接の間にエントリーシートを記入したり、企業の方とメールでやりとりをしたりする機会があります。もはやネットにつながった状況でないと就職活動すらままなりません。

しかしながら、Wi-Fiを無料で利用できたり、ちょっと休憩しながらパソコンを使ったりするスペースは、今までなかなかありませんでした。

そのため、「ネットが利用できる安価なカフェ」は就職活動の拠点として学生にとても需要がある場所になったのです。

2.「就活カフェ」を企業はどう活用できる?

一方で、企業側も採用活動として就活カフェを活用することができます。

人事担当者の方は、「自社説明会にどのようにして学生を集めるか?」「どのように自社を学生にアピールするか?」など、さまざまな悩みを抱えていることと思います。

そのような中で、就活カフェを上手く活用することができれば新しい学生との接点をつくることができる可能性があります。

2-1.学生が集まる場所でイベントやセミナーができる

新卒採用において母集団を形成することは非常に重要なことだと思います。学生が集まる場所でイベントやセミナーを開催することで、より効率的に採用活動を実施することができます。

就活カフェによってイベントやセミナーを開催する方法は異なりますが、基本的には運営会社に問い合わせた上でスポンサー料を支払い、カフェのスペースを利用する形になります。

詳しくは、運営会社に問い合わせてみることが一番です。

2-2.さまざまな学生と接点を持つことができる

普段着で気軽に行くことのできる就活カフェは、スーツに革靴で参加するイメージの強い説明会よりも足を運ぶハードルが低い空間です。

自社を知らなかった、または興味のなかったより広範囲の学生にもアプローチをできる接点を持つことができるかもしれません。

また、大学1.2年生も来店できるため、まだ就職活動をしていない学生と接することもできます。

2-3.学生により詳しく自社の良さを伝えられる

就活カフェという空間は、その場でイベントやセミナーを開催する以外にも、さまざまな採用活動に活用することもできます。

少人数向けの就活相談会を開催したり、OB・OG訪問の待ち合わせ場所として利用したり、中にはインターンシップを開催したりするなど、より学生と近い距離感で話すことができる機会も多くつくることができます

そのため、説明会だけでは話せないような内容を詳しく話すことができ、学生により強く自社の存在をアピールすることができます。

  • 就活カフェは就活生の拠点になりつつあるので、採用活動としてアプローチをかけるのにとても良い場所!
  • 就活カフェでは、普段の説明会よりも就活生と近い距離感で接することができる!
  • さらに、自社にエントリーしない学生からもさまざまな情報を収集することができる可能性がある!

3.採用活動で利用できる就活カフェ

現在(2019年7月)までで、さまざまな就活カフェが誕生しており、それぞれの就活カフェが独自のサービスや特徴を持っています。今回は、その中でも企業と学生の距離感が近い就活カフェを3つご紹介いたします。

3-1.地方のミカタ就活カフェ

名称 地方のミカタ 就活カフェ
場所(最寄り駅) 新宿
営業時間 9:00~22:00(月~金)、9:00~21:00(土)
運営会社 株式会社地方のミカタ
公式URL  https://cafe.chihounomikata.com

地方就活生の就活格差をなくすことを目指して事業を展開している、株式会社地方のミカタが運営する就活カフェです。

新宿駅のすぐ近くにあり、学生が面接と面接の合間に休憩するスペースとして多く利用されています。

就活シーズンには各種イベントやインターンシップなどが開催されており、学生向けの就活イベントを企業側主催で開催することも可能です。

▽利用学生の特徴

東京で就職活動をおこなう地方学生が多く利用しています。特に地方国公立大学の学生が全体の利用者の約6割を占めます。

▽スポンサー(導入)企業

コクヨ株式会社、ソウルドアウト株式会社、株式会社ベーシック、etc

3-2.知るカフェ

名称 知るカフェ
場所(最寄り駅) 注目大学至近に国内19店舗、海外12店舗
営業時間 各店舗による
運営会社 株式会社エンリッション
公式URL https://shirucafe.com

知るカフェは、「企業との交流」と「学生との交流」のふたつを軸に株式会社エンリッションが運営する就活カフェです。

店舗の運営は、その全てを学生が務めています。交流会と呼ばれるイベントや、その他セミナーが開催されており、さまざまな学生と交流することが可能です。

▽利用学生の特徴

有名大学の近郊に位置しており、学生は授業の空きコマやサークル終わりなどに気軽に立ち寄る学生が多いです。就職活動をまだ始めていない大学1・2年生も多く訪れます。

▽スポンサー(導入)企業

日本航空株式会社(JAL)、Panasonic株式会社、日産自動車株式会社、etc

3-3.BEYOND CAFE

名称 BEYOND CAFE
場所(最寄り駅) 渋谷
営業時間 11:00~21:00(月~金)
運営会社 株式会社Beyond Café
公式URL https://beyond-cafe.com

「若者が働くを通じて夢中になれる場所を創る」をミッションとして掲げるBeyond Cafeは、渋谷駅の近くにある就活カフェです。

学生には担当のコーチが付き、キャリアに関するさまざまな面談をおこなっています。Topセミナーや人事deナイトなど、さまざまな種類のイベントも開催されています。

▽利用学生の特徴

渋谷駅周辺には多くのIT企業があるため、IT企業を中心に就職活動をしている学生が多いようです。また、エンジニア系の学生も多く来店します。

▽スポンサー(導入)企業

合同会社DMM.com、株式会社Opt、株式会社BIZREACH、etc

3-番外編.START BAR

名称

START BAR

場所(最寄り駅)

渋谷

営業時間

19:00~22:00(月、火のみ)

運営会社

株式会社ライトマップ

公式URL

http://start-bar.com

今まで紹介してきた就活カフェと異なり、START BARは完全紹介制・会員制の就活BARです。

来店した学生と食事をしながら密に話すことができます。当日話した内容などをSNSへ投稿することは禁止されているため、企業側も普段の説明会では言いにくいリアルな声を学生に届けることができます。

不定期に勉強会なども開催されています。

▽利用学生の特徴

完全紹介制・会員制であるため、キャリア意識の高い学生が集まる傾向にあります。

▽スポンサー(導入)企業

株式会社リンクアンドモチベーション、株式会社リクルート、ソフトバンク株式会社、etc

4.就活カフェの実態

ここまで、就活カフェについての概況をまとめてきました。しかしながら、企業の人事担当者の方々はより詳しい就活カフェの実態について知りたいのではないでしょうか?

ここでは、就活カフェで企業が採用活動をする際に参考となる情報をまとめていきたいと思います。

3-1.利用者数

就活カフェの来店者数を調査したところ、先述した「知るカフェ」の場合で年間約45万人ほどだそうです。気軽に来店することができる就活カフェは、学生にとっても身近な存在になりつつあります。 

一方で、就職ナビサイト・合同説明会の利用状況に関してはいかがでしょうか。

ネットから取得できる情報量が増えたことで、合同説明会に参加する学生数は年々減少しつつあるとのこと。

また、就職ナビサイトについては「多くの企業があり過ぎる」「知らなかった業界や会社の方との新たな出会いがない」などの声も聞かれるようになっています。

就活カフェのような社会人とリアルに接することができる場は、今後も就活生が継続して利用するツールになることが考えられます。

3-2.学生との距離感

 カフェというゆったりとした空間の中では、学生は普段よりリラックスした状態にあることが考えられます。

そのため、堅い雰囲気が出てしまいがちな説明会よりは近い距離間で学生と話すことができる可能性があります。実際に、学生からは「気軽な雰囲気で普段聞けないような話を聞くことできた」という声も聞かれています。

また、先述のように就活カフェは就職活動をしていない大学1・2年生も利用することができます。選考を控えた説明会ではあまり話すことができない内容も話すことができるので、より早期段階から学生と親密になれる可能性も高まります。

3-3.導入コスト

就活カフェのスポンサー料はそれぞれの就活カフェによって異なりますが、年間契約で約100万円前後のケースが多く見られます。

決して安価ではないですが、年間という部分を鑑みれば、活用方法次第で今までよりも効率的に採用活動をおこなうことが可能ではないでしょうか。

3-4.企業の声

就活カフェを実際に導入した企業の声を以下にいくつか記載します。

将来のことを真剣に考えている学生とたくさん出会うことができた。また、カフェという空間で、ある種ゲームを一緒にやるくらいの気軽な雰囲気で学生と接することができたので、お互いの相互理解につながった。(A社・採用担当)
大学1・2年生の段階から就職活動に前向きで意識の高い優秀な学生に出会うことができた。学生との出会いの場が増えるという点において、非常に満足している。(B社・人事部)
就活カフェにいる学生から生の声を聞くことができた。これから開催する自社説明会やインターンシップを考案する際の参考にしたい。(C社)

就活カフェをすでに利用している多くの企業が、従来通りの説明会やインターンシップの開催に加えたさらなる採用方法として就活カフェを活用しています。

そのため、現在は採用活動にコストをかけることができる大手企業の方が就活カフェを利用できていることが伺えます。

しかしながら、慢性的な人手不足が続く中で、中小・ベンチャー企業の方が大手企業よりも人材獲得のために学生により近い距離で採用活動をしたいと考えているのではないでしょうか?

従来通りの説明会やインターンシップをするだけで終わるのではなく、このような新しい採用方法に力を入れることを考えてみてもいいかもしれません。

5.まとめ

いかがでしたか?

多くの学生が利用するようになっている就活カフェは、採用活動において目の離せない存在です。就活カフェを上手く利用すれば、学生との接点はそれだけ多くなります。

就職活動の早期化や通年化が進む中で、就活カフェは企業と学生がいつでも利用することができるので、双方にとってメリットが生まれる場所です。人事担当者の方は、就活カフェでの採用活動も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

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