世界中から優れたパッケージ・ソフトウェアを発掘し、国内6,100社の大手企業を中心に提供している株式会社アシスト。
特に人の動きが流動的だといわれるIT業界において、アシストの離職率はなんと2%未満とのこと。
就職・転職のための企業リサーチサイトVorkersが発表した「働きがいのある企業ランキング」の2018年度版では「総合ランキング」で14位。また、「SIer ソフト開発 システム運用業界」で3位*、「風通しの良さランキング」で1位*にランクインしています。(*2018年2月16日付)
新卒採用に関しては、社長の一声でこれまでの体制を一新。営業からプロダクトのフィールドエンジニア、サポートエンジニアといった各現場のエース級を投入して大きな成果を上げているとのこと。
そのような働きやすい環境をつくりあげているアシストですが、今回はアシストが実践する新卒採用に注目してご紹介。
実際に、現場から新卒採用担当に任命された4名の社員の方々にお話を伺いました。
【人物紹介】栗原 章二 | 株式会社アシスト 人事企画※2018年8月末まで
【人物紹介】綿矢 まり子 | 株式会社アシスト 人事企画※2018年8月末まで
【人物紹介】林 純司 | 株式会社アシスト 人事企画
【人物紹介】水谷 詩織 | 株式会社アシスト 人事企画
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
アシストの新卒採用における強み「サポーター制度」
-まずは御社について教えてください。
林さん:アシストは、世界中から優れたパッケージ・ソフトウェアを発掘し、ビジネスを進化させるためのITソリューションの提供をおこなっている会社です。
大手のお客様を中心に国内6,100社の企業様とお付き合いさせていただいております。
パッケージ・ソフトウェアの提供ベンダーとして老舗であり、創業から46年になりますが、自分たちを「パッケージ・インテグレーター」と定義して、メーカーや他のIT企業にはないソリューションを生み出せる唯一無二のポジションを確立しています。
水谷さん:本社は東京ですが、札幌、仙台、金沢、名古屋、大阪、広島、宇部、福岡、沖縄にも営業・サポート拠点があり、この10拠点から全国のお客様をご支援しています。
-社員数はどのくらいなのでしょうか。
綿矢さん:アシストでは、お客様支援にあたっているすべての関係者、つまり正社員だけではなく、契約社員や派遣の方々などすべてを合わせて「従業者」と呼んでます。
その数は全国で1,050名ほどいます。職種は、営業、エンジニア、スタッフと大きく3種類に分かれていますが、新卒採用で募集するのは営業とエンジニアです。
-御社ではどういった体制で新卒採用活動をおこなっているのでしょうか?
栗原さん:アシストでは新卒採用専任者による募集・選考活動に加え、大きな特徴としては、現場の社員が学生を入社までフォローする「サポーター制度」というものがあります。
僕が就職活動をしていた時もこの制度があり、サポーターの姿をみて「こんなに楽しそうに仕事をする先輩がいるなら」と入社を決めました。
僕と同じように「入社動機がサポーターだった」という社員は多くいますし、入社後も何かあればすぐに相談するなど先輩社員との良好な関係はずっと続きます。
現場のエースを人事に投入するという社長の決断
-サポーター制度に加えて、現場から採用担当がアサインされるようになったのは、どのようなきっかけがあったのですか?
林さん:はい。サポーター制度自体は新卒採用担当の方も大きな手応えを感じていたんですが、現場からアサインされるサポーターは通常の業務との兼務になるため負荷が高い。僕も2015年にサポーターを経験し、そこが課題だと感じていました。
当時の新卒採用担当の方も「片手間ではできないので、サポーターではなく人事として専任で活動できる人を増やせないか」と経営陣へ訴え続け、特命新卒採用チーム1期生になったのが、栗原君と綿矢さんなんです。
-経営層の方が新卒採用の重要性を理解されていたということですね。ちなみに栗原さんと綿矢さんはどのような経緯で異動されたんですか?
栗原さん:僕は入社後ずっとデータベースのサポート業務を担当していて、リーダーとして「後進の育成」に力をいれていた頃にサポーターを経験しました。
育成に関心が高かったので結局2年連続でサポーターを担当してから人事へ異動しました。
綿矢さん:私は分析ツールのエンジニアでしたが、上司から「社長直々の異動命令が・・」と。
「なぜ私が?」と思ったんですが、サポーター経験があったので新卒採用という仕事に興味もあったし、入社時代からお世話になっている先輩にも「技術よりも向いている」と後押しされ異動が決まりました。
後で聞いたら、「東京のクールな理系男性」栗原くんの対極にいる、「関西のアツい文系女性」ということで声をかけられたようです(笑)。
―林さんと水谷さんは2期生になるんですね。
水谷さん:はい。私は担当していた案件がやっと受注でき、これから支援に入る、という時でした。しかも新製品の販促にも関わろうとしていたタイミングで上司から「新卒採用担当にならないか」という話をいただいたんです。
エンジニアとしての仕事はもちろん好きでしたし、大阪から東京へ異動することになるので、それについても悩みました。
しかし、「こんなチャンスは断ったら二度と来ない」と思いましたし、アシストが好きだからこそ、次を担う新卒採用に挑戦したいという思いで、異動を決意しました。
実は綿矢さんは私が就職活動をしている時期のサポーターだったので、運命を感じました(笑)。
林さん:僕の場合は、サポーター時代に「新卒採用は営業経験者も含め現場の社員がやったほうがいい」と主張していたんですが、そのままブーメランのように自分に返ってきてしまいました(笑)。
営業現場はノルマもあるため一人いなくなるだけで大変です。僕の上司は「なんでうちから人を出さなあかんねん!」と社長に直訴したらしいですが、社長から「人事に異動するのはほんの1~2年。でもアシストは100年続く企業を目指している。次のアシストへとつないでいくためには、林君のような社員を採用することが重要だということを理解して欲しい」と(笑)。
-現場のエースを人事に異動させるという決断は、社長がそれだけ新卒採用を重視されているということの証ですよね。
林さん:いざ選ばれてみると、「自分でいいのかな?」という不安な思いもありますが、この2年できちんと成果を出さないと、と身が引き締まる思いです。
現場での経験を活かし、「採用の見える化」を実現
-実際に新卒採用を担当されてから打たれた施策はありますか?
綿矢さん:異動当初から4ヵ月ほどは、イベント参加、説明会開催、面接、面談など怒涛の日々で、これまでの新卒採用担当者が、施策を振り返ったり、結果を分析する余裕などまったくなかったという事情がよくわかりました。
ただ、私はデータ分析をする製品の担当だったので、お客様に経験や勘ではなく、データをもとに意思決定することをお勧めする立場でした。
その経験から、分析ツールを使って過去データを見直すことから始めました。
応募経路や時期によって内定承諾率に差はあるのか、地域ごとに違いはあるのか、どの時期に何人内定を出せば目標達成するのかなど、社内関係者が分かるように「見える化」をし、ミーティングでは常に数値をチェックするようにしました。
-その中で何か結果につながったことはありますか?
綿矢さん:「見える化」したことで根拠のある施策が打てたと思います。効率よく応募者を集めることができましたし、目標通りの内定承諾者数を出すことができました。
承諾者数が多くても少なくても困るので、目標ぴったりという結果は上司にすごく褒められましたね(笑)。
-現場の方が担当されたことで、各人の強みを生かした施策に変わってきたということですね。
林さん:そうですね。他には、内定者の方とのやりとりをSNSに変更しました。
メールだと情報共有が難しく、連絡やフォローなどに漏れや遅延が双方向で発生します。でも、最近の学生は日常のコミュニケーションにメールを使わない人が多いので、SNSだとすぐに返信がきます(笑)。
栗原さん: 僕はサポート業務という特性からログを残して共有するという環境で育ってきたので、次の人に引き継ぐことを意識して情報を蓄積しノウハウを共有する仕組みを構築しました。
これには、内定者向けに使っていたSNSとは別の社内SNSを使っています。
水谷さん:他には、新卒採用のWebサイトを全面的にリニューアルしたり、社内向けの情報発信用にイントラを立ち上げました。
新卒採用専用のFacebookページも開設しましたね。Facebookでは日々のアシストの活動の中から、学生の方に興味を持ってもらえそうな内容をピックアップして紹介しています。
「採用活動の会社説明会やってますよ」とか、クラブ紹介や、海外出張に行っている社員の華やかなところも紹介したりしています(笑)。
-特に印象に残っている施策や工夫はありますか。
林さん:いまはどの企業でもダイバーシティとか女性の活躍と言っていますが、アシストは創業当時からそれが当たり前でした。
こうした背景を、制度や文化について伝える際にも触れています。アシストは自主性を重んじているので、「スケジュールも休暇も自分で決められるけど、ちゃんと仕事もやるんだよ」っていう自己責任部分を伝えるようにしました。
水谷さん:女性の場合、産休育休の取得率や復職率を質問されることが多いですが、アシストは出産しても当たり前に全員戻ってくるんですよ。そういった事例が一番伝わりやすいのではないかと思います。
お客様が自身のお子さんに「こんないい会社がある」と薦めてくれる
-活動をしていく中で、想定外だったことはありますか?
栗原さん:アシストはTVでCMをやっているわけではないですし、企業の知名度ということで学生さんを集めるのに苦労しています。
我々自身も驚いたのが、社員の紹介、内定者の方の紹介、さらにはアシストをよくご存じのお客様がご自分のお子さんに薦めてくださるケース、つまり口コミから応募してくれる学生が増えてきていることです。
また、内定を辞退した学生まで、他の学生にアシストを紹介してくれていて、これもすごく嬉しかったですね。
―本当ですか?それはすごいですね。
林さん:お客様がご紹介くださるケースは、普段からうちの社員を気に入ってくれているからだと思います。
お子さんも親御さんからどんな会社かずっと聞いているようで、志望度が高い学生が多いです。それにはうちの会長のビル・トッテンも驚いていました。
今年は、アシストの選考を受けてくれたお客様のお子さんは7名くらいいました。
水谷さん:もう一つ、2018年の特徴として説明会来場者の多くが「Vorkersの働きがいのある会社ランキングをみてきました」と言ってました。
本来は社会人向けの(転職)口コミサイトですが、就活生も活用しているようです。今の学生さんは口コミ重視の世代なんだなと改めて感じています。
アシストを退社した人も「いい会社」と評価してくれているので、アシストは本当にいい会社なのかもしれません(笑)。
―1期生の栗原さんと綿矢さんは2018年9月から現場へ戻り、現在は、林さん、水谷さんが2期生として活動されていますが、あらためて振り返ってみていかがですか?
栗原さん:実際に担当になってみて、「こんなにも人事の人がお膳立てしてくれた上での新卒採用活動だったんだな」と改めて感じています。
また、僕たちが現場からきたメリットとして、現場とのコミュニケーションがとりやすい、お願いしやすいという面がありましたね。
綿矢さん:そうですね。また、私と栗原くんだけの時には、営業視点や新卒に近い立場の意見がないことを課題と感じていましたが、林くんと水谷さんが来てくれて「解決された!」と思いました。
継続的に現場からの投入は続きますし、引き継ぎ期間もしっかりとっているので、アシストの新卒採用は、ノウハウも共有されながらさらに進化し続けるのではと思っています。
林さん:これまでアシストは良くも悪くも現場が強い会社でした。
しかし、特命新卒採用チームが始まってからは社員の見方も変わり、私たちの次に採用チームへ来ることが決まった男性社員は、周りから「おめでとう!」と言われたとか。
20卒採用も成果を出して、この良い流れを次世代にも繋げられるよう頑張ります!
水谷さん:アシストを支えているのは人だと思います。社章にもなっているくらい「人」を大事にするアシストだからこそ、採用はとても重要だと感じています。
20卒採用も成功させて、5年後、10年後も、「あの優秀な人を採用したのは誰?」と噂されるようになりたいですね(笑)。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。