約800人が働く実証実験オフィス「ITOKI TOKYO XORK」イトーキが目指す次世代の働き方「XORK Style」とは? | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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約800人が働く実証実験オフィス「ITOKI TOKYO XORK」イトーキが目指す次世代の働き方「XORK Style」とは?

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

2018年12月3日、オフィス創りのプロフェッショナルカンパニーであるイトーキが、新本社オフィス開設を記念し、オフィスツアーを開催。

新本社の名称は「ITOKI TOKYO XORK(イトーキ トウキョウ ゾーク)」。これまでの働き方「WORK」を次の次元へと進化させるという想いを込め、アルファベットの「W」に続く「X」と掛け合わせ、「XORK」としています。

「ABW(Activity Based Working)」という、ワーカー自らが働き方をデザインしていくワークスタイル戦略を取り入れていることで、さらにそれにより社員の働き方にどう影響するのか、実証実験も兼ねているのがITOKI TOKYO XORKの特徴です。

本記事では、イトーキの新本社オフィスツアーの様子や、イトーキが考える“次世代の働き方”についてご紹介します。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

1. イトーキが考える未来の働き方、それが「XORK Style」

まずは記念スピーチのようなものがあり、イトーキ代表取締役社長である、平井嘉朗氏が企業の成長や価値提供の方法についてお話されていました。

平井氏は冒頭、「企業が持続的成長や革新的な価値提供をするためには、新しい業務効率化ツールを導入するだけでは足りず、それでは今までの延長線上にある成長しか得られないのではないか」とおっしゃっていました。

イトーキでは、この課題を解決するためには、「個人と企業のハピネス」が重要だと考えています。

「個人のハピネス」とは、自分らしい充実感の実現のことです。「企業のハピネス」とは、個人のハピネスと成果をつくっていくことです。この両方が実現できる、新しい企業と個人の関係性・働き方が必要だということです。

ここで重要となるのが「自己裁量」です。ワーカーの働き方の自己裁量を最大化させることで、仕事に対する活力・熱意が高まり、安定した高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

そうすることで結果として、企業全体として生産性と創造性を高めていくことができると平井氏はおっしゃっており、そのためにイトーキが挑戦する新たな働き方が「XORK Style」だということです。

2. 活動によって働く場所を変える時代に

次にイトーキ本社移転準備委員会プロジェクトリーダーの藤田浩彰氏が、XORK Styleについてお話されていました。

XORK Styleとは、イトーキが掲げる新しい働き方のスタイルです。WORK Styleの頭文字を「W」を、アルファベットの次の文字「X」に置き換えることで、働き方を次の次元へと進化させていこうという決意を込めているものです。

そして、XORK Styleを具現化するために、イトーキが導入したのが、ABW(Activity Based Working)です。

ワーカーの働き方をデザインしていくワークスタイル戦略「ABW」

ABWとは、自己裁量を最大化して、ワーカー自らの働き方をデザインしていくワークスタイル戦略のことです。デザインの対象領域は「ワークプレイス」「IT」「行動」です。この3つの領域を見直し、働き方改革へとつなげていきます。

ABWは、従来の「組織」にもとづいて働く場所を考えるのではなく、個々の従業員の活動にふさわしい場を用意し、活動に応じて使い分けるという考え方です。使い分ける活動は10パターンあります。

たとえば、一人でおこなう高集中、コワーク、Web会議。チームでおこなうアイデア出し、情報整理、知識共有。心身の調整や切り替えをおこなうリチャージなどの活動があります。

※コワークとは、異なる仕事をしている人が一箇所に集まり、オフィススペースを協同で利用すること

ABWの考え方をもとに、オフィス空間を設計し、運用ルールを策定することで、従業員が効率的に・効果的に業務を遂行でき、その結果、ワークエンゲージメントが高まるオフィス空間をつくることができます。

また、ABWの効果を最大化するために、「ICT技術」「働き方改革アプリケーション」の活用がポイントだと、藤田氏はおっしゃっています。

  • 場所を選ばずに資料へのアクセスが可能になるクラウドサービスを利用したペーパーレス化の推進
  • 遠隔会議を円滑におこなうためのICTツールの開発
  • 会議室の空き予約を減らし、利用状況を見える化する会議室予約システムの導入

など、さまざまな用途でICT技術が活用されています。

働き方改革アプリケーションでは、従業員の活動状況をビッグデータ化・分析することが可能になり、そのデータをもとに改善を繰り返すことで、新たなオフィス設計で通じた企業の生産性・社員の満足度を把握することができるようになるとのことです。

健康経営の指標である「WELL認証」

また、藤田氏のお話にあったのが、「生産性・創造性の向上とともに重要になるのが、従業員の健康づくりだ」ということです。

少子高齢化が進み、働く世代が減少していく中で、一人ひとりが活力に溢れ自己の能力を最大限発揮できるように、健康面へ配慮することは、企業価値を向上させていく上で大切な取り組みといえます。

企業は、今後も「健康経営」を推進しつつ、さらに従業員のワークエンゲージメントの向上を指すことが重要だと、藤田氏は強調されていました。

また、企業の建物・室内の環境の指標として、「WELL Building Standard (WELL認証)」という認証制度があり、イトーキの新本社オフィスは予備認証ゴールドレベルを達成しているとのことでした。

WELL Building Standard(WELL 認証)とは

International WELL Building Instituteの7年間の厳しい研究開発にもとづいてつくられた、建物内で暮らし、働く人たちの健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システム。評価項目は①空気 ②水 ③食物 ④光 ⑤フィットネス ⑥快適性 ⑦こころの7分野において100項目で評価され、プラチナ・ゴールド・シルバーの認証が付与される。

【参考文献】BUILDING STANDARD – WELL Certification

3. XORK Styleを支える4つの数字

FMデザイン設計部首都圏第二デザイン設計室室長の星幸佑氏からは、オフィスデザインについてお話がありました。

個室の数:93

先ほどもお伝えした通り、ABWの活動に応じて、個室を分けています。一人で高集中できる個室、二人で作業できる個室、知識を共有できる個室、心と身体をリフレッシュできる個室などさまざまあります。

ABWの10の活動に対応した個室を設けることで、生産性を向上させることができます。

サウンドマスキング数:237

サウンドマスキングとは、空調音に似たマスキング音で、隣から聞こえる会話や騒音を聞こえづらくする技術のことです。以前の300人規模のオフィスでは、サウンドマスキングの設置数は10個ほどでしたが、今回のオフィスには、オフィス全体にサウンドマスキングを設置しています。

サウンドマスキングの設置によって、隣から聞こえる会話や騒音によるストレスを軽減することで、生産性向上に繋がります。また、会話が周りに聞こえづらいので、セキュリティ対策にもつながります。

社内で提供されている食品・飲料の糖分:30g以下

食物は、健康の維持・体重管理・慢性疾患の予防において重要な役割を果たします。そのため、イトーキの社内では、糖分が30g以下の食品や飲料しか提供していません。

社内には自動販売機を設置せず、糖質を含まない飲料を販売する冷蔵ケースを設置し、ワーカーの健康を配慮しています。

PM2.5:–18μg

正常な空気は人々の健康に欠かせません。大気汚染物質に対する個々人の反応はさまざまであり、汚染物質の濃度、摂取率、暴露時間などの複数の要因に左右されます。

通常のビルは、二酸化炭素濃度を下げるために外気流を取り入れています。外気流を取り入れると、PM2.5の数値も大きくなってしまいます。我々のオフィスは、高性能なフィルターを入れることによって、PM2.5の値を下げています。

4. 「ITOKI TOKYO XORK」オフィスツアー

最後には、実際に「ワーカー自らが働き方をデザインできる」オフィスの見学をすることができました。

ここでは、オフィスの様子をご紹介したいと思います!

フロアマップにも工夫が!

「高集中ワークスペース」から「電話/WEB会議スペース」「複数人で対話できるスペース」など、その時々の業務のタイプに合わせて、ワーカー自身が働く環境を選択できるよう、フロアに設置してあるマップにも工夫があります。

右は集中スペース、左はオープンスペースというような、ワークスペースを区画ごとに分けるのではなく、オフィス全体にバランスよく設置されています。

また、セキュリティエリア内に内階段がつくられ、異なるフロアでも行き来しやすいデザインになっています。

オフィスフロアの内階段周りはコラボレーションスペースとなっていて、人が一番行き交う場所でコミュニケーションを活性化させ、ワーカー同士の情報共有を効率化させる狙いがあるそうです。

騒音も遮断される高集中ワークスペース

オフィスエリアにはいくつかの個室が設けられており、高集中ワークスペースとして利用されていました。

個室の外の雑音は遮断され、会話などで中断されず集中することができます。

アイデア出しや知識共有用のスペース

チームで仕事を進める際には、ブレストワークや勉強会などを実施することもあるでしょう。

そうした仕事の場合にも、目的にあったワークスペースが設けられています。

複数人で作業ができるコラボレーションスペース

仕事をしていると、同じ画面を複数人で共有しながら作業を進めたい時もあります。

そんな時には、2〜3名が掛けられるソファが設置されたワークスペースを活用することもできます。中には、ディスプレイが設置してあるペアワークスペースもありました。作業の効率化が期待できそうです。

また、複数人で作業をする場合でも、隣のワークスペースの邪魔にならないように、声を発する場所、その向きを考慮したレイアウトになっているようです。

「ちょっとした気分転換」をかなえるリチャージスペース

オフィスの一角には、本格的なオープンカフェスペースも。気分を変えて作業をしたいときにも利用できます。

中には、仕事から少し離れて、心を休ませる場所としてマインドフィットネスなどに取り組めるようなスペースもありました。

ABWの考え方に基づく「10の活動」にもあるように、仕事から離れてリフレッシュする時間を取ったり、同僚と交流したりできる環境がオフィスの中にまで設けられています。

5. まとめ

イトーキの新本社オフィスツアーのレポートは、いかがでしたでしょうか。

ワーカーの働き方の自己裁量を最大化することで、個人のハピネスにつながり、その個人のハピネスが企業のハピネスにつながります。それを実現する新しい働き方が「XORK Style」です。

XORK Styleでは、ABWとWELL認証が重要になってきます。ABWとは、ワーカー自ら働き方をデザインしていくワークスタイル戦略のことであり、WELL認証とは、建物内で暮らし、働く人たちの健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システムのことです。この2つをオフィスに入れ込むことで、XORK Styleが推進されます。

今回のレポートが、少しでもお読みいただいているみなさまの働き方改革のお力となれば幸いです。

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本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

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