セクハラ被害をアプリですぐに匿名報告!海外で話題のホットラインサービスとは? |HR NOTE

セクハラ被害をアプリですぐに匿名報告!海外で話題のホットラインサービスとは? |HR NOTE

セクハラ被害をアプリですぐに匿名報告!海外で話題のホットラインサービスとは?

  • 労務
  • リスクマネジメント

こんにちは!HR NOTE編集部です。

突然ですが、皆さんは、会社の「ホットラインサービス」を利用したことはありますでしょうか?

ホットラインとは、企業内における相談窓口のことで、仕事に対する悩み・職場での人間関係だけでなく、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント(以下パワハラ・セクハラ)など、従業員が職場でなにかしらの問題を抱えたときに、その悩みを相談することができる電話サービスです。

しかし、通常では、電話でホットラインにつないで、担当者が内容をヒアリングした上で対応するというのが一般的であり、その流れにはいくつかデメリットがあります。

そんな中、現在アメリカではホットラインの対応において、電話の代わりにアプリやWEBプラットフォームを使ったサービスが注目をあびています。

今回は、HumanResource Executiveにて公開された、「Apps Help Anonymously Report Sexual Harassment(=セクハラを匿名で報告できるアプリ)」の記事についてまとめてみました。ホットラインがより効果的に使えるデジタルサービスについてご紹介します。

著者: Julie Cook Ramirez
原文:Apps Help Anonymously Report Sexual Harassment

【社労士監修】HR関連法改正トレンドBOOK 2024年版

2023年は一部企業を対象に人的資本開示が義務化されたほか、HR関連での法改正に動きが見られました。
2024年では新たな制度の適用や既存のルールの変更・拡大がおこなわれます。
人事担当者として知っておきたいHR関連の法改正に関する情報ですが、その範囲は幅広く、忙しい業務の中でなかなか網羅的に把握することは難しいのではないでしょうか。

  • 忙しい中でも要点をまとめて情報収集をしたい
  • 社労士が監修した正確な情報を知りたい
  • HR関連の法改正を把握しておきたい

という方はぜひご確認ください!

\4月24日限定開催!/
人事×ChatGPTの具体的な活用術術を紹介!

ChatGPTをはじめとする生成AIを業務に取り入れることで、業務時間の圧縮や業務量の削減が期待されます。今回は、人事の方が今日から使えるChatGPT活用術として、実際に使えるプロンプトを交えた実践的なノウハウもご紹介します。

▷こんな方におすすめ!

  • 人事業務の担当者の人手が足りず困っていて業務効率を上げたい
  • ChatGPTに興味はあるけれど、どんなことに使えばよいか分からない
  • 業務にChatGPTを取り入れたいが、イメージしているような回答が出てこない
  • ▼当日の視聴予約はこちらから!▼
    https://seminar.hrnote.jp/post/95

テクノロジーでホットラインをハイテク化

セクハラ問題の多発が話題になり、「#MeToo運動」が起こったこともきっかけとしてあり、雇用主は従業員が職場での問題行為を気軽に報告できるように尽力してきました。

アメリカでは、企業は従業員に対してセクハラを受けた際に、匿名で報告することができるホットラインを提供しなければならないという法律があります。

現在では、そのホットラインがアプリやプラットフォームで対応できるようになったことで、従業員が匿名でセクハラ行為を告白したり、似たような問題を抱える従業員とつながることができたりなど、ハイテク化が進んできています。

「#MeToo運動」とは・・・

セクハラなどの被害体験をInstagram・TwitterなどのSNSで、「私(me)も(too)」と告白や共有することで、ハラスメントに対し声を上げていこうとする活動のことです。
2017年10月に、アメリカのハリウッドの映画プロデューサーによるセクハラ疑惑が報じられたことがきっかけとなりました。この報道に対して、アメリカの女優が同じようなセクハラ被害を受けた女性たちに向けて、”me too”と声を上げるようTwitterで呼びかけ、世界的なセクハラ告発の活動として広がりを見せています。

その場で言いたい!テクノロジーで告発をリアルタイムに

最先端の報告・相談プラットフォームを運用するSTOPit Solutionsの最高財務責任者であるNeil Hooper氏によると、テクノロジーは人々の生活のあらゆるところに偏在してきています。それにより、職場であったハラスメントなどの問題を気軽に報告することができるようになっているようです。

また、従業員は、自分が経験したことや目撃したことを、数時間もしくは数日置いてからではなく、「その場で」報告したいと考える人が大半であるとも主張しています。

人々は時間が経つにつれて、その状況を誰かに話す勇気が出なくなってしまいます。家に帰ってからその状況を思い起こすと、自分が勘違いをしてしまっただけなのではないかと思い始めてしまう傾向にあります。

テクノロジーを使うことで、このような機会を逃すことなく、問題がおこったときに、迅速かつ適切な方法で報告することができるようになると Hooper氏は語っています。

ハイテクなホットラインサービスが続々登場

近年、多くのプロバイダーが職場のセクハラ被害を報告できるようにするため、新しいアプリやプラットフォームを発表しています。ここでは、そのいくつかをご紹介します。

STOPit

※ 画像はSTOPitジャパンのホームページです

先程のNeil Hooper氏が最高財務責任者を務めるSTOPit Solutionsで開発されたアプリです。

STOPitアプリでは双方向のコミュニケーションを可能にしています。従業員が匿名で被害を届けだすことができるだけでなく、STOPitの担当者は調査のために詳しい情報をヒアリングすることができます。

YourVoice

 

YourVoice」とは、テルアビブを拠点とするHiBobが最近HRプラットフォームに追加したアプリです。

このアプリでも職場のセクハラを匿名で報告できる機能がそなわっています。

Callisto


Callisto」は、もともと大学のキャンパスで使用するために開発されたシステムですが、まもなく法人化が可能になります。

システムによって、報告された性的暴行とハラスメントの内容は完全に暗号化されたうえで記録されているため、被害者のプライバシーを保護することができます。

それと同時に、同じ加害者に対しての被害届を受けた際には、民間の仲介センターが介入し、その被害者たちに注意を促します。

AllVoices

最近のハリウッドのセクハラスキャンダルの多発がきっかけとなって誕生したウェブプラットフォームが「AllVoices」です。創始者であるClaire Schmidt氏は、2017年11月まで20世紀フォックス社の技術開発部にて副部長として働いていました。

従業員はセクハラの被害を匿名で報告する権限が与えられ、みだらな要求、故意的迷惑、無謀発言、人身攻撃など各種嫌がらせの経験を共有することができます。

その結果はメールで直接、従業員の上司や責任者に送られます。その結果をもとに、彼らは必要な行動をとるようになるかもしれません。

Talk to Spot

著者のJulie氏が最も革新的なサービスの一つと言っているアプリです。

Talk to Spot」は、従業員がSpotというAIチャットボットに匿名でハラスメントを報告することができる機能をそなえています。

Spotは友達とメッセージアプリを使っているような感覚で、オンラインのチャットを通して、従業員の書き込みにレスポンスした上でヒアリングし、やり取りの中での変化をアプリ裏で随時記録しています。

従業員はHRに送るレポートの作成や、共有されたくないコンテンツの削除をおこなうこともできます。また、レポートを匿名のまますることもできるし、あとから特定化させることもできます。

匿名がいいの?名前を公開したほうがいいの?

ここまで、ハラスメント被害に対しテクノロジーを使って告発・相談できるサービスを紹介してきました。

ところで、ハラスメントの問題を解決するには、被害者は匿名であることと、名前を公開すること、どちらのほうがより効果的であるのでしょうか。これについて、著名人の主張をもとに考えていきたいと思います。

匿名であることで気軽に報告することができる

高成長を遂げているHiBobの副社長であるSharon Argov氏は、「匿名性がそなわっていることで、従業員がセクハラの被害について気軽に報告することができるようになる」と語ります。

ほとんどの人々がセクハラ被害を報告していない理由としてあることが、上司や人事部、もしくは部署の責任者に話をすることが負担であると感じてしまうことにあります。

テクノロジーを使うことによって、内密かつ慎重に、そして匿名で会話をすることができます。これにより、上司に相談することが負担であるという障壁を取り払うことができます。

 セクハラ問題を認知させるために名前公開するのは必須

一方、労働・雇用で経営陣を代表する米国最大の法律事務所であるFisher PhillipsのSheila Willis氏は「セクハラ問題を周りに認知させることはいいことである」と主張しています。

匿名のアプリやプラットフォームはデータ収集のツールに過ぎないものであり、たとえいくつかの匿名で送られた報告を集めたとしても、セクハラ被害についての調査報告を作るには不十分だそうです。

Willis氏は、匿名の報告では調査をするのに十分な情報を得ることができない可能性があり、それにより加害者は同じ過ちを犯し続ける可能性があると語っています。

匿名の報告では、セクハラ被害にあってる人々のモヤモヤをスッキリすることはできるかもしれませんが、雇用者は状況を改善しようと思っても、できることが限られてしまいます。

#MeToo運動の影響による変化

『2018年度倫理・法令遵守ホットラインとインシデント管理の評価報告書』(オレゴン州・ポートランド)によると、匿名による報告は減少してきているものの、依然としてこのケースは残っているとWillis氏は述べています。

ハラスメントに関する報告数はわずかに上昇したものの、匿名による報告は56%にとどまり、ピークだった2009年の65%を下回っているようです。

「#MeToo運動」の高まりと匿名報告の減少は直接的な相互関係があるかはわかりませんが、この運動がセクハラの被害者に前に進み出て、自身の経験を共有する勇気を与えたとWillis氏は主張しています。

「#MeToo運動」によって、被害を受けた人々も前に進み出るようになり、自分の名前がレポートに乗ることに対しても、さほど抵抗がなくなりました。

彼らは「自分は一人じゃない」と感じるようになり、「伝える」ことにおいて勇気を見いだすようになったのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

他の人に話すことができず、一人で抱え込んでしまいがちなセクハラやパワハラなどの問題ですが、「#MeToo運動」をきっかけにアプリやプラットフォームを活用することで、問題に対し、より迅速に対応することができるようになってきました。

また、経験を共有する場ができるようになったことで、今まで誰にも言えなかった想いを公にする勇気を持つことができるようになった、ということもテクノロジー導入によるポイントということができるのではないでしょうか。

ぜひ日本でも、いち早くテクノロジーによるホットラインを充実化させて、セクハラ・パワハラに対する改善をはかっていきたいものですね。

--------------------

\【2024年最新版】HR関連法改正トレンドBOOK/

▼無料ダウンロードはこちら▼
https://hrnote.jp/document/?did=148030

ChatGPTで変わる人事業務【実践編】

昨今のHR領域では、いかにAI・データの活用をおこなえるかが課題となっており、ChatGPTの登場により、ますます注目度が高まりました。
一方でChatGPTを業務に取り入れていきたいと考えている方の中には、

  • ChatGPTではどのような業務に取り入れられるのかわからない
  • 興味はあるものの、具体的にどの場面で活用できるのかわからない

などと考える方がいるのではないでしょうか。

本資料では、「ChatGPTの導入によって人事業務にどのような変化がでるのか」についてわかりやすく解説しています。
人事業務×ChatGPT活用について知りたい方は、ぜひご確認ください!

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

ボーナスは年末調整の対象になる?税金や還付金について解説

ボーナスは年末調整の対象になる?税金や還付金について解説

年末調整は、1年間の給与総額に基づいて所得税額を再計算し、毎月の源泉徴収税額との過不足分を再計算する手続きです。年末調整の対象は毎月の給料だけではありません。賞与やボーナスも年末調整の対象となるため、正しい手続き方法を知 […]

  • 労務
  • 給与計算
2024.04.19
HR NOTE 編集部
年末調整に交通費や通勤手当は含まれる?注意点を徹底解説

年末調整に交通費や通勤手当は含まれる?注意点を徹底解説

企業は毎年度末、従業員から源泉徴収した所得税額に過不足がないかどうか確認する年末調整をおこないます。 所得税は給与収入をベースに算出した課税所得額に基づいて計算されるため、毎月従業員に支払っている交通費や通勤手当を給与収 […]

  • 労務
  • 給与計算
2024.04.19
HR NOTE 編集部
年末調整のひとり親控除を徹底解説!対象者や書き方、寡婦控除との違いも解説

年末調整のひとり親控除を徹底解説!対象者や書き方、寡婦控除との違いも解説

会社勤めをしているひとり親の人は、年末調整でひとり親控除を受けることができます。ひとり親控除には、所定の手続きが必要なため、要件や書類の書き方などをしっかりチェックしておきましょう。今回は、年末調整のひとり親控除の対象者 […]

  • 労務
  • 給与計算
2024.04.19
HR NOTE 編集部
退職金は年末調整の対象に含まれる?退職所得の計算方法や確定申告が必要なケースを解説

退職金は年末調整の対象に含まれる?退職所得の計算方法や確定申告が必要なケースを解説

退職金は年末調整の対象となる所得には含まれませんが、所得税の課税対象ではあります。当記事では、なぜ退職金が年末調整の対象にならないのか、退職金に対する所得税の課税金額の計算方法、そして、退職金に対して確定申告が必要になる […]

  • 労務
  • 給与計算
2024.04.19
HR NOTE 編集部
年末調整の続柄の書き方一覧!世帯主との関係や確定申告の場合の書き方も解説

年末調整の続柄の書き方一覧!世帯主との関係や確定申告の場合の書き方も解説

年末調整の書類には「あなたとの続柄」を記載する箇所がいくつかあります。続柄の意味や書き方を正しく理解していないと、間違った申告をおこなってしまう可能性があります。また、確定申告での続柄の記載方法は少々異なるため注意が必要 […]

  • 労務
  • 給与計算
2024.04.19
HR NOTE 編集部

人事注目のタグ