学生の不安をなくす内定者フォロー|企業側が意識すべきポイント | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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内定者フォローのポイント│企業側が学生の不安をなくすために必要なこととは

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内定辞退率が年々上昇する中、企業にとって「内定辞退率を低減させるための施策」が急務となっています。 そのため、「内定した学生に対してどのような内定者フォローを実施すれば良いのか?」は、人事部の方にとってもかなり大きな関心事になってきているのではないでしょうか? 今回は、内定者期間を過ごす学生の不安をなくすことができるような内定者フォローを実施するために、各学生に合わせた内定者フォローを実施することの重要性についてまとめていきたいと思います。

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1.なぜ内定者フォローを実施するのか

1-1.内定辞退率の上昇

企業の人事担当者にとって、内定辞退者を出さないことはとても重要なミッションです。 しかしながら、売り手市場が続く現在において、学生が複数内定を持っていることは当たり前になってきました。内定率は年々上昇しており、それに伴って、内定辞退率も年々上昇してきています。

出典:内定率・就職活動実施率|就職みらい研究所

せっかく自社に求める人材と出会え、内定を出したとしても、最終的に自社に入社してもらえないと意味がありません。 そのため、企業側は内定を出した後にも採用活動の一環として内定者と定期的に連絡を取り合いながら、一人一人の内定者と関係性を築く必要があります。

1-2.内定者フォローを求める学生の声

学生側の内定者フォローを求める声は、根強く存在しています。 マイナビ学生就職モニター調査によると、約80%の内定者が内定者フォローや研修を希望していることが伺えます。

引用:2019年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況

内定者フォローを求める学生の声はさまざまであり、「人間関係を深めたい」「企業の雰囲気を知りたい」「必要な知識やスキル、マナーを身に付けたい」などがあります。

2.内定者の不安

企業側は「内定者の不安にどのように対応していくか?」ということに関してしっかり考える必要があります。 内定者の多くは「社会人になるための準備をしたい」と考えており、内定者期間の間に入社先の企業とより深く関わる事で入社後の不安を取り除こうとしているのです。 内定者が抱える不安には、次のようなものが挙げられます。

2-1.入社先の企業に適応できるかわからない

「仕事をうまくこなせるか」「会社の人とうまくやっていけるか」など、企業の中で自分が活躍できるかどうか気にする学生は多くいます。 社会人経験のない学生にとって、働くことそれ自体に対して不安を感じていることが伺えます。

2-2.入社先の企業に対するネガティブな声を聞いた

ネットやSNSなどで、企業に対するネガティブな声を聞くことがあります。 企業に対する評判は人によって異なりますが、ネガティブな情報ほど学生の心には引っかかってしまうものです。 また、学生の親が学生に企業の不安を伝えたり、ときにはその企業に入社することを反対したりするケースも出ています。

2-3.就職活動に後悔がある

自身の就職活動がうまくいったかどうか納得できていない、場合によっては後悔している学生がいることがあります。 就職活動に未練がある状態だと、入社を決めていても本当にその選択で良かったのか不安に思うことがあります。

学生の不安をなくすための「内定者フォロー」
社会人経験のない学生が内定者期間に不安を感じてしまうのは仕方のないことです。しかし、内定者がこのような不安な気持ちを抱えたままでいると、仕事に対するモチベーションが上がらず、内定辞退や早期退職に繋がってしまう恐れがあります。 このようなことを防ぐために、入社前に学生の不安にとことん向き合い、学生に寄り添った内定者フォローを実施することが重要になってきます。内定者フォローをする中で学生に安心感を与えることができれば、内定辞退率や早期退職者は減少していくことでしょう。
内定ブルー
内定者が、「本当にこの企業でよかったのか?」「別にもっと良い企業があったのではないか?」という悩みに陥ってしまうことです。入社先を決めるということは、同時に他の入社先を捨てるということでもあります。 他の企業に行くという選択肢があったかもしれない中で、納得感を持って入社先の企業に入社してもらうためにも、内定者フォローのコンテンツにこだわる必要があります。

3.内定者期間に学生が知りたいこと

就職活動をする中で、学生は入社を決めた企業に対してある程度の情報は持っているでしょう。しかし内定前に聞けなかったことや、より深く知りたいことがあってもおかしくはありません。 学生にとって、内定者フォローはそのような不確かな情報を確認する機会として存在します。 よりモチベーション高く入社してもらうために、入社前の内定者期間というタイミングで学生としっかりコミュニケーションを取るようにしましょう。

3-1.内定者期間の使い方に関して

内定者期間は、学生にとって「何をしたら良いかわからなくなる時期」でもあります。今までの企業の対応は「残りの学生生活を楽しんで送ってください」というスタンスで良かったかもしれません。 しかし、社会人になることに不安を抱える学生が増える中で、内定者期間をどのように使うか一定の指針を示すことも内定辞退率を減らすためには効果的な施策となっています。

課題や資格取得のすすめ

入社までに何をしたら良いかを示す上では、学生に課題を出したり、資格取得をすすめたりすることは非常に効果的です。 その際、一方的に課題を出すのではなく、学生が将来なりたい姿に合わせて適切な課題を設定してあげることで、学生がより自主的にモチベーションを高く持って取り組むことができます。

内定式や内定者懇親会

内定者が確認したいことのひとつに、「一緒に働く人がだれなのか?」というものがあります。 入社前に内定式や内定者懇親会を開催する企業は多くあると思いますが、そのような場は、内定者同士、そして内定者と先輩が仲良くなる絶好の機会です。コンテンツをしっかりと整え、内定者が良い情報を得ることができるような機会を提供することが重要です。

内定者アルバイトの実施

企業の中には、内定者向けのアルバイトを実施する企業もあります。具体的な業務に入社前から触れてもらうことで、内定者はより深くその企業で働くことについて知ることができます。 また、実際に仕事をする中で社員とさらに親しくなってもらうことも可能です。

3-2.具体的な仕事内容に関して

内定者の多くは、「入社後に何を任せてもらえるのか」を具体的に教えて欲しいと感じています。 「営業」や「マーケティング」のような抽象的な言葉だけでしか仕事内容を知らない内定者も多く、実際にどのような日常を送ることになるのかイメージしたいと思っている学生は多いです。

先輩社員の声で伝える

学生にとっては、会社説明会やOB・OG訪問などですでに知っていることも多くあります。 しかし、すでに働いている先輩社員に仕事内容に関して再度説明してもらうことで、実際にしている具体的な業務をより解像度高くイメージできることでしょう。 内定者によって知りたい情報は異なるので、より対面で先輩社員と接する機会を設けることが重要となってきます。

「わからないこと」も受け入れてもらう

例えば、総合職で入社後にならないと配属がわからない場合など、具体的な仕事がわからない内定者も多く存在すると思います。 このような場合は、内定者に「わからないこと」を受け入れてもらうことが必要になってきます。

キャリアプラン(長期的な視点)をもとに

内定者のキャリアプランを企業側が理解し、そのキャリアプランをもとに任せる仕事を決めてあげることも重要なことでしょう。 もちろん、全てがそうならないのは仕方のないことです。しかし、「内定前にやりたかったこと」と「入社後の実際の業務内容」にずれが生じてしまうと、仕事に対するモチベーションは低下します。 そのような場合でも内定者のモチベーションを下げないような関係性を常に築けるようにしましょう。

3-3.労働条件に関して

学生の中には、労働条件に関してあまり考えずに内定をもらっているケースも多く存在します。 内定者の考えていた労働条件と提示していた労働条件に齟齬がないか確認しておく必要はあるでしょう。 自分から労働条件に関して聞きづらい学生もいるので、企業側から学生にアプローチを取ることも重要になってきます。

給与に関して

給与に関しては、学生と再度確認しておきましょう。初任給がいくらなのか、給与はどのようにして上がっていくのか、などは学生が目にする最初の労働条件です。 企業側として情報を開示することがとても大事になってきます。また、具体的な部分で言えば、給与の支払日や支払い方法についても確認しておくと良いでしょう。

福利厚生・保険に関して

学生が今までにあまり触れたことのない「福利厚生」や「保険」に関して内定者期間に確認してあげることで、内定者は社会に出る前に適切な準備をすることができるようになります。 企業にはどのような制度が準備されているのかを確認しながら、内定者に“社会人の先輩として”教えてあげることも大事になってくるかもしれません。

その他の労働条件に関して

雇用契約期間や就業時間の規則(始業時刻や休日・休暇の有無)、研修制度に関してなど、学生によって不安を抱えるケースはさまざまです。 そのため、学生に適切な形で情報を開示しておく必要があります。また、一方的に開示するだけでなく、学生からの質問にはしっかり答えてあげることで入社後にも安心して質問できる環境が生まれていくことでしょう。

4.内定者フォローによる学生の変化

「内定者期間をどのように過ごしたいのか」は学生により異なります。学生の声をしっかりと聞き、学生が望む内定者期間を過ごしてもらうことが重要です。 ここでは、それぞれ違った内定者期間を過ごしたい学生を例に、内定者フォローの施策や内容について、そしてそれにより学生がどのように変化したのかをまとめていきたいと思います。

4-1.社員と仲良くなりたい学生Aさんの内定者フォロー

企業Xに入社することを決めたAさん。昔から人見知りな性格であり、人と打ち解けるのに時間がかかります。そのため、上司や先輩、同期社員と良い関係を構築できるかとても不安でした。しかし、内定者懇親会で各自の入社理由を話し合うグループワークをすることで同期との仲が深まり、また、さまざまな先輩社員と具体的な仕事の話をする中で、会社との距離感が非常に近くなりました。仲良くなった先輩からは定期的に社内SNSで連絡が来るため、わからないことがあればすぐに質問することができました。入社後からは、その先輩と一緒に仕事をしており、とてもスムーズに会社に溶け込むことができています。
人間関係に対する不安を抱える学生は多い!
「事前に一緒に働く社員の方々がどのような人なのか?」「同期入社の学生と仲良くなりたい!」など、社内での人間関係をより強くする内定者フォローはとても満足度が高いです。内定者懇親会を開催したり、社員から定期的な連絡をしたり、「内定者と社員」および「内定者同士」のコミュニケーションができるような機会をセッティングするのが望ましいでしょう。

4-2.成長意欲旺盛な学生Bくんの内定者フォロー

企業Yに入社することを決めたBくん。チャレンジ精神旺盛な彼は、来年の4月に働き始めるまでの内定者期間にも何かしらやりたいと考えていました。何をしたら良いか迷っていたとき、メンターの先輩社員との面談をする機会がありました。先輩にそのようなことを相談したところ、おすすめの資格を取得することを勧められました。今後の仕事に活きる資格だと感じた彼は、学業と両立しながらその資格取得に成功。また、その先輩の薦めで早期から内定者アルバイトも実施し、入社前に実際の業務にも深く触れることができました。入社後はその知識や経験を活かしてバリバリ活躍しています。
内定者期間だからこそできるコミュニケーション方法を!
「時間がある内定者期間に資格を取りたい」「内定者アルバイトがしたい」など、内定者によっては内定者期間を利用して社会人になる前の準備を始めたいと考える人も多くいます。内定者が入社に向けてモチベーションを維持できるように、適度な課題を設定していくことも重要なことです。

5.内定者フォローをする際の注意事項

内定者フォローをただすれば良いというわけではありません。実施する際には、企業側として注意しなければならないこともあります。 内定者フォローは、「学生がモチベーションを高く保った状態で入社するために実施するもの」です。常に内定者とちょうど良い距離感を保ち続けることが一番大切です。 研修の頻度や量には注意して内定者フォローを実施するようにしましょう。

5-1.内定者フォローの頻度

マイナビ学生就職モニター調査によると、多くの内定者が1~2ヶ月に1回程度の接触で良いと考えていることがわかります。

引用:2019年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況

残りの学生生活を謳歌したい学生にとっては、内定者フォローのやりすぎが仕事に対するモチベーションの低下に繋がり、せっかく労力を割いて実施することが逆効果となってしまうこともあります。

5-2.内定者フォローのコンテンツ

マイナビ学生就職モニター調査によると、「懇親会」や「勉強会・グループワーク・研修」などが内定者フォローのコンテンツとして希望されていることが伺えます。

引用:2019年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況

各企業によって内定者の志向や状況は異なります。各企業がそれぞれアンケートなどを実施することで内定者の声を聞き取り、自社の内定者に合わせたコンテンツを作成することで、より満足度の高い内定者フォローになるはずです。

6.まとめ

いかかでしたでしょうか? 内定者期間に学生と良好な関係を築くことができれば、それだけ内定辞退率も減少します。内定者フォローは、今後の社会人生活に少なからずの不安を抱える学生に対してとても有効な施策といえるでしょう。 学生が不安に思っていることをしっかりと把握し、その不安に向き合いながら、学生の確認したいことをしっかり提示できるような準備していきましょう。

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