売り手市場が進む中、複数の企業から内定をもらう学生が増えています。最終的に学生は一社に決めて入社しますが、逆にいえば、複数の企業は辞退を受けることになります。
優秀な学生による内定辞退を防ぐためには「内定者フォロー」が重要になり、中でも意識するべき重要なポイントは「コミュニケーション」です。
今回は、内定者フォローをする際に効果的な「コミュニケーション方法」や「内定者フォローに役立つサービス」をご紹介します。ぜひ、採用活動にお役立ていただけると幸いです。
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1. なぜ、いま内定者フォローが重要視されているのか?
超売り手市場
少し前は就職氷河期といわれ、学生にとって就職先を見つけるのが非常に難しい時代でした。
それがいまは一転、前例にないくらいの売り手市場となり、企業は学生を採用することが非常に難しい時代になりました。
企業にとって、「学生であれば誰でもいいのか?」と言われれば決してそんなことはありません。将来、利益を生んでくれる優秀な学生を採用したいという思いは、どの企業でも同じです。
複数の企業の選考を受け、多くの内定を獲得した優秀な学生を、いかに自分の企業に入社してもらうか、他社との採用競争を勝ち抜く必要があります。
主導権は学生へ
「内定を出せば入社してくれる時代」は終わりました。内定を出すまでは企業に主導権がありますが、内定を出してからは学生に移ります。内定を出した後、企業が唯一できることは内定者のフォローです。
内定後も自分のことを気にかけてくれる企業と、連絡が少ない企業、学生はどちらの企業を選ぶのでしょうか。
当然のことながら、学生は自分のことを気にかけてくれる企業を選ぶことでしょう。以下より、企業による内定者フォローの事例や注意点について解説します。
2. 内定辞退を防ぐためにとるべき行動とは?
学生にとって、就職することは人生におけるビッグイベントの一つです。複数の内定を獲得した学生に入社してもらうために、人事ができることはなんでしょうか?
企業の理解度と志望度を高める
学生は面接の練習など、企業に入社する以外の目的で、選考を受けている可能性があります。その場合、内定が出たとしても、志望度が高くないために内定辞退をすることもよくあります。
学生が入社する企業の良さを知り、魅力を感じることで企業に対する志望度が高まります。内定者フォローをおこなう際には、自社の理解を深めてもらい、入社して働きたいと感じさせることが重要です。
インパクトある内定通知をおこなう
複数の企業から内定を獲得している学生でも、内定をもらう瞬間は喜びを感じるものです。最終選考の結果をただ通知するのではなく、インパクトのある内定通知で学生に強い印象を残すことも一つの作戦です。
たとえば、「誠意」ある内定通知として有名なのがプロ野球の入団です。ドラフト会議で指名されたが辞退するといっていた選手が「監督が直接連絡をくれたので心が動かされて入団を決意しました」というパターンがあります。
それは一般の学生相手でも同じではないでしょうか。たとえば社長が自ら出向くもしくは、電話で連絡するなど、他の企業とは違う内定通知をおこなうことで学生の印象に残るのではないでしょうか。
いろんな社員とコミュニケーションをとる機会を増やす
学生は内定をもらうために、就職活動を必死でおこなっています。しかし、内定をもらうと「この会社に入社しても大丈夫だろうか」などの不安が生まれることもあります。
そういった不安から内定を辞退することも多々あり、不安を内定後のフォローで取り除いてあげましょう。
一つの方法が社員とのコミュニケーションです。経営者や若手の先輩とのコミュニケーションを通して、学生が抱えている、入社する前の不安や疑問を解消することが重要です。
定期的な連絡をおこなう
内定辞退を防ぐためには、定期的にコミュニケーションをとることが重要です。たとえば、内定者から課題を定期的に提出してもらい、それに対して採用担当や現場の人間がコメントを返す方法があります。
とくに、コメントが手書きであったり、コメント欄に一言だけではなく丁寧なフィードバックがあったりすると、内定者は親身に考えてくれる良い企業と認識するので、入社の決断につながることがあります。
3. 内定者フォローの事例5つとそれぞれのポイント・注意点
ここでは、内定者辞退を防ぐためにとるべきコミュニケーション方法を5つ紹介します。是非参考にしていただけると幸いです。
1. 座談会
若手からベテラン、一般社員から課長クラスまで幅広い人と話をする機会を内定者に与えることで、自社への親近感が湧いてきます。たとえば、職場の雰囲気を現場の社員から内定者に伝えることで、入社後のイメージを描きやすくなります。
座談会はたくさん良い面がありますが、諸刃の剣であることにも注意が必要です。「先輩の愛想が悪かった」「職場の雰囲気が悪そうだった」など一度悪い印象を植え付けてしまうと、その印象を改善することはなかなか難しくなります。
採用担当者と内定者の年齢が少しでも離れていると、コミュニケーションのとり方に困る採用担当者もいらっしゃると思います。
しかし、内定者目線に立って学生と会話することで、良い印象が残るのではないでしょうか。信頼を得るのは難しいですが、失うのは簡単、明るく楽しい雰囲気のある座談会になるように準備をしましょう。
- 一般社員から課長クラスまで、幅広い人と話せる機会を設定する
- 学生にとって話しやすい雰囲気など、過ごしやすい空間を作りましょう
2. 内定者懇談会
内定者は入社後にどのような同期と仕事をすることになるのか、同期と仲良くできるのか、と不安を感じています。
そのような不安を解消するためにも内定者同士でコミュニケーションをとれる機会を提供し、仲良くなってもらうことが大事です。同年代同士で同じ会社の内定者ということもあるので、機会を提供すればすぐに仲良くなることが多いです。
同年代同士でないと理解できない不安や期待を共有することで、仲間意識が高まり、内定辞退を防ぐことにもつながるのではないでしょうか。
- 同年代同士でコミュニケーションをとる機会を提供する
- 入社前に抱えている不安や期待を共有することで仲間意識も高まり、内定辞退を防ぐことにもつながる
3. 学生と面談の設定
学生と面談を設定する上で、おさえておきたいポイントが2つあります。
少人数、個人面談がおすすめ!
座談会や懇談会は大人数の中でおこなわれることが多いので、積極的な学生にとっては非常に有意義な時間となり、入社へのモチベーションもあがります。
しかし、全員が積極的にコミュニケーションをとれるというわけではなく、人見知りをする優秀な学生もいます。
人前で話すのが苦手な学生に対しては、個人面談や少人数での面談を通してコミュニケーションをとることをおすすめします。
複数で実施するメリットは、「三人寄れば文殊の知恵」ではありませんが、学生が知れる内容の幅が広がります。自分では質問する予定ではなかったけど、まわりの友達が質問することで、「あっ、私もそれ知りたかった」と言うことがよくあります。
定期的な面談を
面談も1回だけではなく、定期的におこなうことをおすすめします。当然ながら、内定後すぐに知りたいことと、入社直前に知りたいことの内容が大きく変わってきます。
内定者と定期的にコミュニケーションをとることで親近感を与え、入社意欲を高める効果も期待できます。とくに、職場見学を兼ねて内定者と面談をすると、入社後に働くイメージが湧くので、内定者フォローにおすすめです。
ただし、あまり頻繁に面談をすると、卒業論文や、卒業研究などを控えている忙しい内定者にとっては、負担になってしまう可能性があるので注意が必要です。
- 人前で話すのが苦手な学生に対しては、個人面談や少人数での面談がおすすめ
- 定期的に顔を合わせることで親近感を与え、入社意欲を高める効果が期待できる
4. 内定者研修
学生から社会人へと、大きな環境の変化が待ち受けていると考えるだけで不安になる内定者もたくさんいます。そんな不安を少しでもやわらげるために、内定者を集めて研修をおこなうのも有効です。
これから一緒に働く仲間と共同作業をおこなうことで一体感が生まれ、働く意欲が高まります。ただし、いきなりハードな研修をおこなうと内定者の気持ちが離れてしまう危険性があるため、まずは楽しくコミュニケーションをとりながら、社会人としての心構えを学ぶ程度の軽いカリキュラムの研修がおすすめです。
- 内定者研修で一緒に働く仲間と共同作業をおこなうことで一体感が生まれ、働く意欲が高まる
- まずは楽しくコミュニケーションをとりながら社会人としての心構えを学ぶ程度の軽いカリキュラムの研修がおすすめ
5. 社内イベントの参加
社内イベントに内定者を参加させることで「会社の仲間はどんな人たちなんだろう。」「職場の雰囲気はどうだろう?」などの期待や不安を解消してあげるいい機会になります。
座談会でもいいかもしれませんが、社内イベントは開放的な気分でコミュニケーションをとることが多いので、内定者フォローにはおすすめです。職場体験だけでなく、運動会やハイキングなど気楽に参加できるイベントを企画して、内定者を参加させてみるといいかもしれません。
- 社内イベントならば開放的な気分で交流できることが多いのでおすすめ
4. 内定者フォローができる便利なサービスを5つご紹介
内定者フォローができる便利なサービス5つをご紹介します。忙しい採用担当者にとって、非常に喜ばれるサービスをピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてください!
MOCHICA
- 日程調整は、LINEのチャットボット機能の利用で自動で可能。人事担当者の業務削減にも貢献!
- LINEのメッセージなので、普段メールだと一方通行になってしまう内容もLINE経由なら、そこからコミュニケーションが活性化
- プライベートと就職活動は切り分けたい学生のために、「LINEでの連絡を希望する」か「メールでの連絡を希望する」か選択可能!
URL:https://official.mochica.jp/
バヅクリ
- オンラインでも内定者や新卒社員への効果的なフォローをおこなうことができるチームビルディングサービスで、テレワーク・リモートワーク環境下でも社員同士が楽しみながら横の繋がりを作ることができる
- 社員が仕事に対してモチベーションを持って取り組むことができるようになるだけでなく、会社の魅力を実感することでエンゲージメント向上にも貢献
- 50種類以上のプログラムから自社のニーズに合ったものを選択できるため、参加者の満足度が97%と非常に高い
URL:https://buzzkuri.com/
内定者パック
- 内定者向けのeラーニングが受け放題!内定者にぴったりな講座を選ぶことができる
- 1900社の導入実績!数名~700名規模の内定者を抱える企業様の実績が豊富にある
- リーズナブルな価格!内定者1人につき5000円~という価格設定
URL:https://www.naiteisha.jp
エアリーフレッシャーズ
- SNSのログイン頻度、アンケートの提出状況をもとに辞退の可能性が高い内定者をピックアップして通知
- 人事担当者の内定者フォロー業務削減!アンケートや提出物管理機能など内定者フォローに関わる業務が平均で26%削減
- 新人育成まで継続的なサポート!単に内定辞退だけでなく、新人育成までフォローをおこない、早期離職対策もおこなえる
URL:https://humanresource.neo-career.co.jp/service/newgrad/training/airyfreshers/
チャンバラ合戦 -戦IKUSA-
- 数百人でも「一緒」に参加できるので、内定者や社員を含めた大人数での内定社研修のイベントにおすすめ!
- チームビルディングに最適!内定者研修の一環として導入する企業も多い
- 女性やベテランの方も共に楽しめる内定者研修や社内研修として多くの企業の導入実績がある
URL:https://tyanbara.org/business/
グロービス学び放題フレッシャーズ
- 学習の区切りを3分ごとに設定し、短いコンテンツに慣れた若い世代でも、受け入れられやすい新人育成サービスです。
- テストで不正解となった問題から自動で復習問題を作成され、効率的に知識を身につけることができる
- 内定者の進捗状況を一括管理できるから、管理の手間も最小限に抑えることができる
URL:https://hodai.globis.co.jp/corporation/freshers/
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。超売り手市場である現在、複数の内定を獲得する学生は多数います。最終的に入社するのは一社なので内定を出したからといって入社してもらえるとは限りません。
企業としては、内定者と座談会や社内イベントなどでコミュニケーションをとることも重要ですが、ツールを使って手厚くフォローしていくことも、今後一層重要となります。
「優秀な学生に来てほしい!」という気持ちをアピールするという意味でも積極的なコミュニケーションが要求されます。
内定を出したままほったらかしにするのではなく、多様なサービスを利用して企業として入社に備えて手厚いフォローサービスをおこなうことで、優秀な学生を獲得しましょう。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。