成長企業が実践するグローバルマネジメントとは?「WAOJE Tokyo Summit 」イベントレポート | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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成長企業が実践するグローバルマネジメントとは?「WAOJE Tokyo Summit 」イベントレポート

  • 組織
  • 企業文化・組織風土

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

海外ビジネスの成功企業が自社のノウハウを共有する「WAOJE Tokyo Summit」。その内容をイベントレポートとしてご紹介。

基調講演&パネルディスカッションの2部構成となっており、海外ビジネスを展開されている経営者の方々の貴重なお話を聞くことができました。

その中で今回は、パネルディスカッションの内容に焦点を当てたご紹介します。特に、海外展開における組織や人のマネジメントといったHR領域の部分を中心に記事にまとめました。

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注目の海外展開企業3社のパネルディスカッション

海外展開をしている企業の中で最も勢いのあるAnyMind Group CEO十河氏、株式会社モンスター・ラボ代表取締役 CEO 鮄川氏、モデレーターとして株式会社ネオキャリア代表取締役 西澤氏が登壇。

海外に拠点をおいた理由や、組織マネジメント方法、今後の未来図についてもお話をされていました。

【モデレーター】西澤 亮一 | 株式会社ネオキャリア 代表取締役

日本大学商学部卒業。新卒で投資会社へ入社。 同年11月、同期新卒9名で株式会社ネオキャリアを設立。 近年よりスタートした海外事業では、人材紹介事業を中心にシンガポール他アジアへ展開。 世界最大級の起業家組織「Entrepreneurs Organization(起業家機構)」に加盟するEO Japanでは、2012年7月より第17期会長を務めあげる。

【登壇者】鮄川 宏樹 | 株式会社モンスター・ラボ代表取締役 CEO 

神戸大学理学部数学科卒業。2011年ベンチャー企業株式会社イーシー・ワン入社。2003年には会社内最年少マネージャーとしてJASDAQ上場を体験。2006年豪州Bond UniversityのMBAプログラム受講を経て、これまでの集大成となるビジネスプランを事業化し、2月に株式会社モンスター・ラボ設立と同時に代表取締役就任。2014年にグローバルソーシング・プラットフォームのセカイラボを開始し、現在は、12カ国21都市に自社拠点を展開。

【登壇者】十河 宏輔 | AnyMind Group CEO

日本大学商学部卒業。全拠点における業務の成長拡大を牽引する。AnyMind Groupの前身にあたるAdAsia™ Holdingsを2016年に創業し、マーケティングテクノロジーを主軸とするビジネスを創業2年で10のアジア市場に展開。現在はAI(人工知能)を活用したSaaS(Software as a Service)ソリューションを提供し、さらなるビジネス拡大を目指す。

創立後すぐに急成長できた理由

西澤:今回は、海外を拠点としている成長企業をテーマにお話させていただきます。みなさんよろしくお願いします。

鮄川:改めまして、モンスター・ラボの鮄川です。弊社ではラボ型オフショア開発サービスの「セカイラボ」を展開しています。

日本ではエンジニアの需要が高まっており、エンジニアが不足している現状があります。そこで、海外人材ネットワークを活用することの重要性や可能性をすごく感じました。

今後伸びていく新興国を含め、海外で最適なエンジニアやクリエイターを世界で活用できる、そういった事業をやっていきたいと考えています。

十河:私は、2011年の末ぐらいから前職にて海外に関わり始め、2012年の6月ぐらいからベトナムで立ち上げをやってきました。

さらにその後の4年間はずっと東南アジアメインで、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど立ち上げをしています。その中で感じたのは、東南アジアのマーケットの勢いです。

そこから2016年の4月に独立をして、最初はインターネット広告の事業を中心に展開していきました。その後、インフルエンサーマーケティングの事業を半年後に開始をしました。

インフルエンサーマーケティングは日本でも盛り上がっていますが、アジアだと日本以上に伸びていて、特に中国はすごく伸びています。

さらに最近では、HRTechの事業も開始しました。今は、アジアの市場がどんどん伸びているので、この波に乗れるように資金調達したお金も、どんどん投資に回しているような状況です。

西澤:実際にAnyMindさんのような速いスピードで事業展開している会社をあまり見たことがないのですが、なぜそこまでの速度で成長できているのでしょうか。

十河:まず、ビジネスモデルは、最先端でかつ、日本でも東南アジアでも欧米でも通用するものを意識しています。そしてヒトに関してはローカライズをする必要があります。さらにその組織に「挑戦するヒトがいるかいないか」だと思っています。

最初の立ち上げのタイミングでは、採用に関してはすべて私がやっていました。

東南アジアは優秀で若い人が非常に多いので、最初の1、2、3人目ぐらいまで自分でやっていければ、自然とチームはできていくと思っています。そこからはHRのチームに徐々に任せていきます。

西澤:ありがとうございます。では、鮄川さん、モンスター・ラボの成長している要因を教えてください。

鮄川:まず、そもそもはマーケット自体が成長しているという事があるのですが、一番は成長意欲が高い優秀な経営チームを選んだところだと思います。

弊社が得意としているのは新しく売上を作るようなプロダクトなのですが、それ以外に最新の商品や新しい領域に取り組んでる会社を選出したことが良かったのかなと思っています。

成長企業2社の組織内コミュニケーション方法とは

西澤:これだけ規模が大きくなっていく中で、チームの一体感をつくることや、円滑なコミュニケーションをとるための施策などは何かありますか。

十河:そういった部分は創業時から大事にしていて、半年に一度全社員を集めて社員総会をやっています。

そこでは基本的に業績の共有などをおこなっているのですが全員に当事者意識を持ってもらえるように、情報共有の場はかなり増やしていますね。

西澤:デイリーでの情報共有、ウィークリーでの情報共有は、何か仕組みがあるのですか。

十河:ウィークリーでは、各カントリーマネージャーの会議があります。その中でカントリーマネージャーを表彰するものがあるのですが、各国ごとの業績ランキングがあって、それをもとに1位から発表しています。

西澤:海外の方は、そういうのを嫌う空気がありませんか?

十河:むしろ受賞されればインセンティブも入ってきますし、どちらかというとそこのアワードを取りたいという気持ちで、競い合って頑張ってくれることが多いですね。

西澤:各国のマネジメントはローカルのメンバーに任せながらも、企業文化は共通のものを大事にしているということですね。

十河:そうですね。やはり人数が増えれば増えるほど難しくなってくると思うのですが、カルチャーの浸透というのは常に意識してやっています。

西澤:マインドとして外してはいけないポイントや、「これだけは軸として崩さないでほしい」とみんなに伝えているものはございますか。

十河:「オーナーシップを持つ」ということですね。それは、3年で450人に拡大し、M&Aもおこない、いろんなカルチャーが入ってきている中で感じていることです。

やはり、優秀で活躍してくれている人って、圧倒的なオーナーシップを持っています。そういう人たちは成長も早いですし、事業にもすごく貢献してくれています。

あとは、グローバルでマネージャー研修をやってはいるものの、正直、今でも人の問題はとても多く、事業が成長すればするほど課題は増えていきます。

いろいろ模索しながら何が正解なのかというのを、トライ&エラーで試しているのが今の状況です。

西澤:ありがとうございます。鮄川さんにも同じ質問です。マネジメントで工夫してることや、こだわっているものというのはありますか。

鮄川:僕はトップとの1on1ですね。僕が握らないといけないのはそこかなと思っています。社長との1on1で、悩みや悶々としていることを聞いたり、会いに行ったりして時間をかけるようにしています。

あとエンジニアは、エンジニア同士のほうがよかったりするので、各拠点のCTOクラスが集まる会議を実施してもらったり、同じようにセールスのチーム同士で1on1やったりなどしています。

西澤:全体のビジョンや戦略を全体にシェアするためにおこなっていることは、何かありますか。

鮄川:今まさにそこに取り組んでいるところです。どこまで各国のカルチャーやブランドなど、いろんなものをリスペクトしていくべきか。

本社はどのようなスタンスをとるべきか。そこの線引きを考えているところですが、ものすごく難しいところですね。

西澤:模索中という感じですね。

鮄川:そうですね。先ほど十河さんがおっしゃっていたオーナーシップといったマインドセットはちゃんと共有していく必要があります。

そのためには、自ら足を運んで伝えに行くということが大事だと思っていて、そこは自分が直接行ってなるべく話すことは意識しています。

今後の未来予想図

西澤:最後に、今後の戦略や、今後の海外への展開、将来どのようにイメージしているのか教えていただけますか。

十河:この3年間、休まず走り続けてきて良かったなと思うことが1個あります。それは、各国に展開したことで、グローバル規模の大きなネットワークができたことです。

各国でグローバルネットワークを形成し、世界的に輝ける会社をこの1、2年で作っていきたいと思っています。

鮄川:国ごとの拠点にそれぞれの力特色がありますが、先端技術は世界中どこにでも入って行きます。そういった技術テクノロジーを通じて、顧客への要望に最大限の効果で応え、自社でも世界で勝てるプロダクトを作れる会社になっていくことが、大事だと思っています。

AI領域を始め、顧客もどんどんグローバルになってきています。グローバルでのマーケット化したテクノロジーを使い、影響力のある会社になっていきたいですね。

3|最後に

今海外ビジネス展開において最も成長している3社の貴重なお話が聞くことができ、非常に参考になりました。

3社とも、ビジネスモデルは違えど、現状に満足せずに日本のため、世界のためを考え、常に上昇志向であるところにとても刺激を受けました。今後も注目していきたいと思います!

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