動画メディア時代到来! 動画スタートアップ3社の事例から今後の採用担当者に求められることを考えてみた | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

動画メディア時代到来! 動画スタートアップ3社の事例から今後の採用担当者に求められることを考えてみた | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

動画メディア時代到来! 動画スタートアップ3社の事例から今後の採用担当者に求められることを考えてみた

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

ベンチャー/スタートアップへの転職支援で注目を集めるfor Startups株式会社(旧:株式会社ネットジンザイバンク)の主催で「動画メディアコンテンツマーケティング戦略」をテーマにしたイベントがおこなわれました。

本イベントは「ライブコマース、Instagram Stories、ライブ配信について、各社代表がビジネス戦略を語る」という内容になっており、多くは動画メディアを通じたコンテンツマーケティングを如何に進めていくべきかについてディスカッションされていました。その中で話題にあがった”各社の採用方針”や”コンテンツマーケティングの考え方”が採用戦略を考えている人事や経営者にとって有益な内容となっていました。

今回は注目動画スタートアップ3社の代表によっておこなわれたパネルディスカッションの内容を記事にまとめましたので、今後の採用戦略設計の参考にしてみてください。

■講演概要

  • 【Candee×lute×17MediaJapan】
    動画メディアコンテンツマーケティング戦略最前線!
  • 主催:for Startups株式会社
  • イベント詳細URL:https://connpass.com/event/70146/
  • 会場:TECH LAB PAAK (東京都渋谷区神南1-20-9 公園通りビル 6F)
  • 開催日時:2018/2/8(木)19:30〜21:30

【モデレーター】

町野 史宜氏 | for Startups株式会社 ヒューマンキャピタリスト

大学卒業後新卒で大手放送通信業者に入社し、2年目でリーダーを歴任後、退職し、渡豪。
現地の大学院を卒業後日本に帰国し、IT系ベンチャー企業にてエンジニア/クリエイターの転職支援・イベント企画・エンジニア教育事業の立案と実行・他社とのアライアンスなどを経験し、2016年8月よりNETjinzaibank(現:for Startups株式会社)に入社。

【パネリスト】

古岸 和樹氏|株式会社Candee 代表取締役社長 CEO 

明治大学 卒業。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(旧:株式会社ツタヤオンライン)、ヤフー株式会社にて、映画、音楽といったエンタテインメントコンテンツの企画、プロデュース、ディレクション、プロモーションに従事、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンへ出向)、エイベックス・グループにおいて事業責任者として音楽配信部門を担当、平行してグループのデジタル戦略及び新規事業推進を担当。2015年に株式会社Candeeの立ち上げに携わり、タレントマネジメント事業、コーポレート部門責任者として常務執行役に従事。2016年12月より代表取締役社長 CEOに就任。

五十嵐 弘彦氏|lute株式会社 代表取締役社長

1985年東京生まれ。高校・大学時代をニュージーランドで過ごし、帰国後HR系スタートアップでの業務経験を経て、株式会社メディアジーンへ入社。ライフハッカー編集部で編集・翻訳業務に従事する。その後エイベックス・デジタル株式会社に入社し、音楽サービス企画立ち上げ・運営に携わった後、自身が思い描いてきたコンテンツ重視型の新規事業として、2016年にメディアレーベル「lute/ルーテ」を立ち上げる。代表として、次世代を担うアーティストのMVやライブ映像、海外の音楽と社会状況を探るドキュメンタリーなど、様々な映像作品をリリースしている。

小野 裕史氏|株式会社17Media Japan

1974年生まれ、札幌出身。東京大学大学院理学系研究科修了。院生時代より個人でモバイルメディアを複数プロデュースし、2000年より株式会社シーエー・モバイルの創業に関わる。2008年1月に株式会社シーエー・モバイル専務取締役を退任し、インフィニティ・ベンチャーズLLPを共同設立。 グルーポン・ジャパン、サンシャイン牧場のRekoo Japanなど、国内外にてベンチャー投資を行うとともに、自ら投資先企業の経営に参画し事業創出を行う。「コミュニケーションこそがインターネット時代の最大のコンテンツ」と考え、「いつでも・誰でも・どこでも」が豊富にあふれる現代に、Liveの臨場感を共有できることに価値を見出し、「17」の日本運営に身を乗り出す。

■各社代表の自己紹介

これから「Candee×lute×17MediaJapanさまの動画メディアコンテンツマーケティング戦略最前線」のイベントを始めさせていただきます。まずは、古岸さんから自己紹介をお願いします。

 

Candeeの古岸と申します。僕のキャリアは芸能プロダクションで役員の運転手をおこなうことから始まり、創業前にはエイベックス・グループで、LINEさんと共同でLINE MUSICという合弁会社を立ち上げていました。

Candeeでは大きく3つの事業を推進しています。1つはタレント・マネジメント事業。いわゆるオンライン、デジタルの領域の中から人気者をつくろうというところをミッションに頑張っています。

もう1つが広告代理事業で、いわゆる動画マーケティングを支援しています。

そして、一番力を入れているのがメディア事業です。「Live Shop!」というライブコマースのプラットフォームを構築しています。

 

ありがとうございます。では五十嵐さんお願いします。

 

luteの五十嵐と申します。

もともと祖父と父がレコード業界で働いていたこともあり、何となく「音楽の仕事をしたいな~」と思いながら生きてきました。すごく偶然なのですが、エイベックス時代には古岸さんと一緒に仕事をしていました。

luteは、分散型の音楽動画メディアという形でスタートしており、Candeeさんのサービスと近いですが、メディア事業、マネジメント事業、エージェンシー業務、いわゆる制作などの受託業務をやっています。

Candeeさんとの違いは、音楽業界がルーツにあるので「エンタメ業界を変えてやる」という気持ちが強いところです。

 

ありがとうございます。では、小野さんお願いします。


株式会社17Media Japanの小野です。

簡単に自己紹介なんですが、最初の僕のベンチャーは、シーエー・モバイルという会社の最初の1号社員として入社しました。今は、ベンチャーキャピタル・インフィニティ・ベンチャーズというベンチャーキャピタルのパートナーもやっており、日本や中国、中華圏で投資をしています。

今日お話しする17Mediaという会社は台湾が本社で、その会社に投資をして、今は私が同社の日本の代表をやっています。その中の1つのサービスが、この17というライブ配信アプリになります。

スマホ1つでライブ配信を通して自分を発信し、それがビジネス、個人としても収益にできるという、いわゆるギフティング型のライブ配信サービスです。

ライブ配信というものによって次のスターを生み出していくことをビジョンにやっています。本日はよろしくお願いします。

 

ありがとうございます。最後に私は本日のモデレーターを務めさせていただく、ネットジンザイバンクの町野と申します。よろしくお願いします。

■【質問①】コンテンツを拡散させるうえで、どのようなことを意識しているか?

動画マーケティングをおこなう上で、キモとなるコンテンツの拡散する際に気を付けていることを伺えればと思います。古岸さんの方からお答えいただけますでしょうか。

 

現在の僕たちはいわゆる”バズらせ方”にはあまりこだわってません。注力しているのはターゲットのセグメントですね。

自社の場合は、具体的には18歳から22歳ぐらいの女性がユーザー比率の90%を占めていて、実際にこの層をターゲットに進めています。

そこで、webマーケティングやCMを流したりするのではなく、彼女たちのコミュニティにおいて口コミで拡散してもらい、ユーザーを増やしていくことを意識しています。

 

ありがとうございます。五十嵐さんどうですか?

 

弊社が一番意識しているのは”メディアのブランド価値を高める”というところにつきます。

これは少し定性的な話になるのですが、うちがやっているビジネスモデルは自社だけのものである必要性はなく、レーベルに近いものでありたいと考えています。

般的に同じビジネスモデルのレコード会社にも多様なブランドイメージがあります。たとえば、Sonyさんの持っている色感とか、エイベックスっぽさとかって色々あると思うんです。

その観点で言ったときに、”luteらしさ”を追求するところにこだわっています。このようなブランディング戦略を通して、”luteが好き”というコアユーザーを増やしていきたいです。

 

ありがとうございます。小野さんもお願いします。

 

まだまだ、ライブ配信は日本において認知度がとても低いという現状があります。これが、今まさに大量のテレビCMなどを含めてマーケティングをしている理由です。

まずはライブ配信を啓蒙する段階なので、ひたすら先行投資しながら、オンライン、オフラインともにマーケティングをおこなっています。

その中で、僕らが大事にしているのは、ライブ配信において、いかに「ライバー(ライブ×ヒト)」がカッコいいか、イケてるかといったところをとても重視しています。

たとえば、そういったライバーさんのプロモーション動画を制作したり、そういった人たちに憧れる世界感をつくっていくことが大切だと考えています。

また「ライバー=スーパースター」である必要はないとも思っています。たとえば、数百人のコアなファンだけを持つ、それでもお金を稼ぐことができる、ライバーさんが生まれてくるようなプラットフォームにしたいなと思っています。

■【質問②】動画マーケティング業界では、どのような方が活躍出来るのか?

では、次に”このマーケットで活躍できる人”についてをお伺いしたいんですけども、どうやった活躍ができるのかっていうのを3社それぞれにお話いただきたいなと思います。古岸さんからお願いできますか。

 

「Candeeがどんな人を求めているか」という観点でお話させていただくと、動画という刻々と変化していくマーケットの中で楽しめる人かどうかを重要視しています。

僕たちはまだ創業4年目ですが、事業における方針転換を3~4回しています。

事業の方針転換は多くの会社が経験すると思いますが、その都度社員の方々が「こんなはずじゃなかったのに」「これをやるために来たんじゃない」と、言われてしまうと本末転倒かなと考えています。なので、入社いただく方々の意思確認というところは、すごく重要視しています。

 

ありがとうございます。五十嵐さんお願いできますか。

音楽業界やエンタメ業界にいる方々は「これからはデジタルな仕事をしなければダメだ」と感じている方が徐々に増えてきてくれているような気がしますが、逆にインターネット業界の方からの興味はまだまだ薄いなと感じています。

この業界には今後まだまだ可能性があるので、もっとインターネット業界の方々を採用していきたいですね。

 

ありがとうございます。では最後に小野さんお願いします。

 

僕は、今手掛けているライブのプラットフォームは”人を育てるプラットホーム”だと常に思っていて、とてもやりがいを感じています。

既存のテレビの業界だと誰も知ることがなかったような人が、将来のスーパースターになれる可能性があります。

そういった人たちが育っていくとその先には、インターネット時代だからこその、新しいエンターテイメントや新しい文化のあり方など、産業のあり方自体を変えていくチャンスがあると考えています。

なので、この世界観に対して熱気を感じられるような人や、一緒に今までなかったエンターテイメントを創造したいという人は向いていると思います。

また、これは弊社が台北に本社があるグローバル企業だからなのですが、多種多様な人と仕事ができる人には、とても面白い仕事じゃないかなと思っています。

■【私見】個人がブランドとなる時代における採用はどうあるべきか?

今回のパネルディスカッションから、個人的として採用活動を行っていく際にも通じることだと特に感じたのは以下の3つです。

  1. コンテンツの拡散にこだわるよりも、どのようなコンテンツを生み出すべきかに比重を置くべき
  2. ターゲットに個別最適化したコミュニティを通じたマーケティングをおこなうべき
  3. 動画といった個人の自己表現が大量生産される時代において既存にはない採用経路も設置すべき

1.については、Wantedlyのブログ機能の活用するシーンが当てはまります。Wantedlyのメインの流入経路はSNSでの拡散です。最近ではFacebookにおけるWantedlyの募集要項やブログ記事のシェアを多く目にするようになりました。しかし、無機質にコメントもなくシェアされた募集要項を見ようと思う方は少ないのではないでしょうか?

実際に私がWantedly運用をおこなう際に、コメントありでシェアするのとコメントなしでシェアした場合では約2倍近くクリック数が変化した経験があります。また、募集要項のタイトリングや画像を変えるだけでも大きく数字が変化します。確かにコンテンツの拡散も重要ですが、コンテンツの質(クリックしたくなるコンテンツであるか、シェアしたくなるコンテンツであるか)も拡散以上に大切だと思います。

 

2.については、自社で採用したい人材はどのようなチャネルで情報収集しているのかを改めて明確に定義する必要があると感じています。

たとえば新卒採用で女性をターゲットにする場合、18歳~22歳の多くが使っているというCandee社のプラットフォームで露出をすることで認知度を高めることが期待できます。

特に新卒採用においては、目まぐるしくプラットフォームが増えていく中でどれが自社の採用ターゲットに訴求出来るかを適宜判断していく必要があります。

最後に3.について、個人が今以上に影響力を持つ将来において、その人が持つ影響力は誰もが持つべきスキルセットになっていくと考えられます。これに最初に着目したのが面白法人カヤックの「エゴサーチ採用」です。これは「自分自身をインターネット検索をした際にどのような言葉が表示されるか」で、エントリー可能な採用経路です。

■エゴサーチ採用サイト
http://egosearch.kayac.com/

また最近では、2019年卒の新卒採用において株式会社サイバー・バズが「インフルエンサー採用」を公開しました。

インフルエンサー採用では、「Instagram、Facebook、TwitterいずれかのSNSでの直近1ヶ月以内の1投稿で「いいね!」数が300以上ついている方」がエントリー対象になっています。

 

このように個人が影響力を持ち、影響力がスキルセットとして一般化していく時代においては、”力を判断できる”採用経路など柔軟な対応が求められるのではないでしょうか?

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