こんにちは!HRNOTE編集部です。
先日、at will workが開催するSPICというイベントにお伺いしました。
本イベントでは7部門に分かれており、今回はその中でもCommunication部門「コミュニケーション促進による生産性向上と組織の活性化」の内容についてまとめてみました。
コミュニケーションを促進することでいかにして生産性を向上させたのか。参考となれば幸いです。
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
SPIC2018とは?
SPICとは「Saas Productivity Improvement Conference」の略で、これからの時代に求められる最先端のテクノロジーの活用の事例をユーザー視点で紹介するカンファレンスです。
【ファシリテーター】伏見 学|ITmediaビジネスオンライン副編集長
ファシリテーターとして伏見氏を迎え、Slack, Workplaceという2つのコミュニケーションツールの事例をサービス提供会社、導入会社の2視点から紹介。
Slackを用いてコミュニケーションスピード向上へ
【登壇者紹介】小島 かおり
株式会社FiNC 取締役CISO 情報システム本部長
「ビジネスライフをよりシンプルに、快適にそして有意義にする」ことを掲げたビジネスコミュニケーションツール。
チャットだけでなく、1500以上のアプリケーションと連携して通知を促したり、ワークフローを組み込んだりすることも可能。
Slackという画面一つで全ての仕事があらかた片付くソフトウェアの実現を目指している。
現在世界中で約800万人以上に利用されている。
Slackを用いてどのように生産性が向上したのか?~株式会社FiNCの例~
私たち株式会社FiNCは、2015年5月ごろよりSlackを導入しました。それまでは、各社員が自由にいろいろなコミュニケーションツールを使っていました。
ただ規模が拡大するにつれてコミュニケーションツールを標準化する必要があり、その中でSlackが選ばれました。
現在はチャンネル数が3,000、1日に12,000通ほどのチャットが送信されており、いろいろな業務の効率化ができています。
次に、実際のSlack使用例のうち代表的なものを3つ紹介したいと思います。
株式会社FiNCはどのようにSlackを使っているのか?
1つ目は受付システムチャンネルです。
毎日いろんなお客さんが来る中で、受付に導入したシステムとSlackを連携し、お客様が来ると該当部署にSlack上で通知が来るようにしました。
そうすることで受付に人を置かなくて済むようになりました。
2つ目は情報システムのヘルプデスクです。情報システムチャンネルを作り、重要事項などをこのチャンネル内に投げて、関係者がそのコメントに対応するという仕組みを作りました。
3つ目はカスタマーボイスチャンネルです。自社アプリに対するフィードバックが、iOSやアンドロイドから届くのですが、そのフィードバック内容をすべてSlackに取り込んでいます。
気になるコメントがあればすぐに対応するようにしています。
こうして、アプリやその機能に対するお客様の声を全員で可視化し、かつすぐに対応することで、よりスピーディーに顧客の声を機能に反映することができました。
~実際にSlackを使ってみて~
導入時の背景
先ほど少しSlack導入の背景をお伺いしましたが、もう少し詳しく、どういった経緯でSlackを導入することになったのかお聞かせください。
これまでは各部署がさまざまなコミュニケーションツールを使っていたので、何かが起こった時にどこでどういう話がされていたのか管理することが非常に難しい状況でした。
また、一部のエンジニアたちが無料版のSlackを使っていたのですが、無料版だとデータが保証されなくて、あるタイミングで消えてしまうんですね。
これはまずいということで社内共有のコミュニケーションツールとしてSlackを急速に導入しようとなりました。
またSlackがセキュリティ的にも強いところが、Slackにしようとなった決め手の1つでもありますね。
導入時の課題
導入時の課題ってなにかありましたか?
すでに一部のエンジニアたちによってSlackが使われていたので、すでに勝手にいくつもいくつもチャンネルが立ち上がっていました。
会社内のオフィシャルインフラとして使うからには、どういうネーミング、ルールでチャンネルを作るのか、誰をチャンネルのメンバーとしていくのか、どんな情報を共有する必要があるのかなど、再整理する必要がありました。
こうした適切なルール設計が難しかったですね。
こういったツールを導入した初期は、使う人や使わない人がおそらく発生するというのが、大体のツール導入時の課題でよくあるのですが、全社員に利用を促進するためにどんなことをされましたか?
弊社の働き方改革の一環として「スマート会議」というプロジェクトがあります。これはどうやって無駄な会議を減らそうか、という趣旨のもので、その中のテーマの1つにSlackがあがっています。
Slackのマニュアルを作り、ルールを徹底しながら、すべてのコミュニケーションをSlackにしました。
そうすることでSlackを使わなければならない状況を作り、全員の利用を促進しました。
導入後の効果
では導入して2年がたった今、コミュニケーション効率や生産性にどういった影響があったのでしょうか?
これまでメールなどでやりとりをしていた時は、いちいちメールを開けて自分宛てのものなのか確認しないといけませんでした。
しかしSlackだと自分にメンションがつくので、「自分が読まなくてもいいもの」を一目見て判断できます。
また、社長など時間が取れない人にもちょっと連絡を飛ばしてチャットを見ていただくことができます。
そうすると、社長はミーティング中でもちょっと確認して1,2行で返信するだけで済むので、コミュニケーションコストがかなり軽減されました。
ありがとうございます。では最後に、Slackにこうなってほしいといった要望、展望はございますでしょうか?
はい、今後はさまざまなツールをいちいち開いて管理することなくSlack上で一元に管理できたらいいな、なんて思っています。
Workplaceを用いた生産性向上とは?
【登壇者紹介】久永 航
Sansan株式会社 Sansan事業部 プリンシパルソリューションエンジニア CIスペシャリスト
Facebookの機能を使ったオンラインのビジネスコミュニケーションツール。
自由にグループを作ったりその中でチャットをしたりすることで社内のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
このWorkplaceは現在世界で約30,000社が導入にされている。
実際にFacebook社も週に一回このWorkplaceを用いて全社員でマーク・ザッカーバーグとのQ&Aセッションをおこなっているとのこと。
Workplaceを用いた生産性向上の例~Sansan株式会社~
我々は2016年の8月にWorkplaceを導入しました。
それまではメールを使っていましたが、メールのコミュニケーションに限界を感じていました。
1つのトピックスをさかのぼって探すのに時間がかかりますし、クリックしてメールの内容を見てみないと自分が関係しているものかもわからないんです。
結果として、工数と無駄な時間が多く発生していました。
そこから今はWorkplaceで、情報伝達を円滑にするような活用をしています。
グループ/スレッド単位で欲しい情報を探しやすくし、不要なメンションをなくして無関係の人の注意をひかないといったことを徹底しました。
実際、Workplace上で「了解しました」と返事すると怒られるのです。
そこは中途入社の方も驚かれていましたね。(笑)
あとは、会社の各事業部の情報について「必ず見てほしい情報」と「見ても見なくてもいい情報」とを分けています。
実際には後者の情報が多くて、後者の情報に関しては全員に通知がいかないようにしています。
そして後者の中でも自分が欲しい情報があったときは、自分で情報を取りにいくようにして、必要最低限のpush型通知に留めている、というような使い方をしています。
~実際にWorkplaceを使ってみて~
導入後の効果
このツールを導入したことで実際にどういった効果がありましたか?
コミュニケーションにかかる時間が減りましたね。
これまでのメールしかり、「了解しました」の返事1つしかり、非生産的な行為を許容しないことが重要だと僕は考えています。
そしてその非生産的な行為を改善するための1つの手法としてこのWorkplaceを導入しました。
具体的なものとしては、主に意思決定が速くなり、無駄な会議が減りました。
さらに勉強会や全社定例会に参加したいけどリモートでしか参加できない人などにもWorkplace上で動画を届けることができるので、運用工数の削減や会議の進度の改善も図れました。
また補足ですが、Workplaceの運用に関して、基本的に新たなグループの作成やグループに入れる人のアサインなどは自由に決めていいようにしています。
そのためいろいろなグループがあるので、さまざまなベクトルでの部門横断感的なコミュニケーションが促され、会社内の一体感が維持されているように感じています。
運用の際のトラブルについて
基本的にWorkplaceの運用を自由にさせているとおっしゃっていましたが、運用に関して、何かトラブルだとか困ったことはありませんでしたか?
全員のITリテラシーが高くないところがちょっと問題かなと思っています。
中途で入ってこられた方などは「ビジネスコミュニケーションツール?なにそれ?」といった方も当然いらっしゃいます。
そういった場合には基本的に、弊社内のITリテラシーが高い人にレクチャーをしてもらったりして対応しています。
新たな働き方について
こういうコミュニケーションツールを入れることで、リモートワークなど新たな働き方が促進されたりするとお考えでしょうか?
はい、促進されると思いますね。
今後はさらにスマホでも仕事が完結できるようになってくるので、地理的なロケーションからも解放されると考えています。
スマホのカメラで会議に参加して、議事録もスマホでとって、といったようにいつでもどこでも仕事ができるのではないのでしょうか。
部門間の壁がなくなった
Workplaceを使うことで、部門間の壁のようなものがなくなったとおっしゃっていましたが、その点を詳しくお聞かせください。
たとえば、新卒が受注したときは受注連絡がグループ内で流れるようになっています。
その際に、社長がその投稿にいいね!を押したり「おめでとう」とコメントをしたりすると、それが新卒でなくてもテンション上がりますよね(笑)
こういったコミュニケーションもあるので、上との距離が近く感じることができている人が多いのではないかと考えています。
同時に、部門間問わずさまざまな方向でディスカッションがなされるので、よりフラットな組織に近づいているのではと感じています。
おわりに
今回はSlack、Workplaceを導入して社内コミュニケーションを効率化させている2社を紹介しました。
生産性を向上するためにコミュニケーションコストの削減に注力することは、1つの切り口として重要なのではないでしょうか。
ビジネスコミュニケーションツールを導入して生産性の向上を図ってみてはいかがでしょうか。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。