今回は、第2回 HRテクノロジー大賞のラーニング部門で優秀賞を受賞した、サイバーエージェントの「キャリバー」についてご紹介。
採用育成本部キャリアエージェントの村田さんにインタビューさせていただき、「キャリバー」の魅力について迫ります。
【人物紹介】村田 陽香| 株式会社サイバーエージェント採用育成本部キャリアエージェント
2010年サイバーエージェントに入社。インターネット広告の営業職を3年、その後コミュニティやキュレーションメディアのプロデューサー、AbemaTVの開発ディレクターを経て現職。全社人事として、社内の適材適所に従事。
「社内ヘッドハンター」キャリアエージェントの役割
-村田さんが所属されているキャリアエージェントは、サイバーエージェント内でどのような役割をされているのでしょうか?
村田氏:キャリアエージェントは、「社員の能力と事業を伸ばすための適材適所」を目的とした部署です。
適材適所の手段としては、役員への人事提案や抜擢や異動をおこなっていますが、そのためには「社員」と「事業」の把握は欠かせません。
社員の強みや志向を把握するためには、月次報告システム『GEPPO』の運用や、社員との面談を実施。
伸ばすべき事業やポジションニーズを正確に把握するためには、事業人事や事業責任者へのヒアリングと『キャリバー』を活用しています。
HRテクノロジー大賞を受賞した『キャリバー』とは?
-それでは、キャリバーについて詳しくお伺いさせてください。
村田氏:キャリバーは、全社のさまざまな部署のポジションニーズを可視化したシステムです。「社内版求人サイト」といったイメージですね。
キャリバーのTOPには、「新着」や「急募」など、ホットな求人を掲載しています。現在公開されているポジションは、340にのぼります(2018年3月時点)。
この340ポジションに対し、「職種」「事業部」「技術スキル」「求める人物像」でフィルターをかけて検索することが可能です。さまざまな軸から、自分が興味のある部署を探すことができます。
なお、各部署の求人情報が掲載されているページには、以下4つの情報が記載できるようになっています。
- どんなことをしている部署なのか
- どういう人にきてほしいのか
- どんな雰囲気の部署なのか
- 問い合わせ先
「他部署のことを知れる場」が欲しかった
-そもそも、キャリバーをつくった背景はどのようなものでしょうか。
村田氏:多岐にわたる事業を展開するサイバーエージェントでは、組織拡大とともに「他の部署が何をやっているのかわからない」といった社員の声が多くなっていました。
部署やポジションニーズを知らないことで、キャリアの選択肢が広がらない。最悪のケースは転職にもつながってしまうので、それはすごくもったいないことだなと。
ですので、「常日頃から知れる場」をつくりたかったんです。
また、部署側からも「こういう人材がほしいけど、社内にアピールする手段がない」という声もあがっていました。
そこで、個人と部署両方のニーズを叶えたいと思い、キャリバーをつくりました。
キャリバーがもたらす社内変化とは?
-キャリバーをリリースした後で、社内に何か変化は起きましたか?
村田氏:いくつかポジティブな変化がありました。
他部署への理解度がUP
もともと多かった「他の部署が何をやっているのかわからない」という声は、確実に減りました。
これは日々面談していて感じるのですが、「興味ある部署はありますか?」と聞くと、以前は「他の部署をあまり知らなくて…」という回答が多かったんです。
それが、キャリバーをリリースしてからは減ってきています。
アクティブな適材適所の実現
サイバーエージェントには、「キャリチャレ」という、社員自らの意思で異動希望を出せる制度があるのですが、今までは、求人情報をエクセルにまとめて公開していました。
そうすると、イメージ写真がなく、どうしても情報不足によるミスマッチが生じていました。
しかし、キャリバーができたことで情報量が多くなり、「なんとなく応募」が減ってきています。
社内でどんな職種があるのか、ポジションニーズがあるのかが可視化され、明確な意思をもった応募が増えたんです。
また、各求人の「問い合わせ先」から事業部メンバーと直接コンタクトも取れるので、自分から進んで情報を取りに行けることも大きいと思います。
キャリアエージェントと言う組織がありながらも、こういう本人同士の率直な対話はとても重要なので、
私たちも積極的に推奨していますね。その結果、アクティブな適材適所を実現できているように感じています。
-今後、村田さんは適材適所をどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。
村田氏:私たちは、適材適所の根底にあるのは「伸ばすべき事業に伸ばせる人をはる」と定義してるのですが、ここの精度とスピードは、今後ももっともっとブラッシュアップしていきたいですね。
「キャリバー」もそのための1つの武器とも言えるんですが、こういった武器やフレームの開発は、
またHRNOTEさんに取材してもらえるためにも(笑)今後も挑戦していきたいです。