近年の新卒採用において、企業・学生双方にとって、『就活支援団体』の存在感が増してきているように感じています。
就活支援団体が提供するサービス・コンテンツが多くの学生の関心を集めており、企業人事と就活支援団体が協力することでさらに就職活動をより良いものにすることができるのではないでしょうか。
今回は、新卒採用担当が押さえておきたい「現在の就活における就活支援団体・就活支援サービスの役割と動向」と、実際に「学生から大きな支持を得る4つの就活支援団体・就活支援サービス」をご紹介します。
目次
就活支援団体とは?何をしているのか?
就活支援団体とは、主に学生の就職活動を支援することを目的とした団体のことです。
企業活動、NPO、学生団体など、組織の体制はさまざまで、それぞれが目指すビジョンの実現のために独自の就活支援を通して求職者に価値を提供しています。
それでは、具体的にどのような活動をしているのか? 「就活支援」という言葉は広義にわたりますが、一般的には以下のような内容を提供しているものと思われます。
- 面談などによる自己分析・就職活動の軸の整理といったキャリアコンサルティング
- 論理的思考やグループディスカッションなどの選考対策ワークショップ
- イベントなどで学生と企業の接点を創造し、学生に新たな選択肢の可能性や気付きを与える
また、以下の記事を見ると、就活支援団体にもさまざまあり、特徴や得られる成果によってカテゴライズすることができるようです。
就活支援団体が企業の採用にもたらすメリットとは?
ここでは、就活支援団体が企業の採用活動にどのようなメリットをもたらすのかをご紹介していきます。
就活支援コンテンツ・就活支援サービスを通して、企業と学生が出会うきっかけをつくる
就活支援団体が学生に対して提供するサービスやイベントを通して、企業は自社にマッチする学生に出会う大きな採用機会をつくることができます。
この背景としてまず、以下のような学生側のニーズがあります。
学生側のニーズ
- 早期に内定を獲得したい
- 早期に自分が知らなかった企業と出会い、インターンに参加したり、特別選考のルートに乗りたい
- 効率良く多くの企業と出会いたい
一方で企業側が就活支援団体の主催するイベントに出席することのメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
企業側のメリット
- 就活に対する意識や情報感度の高い学生に出会える
- 自社、自社の業界、または自社の職種などに関心のある学生に効率良く出会える
- その場で学生の資質を判断し、自社にとって優秀な人材にアプローチをかけることができる
このような学生側と企業側のメリットがマッチするのは、就活支援団体が「難関ITベンチャーの特別選考会」「○○(企業名)によるワークショップ」など、誰に対してどんなイベントを開催しているのかが明確であることが挙げられるかと思います。
そのため企業と学生が、お互いに対してある程度の興味を持っている状況で出会うことができています。また、学生はこうしたイベントのほとんどに無料で参加することができます。
就活への意識が高い学生にとって就活支援団体のサービスを何らかの形で利用することは、当たり前に近づきつつあるように感じます。つまり、企業にとって学生の注目を集める優良な就活支援団体と良いパートナーシップを築くことは、新卒採用強化のために検討する価値のある項目の一つと言えるのではないでしょうか。
注目を集める4つの就活支援団体・就活支援サービス
学生から支持を集めている就活支援団体にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は4つの就活支援団体・就活支援サービスを紹介します。
1. en-courage
NPO法人en-courageの特徴として、学生が主体となって運営する支部が全国に存在することが挙げられます。
各支部は地域や、場合によっては大学単位で存在し、支部の新設など組織としての規模も年々拡大している就活支援団体の一つです。
就活を終えた内定者が主に運営メンバーとして参画するため、徹底したユーザー目線を反映することができることが最大の強みと言えるのではないでしょうか。
具体的な提供サービスの一部に、以下のものが挙げられます。
- メンター(内定者)による1:1のキャリアコンサルティング
- 学生独自のチャネルを活かした内定者座談会
- グループディスカッションなどのスキルアップセミナー
- 提携企業のイベントへの参加
- en-courage利用者限定の企業の本選考・インターンの特別選考ルート紹介
近年では多くの企業が、en-courageの持つ独自の学生へのチャネルや膨大なデータベース・利用学生の質の高さに着目しており、先日は大手メーカーやITメガベンチャーなど、業界を超えて日本有数の企業が一つの場に集い、合同でインターン選考会が行われるといったイベントも全国8箇所で開催されました。
2. Goodfind
スローガン株式会社の運営するGoodfindは「真に社会で求められる知恵の共有」をテーマに掲げ、個人や企業の挑戦を応援する「もう一つの大学」でありたいとする思いのもと、新卒就活生から転職者までに対し、スキルアップセミナーや特別選考ルートの紹介、企業からのスカウトなど様々なサービスを展開しています。
対象学生を「未来のビジネスリーダーとなるハイポテンシャルな大学生/大学院生」に限定し、掲載企業も審査があり、優良なスタートアップ、ベンチャー、グローバルカンパニー、プロフェッショナルファームのみに厳選しています。
企業にとって、優秀な学生と出会い、採用につなげるための有力なチャネルとなりうるのではないでしょうか。
3. サポーターズ
株式会社サポーターズの運営するサポーターズは、就職活動にかかる費用を企業が学生に支援することでマッチングを生み出す、日本初の「交通費がもらえる就活サイト」です。
登録学生20000人以上、年間3,000万円以上の交通費を学生に支給しており、学生がサービスを利用する際に他サイトにはない詳細なプロフィールの記入を要求するため、企業がダイレクトリクルーティングを行うことも可能にしています。
交通費支援という切り口から地方学生が抱えていた就活における機会の不平等などの課題解決の先陣を切り、企業と学生のマッチングを実現する。
サポーターズのビジョンである『カッコイイオトナ』を増やす」ため、企業と就活生の新しい関係性を構築し、就職活動の新たなあり方を生み出した就活支援サービスです。
サポーターズの取引先企業は人気IT企業を中心に200社以上のスタートアップから大企業まで様々で、勉強会や面談なども積極的に行っている他、企業は登録学生にイベントの告知などもすることができます。
4. 新卒アドベンチャーズ
新卒アドベンチャーズは広告・PR・マスコミ・デジタル業界、ベンチャー企業に特化した、新卒学生向けの就職支援サービスです。
最大の特徴として、広告業界に興味のある学生のみを対象としている点が挙げられます。人事必見!新卒採用サイト・就活情報サイトまとめ【全35サイト】/BOXILによると、65%以上の利用者が上位校の学生で、企業は高い確率で自社の業界に関心があり、且つ優秀な学生と効率良く出会うことができます。
広告業界において実績のあるプロのキャリアアドバイザーが多数在籍し、複数企業とまとめて接触できるインターンツアー、大手企業のアートディレクターによるデザイン講座など、提供するサービスも広告業界に関連して非常に充実しています。
企業採用責任者の前で学生がプレゼンでアピールし、速攻内定にもつながる「新アド★ドラフト会議」といった刷新的なイベントも多数存在し、提携企業側にとっても学生を評価する機会が多く、自社に合う人材を効果的に選別することができます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
上記の就活支援団体・サービスに共通する点として、「取引先・提携企業が学生に惜しみなくそのノウハウを提供している」ことがあげられるのではないでしょうか。
結果として「学生にとっての魅力につながり」、「学生利用者数が増え」、「採用のためにより多くの企業が着目する」ようになります。このような好循環があって、就活支援団体やそのサービスが注目されているのではないでしょうか。
採用手法を検討する際の、何かしらの参考になれば幸いです。