UTグループの新たな挑戦|「未経験者をエンジニアに」「経験者をプロフェッショナルに」 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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UTグループの新たな挑戦|「未経験者をエンジニアに」「経験者をプロフェッショナルに」

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こんにちは、HR NOTE編集部 野上です。

先日、「日本のものづくり」産業への人材派遣を主におこなっている「UTグループ株式会社」が新たに開設をしたエンジニア育成センター「UTアドバンスト・キャリアセンター(以下UTACC)」の発表会を取材させていただきました。UTグループでは技術者を正社員として雇用し、「IT・設計開発」「建設」「製造」といった分野の企業に派遣をおこなっています。

この度開設した「UTACC」では、正社員として雇用している技術者の成長機会を産み出すために作られました。本記事では今後UTグループが目指していくビジョンや、日本の産業で欠かせない「モノづくり」の分野における労働力の問題や、「UTACC」でのエンジニアの育成方法などについてご紹介していきます。

今回ご紹介するUTグループの取り組みは、AIや機械が私たちの代わりに業務をこなしていく社会を見据えた上で、ヒトの働き方や業務スキルの多様化に向けた成長を促すものになっています。このような取り組みは「ものづくり」産業だけではなく、全ての日本企業が抱える労働力不足問題に向けた対策の1つとして大事だと考えます。ぜひ経営者や人事担当者の方には「人材の成長で日本の労働力不足を補填する」というUTグループの取り組みを認識していただければ幸いでございます。

「人的資本、何から始めたら良い…?」
取り組みに向けたファーストステップを事例中心に解説!

上場企業における人的資本の情報開示が既に義務化された中、全ての企業において人的資本に関する情報開示を進めていく必要性が叫ばれ始めています。しかし、まだ具体的に何から始めたら良いかイメージできていない企業のご担当者の方も多いのではないでしょうか。本講演では、人的資本経営に関する多数の発信をおこなっているUnipos株式会社の田中氏に、「人的資本経営」に取り組むメリットや自社で実現するための方法に関してご紹介いただきます。

 ▶視聴予約はこちら:https://hrnote.jp/dx-action-summit-2023/

UTグループとは

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UTグループ株式会社 代表取締役兼CEO 若山陽一氏

1995年にエイムシーアイシーという社名で発足。創業者、現UTグループの代表である若山陽一氏は、大手人材派遣会社での勤務経験から「職を求める人」と「人を求める企業」の両者のニーズを理解し、製造分野に的を絞った人材派遣、人材請負の会社として起業をしました。資源を持たない日本の強さの源は「ものづくり」であると考え、現UTグループは日本国内の「ものづくり」産業分野の人材派遣会社のリーディングカンパニーとして走り続けています。

ここ数年での経済環境の変化や、労働派遣法の改正によって派遣社員の労働力の活用にニーズが高まってきています。そんな中で、UTグループは「はたらく力で、イキイキをつくる。」を使命として、創業から22年間で培ってきた「変動対応力」を活かしてより多くのお客様の人材に関するニーズに対して、より多くの雇用と創出をおこなっています。

また、人口の減少に伴って地方の労働力不足に対応するためにも「日本全土に仕事をつくる」というビジョンを掲げ、従来の「ものづくり」領域に加えて、農業、介護、保育といった領域にも事業の拡大を視野に入れイキイキと働ける職場を日本全土につくり上げて「日本を代表するリーディングカンパニー」を目指しています。

UTアドバンスト・キャリアセンター(UTACC)開設の狙い

UTグループがなぜ「ものづくり」産業におけるエンジニアの成長機会を産み出すための研修施設、「UTACC」を開設する流れになったのでしょうか。UTグループ株式会社 キャリア開発部門 部門長の桑原氏からUTACC開設に至った背景と狙いをご説明していただきました。

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UTグループ株式会社 上席執行役員 キャリア開発部門 部門長 桑原氏

桑原氏:厚生労働省が発表している2016年の有効求人倍率は約1.4倍でした。この水準は日本のバブル時代に匹敵するぐらいの有効求人倍率です。バブルの時代と比べると、今は少子高齢化なので、有効求人倍率の増加は今後加速していくと思っています。

企業は常に人材不足といって採用を続けていますが、企業戦略に見合うような人材が採用できてないということが「ものづくり産業」の中で現状の課題、悩みとしてお客様から耳にすることが多くなりました。原因として、産業が急速に高度化、複雑化しているので市場に必要なスキルを持った人材が需要に追いつかなくなっていることがあげられます

UTグループは派遣業界といった特性上、未経験者を中心に求職者をまず募って集めるということが出発点になっています。なので、現状のままではお客様のニーズに合わせた人材を派遣することができません。そんな中で、お客様からの満足度を高めつつ、求職者に私達のUTグループをキャリア・プラットフォームと呼んでいただくためにも、求職者のキャリア・コンサルティングに目を向ける必要があります。

求職者がスキルやスペックを身につけて、市場価値が高まっていくようなキャリアパスをつくるには教育と研修が必要不可欠になってきます。また、産業が高度化、複雑化を遂げていく中で、求職者が若い頃に身につけたスキルやスペックはすぐに陳腐化していきます。そうすると職場を乗り換えていきながら、自分の身につけたスキルやスペックを応用的にブラッシュアップを繰り返して、違うジャンルでも役に立つような価値を高めていく必要がでてきます。今までは過去に身に付けた1つのスキルやスペックでジョブチェンジができていましたが、今は時代のスピードに合わせて求職者もスキルやスペックを多様化していく必要があると考えています

求職者がこのような時代を乗り越えてお客様に対応していくためにも、スキルやスペックを高めていくプログラムを私たちのUTACCで実現しようと考えています。

UTグループは従業員のキャリア・コンサルティングを徹底的にしていきます。教育をUTACCでおこなって、現場でOJT(オン ザ ジョブ トレーニング)をする。この繰り返しによって、市場で必要十分なスキルとスペックを身につけた人材を産み出すことができるのではないかと考えています。求職者目線を忘れずに、UTグループのミッションにもあるように「はたらく力で、イキイキをつくる。」を体現できるようなプラットフォームをつくり上げるというのが、UTACCを開設した狙いになります。

「未経験者をエンジニアに」「経験者をプロフェッショナルに」UTACCの教育研修プログラム

UTACC開設の背景とビジョンが見えたところで、求職者や社員に必要なスキルとスペックを教育していく上で、どのような育成プログラムを準備しているのでしょうか。UTACCセンター長の岩田氏から顧客企業のニーズに合わせたエンジニア育成プログラムについてお話をいただきました。

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UTアドバンスト・キャリアセンター センター長 岩田氏

岩田氏:UTグループがUTACCを活用して教育・研修するエンジニアを大きく分けると3つのタイプのエンジニアがあります。

  • ソフトウェアシステムの設計開発および運用をおこなうシステムエンジニア
  • 幅広い製造業で必要とされる機械、電気系の設計製造エンジニアや組み込みソフトエンジニア
  • 設備や建物などの土木建築プロジェクトに参加して施工管理や、プロジェクト効率化のためのデータの入力をおこなう建設エンジニア

事業領域ごとに求められる専門性や知識は異なりますが、求職者の個人の能力や適正に合わせて、領域にマッチするような教育・研修を進めていきます。

UTACCの特徴は全部で3つあります。

  • エンジニア未経験の人でも、ここでの研修を通じてエンジニアのキャリアをスタートできる
  • エンジニアの経験者や現在UTグループで働いている社員のエンジニアが、さらなるキャリアのステップアップをできるような専門教育を受けられる
  • 一般の方にも申し込んでいただけるような研修や体験会がある

エンジニア未経験者向け、教育・研修プログラム

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施設内の様子

岩田氏:UTACCではエンジニア未経験の人が30日間の研修でエンジニアとしてのキャリアをスタートできるようなプログラムを実施していきます。

基礎研修として、社会人としての教育をおこなうとともに、エンジニアの共通知識を身につけるような研修をおこないます。その後、派遣先の事業会社や職種に分けて基礎的な専門知識を学んでいきます。

基礎研修はビジネスマナーだけでなく、エンジニアの基礎知識としてロジカルシンキングSWOT分析品質の基礎知識などに力を入れて研修していきます。一方的な講義ではなく、多くのグループワークをおこない、発表会を交えた活発な研修をおこないます。

また、基礎研修の後に専門知識研修をおこなっていきます。ここでは機械エンジニア向けの教育プログラムを一例としてご紹介いたします。実際のエンジニア業務で困らないように最低限の知識を身につけられるように実践的なプログラムにしています。さらに専門教育の中でもお客様から需要が高まっている、生産技術領域で活躍できる人材を育成するためにロボットの教示操作教育を中心としたロボット教育に取り組みます。ソフトウェア系、建設系でも同じような考え方で、短期間で基本的な基礎知識を実践的に身につけられるようなカリキュラムを実施しています。

エンジニア未経験の人は何がわからないのか、そのものがよくわからないという状態にあります。なので、未経験者の研修では、基礎内容の研修から専門的な研修までグループワークを非常に多用しています。講師から一方的に講義でインプットするのではなく、研修者同士がお互いに教え合い、助け合い、ときには競争し合う形で、実際に研修生が自分で何がわからないのかを把握できるように、気づきを与えるような教育・研修プログラムに仕上げています。

また、講師陣一人ひとりが研修生とかなり密接に接して、面談も何度もおこなうようにしています。それに基づいて性格や適性を見ながらアドバイス、指導をおこなっていきます。これで研修生が途中で学び方を見失うことがないような仕組みづくりをしています。

エンジニア経験者向けキャリアアップ教育・研修プログラム

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研修中の様子

岩田氏:UTグループの現行のエンジニア、あるいは経験者採用等で仲間になっていただいたメンバーがステップアップするための研修プログラムについてご紹介いたします。

まず重要な研修プログラムとして、PLMソフトウェア研修があります。PLMとは、「プロダクト・ライフサイクル・マネジメント」の略語で、製品の企画から最後の廃棄までの全体のサイクルを指します。このPLMソフトウェアを活用した教育・研修プログラムではインダストリー4.0時代に活躍できるエンジニアを創出し、さらに新たなステージに進めることができるような人材を育成することを目指しています
また、ソフトエンジニアの中でも今後活躍が期待されているインフラエンジニアの専門教育にも注力をして教育・研修プログラムを用意しています。

PLMソフトウェア研修ではシーメンス社のソフトウェアを活用して3つのプログラムを進めていきます。

  • ハイエンドの3D CAD設計ができるようになるプログラム
  • 航空機メーカーや自動車メーカーを始め多くの「ものづくり」産業で利用されている、製品ライフサイクルの全体を通したさまざまなデータを一括管理するデータベースソフトウェアを活用できるようになるプログラム
  • 工場の生産工程をPCのバーチャル空間でダイナミックに検証できるソフトウェアを操作できるようなプログラム

これらの3つのプログラムをシーメンス社のソフトウェアを駆使して教育・研修プログラムを進めていきます。

シーメンス社のソフトウェアに精通した専門家だけでなく、多彩な業界で活躍したエンジニアをUTACCの講師陣として準備をしています。なので、PLMソフトウェアの教育・研修に加えて、「ものづくり」の設計の流れなども研修・教育をおこなっていきます。実際に設計者としてものづくりをどうやっていくかということを学んで、ステップアップができるようなトレーニングプログラムを準備しています。

ここまで話したようにUTACCでの教育・研修プログラムでは「未経験者をエンジニアに」「経験者をプロフェッショナルに」ステップアップできるように進めていきます。もちろん、高度化されたスキルをどんどんキャリアアップの中で身につけていくためには、この2つの両睨みの姿勢が必要だとUTグループは考えています。

日本の経済を支えている基幹産業である「ものづくり」産業の人手不足という社会問題に対して、人材をUTACCから創出していくことがUTグループの社会的意義であると捉えて事業を進めていこうと考えています。

最後に

いかがでしたでしょうか。
資源を持たない日本における製造業の人材派遣業界のリーディングカンパニーであるUTグループの新たな取組みは、労働力不足といわれる今の時代において必要な人材の教育制度であると感じました。

働き方が多様化していく中で、1分野においてプロフェッショナルと呼ばれる人材よりも、多くの分野でパフォーマンスが発揮できる人材のニーズが多くなってきているように感じます。このUTACCでの人材のキャリアアップ、スキルアップに向けた取り組みは、製造業のみならず多くの業種に当てはめて考えることはできるのではないでしょうか。

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