こんにちは、HR NOTE編集部 野上です。
来年度の新卒内定者が決まり、徐々に入社の準備を進めている企業も増えてきているのではないでしょうか?
人事担当者はインターンシップや内定者研修などを進めていく中で、新卒社員の入社後一年以内の辞退などが急に起こらないようにフォローをおこなっていることだと思います。
面接で初めて出会った新卒の学生達に内定を出して、入社まで大事に面倒を見ることが採用担当者の仕事かと思います。そんな手塩にかけた新入社員が成長した姿を半年後や1年後に見ることができると思うと、採用の仕事というものは、なかなかやめられないものですよね。
しかしながら、新入社員は入社前に思い描いていた会社のイメージと、入社後の業務内容や、仕事に関して大きなギャップを感じているといいます。そのギャップの中には、ポジティブなギャップとネガティブなギャップの2種類があり、ネガティブなギャップを感じて入社後に早期離職してしまう新入社員も少なくありません。
今回は新卒社員が入社後に感じるギャップとその原因について調べてみました。今後の採用活動や、検収・教育の一環としてお役に立っていただければ幸いです。
目次
良くも悪くも入社後に感じたギャップとは
2016年10月25日に転職・就職のための企業をリサーチするヴォーカーズは、12万人のクチコミを対象に「良くも悪くも、入社後ギャップ」という調査結果を発表しました。
その調査結果がこちらです。
この調査結果を見ても分かるように、入社後に新入社員が感じるギャップとしてダントツで割合が高いのは「仕事内容や配属について」です。
「良くも悪くも入社後ギャップ」という調査タイトルからも分かるように、このギャップはポジティブに捉えてもいいものとネガティブに捉えなければいけないものの2つに分けることができます。
このなかで良いギャップとして上がっていた声の中には
- やりがいがあり、自分も会社も成長ができる余地がある。
- 一年目から大きなプロジェクトに携わる仕事ができた。
- 責任感が問われる仕事だけど、お客様と感動を分かち合えた。
といった、入社前にはイメージができていなかった仕事に対してやりがいを感じて働くことができており、さらに会社の魅力に当てはまったのではないかと考えられます。
それに対してネガティブなギャップのなかには、
- 配属拠点や部署に応じて将来のキャリアアップに格差がある。
- 仕事が単調すぎる。
- 先輩社員たちの働き方に温度差を感じる。
などの声がありました。
どちらにしても、つい1年前まで学生だった新入社員が、社会人になってギャップを感じていることは間違いありません。良いギャップを感じている新入社員であれば、今後も問題なく仕事に取り組んでいけるだろうと考えられます。
しかし、問題なのはネガティブなギャップを感じてしまっている新入社員が仕事に対して前向きになれていない、仕事に対するモチベーションが下がっているということです。もし早期離職になってしまえば、企業にとってもマイナスですし、やめてしまった社員にとってもマイナスになってしまいます。
新入社員がネガティブなギャップを感じてしまっている原因はどこにあるのでしょうか。
ネガティブなギャップを感じさせてしまう原因とは
入社後に「こんなはずじゃなかった」そう感じさせないために最も大事にしたいのは、新入社員が就職活動で出会って入社が決まるまでに歩んできた採用活動の場を大事にするべきだと考えます。
就職活動をしている学生達にとって、理想とする働き方や、将来自分がなりたいビジョンを描けている人はほんの一部ではないでしょうか。社会人という未知の世界に飛び込む学生達のなかには、就職活動で働きたい会社で働くことに目標をおくよりも「内定」をゲットすることに目標を設定している人が多い印象があります。
そんな学生達が初めて出会う社会人が採用担当者です。
採用活動のセミナーや面接において、良くありがちなパターンとして、学生が受身だけで終わってしまうことがあります。
採用を目の前にして緊張してしまい、聞きたいことを聞くことができずに受身に回ってしまう学生もいますし、採用担当者だけで企業の紹介をしていることから、学生が十分な情報をキャッチアップできずに社会人になってしまうこともあります。
社会人経験のない学生達に、「どのような企業で働きたいか、数年後にはどうなりたいか」ということだけを聞くことはあまりおすすめできる採用方法ではないかもしれません。
社会人という言葉に対して無知である学生達は採用担当者が発する言葉や内容がその企業のすべてを語っているのではないかと捉えてしまうこともあるでしょう。これがネガティブなギャップを生み出す一番大きな原因だと考えます。
採用担当者からすると「いい会社だ」ということを前面に押し出そうとしますが、それが過剰なアピールとなってしまうと、社会人を知らない学生達は鵜呑みにしてしまい、入社後に働くと「こんなはずじゃなかった」「こんな会社だと聞いてなかった」というギャップが生じてしまいます。
ギャップを生み出さないためにできること
では、入社後に感じるネガティブなギャップを生み出さないためにはどのような取り組みをおこなえばよいのでしょうか。
採用活動時における学生との関わり方が大事になってきます。
会社のありのままを見せる
説明会やセミナーで伝える企業の情報や社風などをすべてさらけ出すようにしましょう。学生達が企業の雰囲気や社員の表情を読み取ることができるような場を準備しましょう。たとえば、貸し会議室などを使わずに、社内のスペースを利用して採用活動をおこなうなども、一つのやり方としてありかもしれません。社内やリアルに働く社員をリアルに見ることができれば、学生達もイメージを掴みやすくなるでしょう。
現場社員の声を伝える
採用担当者だけではなく、現場で働く社員の声をたくさん聞かせるようにしましょう。「成長できる」、「すぐに昇格ができる」といったキレイな話だけではなく、もう少しリアルに踏み込んだ話(たとえば、「泥臭くやり続けることが大事」、「失敗を恐れずに挑戦し続けることができる」)などをするほうがいいでしょう。
また、活躍している社員だけではなく、なるべく多くの社員達との接点を持てる機会をつくることで、企業に対してのイメージが掴みやすくなると思います。
説明会や、セミナーだけでなく、座談会や、飲み会などを企画して学生達との交流を増やすことができると思います。その交流が学生達にとって親近感が沸くものであれば、社員のイメージや、自分がなりたい社会人像を掴むことができるでしょう。
内定者にインターンシップ等で、入社前に企業を体験してもらう。
実際に職業体験を学生にしてもらうことが一番イメージを掴んでもらうことができる方法ではないでしょうか。
よくインターンシップとして耳にするのが、学生達だけを集めて休日に開催するものです。そのようなインターンシップではなく、オフィスの中で、アルバイトのような形で職場体験をおこなうようにしましょう。実際の仕事を体験することができるうえに、先輩社員が働く姿を目にすることで、入社後のギャップを少なくすることができることに間違いはないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新入社員が感じる入社後のネガティブなギャップを埋めることが、離職率の改善や、企業の成長につながっていくと思います。
企業の成長と、社員の成長の両方が重要視されている中で、社員がギャップを抱えて悩んでいる姿は、採用においてミスマッチがあったといっても過言ではないと思います。
私がHR NOTEの担当者になり、人事担当者や採用担当者と話をする機会が増えてきました。そのなかで多くの担当者は、就職活動をしている学生達との関係性をどれだけ深く構築できるかが重要だといいます。その理由として、学生達が持つ一人ひとりの価値観を理解することができ、学生も企業の価値観や理念、そして社員から生の声を聞きだすことができるのだといいます。
そんななかで、相思相愛できる関係の社員を選ぶことができれば社員が入社してから感じるネガティブなギャップを減らすことにつながるのかも知れません。
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