社内不倫が発覚した人はクビになってしまうのか? | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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社内不倫が発覚した人はクビになってしまうのか?

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※本記事は、社会保険労務士の松永大輝さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

こんにちは!社会保険労務士 有資格者の松永 大輝です。

昨今さまざまなところで話題となっている『不倫』。会社勤めの方だと、『社内不倫』という言葉も耳にする話かもしれません。

社内不倫の際、たいていはどちらかが職場に居辛くなって退職していくものですが、そもそも社内での不倫が発覚した場合、不倫をしていた社員は解雇(クビ)になってしまうのか

今回の記事ではこの可否について考えていきたいと思います。

例:妻と子供がいる営業課長(40歳)が部下(27歳)と不倫関係にあることが発覚した場合

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就業規則に懲戒の根拠があるか?

まず確認すべきなのは、双方を懲戒処分にすることができるかどうかです。

大前提として、懲戒解雇などの処分を会社が社員に下す際には「就業規則」に根拠があることが必要になります。

多くの企業では就業規則を見たときに、恐らく以下のような内容が記載されているはずですのでまずはこの有無を確認しましょう。

例.就業規則第〇条(懲戒解雇)
職権・職責など立場を利用して性的な強要をしたとき。または他の社員の業務に支障を与えるような性的行為をしかけるなど、社内秩序または風紀を乱したとき。

クビはやりすぎではないか?

就業規則に上記のような記載があったとして、実際にクビとなるかどうかは少し考えものです。

仮にクビにされた社員が解雇無効の裁判を起こした場合、争点となるのは「クビにしなければならないほど、会社に悪影響や損害があったのか?」という点です。

不倫発覚がきっかけで取引先を何社も失ってしまったというなら話は別ですが、少し職場の雰囲気が悪くなったからという理由だけでクビとなると、裁判になった場合は会社側が負けてしまう(解雇が無効とされる)ことが多いでしょう。

それだけ日本は社員を解雇するのが難しい国ですからね。

クビ以外の処分が現実的

とはいえ、不倫の当事者達は何のお咎めも無しなのかというと、そういう訳にもいきませんよね。そこで、現実的には以下のような処分方法を検討するといいでしょう。

  • 口頭や文書で注意した上で、二度と再び不倫関係を持たないように指導する
  • クビではなく、減給や出勤停止など少し軽めの処分で済ませる
  • 営業部の業務に支障をきたすようであれば、どちらかの異動を検討する

まとめ:社内不倫だけでクビにするのは厳しすぎる

以上、社内不倫について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

繰り返しになりますが、社内不倫があったという事実だけをもってしてクビとなるのは法的には難しい(裁判になったら会社側が負ける可能性大)かと思います。上記でご紹介したような別の手段での処分を検討されるのが無難といえるでしょう。

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