企業に属している限りは出世したり、たくさん給与もらったりできるような自身のキャリアプランのために、一生懸命仕事をがんばる人がほとんどだと思います。もちろん頑張って結果を出せば、上司の評価も上がり、出世に近づけると思いますよね。
しかし蓋を開けてみれば「自分より結果を出していないような人が先に出世してしまった」なんていう話も耳にしたりします。「せっかく頑張って結果を出したのになぜ出世できないんだ」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、業績がそこそこでも出世できる人がいるのはなぜか、紹介していきたいと思います。
評価基準はそもそも1つではない?
人事制度の評価基準には2パターンあって、一般社員層(平社員、主任、係長)向けの評価基準と管理職層(課長以上)向けの評価基準という分け方があります。これらの評価基準が異なるために、営業成績が上位で上司から評価をされているのになかなか出世ができなかったり、営業成績が良くないのに出世ができたりするのです。
この2パターンの一般社員層向けの人事制度の評価基準を『卒業基準』といい、管理職層向けを『入学基準』とよぶことがあります。
一般社員層ではある程度のことができるようになれば次のステップに昇給昇格ができることが多いですよね。
この考え方を小・中学校の教育制度に置き換えてみて、小学校の教育課程を仕事の評価基準とすれば必然と卒業をして公立の中学校へ自動的に入学できますよね。この考え方を『卒業基準』といいます。
『卒業基準』と比べてみると、管理職へステップアップをするには、周囲を動かす、お金などの管理業務を安心して任せられるなど、ある一定の基準を満たしていないと昇給昇格が難しくなってきます。
中学校から高校へ進学するときには、入学試験を受けてそこで勉強するにふさわしい学力があるかどうかを判断し、入学基準を満たしていなければ進学することができませんでした。
管理職層向けの昇給昇格の評価制度がこれと同じことがいえます。だれもがキャリアアップができるわけではなく、一定の基準を満たさなければ先に進むことができません。こういった考え方から、管理職層向けの評価基準を『入学基準』といいます。
平社員から主任、係長までなるにはある程度の業務をこなすことができていれば『卒業基準』によって誰でも昇給・昇格することができるかもしれません。しかし、課長からの管理職になるためには、部下を動かしたり、お金の管理をおこなったりなど、今までしていた業務とは全く別の仕事になります。
『入学基準』での評価がされるので、だれでも管理職へ昇格ができるわけではありません。高い業績を出していても、独りよがりであったり、管理業務を疎かにしている従業員は出世できない可能性があります。
このような2パターンの人事評価制度によって私達は評価されているため、たとえ業績が高くても出世ができず、逆にがそこまで突き抜けた業績ではないのに管理職層に昇格できたりするといったことが起こります。
出世できる人の4つの特徴
上でも説明をしたように、『卒業基準』と『入学基準』をもとに私達は評価をしたり、評価をされたりしています。上司からの評価がイマイチでも、輝かしい営業成績ではなかったり、『卒業基準』としては秀でたものではないのに出世ができる人にはどのような特徴があるのでしょうか。『入学基準』を満たす人が持っている特徴を4つまとめてみました。
一つの組織の中で特に得意分野を持っていないとなかなか役に立つことができません。しかし、他の誰よりも秀でている部分があればその分野においてはしっかりと向き合うことができます。そのような人はとても頼りがいがありますので、管理職としてしっかり役割を果たすことができると思います。
ある企業では役員の採用基準に「役員らしい態度や振る舞いをおこなえるか」という基準が設けられています。どれだけ仕事ができて、管理もできていたとしても、すごく物腰低く声も小さいような人だと役員としての威厳を保てないことから低い評価を付けられてしまします。
見かけだけでもいいので堂々と振る舞い、相手をしっかり見てハキハキ話すことで、役員としての威厳を保つことができますので意識してみましょう。ときには「根拠のない自信」を持って行動したり発言してみることもいいでしょう。
しかし、注意しておきたいのは屁理屈ばかりで傲慢な態度をとっていると、それはただの嫌な上司となってしまいますので気を付けてください。
素直な性格とは仕事をする上でとても重要なことです。素直とは相手の話をしっかりと受け入れ、分からない所はちゃんと質問することです。わからないことを聞くことは当たり前かもしれませんが、分からないという事が恥ずかしいと思ってなかなか聞けません。それができれば個人としても組織としても成長できるでしょう。つまり素直な性格とは将来性が期待されるということです。
ある目標があり、それに向けてなにをするかを考える論理的思考力は管理職として必要な能力の一つです。問題解決に対して一つの道筋だけでなくいくつかの道筋を考える事で論理的思考のトレーニングになります。またすべての事柄に対して疑問を抱く習慣をつけることで考える力が成長しますので是非心がけましょう。
最後に
今まで「どうしてあの人が昇進しているんだ?」と思っていた人も少しは納得いただけたのではないでしょうか?やはり出世をするには只々仕事をしているだけではいけませんし、結果を出すことばかりを考えていてはいけません。もちろん目の前の結果も大事ですが、結果を出すための道筋をしっかり考えること、その過程でわからないことをしっかり聞く事が出世への近道なのではないかと思います。
自分の結果しか出せない管理職よりも、部下の力を最大限に発揮させることができる、マネジメント能力がある管理職のほうが企業には必要なはずではないでしょうか。今まで結果ばかりに意識を置いていた人も少し違う視点で仕事に臨んでみてはいかがでしょうか。