「自分の仲間は自分で見つけてくる」リファラル採用の文化を創るための挑戦 |HR NOTE

「自分の仲間は自分で見つけてくる」リファラル採用の文化を創るための挑戦 |HR NOTE

「自分の仲間は自分で見つけてくる」リファラル採用の文化を創るための挑戦

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

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採用において、リファラルリクルーティングやダイレクトリクルーティングという言葉をよく聞くようになりましたが、実際に自社で取り入れて運用していくことは多大な労力を費やすものかと思います。

今回は、サイバーエージェントでゲーム事業に携わる子会社11社のリファラル、ダイレクトリクルーティングに携わっている、吉田 千夏(よしだ ちなつ)氏にインタビューの機会をいただき、実際の取り組み内容に関してお伺いさせていただきました。

吉田氏はゼロからリファラル、ダイレクトリクルーティングの仕組みを創り上げ、今も社内に文化として根付かせるために奮闘されております。

図1

株式会社サイバーエージェント 吉田 千夏

ゲーム開発会社を経て、2015年4月にゲーム事業のクリエイター横断組織「Creators Clan」の立ち上げのため、サイバーエージェントに入社。 2016年2月にSGE(Smartphone Games&Entertainmant)統括本部に異動し、採用を担当。

ニッチなスキルや経験を持っている人を見つけて採用につなげていく

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-サイバーエージェントで採用に携わり始めたのはいつぐらいからですか。

吉田氏:採用は1年ぐらい前からです。前職では営業職でした。「Creators Clan(クリエイターズクラン)」というゲーム事業に携わるクリエイターが所属する横断組織がサイバーエージェントにあるのですが、そこの立ち上げを一緒にしないかと誘われたのがきっかけです。

立ち上げを行っていく中で、採用が一番過去の実績も踏まえ力を発揮できたところでしたので、採用ばかりやっていました。クリエイターの採用をしていると、エンジニアやプランナーなど、クリエイター以外の採用にも携わる機会が増えてきて、「そちらも一緒にやろう」ということで、Creators Clanから、「SGE(Smartphone Games & Entertainment)統括本部」という名の部署に行くことになり、そこでも採用を続けています。「SGE」というのは、サイバーエージェントのゲーム事業に携わる子会社11社が所属する組織です。

-SGE統括本部の中での吉田さんの役割を教えてください。

吉田氏:SGEにはアプリボットやサムザップといった子会社が所属していて、各社それぞれに人事がいます。そこでも採用はしているのですが、私は、各社を横断してリファラルリクルーティングやダイレクトリクルーティングを中心に採用を行っています。ニッチなスキルや経験を持っている人を見つけて採用していくことがミッションです。

リファラルリクルーティングの可能性を追求し、成功体験を積み重ね、横展開へ

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-実際に取り組まれている採用での動きなど教えていただけますでしょうか。

吉田氏:基本的に「これをしてね」と言われて動くことがなく、良さそうと思ったことに対してアクションを起こし、成功したら、横へ展開していく動きをしています。例えばリファラルリクルーティングで私が行った取り組みは、「つながり会」です。

社員に「友人を紹介してください」と言っても、採用担当でない限り、本業は別にあるので、協力的な方でも「採用担当が望んでいるほど来ない」というのが正直なところです。また、協力してほしい方が忙しくてなかなか対応できないこともあります。

それならばと、ミーティングルームに社員を集めて、「今、SGEの中で採用に関してこういう課題があります。なので、みなさんの力をお借りしたいです。誰かいないですかね」とその場でSNSを見てもらい、「一緒に働きたい」「この人は弊社にあっている」と少しでも頭の中で思い浮かんだ方を教えてもらうよう動きました。強制的に時間をいただいて、その場でアクションを取ってもらう。これが「つながり会」です。

実際に時間を確保して人探しに取り組んでもらうと、「実はこの人よさそうでした」というように、今まで顕在化していなかった自社の採用ニーズに当てはまる人が多く出てきます。また取り組んでみてわかったことは、「採用担当が思っている以上に、どこまで人を誘っていいのかが伝わっていなかった」ということがありました。

「この人は自社に合っているが、転職する気はなさそうなのでタイミングが違うと思う」など、採用担当としては何がきっかけで転職を考えるのか、どのタイミングで考えるかはわからないので声はかけてほしいのですが、そういった認識の違いもありました。ただ、そのようなズレも、一緒に時間を共有して、話をして、時には定型文、オリジナル文章も一緒につくり、リファラルリクルーティングを一緒に寄り添って行っていくことでなくなっていきました

-その中で特に意識されたことなどございますか。

吉田氏:誰を「つながり会」に呼ぶのかは、かなり細かく考えて行動していました。プロジェクトに人が足りていないなど、採用に課題感を持っている人であったり、社員の出身大学ごとに分けて呼んだりしました。

また、リファラルリクルーティングで「人を紹介する」という動きが社員からするとハードルが高いのでは?と感じたので、社員の方が紹介してくれた人だけを集めた自社イベントを実施し、まずはそこに誘ってもらいました。

すぐに採用に乗り出すのではなく、まずはしっかりとどういう会社なのかを知ってもらうこと、魅力を伝えることを行う。その結果、興味を持ってくれたら社員も動きやすいですし、そのプロセスなら社員の心理的ハードルもかなり下がるのではと考えました。

-そのほか、工夫されたことはありますか?

吉田氏:リファラルリクルーティングを行う上で「いかに社員を巻き込んでいくのか」が課題となったことがありました。そこでシンプルに「採用に協力的な人を中心にチームを作って、その人たちと一緒に社員を巻き込んでみてはどうか」と思い、クリエイターの特別採用チームをSGE内で作りました。

各社から1人くらいずつ、採用に興味があったり、採用・組織体制に課題を感じていたりする現場の方々を巻き込んでチームを作って、まずはその採用チームのメンバーの知り合いをイベントに誘ってもらったり、メンバーがハブになって各子会社内に声かけをしてもらったりしていました。チームメンバーのおかげで上手く社員を巻き込めていけたと思います。とりあえずやってみることで成果が出たときは、小さいことでも嬉しいですね。

ミッションに対して様々な方からアイデアをもらって形にしてみて、うまくいった事例が出れば、それが何故うまくいったのかを考え、他グループ企業にも横に展開していきます。今も様々な事柄にトライ&エラーして動いていますが、リファラルリクルーティングだけでもまだまだ奥深く、その可能性をもっと広げていけると思っています。

「自分の仲間は自分で見つけてくる」という、カルチャーを根付かせる

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-これからどういうことを行っていきたいなど、ございますか。

吉田氏:今、「先駆者のいない自由に動かせてもらえるいい環境」にいると思っています。形があったら、それに頼ってしまっていたかもしれません。でも、今採用市場自体がいろいろと変わってきている中で、0から形を作っていかなければならない環境にいれて良かったと思っています。変にとらわれることがなく、常に自社に最適な採用方法を見直して前に進んでいければと思っています。また、良いものを文化として根付かせていくことができることは担当者としては嬉しいものです。

現時点ではリファラルリクルーティングの文化を創りたいと思っていて、「自分の仲間は自分で見つけてくる」というような文化を根付かせられたらいいなと思っています。人事は本当に人の人生を扱っている仕事だと感じているので、入社してもらうことではなく、その人自身が幸せになってもらうことが1番だと思っています。採用した方が、入社してよかったと感じてもらえ、活躍する姿を見ることができるのが本当に嬉しいです。

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