こんにちは、HR NOTE編集長の根本です。
今回は、面白法人カヤックの「ブレスト(ブレインストーミング)方法」と、そのメソッドが凝縮された『ブレストカード』についてご紹介。
カヤックが生み出すユニークな企画の数々は、すべてがブレストから生まれており、ときには経営会議の議題ですらもブレストで解決するというくらい、ブレストを普段から活用しているとのこと。
そんなカヤックのブレスト発想法・ノウハウをカードゲームにしたものが『ブレストカード』です。
本記事では、カヤックが実践するブレストとはどのようなものなのか。また、そのノウハウが体感できる『ブレストカード』の使い方とその効果について、以下の三名の方にお話を聞いてきました。
八木原 泰斗(やぎはら たいと)| 面白法人カヤック 企画部・人事部
慶應義塾大学経済学部卒業。「文化をつくる」をテーマに戦略・コンセプト立案や商品開発、R&D領域を得意とする。ブレストのファシリテーションで右に出る者はいない。最近はサッカー分野・教育分野に注力している。見た目はチンピラ、第一印象は最悪。仕事は頭脳明晰、第二印象は最高。代表作は「ベビーバスケ」「ブレストカード」他。
氏田 雄介(うじた ゆうすけ)| 面白法人カヤック 企画部・人事部
1989(平成元)年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。2017年4月に、あたりまえのことを詩的な文体でつづった『あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ』(講談社)を刊行。最新作は、「ツッコミかるた」と書籍『54字の物語』。Twitter:@ujiqn
神谷 俊(かみや しゅん) | 面白法人カヤック 社外人事部
面白法人カヤックに棲むエスノグラファー。面白法人の文化や生態系を観察しつつ、静かにアドバイスを残して帰る人。カヤックに馴染み過ぎず、離れすぎず、その距離感に人一倍こだわっているがゆえに「カヤックの社員なんですか?」という質問が一番困る。『ブレストカード』などの同社のコンテンツ企画や人事企画に携わる。
目次
カヤックのブレストで重要なのは「質より量」と「乗っかること」
今日はよろしくお願いします。まずは、カヤックさんがどのようにブレストをおこなっているのか、その内容をお聞かせください。
ブレストでは、大事にしているポイントが2つあって、「とにかく質より量」と「誰かのアイデアに乗っかる」ということです。カヤックではみんな、この2つを骨の髄までたたきこまれています。
また、「否定をしない、肯定をする」ということも徹底しており、誰が何を言っても「いいね!」と乗っかってくれます。
ブレストはどういったときにするのですか?
何に対しても「まずブレストやろう」となりますね。
企画を考えるときはもちろんですが、経営会議などシビアになりがちな場面で難しい議題に直面したときも「とりあえずブレストしよう!」となります。
それによって、「この打ち手が効きそうだ!」「こういうやり方で問題をクリアできそうだ!」などと、一見ブレストと無縁のような経営数字も、ブレストを通して解決に結びつけていきます。
短いときは、電車で移動中の10分でブレストしているときもありますね。
カヤックは、面接官と求職者のコミュニケーションもブレストっぽくなっていますね。
経営会議などのピリッとした空気感の会議だと、「ブレストしよう」となってもみんな黙ってしまいませんか?
黙ってしまうことはないですね。黙ってしまう心理の背景には「否定をされるかもしれない」とか「完璧な意見を言わなきゃいけない」などという空気が蔓延しているからだと思います。
私たちは前提としてそういう空気をつくらない。「とにかく量を出す」「何を言っても拾ってくれる」というある種の承認や安心感をつくっているので、黙ってしまう人がいません。
そういった空気づくりは非常に重要なポイントですね!
カヤックの会議や合宿に参加する中で、「あれ?カヤックのブレストって普通の企業と違うぞ」ということに気づいたんです。
一つ目は「ブレストの日常化」。ブレストが日常会話のコミュニケーションのひとつになっていることです。ブレストやるぞと意気込んだりしない。日常の中でアイデアを出し合うコミュニケーションや対人関係の型が備わっている。
二つ目は「エゴの融合」。個人の我(が)が溶け合って滑らかになっている。アイデアを自分のものにしようと、エゴイズムが露出してしまうケースはありませんか?
例えば、「これ俺のアイデア」という具合にアイデアに所有格を持たせて自分のものにしようとする。あるいは、いつまでも自分のアイデアに固執して、ブレストが途中から「説得」になってたりとか。また、「○○さんが言った意見に対し僕は賛成です」と、いちいち主語に個人名が登場するとか。
カヤックでは、「誰が」という部分に固執することは決してなく、ポンポン意見を言ってアイデアが膨らんでいく。アイデアに主体がある。それは1つ特徴的なところだと思っています。
カヤックは、「自分 対 会社」「自分 対 社会」という枠組みではなく、「私たち(面白法人カヤック) 対 社会」という枠組みで考えている人が多いと思いますね。
これは、「全員が対等でフラットである」という、カヤックの組織文化とすごく紐付いていると思います。なので、あまり「俺が、俺が」とはなりませんね。
最近思ったのは、自分が一人で考えたアイデアよりも、みんなでブレストして膨らんだアイデアのほうが自信が持てるので、最終的にいいアウトプットにつながるんです。同じアイデアでも、それまでの工程の違いで変わってくるなと気づきました。
チームが個人の自信を引き出すというのは面白いですね。あとは、カヤックのブレストですごいのは、「真面目な路線」と「ふざけた路線」の調和がうまい。
個人的には「外し」と「結び」という表現を使っているのですが、これらが調和しないと面白さは発生しないと思っていて。お笑いのボケとツッコミのような。
一般企業だと、やたらツッコミは激しいんだけど、ボケるのが下手だったりしませんか。この「外し」をちゃんとできるのがカヤックのブレスト。ふざけた意見もばんばん出てきます。
「外し」があると脱線しやすくなると思うのですが、そこはちゃんと戻せるのでしょうか?
そこもしっかりと「拾う」んです。例えば、下ネタを言われても「そういう切り口あるかも」といった感じで一回拾う。無理やり拾って乗っかってアイデアにつなげていく。
ここが神谷さんの言う「結び」になると思います。
みんな「乗っかる」のが好きで、誰かが言ったことにさらに継ぎ足していって面白い空気ができてくるんです。
「乗っかり」は、カヤックのブレストの最大の特徴だと思います。
カヤックのブレストは、参加者同士の掛け合いが非常に多い。彼らのコミュニケーションを矢印で可視化してみると、全ての参加者メンバーが満遍なくブレストに絡んでいるのが分かる。蜘蛛の巣のように放射状にコミュニケーションが編みこまれていて複雑性が高いんです。
他の企業のブレストは、メンバー同士のやり取りが少ないんですよね。ブレストを仕切る1人と個々の参加メンバーの間でのやりとりが比較的多めです。カヤックのブレストは参加メンバー間の横の線が非常に多いイメージです。
このメンバー間の「乗っかり」はブレストの研究では、類推(アナロジー)を生みやすいと言われてます。
例えば人の言った意見から類推して何かを言ったりすると、新しいアイデアが生まれやすくなりますよね。ブレストにおいて、参加メンバー間のコラボレーションをいかに起こすかが重要なんですよね。
【カヤックのブレストの特徴】
- とにかく質より量
- とにかく拾って乗っかる
- 否定をしない、肯定をする
- 心理的安全性ができているため、黙らない
- ブレストが日常会話化している
- 自分のアイデアに固執しない
- 「真面目な路線」と「ふざけた路線」の調和がうまい
カヤックの『ブレストカード』とは?
ここからは、カヤックさんがつくった『ブレストカード』に関してお伺いしていきたいと思います。
『ブレストカード』は、カヤックのブレストノウハウを凝縮した内容になっています。
あるとき、ふと「カヤックのブレストには付加価値があって、それを求めている人は多いのではないか?」という仮説と「企業文化に値段を付けて売ることができるかも?」という挑戦からこのカードが生まれました。
ベースには「アイデアいっぱいの人は深刻化しない」「ブレストをおこなう文化が形成できれば組織がもっと活性化する」という考えがあり、仕事で行き詰まって「どうしていいかわからない」となったときに、視点を変えて多くのアイデアを出してみると、心に余裕が生まれ、意外なところから解決方法が見つかるものです。
そういったことをカヤックのブレストとして多くの方に伝えたくて、いろいろ考えた結果、カードにして広めていこうとなったんです。
具体的には、『ブレストカード』を通して、以下の3つのステップを踏んでもらいます。
- アイスブレイク
どんな発言でも否定されない、承認されるという空気をつくる。 - 量を出す
とにかくたくさんの量を出すことをゲーム中におこなう。 - 乗っかり
「どう乗っかっていくか」を意識する。ゲーム中はとにかく乗っかるようにする。
カードの中身はどのようなものですか?
まず、カードは100枚あってデフォルトで使えるのが90枚。残りの10枚は白紙で、シールを張ったり文字を書いたりアレンジできるようになっています。
この90枚にはさまざまなイラストが書いてあるのですが、カード1枚1枚それぞれにアイデア出しのメソッドが2、3種類ずつ詰まっています。カヤックがブレストする時にどういった切り口からアイデアを出しているのか、も参考にしながらつくっています。
いろんな捉え方ができるようにわざと抽象的なイラストにしています。
例えば財布のイラストであれば、「お金持ち」「高価な」という発想が出てきたり、あとは「もしお金がなかったら」という切り口ができたりします。
犬が吠えている絵のカードであれば、「ペット」と捉えてもいいし「うるさい」と捉えてもいい。パラソルが描かれているカードだと、「夏」はもちろん「雲」「砂」「海」という捉え方もできます。
さまざまなアイデア出しのメソッドに則って、多くのことを想起させる仕掛けが1枚1枚に設定されています。
ちなみに、「アイデアが一番でる色」ということで、カードは黄色にしています。カードごとの配色にも結構こだわってつくっています。
たしかに黄色はわくわくする色ではありますね。プレイする人数に決まりはあるのですか?
決まっています。最初は1人からでもできますが、推奨は4~7名としています。
1つのお題に対してグループで会話するときの限界の人数が6名と言われており、プレイヤーは6名以下を推奨しています。そこにファシリテーターを1名加えたMAX7名まで参加できます。
4名の場合はプレイヤー3名でファシリテーター1名でもいいですし、ファシリテーターがプレイヤーを兼ねてもOKです。
実際にやってみた
実際にどうやるのか、実演をお願いしてもいいですか?
では、早速やってみましょう。
まずはアイスブレイクです。山札から2枚引いて、2枚の絵から「昨日夢で見た出来事」を語っていただきます。これをカードめくってから10秒以内にやってもらいます。
例として一回やってみます。
「昨日見た夢は、ドラ○もんに会ってスモールライトで小さくされたり、ビックライトで大きくされたり、混乱する夢でした」
こんな感じです。
別に面白いことを言おうとせずに、見たままを伝えればOKです。ポイントは、夢の話なので、何を言ってもいかようにでもなるところです。何を言っても間違いはないのです。
それでは、実際にみんなでやってみましょう。
アイスブレイクのやりとり
根本がやってみた
「昨日、森に行ってひたすらに木を燃やして、山火事を起こしまくる夢をみました」
・・・。根本さん、何か溜まってるんでしょうね。
何かの案件が炎上しているのかもしれませんね・・・。
発言した人がどんなことを言っても、周囲はとりあえず何かコメントをします。発言を通して、乗っかる側もコンディションを整えていきます。
氏田さんがやってみた
「実は自宅がロケットだった夢をみたんです。ちょっと家賃高いなと思っていたんだよね」
結構高い保険も入ってるんだろうね。その家、火災保険だけじゃ済まないよね。
管理費も高そう。契約更新とか慎重にしたほうがいいですよ。
みなさんコメントの返しが絶妙ですね。
このようにアイスブレイクを通して「なんでも話していいんだな」という空気をつくります。
お題を決めてブレストゲームをしてみた
次はいよいよ本題として、実際にお題を決めて何についてブレストするか決めます。
今日は折角なので、お題は「HR NOTEで今までにない新しい記事を考える」にしてみましょう。今回は5名でプレイしましょう。私はプレイヤー兼ファシリテーターをします。
【プレイヤー】
- 八木原さん(ファシリテーターも兼任)
- 氏田さん
- 神谷さん
- 根本
- 野上(HR NOTE編集部/今日はカメラマン)
ルールは、順番に山札から1枚ずつカードをめくり、そのカードのイラストをヒントに連想した新しい記事について考えて発表してもらいます。
その前に、「乗っかりチップ」を配ります。チップはこの次の「乗っかりフェーズ」で大事になってきます。
先に説明しておくと、誰かが言ったアイデアに自分のチップをBETして、そのアイデアに「私はこんなアイデアを追加します」と言うことができます。
つまり、自分が乗っかるためにはみんなのアイデアを聞いておく必要があり、傾聴性が高まります。こういうことが大事だったりします。
では、はじめていきましょう。カードをめくったら30秒以内に何かしらアイデアをします。
根本がカードを引いてみた
「飛行機に乗ってスカイダイビングしながら記事を書いてみようと思います。何か生まれるかもしれません」
書き方に注目した感じですね。書いている様子が記事になるんでしょうね。
ネタにもなりそうですね。あ、怖そうな人事部長にスカイダイビングさせたらどんな反応するのか見てみたいですね。飛行機から落とす。
人事部長を片っ端から落としてみるとか。
それ、ものすごくPV伸びそうです。笑
その分、予算もめちゃくちゃかかりそうですけどね。
このように誰かが何か一つ言うたびに乗っかっていきます。このような空気ができてくると最終的にカードを使わなくてもブレストができるようになります
野上がカードを引いてみた
「水族館の人事部長にインタビューするのですが、一切人物は出さずにすべて魚の写真だけで記事にしようと思います」
顔が出せないインタビューを魚で表現するのはいいかもしれないですね。顔出しNGの人は魚にする。
ブラック企業で働く方をマグロに例えて、「働き続けないと死にます」みたいな。
ものすごくシュールな記事になりそうですね。
神谷さんがカードを引いてみた
「♡」ですね。恋愛記事を書いてみる。「○○社の人事担当に恋をしてみた」という記事。人事の人間性に恋目線で注目。
僕ら(取材者)は、まず恋をするところからはじめる感じですね。ラブレターを持っていくところからスタートして、その成り行きを通して人事担当者のスキルを見ると。
それ面白そうですね。採用と恋愛は一緒だと言いますしね。
まずは、Pairs(ペアーズ)やTinder(ティンダー)から人事を探しましょう。僕、早速やりますよ!笑
八木原さんがカードを引いてみた
「透明人間ということで、架空の記事をつくる。実在しない人事の話みたいな。理想系を語ってもいいし、“こんなのあったら嫌だ”を語ってもいい。うそだけど本当っぽくってザワザワする感じで」
普段言いたくても言えないことを、その架空の人事に語ってもらいましょう。
架空の人事が、「働き方改革とか、すげぇ面倒なんだけど」「残業時間減らしてくれとか、俺にいうなよ」とか人事の不満をぶちまける。そういう記事は読みたい。
氏田さんがカードを引いてみた
「人事が面接に自分の子どもをつれてきて一緒に面接する。“ほっこりする親子面接をやってみた”とか。絵面的にもいいかも」
反対に“求職者が子どもを連れてきたら人事はどういう反応するのか”とか。
「逆・三者面談」ですね。求職者側が子どもを連れてくることで、人事は何を見るのか。見極める観点が変わるのか。
人事の子どもにも面接官として参加してもらい、親子で感じた違いを語るのも面白そうですね。
このような感じで、まずは量をたくさん出していきます。今やっていて、なんか乗っかりたくなっちゃいませんでした?
たしかに、乗っかりたくなりましたね。
アイスブレイクやこうしたゲームを通じて「乗っかり」の感覚が醸成されていきます。誰かのアイデアに乗っかっていくと、もっと議論が飛躍していく。こういう心の変化をゲームを通じて促していきます。
一通りアイデアを出した後は「乗っかりフェーズ」へ
一通りアイデアを出した後は「乗っかりフェーズ」となり、先ほどの「乗っかりチップ」をBETするわけですね。
そうです。一応、ルールとしては自分以外のどのアイデアにBETするかを決め、「せーの」で誰かのアイデアにBETします。
そこから一人ずつBETしたアイデアに乗っかっていき、最終的にはファシリテーターがどれが良かったかをジャッジするという流れになります。
では、みなさん自分以外のカードでどれに乗っかるかを決めてください。「せーの」の掛け声でそのカードにBETします。
「ではいきますよ、せーの!」どん!!
では、それぞれの乗っかりを聞いていきましょうか。
僕は透明人間のカード「架空人事」のアイデアにBETしました。
みんなが言いたくても言えない、“人事の不満あるある”を架空のブラック人事さんにぶちまけて欲しいですね。
「面接で有給や残業時間のことばっかり聞くけど働く気あるのかよ!」「人事評価に不満があるならお前つくれよ!」「このタイミングで内定辞退かよ!」など、人事業務におけるあらゆる叫びを記事にしてみたいですね。キレイごとは一切不要です。
良くも悪くも話題になりそうですね。
僕も「架空人事」にBETしました。架空だから好き勝手言っても問題ないと思うんで、ダメ人事にインタビューして好き放題にダメな持論を語ってもらう。
気づかせるきっかけにもなりますね。妄想だから許されるという免罪符的なものを使って。
僕は神谷さんの「恋愛記事」にBETしました。
人事の方の「会社として欲しい人材」と「その人の個人的な好きな人材」の要素を並べて、「ここは違うけど、ここは一緒なんだ」と比較するのが面白そうだと思いました。
私も神谷さんにBETしました。
「好きになった人事がいる会社に本当に入りたくなるのか?」みたいな、検証コンテンツをつくれたら面白いかなと思っています。
「その会社の人事を好きになったら、その会社との相性はいいのか?」など、フィールドワークを織り交ぜてやってみるとかもありですね。その人が本当に活躍していくのかという部分まで追っていきます。
僕は「スカイダイビング」にBETしました。
「働き方改革」「女性の活躍」「ダイバーシティ」など、人事はいろいろ仕事が増えてきて負担が大きくなっていると感じています。
そんな中で、人事の権限や社内でのパワーを強くする必要があると思っていて、そのためにまずはキャラを濃くする「儀式」が必要だなと思っているんですよ。
そこで、全然さえない人事担当者が飛行機に乗ってスカイダイビングをすると。そして、その最中で会社に対する想いや要望を叫び、それを記事にしてもらうとキャラ立ちすると思うんです。会社に帰ってきたら勇者。しかも、「あそこまでやったんだから言うこと聞いてやろう」とかなるのでは?
TV番組「学校へいこう」の“未成年の主張”的なやつですね。「人事の主張」という感じですね。
人事の主張という動画コンテンツですね。
募集かけたら何人か応募してくれるかもしれませんね。
こんな感じで、一回全部のアイデアが出揃ったら、最終的にファシリテーターが主観で良いのでジャッジをします。
そんなわけで、今回一番良かったのは「恋愛記事」です!「単純にやったら面白そう」という理由から決めました。
なぜファシリテーターの主観で良いかというと、例えば、仕事をしていると僕らがどれだけ良いと思っていてもクライアントにとってはそうでもなかったり、一部のユーザーから大好評だったりと、アイデアの良し悪しは総意では決められないからです。
ちなみにポイントが付与されるようになっていて、最終的に選ばれたアイデアの原案を出した人が10ポイント。それにBETしてさらにアイデア追加した人が20ポイントとなります。
もとのアイデアを出した人よりも、そのアイデアに乗っかった人のほうがポイントをもらえるという仕組みになっていて、これも乗っかりを促すことにつながっています。
この他にも、さまざまなアドバンスルールがあるのですが、こうやって何度も繰り返してゲームを楽しんでいくことが基本的な流れになります。
基本的には「量を出す」ということと、「乗っかる」ということを高速でまわしていくことで、いくつものアイデアを生み出していきます。
ブレストを通して「変わるキッカケ」をたくさん生み出してもらいたい
もうすでにいくつか他社様で『ブレストカード』を導入していると聞いたのですが、どのような企業様が導入されているのですか?
産学官問わず、あらゆる企業や団体に活用していただいています。
パナソニック様では、新しい企画を出す際のブレストだけでなく、脳のリフレッシュも兼ねて『ブレストカード』を活用いただいており、「アイデアに広がりをもたらしてくれる」とのコメントをいただいています。
経済産業省様では、定期的におこなっている勉強会のテーマの一つとして、ブレストのワークショップを実施した際にカードを活用いただきました。普段の会議では出てこないワードやアイデアが飛び交い、「変なアイデアがたくさん出た笑」と、盛り上がりを見せていました。
ある企業の新規事業立ち上げのセクションでは、『ブレストカード』を活用して、「いつものミーティングより空気感が良くなった、沈黙することがなくなった」とおっしゃっていました。
その結果として、アイデアの幅も広がって順調に事業が進めることに貢献できているようです。
今後、『ブレストカード』について何か展望はありますでしょうか?
おかげさまで、最近は、小学校の授業で使っていただいたり、地域のコミュニティ活動で使っていただいたり、広がりを見せています。
私はこのカードやブレストはあくまでツールの1つだと思っています。目指すところは「変わるキッカケ」をたくさんつくっていくことです。
10年先どんな世界に変わっているかはわかりませんが、10年先も変わらないものはわかります。それは「変化し続けなければならないこと」。
その手段の1つとして活用されていくことになれば嬉しいなぁと思っています。
ブレストをもっとカジュアルで楽しいものにしていきたいです!
最近、企業では「効率化」とか「生産性」とかが重視されてきて、悪い意味で真面目になり過ぎていると思うんですよね。
そういう真面目なノリって息苦しいし、持続可能じゃないって思うんですよ。もう見ていて息苦しすぎる。人事部長がスカイダイビングしちゃった方が、組織がうまくいくこともあるかもしれないじゃないですか(笑)。
ストイックで、真面目で合理的で、妥当な文脈でしか聞き入れてもらえない企業文化やコミュニケーションの型を壊していきたいなって思います。
八木原さんの言うとおり『ブレストカード』はツール。手段でしかない。でも、その手段を使うことによって伝わるものもあるはずで、それをもっと重視して広めていきたいですね。
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