就労ビザ申請事例|行政書士が取得した事例をご紹介|エンジニア編 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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就労ビザ申請事例|行政書士が取得した事例をご紹介|エンジニア編

  • 労務
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監修 行政書士 細田 加苗

就労ビザが取得できるかどうかは「企業のカテゴリー」「申請者の学歴」「実際の業務内容」などによって異なり、ケースバイケースといわれます。

「ケースバイケースといっても、どのようなケースが取得できるの?」という疑問をお持ちの方に向けて、今回は現役行政書士の方に、実際に対応したエンジニアの就労ビザ取得事例について詳しく解説いただきました。

外国人エンジニア採用をご検討中の企業担当者様、そして、これから日本でエンジニアとして働くことを考えている外国人の方々の参考になりましたら幸いです。

・今回ご回答いただいた行政書士・

【監修】細田 加苗 東京都行政書士会新宿支部所属 

埼玉県出身。2018年慶應義塾大学法学部政治学科卒。2019年行政書士試験合格。外国人の方のビザ取得支援業務について、日々勉強中。夢は多文化共生社会の実現。

所属機関カテゴリー分類 カテゴリー1: 上場企業や、政府の様々な認定を受けている企業(参考 ※2020年1月現在)

カテゴリー2: 「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人

カテゴリー3: 「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円未満の団体・個人

カテゴリー4「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」がない団体・個人?

就労ビザ取得の事例紹介

早速、就労ビザの取得に成功した事例5つをご紹介します。

CASE01|近畿地方の産業用機器製作・販売会社/韓国人2名のビザ取得に成功

こちらは、企業規模、就労予定者の専攻内容と業務内容の一致などがたった3週間でのビザ取得につながった事例です。

企業情報

所在地 関西地方
企業カテゴリー カテゴリー2
外国人従業員数 10名/210名

就労ビザ申請スタッフ情報

国籍 韓国
ビザの種類 技術・人文知識・国際業務
学歴(学位)・専攻 大学:機械工学/金型
日本語能力

JLPT N2、TOEIC 655点:1名

JLPT N2:1名

申請詳細

  • 業務内容:機械設計
  • 申請してから結果が出るまでの期間:3週間

行政書士からの一言

審査が通りやすいエンジニア業務ですが、今回はそれに加えて企業規模もカテゴリー2であったり、内定者の専攻内容と業務内容が合致していたりと、許可が出やすい要素が非常に多かったです。

また、エンジニアの場合、語学力はそこまで必要とされない傾向にありますが、今回の外国人スタッフは高い語学力を兼ね備えていました。

そのため申請時には、「選考内容と業務内容が合致」している点や、「高い語学力」という点を雇用理由書にしっかりと落とし込むことを意識しました。

3週間という早さで認定証が発行されたのも、企業規模や、専攻内容と業務の一致という要素がそろっていたためではないかと思います。

CASE02|関東地方のビル管理会社/モンゴル人1名のビザ取得に成功

ビル管理という、警備や清掃といった「技術・人文知識・国際業務」のビザに含まれない業務を連想されてしまう可能性がある業種で、無事ビザ取得に成功した事例をご紹介します。

企業情報

所在地 関東地方
企業カテゴリー カテゴリー2
外国人従業員数 70名/3,600名

就労ビザ申請スタッフ情報

国籍 モンゴル
ビザの種類 技術・人文知識・国際業務(変更申請)
学歴(学位)・専攻 機械工学科
日本語能力 JLPTなどの合格証なし

申請詳細

  • 業務内容:総合職(管理者)
  • 申請してから結果が出るまでの期間:1カ月(在留資格変更許可申請)

行政書士からの一言

申請人の業務である「設備管理業務」は、ビル清掃やビル警備など、技術・人文知識・国際業務の範囲外である業務を含むと判断されてしまう可能性があると考えました。

そこで、設備管理業務がいかに高度な業務であるかを詳細に説明することに注力しました。具体的な業務内容としてあげたものの中から、いくつかピックアップして下に記載します。

●電気・空気調和、昇降機、熱源、給排水、消防などの設備管理 ●LCC計画 ●BCP(事業継続計画)対策の計画作成、立案 ●CADや設計に関する専門知識を用いた修繕計画の立案・実行 ●施工管理者として全体工程の調整やCADを使用した施工図の作成

業務内容はこれだけに留まりませんが、上記項目だけでもかなり専門性が必要であることが伝わるかと思います。

また、専門知識はもちろんのこと、

● 不具合の原因究明をするための論理的思考力 ●トラブルを冷静かつ的確に処理する力 ● ビルの根幹となる設備を担当することへの責任感 ● 外国人労働者の管理やスタッフ間の情報交換 ● 利用者からの声を聞くためのマネジメント能力や語学力 ● コミュニケーション能力

など、多様な能力が必要となることをアピールしました。

CASE03|近畿地方の産業用機器製造会社/ベトナム人1名のビザ取得に成功

企業側で用意した就労者のキャリアアッププランを活用し、開発エンジニアとしての業務内容もしっかりと示したことで、ビザが取得できた事例をご紹介します。

企業情報

所在地 関西地方
企業カテゴリー カテゴリー不明(法定調書の控えが無かったため)
外国人従業員数 1名/80名

就労ビザ申請スタッフ情報

国籍 ベトナム
ビザの種類 技術・人文知識・国際業務
学歴(学位)・専攻 機械工学
日本語能力 JLPT N4:1名

申請詳細

  • 業務内容:製造部技術開発課におけるエンジニア業務
  • 申請してから結果が出るまでの期間:2カ月弱

行政書士からの一言

外国人スタッフの業務内容としては、エンジニアとしての知識を活かした技術・機械の導入・企画・研究などがありました。具体的な業務内容は、以下の通りです。

● マシニングなどの新しい機械設備の導入・操作学習・標準化 ● 社内展開・社内の加工工程に自動化設備導入の企画 ● 導入・加工実績のない材質の加工研究 ● 加工技術の標準化、技術開発課が取り組むべき課題の策定 ● 計画立案 など

雇用理由書作成では、5年目を目安に技術者または管理者(グループ長補)に昇格してもらうといったキャリアアッププランを提示しました。

また、外国人の専攻内容と業務内容の関連性を示すために、大学で専攻した科目のうち業務に関連するとみられる科目を列挙しました。

上記のような取り組みの結果、無事1名のビザ取得に成功しました。

CASE04|四国地方の精密機器製造会社/ベトナム人2名のビザ取得に成功

専門知識を必要とする業務であることを伝えることに注力した結果、はじめての外国人採用でのビザ取得に成功した事例をご紹介します。

企業情報

所在地 四国地方
企業カテゴリー カテゴリー3
外国人従業員数 初採用

就労ビザ申請スタッフ情報

国籍 ベトナム
ビザの種類 技術・人文知識・国際業務
学歴(学位)・専攻 機械工学
日本語能力 JLPT N3:2名

申請詳細

  • 業務内容:製造部門に携わる生産技術エンジニア
  • 申請してから結果が出るまでの期間:1カ月

行政書士からの一言

外国人スタッフの業務内容は製造部門に携わる生産技術エンジニアでした。

技術エンジニアの業務内容はさまざまありますが、「加工や単純労働ではなく、あくまで専門知識を必要とするエンジニア業務をおこなう」という点を強調することが重要と考えました。

そこで、仕様書の作成や顧客への提案、作業員への指示出しなど、外国人スタッフの業務内容を可能な限り具体的に記載することで、専門性の高いエンジニア業務であることをアピールし、無事に許可をいただくことができました。

CASE05|中部地方の食品製造販売会社/ベトナム人4名のビザ取得に成功

取得までの期間はたった2週間!5年間の滞在ができるビザ取得に成功した事例をご紹介します。

企業情報

所在地 中部地方
企業カテゴリー カテゴリー2
外国人従業員数 10名/500名

就労ビザ申請スタッフ情報

国籍 ベトナム
ビザの種類 技術・人文知識・国際業務
学歴(学位)・専攻 化学系
日本語能力

N3:3名 N4:1名

TOEICは総じて500点程度

申請詳細

  • 業務内容:衛生管理業務
  • 申請してから結果が出るまでの期間:2週間弱

行政書士からの一言

外国人スタッフの業務内容としては、生産ラインとは独立した無菌空間のラボ(研究室)で「製品規格を満たしているか」を専門知識をもとに管理・報告し、メーカーの製品開発者と数値をもとに折衝をしてもらう、ということでした。

ライン作業(=単純作業)をおこなうのではないかと思われることを防ぐため、ライン作業をおこなうスタッフは別におり、外国人スタッフ自身はライン作業には従事しないということを強調しました。

そして、外国人の業務内容と大学で学んだ内容の関連性を示し、専門知識が活かせることの説明に注力しました。

企業様の規模が大きかったこともあり、2週間足らずというスピードで、5年の許可をいただくことができました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

エンジニアにおける就労ビザ取得には「業務内容と専攻やスキルの一致」「業務が高度な技術を必要とするものであることの説明」をしっかりと立証することがポイントといえそうですね。

HR NOTEでは、実際に就労ビザ申請代行を実施している行政書士法人に監修いただき、記事を展開しております。

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