近年、これまでエクセルやGoogleスプレッドシートを使って採用管理をおこなっていた企業が「採用管理システム」を導入するケースが増えています。少し前までは、採用管理システムは大掛かりで費用もかかるため、大企業のように大人数を採用する場合の導入がメインでした。
しかし最近では、中小企業のように少人数を採用する場合においても導入が増えており、多様な企業体で導入によるメリットが得られる状況になりました。
本記事では、「採用管理システムを導入するメリット」や「おすすめの採用管理システム」を紹介します。
目次
1.「採用管理システム」とは?
採用管理システムは簡単に言うと、採用業務を効率化するシステムです。主な特徴は以下の通りです。
1-1 エントリーを自動で振り分ける
従来のExcelを活用した管理方法だと、同時に複数の職種、雇用形態の求人をだす場合、応募者の管理や面接、選考の進捗管理がかなり煩雑になり、手間と労力がかかります。
採用管理システムを活用すれば、エントリーフォームを「正社員」「契約社員」「派遣社員」「パート」と雇用形態ごとに分けて管理することができます。また、どの応募者がどの雇用形態、職種で応募したかを記録できるため、手間をかけずに分類した状態で管理することも可能です。
1-2 自社のホームページから採用応募者数を増やすことができる
最近はインターネットの発展もあり、だれもが企業のホームページを閲覧できるようになりました。今やほとんどの企業が採用ページを設けるなど、求人情報を自社ホームページに記載しています。
一方で、多くの求職者の目にとまる魅力的な採用サイトを1から制作しようとするのは非常に困難です。多くの求職者の目にとまる採用ページにするためには、もちろん採用サイト自体の見栄えも重要ですが、それ以上にSEO対策をおこない、検索エンジン(GoogleやYahoo!)で上位に表示されるようにしなければなりません。
採用管理システムを活用すると、こういったSEO対策がほどこされた採用サイトを作成してもらうことができます。
1-3 選考がスピーディーになる
面接において「スピード」は重要です。選考期間が長くなると、選考中に他の企業から内定辞退する応募者が出てしまいます。だからといって応募者と話す時間を減らすと、それが採用のミスマッチにもつながってしまいます。そこで、面接や面談以外での工数をいかに削減し、応募者と直接話す時間を多く作れるかが採用活動を成功させる上での大きなポイントとなります。
採用管理システムを活用すれば、応募者や面接担当者に面接希望日時のヒアリングと希望日時のマッチングをおこない、日時確定の連絡、再調整までを一元管理することが可能です。また、この一元管理はPC上でおこなうので、日程調整を最適化し、必要以上に選考期間がのびることを防ぐことができます。
1-4 採用コストを削減できる
採用コストで占める割合が多いのは、求人広告を出したりエージェントに依頼したりする際にかかる出費です。採用管理システムを活用することによって、自社ホームページからの応募者数を増やすことができ、求人広告費などを削減することができます。
また、採用管理システムを活用すれば「採用率・辞退率」をチェックすることも可能です。辞退率が高い場合は、面接対応やスピードに問題はないか、ミスマッチが起きていないかを確認するきっかけになります。さらに、最適な求人広告を分析し、効果の薄い無駄な広告があった場合は、いっそのことなくしてしまうのもいいかもれません。
2. 効率化すべき採用業務の分類
採用担当者の業務をリスト化してみると、膨大な仕事量に改めて驚かされます。「採用担当者の業務をいかに効率化させ、長い労働時間を短縮させるか」は、日本の社会課題でもあります。
2-1 採用業務一覧
企業によって多少の違いはありますが、主な採用業務は以下の通りです。
<就職フェア>
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<会社説明会>
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<エントリー>
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<適正検査>
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<一次面接>
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<二次試験>
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<最終面接>
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<内定>
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<入社式>
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2-2 効率化すべき採用業務とは?
採用業務には、「じっくり注力すべき業務」と「誰もができる単純な業務」があります。前述の通り、「企業の将来の担い手となる人材の見極め」といった時間をかけて注力すべき業務以外のところでいかに工数を削減できるかが採用活動を成功させるポイントです。
以下では「効率化しやすい(すべき)業務」と「注力すべき業務」それぞれについて、例をあげてご紹介します。
面接、面談日の日程調整および案内連絡
応募者と面接官の都合の良い日時を確認して、面接・面談日を決めて連絡する業務。返信がない場合は督促も必要になります。
社内関係者へのタスクのリマインド
面接が滞ることのないよう社内関係者へのタスクの状況確認の連絡する業務。返信がない場合は督促も必要になります。
選考者のデータ管理
選考者の履歴書や面接などでの発言履歴といった採用にかかわる情報を管理する業務。面接によって面接官が異なるので、その間の情報引継ぎ作業を減らすためにデータ管理をおこないます。
会場手配
面接や内定式など、日程を決めて会場を確保する業務。
各種精算(交通費など)
最終面接や内定式など交通費や宿泊費といった費用を精算する業務。
求職者との面接・面談
企業にとって優秀な人材を獲得するためにもっとも重要な業務。求職者が自社にフィットしているかの見極めが必要です。
企業情報の作成
求職者に対して自社の魅力を伝え、働きたいという意欲を湧かせるための業務。
人材採用のプラニング
いつ、だれがだれと面接するかをプランニングする業務。辞退がでた場合の調整業務は特に重要になります。
内定者研修
内定者の技量を高める第一歩で、企業で活躍してもらうための下地作りをおこないます。
3. エクセル・Googleスプレッドシートの何がダメなのか
現時点では、「わざわざコストをかけて採用管理システムを導入しなくても、EcxelやGoogleスプレッドシート管理で十分では?」とお考えの採用担当者も多いかもしれません。以下では、ExcelやGoogleスプレッドシートを使った管理のメリットとデメリットをご紹介します。
エクセルのメリット・デメリット
Excelのメリットは費用がかからないことです。通常、他の業務でExcelを使うことも多いので、それを転用できます。デメリットは、複数の人で管理をする場合、更新のタイミングが重なったり、バージョンの管理が難しいことです。また、情報の更新漏れや入力ミスのリスクも発生します。
Googleスプレッドシートのメリット・ディメリット
Googleスプレッドシートのメリットは、無料であること、データの共有が容易であることです。デメリットは、更新漏れや入力ミスのリスクと、データが大きくなると処理スピードが落ちてしまうことです。
4. 採用管理システムはなぜ必要なのか?
今後、一層人材不足は深刻化し、さらに激化すると思われる採用競争。そこではなぜ、採用管理システムが必要なのかをまとめてみました。
1|応募者をデータ管理することで採用のミスマッチを減らせる
応募者すべてを一元データ管理できるので、「どのような業種から採用面接を受けて合格をしたか」「合格しても辞退するのはどういう経歴を持った人なのか」といった人材の傾向をつかむことができます。また、施策の効果が可視化されるので、「どの施策が効果的か」をつかむことができます。各傾向にあった施策を確立することで、欲しい人材の獲得につながります。
2|メッセージの自動送信設定ができるので送り忘れや漏れがなくなる
応募者が多い企業や複数の部門から募集をかける企業は採用担当者が複数人いることが多いです。その場合、採用担当者間でのコミュニケーション不足によってメッセージの送り忘れなどのリスクが生じます。採用管理システムで一元管理しておけば、メッセージの自動送信設定ができるので送り忘れや漏れはなくなります。
3|選考をスピーディーにおこなうことができる
採用管理システムを導入することで、今までかかっていた工数を削減できれば、採用をスピーディーにおこなえるだけでなく、面接の時間をもう少し長くとって、じっくりと求職者を見極めることも可能になります。
4|採用の人的コストを減らすことができる
もし初期費用がかかったとしても、採用はほとんどの企業が毎年おこなっているものなので、長期的に見ればそれほど大きな負担ではありません。人事担当者の工数削減などを考えると、トータルして採用にかかる人件費を減らすことが可能です。
5|一元管理で情報共有がしやすい
採用担当者や面接官が複数いた場合、選考者の情報を共有に意外と工数がとられてしまいます。採用管理システムを活用することで情報共有が容易になり、工数削減につながります。
5. 採用管理システム・サービスまとめ
「実際にどんな採用管理システムがあるの?」と少し興味がでてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ぜひいろんな採用管理システムやサービスを比較検討してみてください。以下では6つ厳選してご紹介します。
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- LINE連携しており、自動で選考の日程が調整できるため、工数削減が可能
- 月額5,000円での利用も可能なため、初めての企業でも導入しやすい
- 採用支援会社の開発ツールのため、サポートに追加料金がかからず、サポート内容の手厚さが強み
運営会社:株式会社ネオキャリア URL:https://official.mochica.jp/
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- 自動リマインドの設定により、LINE・ナビそれぞれの応募者に最適化されたメッセージの自動送付ができる。
- 応募者管理・日程管理・エントリーシートの提出・管理・マイページの作成など採用に必要な機能が充実。
- 応募から内定までの採用業務フローの作成やエントリー進捗もダッシュボード形式で共有することができる。
運営会社:Thinkings株式会社
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5. さいごに
いかがでしたでしょうか。
人手不足となりつつある現在、採用業務が重要視されています。採用業務は主に応募者を募ったり、面接などの案内をしたり、忘れてはいけない重要な業務が多いですが、比較的効率化しやすいのも特徴です。
効率化によって生まれた時間をじっくりと応募者を見極めるための時間に使うことができれば、入社後のミスマッチや早期退職の課題も同時に解決できるかもしれません。ぜひ、これを機に採用管理システムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。